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ナマケモノさん

地球最後の秘境に住むケモノです。

出没地 グンマ―
趣味 物書き。読書。
職業
性別 女性
将来の夢 紙の本
座右の銘 怠け者

投稿済みの記事一覧

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桜車窓

17/03/24 コメント:2件 ナマケモノ 閲覧数:177

 車窓の外で、桜吹雪が舞っていた。
「春ですねぇ」
 桜の花びらを眺めながら、婦人は口を開く。
 柔らかな陽光が彼女の霧髪と、笑顔を照らしていた。向かいに座る僕は、曖昧に笑ってみせる。僕と婦人しかいない車両には、電車の駆動音が広がるばかりだ。
 突然話しかけられても、どう返していいのやら。それとも、先ほどから婦人を観察していたことがバレてしまったのかもしれない。線路脇に植え・・・

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有翼猫飛行

17/03/14 コメント:0件 ナマケモノ 閲覧数:191

 朝日に、錆びついた飛行機が照らされる。その飛行機の翼から飛立つ影があった。
 猫だ。
 小さな猫が青空を目指し、体を大きくジャンプさせている。だが、彼が大空へ飛びたつことはなく、その体は重力の法則に従って地面に叩きつけられた。
 失敗した。猫のライトはまたもや飛行に失敗したのである。
 通算5555回目の失敗であった。

 
 ライトの猫だが、鶏の心を持・・・

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巡る、車輪

17/02/24 コメント:0件 ナマケモノ 閲覧数:215

 カラカラと自転車の車輪が回っている。
 自転車を横倒しにした状態で、少女が手でペダルを回しているのだ。大きな眼をぱちくりとしばたたかせながら、少女は回る車輪を見つめる。
 春の陽光を受けて、車輪は銀色の閃光を放っていた。
 その閃光の中に少女は人影を見た。
 自分にそっくりな、小さな女の子だ。その子が補助輪のついた自転車に乗って、土手を走っている。自転車の後方には、1人の・・・

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満月ビー玉

17/02/24 コメント:2件 ナマケモノ 閲覧数:246

 満月の夜にビー玉を見つめると、そこに亡くなった愛しい人がいる。
 そんな都市伝説が俺の小学校時代、密やかに流れていた。
「誰もいないぞ……」
 白い満月にビー玉を翳しながら、俺は苦笑する。正面に顔をやると、凪いだ海を月光が照らしていた。
 よく妻と夜の散歩にやって来た浜辺。今日はどうしても彼女に相談したいことがあってここにやって来た。
 だが、彼女には会えそうもない・・・

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ブラックサンタにご用心!

16/12/14 コメント:0件 ナマケモノ 閲覧数:251

 クリスマス。
 それは、救世主イエス・キリストがこの世に生まれた日。日本では、恋人たちが逢瀬を楽しむ日でもある。
 そんなカップルたちが賑わう街の一角で、爆発が起こった。



 爆炎が、夜空を照らしている。ビルを燃やすその炎を女性が宙に浮きながら見つめていた。
 彼女は、ミニスカートが際どい黒いサンタコスプレに身を包んでいる。長い足を組みながら、彼女は・・・

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大人課のサンタさん

16/12/14 コメント:0件 ナマケモノ 閲覧数:232

 どうして私のパパはサンタなんだろう。
 そんなことを思いながら、私は眼の前にあるショートケーキを見つめる。
 パパが買ってきてくれた、クリスマスケーキ。食べるのは私1人だから、丸いホールケーキではない。
 クリスマスイブの始まる前日に、パパはいつも私にたくさんのプレゼントを贈ってくれる。
 でも、クリスマスにパパはいない。仕事を終えて帰ってきたパパは、疲れ切って泥のように・・・

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5分間の演奏会

16/12/14 コメント:0件 ナマケモノ 閲覧数:279

 5分間。
 あの5分間に、僕はどれだけ助けられただろうか。今日は、その5分間の話をしようと思う。
 学校に通っている通勤電車の中で、僕はその5分間を体験した。入部している吹奏部活の朝練が重なり、かなり参っていた時期だった。
 朝起きても体が怠い。
 帰宅部の生徒よりも2時間早く電車に乗り込み、鬼の特訓が待っている音楽室に向かう日々は地獄以外の何ものでもなかった。
 ・・・

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微笑みの待ち時間

16/12/14 コメント:0件 ナマケモノ 閲覧数:266

「どうしよう、早く来ちゃったよ」
 腕時計を見て、私ははぁっとため息をつく。
 時刻は午後5時55分。待ち合わせ時間の6時より、5分も早い。
 たかが5分だが、侮れない。
 私にとって、恋人を待つ時間は苦痛以外の何ものでもないからだ。
 顔をあげると、クリスマスツリーがディスプレイされたショーウインドーが視界に入る。きらきらと輝くイルミネーションを映すガラスには、私の・・・

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