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ぴっぴさん

未熟者ですがよろしくお願いします

出没地 スタバ
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘 やくみつゆ

投稿済みの記事一覧

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知床のクマとネコ

17/06/29 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:23

140kgを超すであろう立派な角の牡鹿が一台のワゴン車とぶつかっていた。車は大破して横転し、辺り一面粉々になった部品などで道路は騒然となっている。撥ねられた鹿はすでに息を引き取り歩道を塞いで横たわっていた。その歩道を三十代くらいの女性が音楽を聞きながら走ってきた。ハンターならまだしも普通なら動物の死骸を気味が悪いと思うところだが、ピョンとまたいで何もなかったかのように走り去ってしまった。地元の人た・・・

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花火師

17/06/18 コメント:2件 ぴっぴ 閲覧数:96

二十三歳の彼は花火師になると言って、行き先も告げず突然アパートを出た。
四つ歳上の私は彼と結婚するものと思っていたが、その理想も花火のように散った。
「オレ明日の弁当いらないから」それが最後の言葉になり二年が経つ。その間メールや電話、なにもかも連絡を絶たれた。
腹が立つというか、呆れるというか......それからの私は飲むと愚痴が出て来て攻撃的になり、最後は自己嫌悪で涙して自分・・・

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虹の洋菓子店

17/04/13 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:170

「祐輔、お前がこの『虹の洋菓子店』を継ぐにあたって今一度、私の母、つまり幸子おばあちゃんの話をしておかなければなりません」
祐輔は幸子おばあさんの話と聞いて、誰も見ていないテレビを消して居住まいを正した。
「お前も知っていると思いますが、この虹の洋菓子店を起こした方です。私はどうしてもお前に幸子おばあちゃんの心意気を継いでもらいたいのです」

「幸子おばあちゃんがこの町に流・・・

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時空を越えたモノガタリ

17/04/07 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:187

「いやー あん時はたまげたべ」
聴衆からどよめきが漏れると同時に、報道カメラのストロボが激しくたかれた。
世界タイムトラベラーズ・サミットが10年ぶりに幕張メッセで行なわれていて、浦島太郎は日本最古のタイムトラベラーのパネリストとして壇上でスピーチしていた。
数人のパネリスト達の生の声を聞こうとタイムトラベル物を書こうとする作家や、映画監督、評論家などで会場は程よい緊張感に満ちて・・・

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すべてのわざには時がある

17/03/23 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:139

渋谷で降りようと思っていた。薄氷の下はマグマではないか、それくらいに東京の夏は蒸し暑い。人は汗ばんだ肌をお互い触れないように距離に気を使いながら電車に揺られている。五反田あたりで赤い服を着た若い女の子が隣に座ってきた。札幌では若い男の隣に若い女の子は座りたがらないものだ、しかし東京は気にしないで座ってくる。それが上京した時に感じたことだった。東京では当たり前なのだと思いながらも、恋人のように見られ・・・

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セカンド・プロポーズ

17/03/02 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:205

「永遠の愛って本当にあると思うか?」
居酒屋トークには合わない重厚さに戸惑った。外資系の先輩に失恋の愚痴を聞いてもらおうとバーのカウンターに二時間前から並んで座っている。客は自分たちを入れても五人ほどである。
「結論から言おう! 答えは『ある』だ!」

瞬間の愛もなかったのに永遠の愛なんて論外だよ。先輩。

「では、一つ踏み込んで『永遠の愛の作り方』を教えてやろ・・・

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カルティック・ウーマンの二ドル札

17/02/24 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:224

深夜のテキサスの何もない一本道を、一人の女性がヘッドライトだけを頼りに車を飛ばしていた。時速80マイル(128km)で走るにはそれなりの理由がある。この数ヶ月で六人もの女性が首を切られた無残な死体となって発見されていて、いまだ犯人は捕まっていない。死体の脇の下に二ドル札をはさんでおくところから『カルティック・ウーマン・ケース』とよばれた。
アメリカの二ドル札は悪魔の祟りがあるとされ、恐れた人・・・

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恐怖! 戸山公園

17/02/12 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:241

「お前、顔キモいわ」
カメラマンの男が言った。
顔に書いたお経が細かすぎたために、暗闇で目と口だけが際立っている。

「ハイ……僕はですね。深夜二時、新宿の戸山公園に来ています」
人気ユーチューバーになれなければ履歴書に書くことがない三十近い茶髪の男が言った。
「今は暗くて見えないんですけど、あっちに戸山ハイツって団地が建っていて! なんと! 1989年7月に工・・・

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イル・ポスティーノ

17/01/14 コメント:4件 ぴっぴ 閲覧数:414

以前住んでいたイタリアは、ヨーロッパの中でも屈指の郵便システムの血栓地帯だった。
場所によっては午前中か、遅くとも午後二時には終わってしまうのが普通の郵便局の中、ローマの郵便局は午後七時まで開いていた。
郵便局の窓口係は三つあり、その一つに初老の男性が不愉快そうな顔をして座っている。彼の態度はまるで郵便物を憎んでいるかの様だった。窓口に立つ人々が口々に苦情をぶつけるからなのかもしれない・・・

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ステキな二人

16/12/30 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:233

うらぶれたインテリアショップが立っていた。

店主は若い男である。

店の奥には価値ある品が置いてあった。

だが光の届かない暗い場所に誰も足を運ばない。

客は店の前に置いてある安物を買っていく。

20年以上も売れ残った価値ある品
……本当に買ってもらいたいのはこっちだと思い続けていた。

ある時ステキな女性が店を覗・・・

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【野球県】

16/12/05 コメント:2件 ぴっぴ 閲覧数:262

セリーグにもパリーグにも縁のない、とある地域が異常に野球を愛していた。

「スポーツニュースつけてくれや!」
仕事を終わらせて慌ただしく因幡春吉がリビングに転がりこんできた。
「ハイハイ、晩酌セットもテレビの前ですよ」
テレビをつけながら春吉の妻が言った。
『さあ、セパ両リーグの結果と順位表です。一位と二位が共に勝って順位の変化はありません。では!優勝争いが過熱・・・

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【継母の毒】

16/11/30 コメント:0件 ぴっぴ 閲覧数:354

漆黒の闇の中をアロンとヘレウスが郊外へ向けて歩いていた。
迫害が続くローマでキリスト者は、毎年クリスマスの日を変えた。
ミサに集まった所を一網打尽にするのが皇帝のやり方であったからである。
「我々はあなた方と同じように生きていた」
見張りの男が闇から声をかけた。
「あなた方も我々と同じようになるだろう」
アロンが答えた。合言葉である。
「よく来た」
・・・

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