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八王子さん

よく書きます。ジャンルや傾向はバラバラです。

出没地 名前の通り
趣味 サッカー
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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てきとーなママ

17/06/24 コメント:0件 八王子 閲覧数:104

「どうして海はしょっぱいの?」
 息子の悪癖が始まった。
 色んなことに興味を持つのはいいことだけど、すぐそうやって私に聞いてくる。
 テレビや絵本を見る度に「どうして?」「なんで?」が絶対出てくる。
 ある時はこうだ。
「どうしてヒーローは強いの? 世界を救うとなにがもらえるの?」
 日曜の朝から起こされて、そんなことを聞かれてもなにも答えられるわけがない。<・・・

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吾輩は吾輩とか言わぬ猫様である

17/06/20 コメント:0件 八王子 閲覧数:98

 吾輩は猫である。
 どこかの人間がそう言ったらしい。

 朝陽が昇る頃、僕は目覚める。
 体を休めていた建物の下で、うーんと伸びをすると、玉砂利の石を踏む音が近づいてくる。
「おはよう。猫さん」
 神主と呼ばれる人間だ。
 こいつは毎日竹ぼうきを持って掃除をしているが、正直うるさくて仕方ない。
 でも、雨風を凌げる寝床を提供してくれる。
「に・・・

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彼女はきっと

17/06/11 コメント:0件 八王子 閲覧数:110

「この先の丘の上には人魚がいる」
 保育園から一緒の大輔が小学校からの帰り道、正面に見える広場を指さして言う。
「あそこはただの広場だよ」
 小さい子供を連れた親子がレジャーシートを広げてピクニックをするには程よい場所だが、小学生ぐらいになるとボールを蹴って遊べるような平らな場所ではなく、小高い丘のようになっているため足が遠ざかる。
「母ちゃんが言ってたから間違いない」

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あなたの休みを一日ください

17/06/04 コメント:0件 八王子 閲覧数:114

 ある日、会社から休暇が言い渡された。
 なんでも今まで有給休暇も消化せずにいたため、上から指摘されたそうだ。
 しかし仕事人間の僕にも、たまの休みの日に運良くと言うべきか予定が入った。
「あなたの休みを一日ください」
 ビルを出た途端そう声をかけられた。
「ちょうど明日が休みですので構いませんよ」
 明日は何曜日だっただろうか。
 俯きながら震える声で呼・・・

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童話・大人の浦島太郎2nd

17/03/27 コメント:0件 八王子 閲覧数:180

 ある日、村に一人の男が現れた。
 誰もそいつのことを知らず、そいつは村の誰のことも知らなかった。
「僕は浦島太郎と言います。昔ここにあった家に住んでいたのですが」
 俺の自慢の家を奪おうとでもしているのか、村の中をうろちょろしては、あっちこっちで疎まれていた男は、日が傾きだしてから俺の家のドアを叩いて言った。
「そうかい。でもな、生憎だが、今は俺が住んでいる。漁に出て日銭・・・

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帰る場所

17/03/27 コメント:0件 八王子 閲覧数:134

 子供の頃、これに乗ればどこへでも連れて行ってくれると思っていた。
 おばあちゃんの家。
 遊園地。
 海に山。
 父と母と三人で。
 でも、大人になる前に知ってしまった。
 自分の足ではとても歩いて行けない場所に連れて行ってくれる電車にも限界があることを。
 どこにでも行けると思った電車は、敷かれたレールの上を走るしかなかった。

 子供の頃・・・

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タイムマシン

17/02/27 コメント:2件 八王子 閲覧数:224

「できちゃった、タイムマシン」
 塩川エミリ26歳――特に知識もないのに作れてしまったタイムマシン。
 場所は研究室やなんかではなく50歳を過ぎた両親と一緒に暮らす築20年を数える一軒家――そのトイレの個室。
「こんな簡単にできていいのだろうか」
 始まりは100日ほど前に遡る。

 その日、残業で帰宅が遅くなった私は、実家暮らしの甘えもあり夕飯に問題はなかった・・・

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かくれんぼ

17/02/23 コメント:0件 八王子 閲覧数:206

 小さな港町の子供たちの間で、ちょっとした遊びが流行った。
「かくれんぼしよーぜ!」
 だが、それは一度始まれば終わらない。

 セミが鳴く夏休み。
 海外線を望める神社の境内に集まる小学生や中学生の子供たち。
 本土から離れた離島では、テレビゲームで遊ぶよりも、海で潜ったり、日陰の多い神社で遊ぶことがほとんどだった。
「鬼は一人。その鬼が誰かを見つけたら・・・

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遠い彼女

17/01/31 コメント:0件 八王子 閲覧数:192

「あのさ〜、あれあれ。あれだよ、あれ」
 麻衣佳がミニストップのソフトクリームを舐め、あれあれと空を見上げながら言う。
 十二月の夜は寒くて堪らない。
 麻衣佳はマフラーと手袋、コートの下にも重ね着しているにも関わらず、寒空の下でソフトクリームを食べている。
 俺は自転車を押して、麻衣佳の歩調に合わせて歩く。
 学校帰りの寄り道はいつものことだが、冬の夜は早く訪れるし・・・

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一番星

17/01/16 コメント:0件 八王子 閲覧数:233

 誰かが言った。この街はロックだと。
 夜は賑わいを見せる歓楽街、新宿歌舞伎町とはいえ、始発も走らないような時間に街を歩き回る者は少ない。
 夜中から明け方にかけて捨てられたゴミを漁るカラスと、ぶくぶくと太ったネズミ、そしてそいつらに負けないようにゴミを漁るホームレスたちで小さな世界は構築されている。
 世界でも有数の豊かで暮らしやすく、安全を約束された国、日本であっても敷かれた・・・

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地球滅亡のその瞬間まで

17/01/09 コメント:0件 八王子 閲覧数:281

 年末の仕事納めの日であっても私の仕事は定時で終わらない。
 新宿から多摩にある賃貸アパートまでは片道一時間はかかる道のりだ。
 行き帰りの電車だけで、体力をごっそり持っていかれる。
「もう少し背があれば酸素が」
 満員電車の酸素濃度の低さを恨めしく思いながら、駅舎の外に出て改めて深呼吸をすれば空気が若干美味しく感じる。
 はあ、と吐き出した息が白く、手袋をしていない・・・

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言えないこと

17/01/08 コメント:0件 八王子 閲覧数:260

 仕事から帰ると温かい夕飯ができていたりはしない。
 それどころかどこの部屋も真っ暗で電気のひとつも点いていない。
「ただいま」
 壁のスイッチを押して電気を点けても、その返事が返ってこない。
 いつもより広く感じる物静かなリビング、大きなソファーは冷たく、大きなテレビも静寂を保っている。
「まずい、洗濯物干しっぱなしだ」
 買ってきたスーパーの買い物袋をキッチ・・・

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