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向本果乃子さん

迷ってばかりです。落ち込んでばかりです。お酒飲んでばかりです。でも、書き続けています。ネットに投稿するのは初めてなので緊張したのですが、今日初めて評価ポイントというものをいただいて、こんなにも嬉しいものかと思いました。たった一人にでも自分の書いたものが何らかの形で届いたということ、本当に嬉しかったです。読んでくださるすべての方に感謝します。ありがとうございます。

出没地 東京都の真ん中あたり
趣味 読書 お酒 英語 映画・ドラマ・バレエ・ミュージカル鑑賞
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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掌の

17/09/12 コメント:0件 向本果乃子 閲覧数:70

それはほんの偶然だ。落ち着こうとして、無意識に掌の中の小さな画面をいじっていた。眺めているだけで読んでなどいなかった。なのに彼女の名前を目にした瞬間、中学の放課後の空気が身体にまとわりつき、溶けて流れたアイスクリームの甘い匂いがふわっと鼻孔に香った気がした。

何があんなに楽しかったのだろう。涙を流すほどに笑い合いながら、いつまでも帰りたくなくて、このまま時間が止まってしまえばいいと思・・・

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めぐる

17/09/09 コメント:0件 向本果乃子 閲覧数:79

 ぽかぽかと春の日差しで暖かい車内で気持ちのよい揺れに体を預けているとあっという間に眠りに落ちる。息子夫婦と孫夫婦と三世代で暮らす自分の家では、こんな気持ちのいい眠りにつくことはできない。そんなことをぼんやり思いながら、今日も山手線の一番前の車両の端の席に始発から座る。

 松沢シキは、先月、八十五歳になった。足腰もまだしっかりしているし、頭だって呆けちゃいないけれど、八十を過ぎてから・・・

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とかげ

17/09/08 コメント:0件 向本果乃子 閲覧数:87

 その年の夏は煮えたぎるように暑かった。息を吸うと湿った空気が喉にべったりとはりつき、汗なのか湿気なのかわからない生ぬるい水滴が身体中を覆った。じっとり湿った大気を突き抜けて届く鋭い太陽の光が、通りを歩く人々にジリジリと容赦のない紫外線を浴びせている。その人々の中に、まだ十五歳の私がいた。
 夏休みの新宿駅南口前、午後2時。暑さもピークだというのに何の用があるのかあふれんばかりの人、人、人。・・・

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