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みんなのきのこむしさん

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投稿済みの記事一覧

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小さな盟友

16/12/23 コメント:0件 みんなのきのこむし 閲覧数:373

 リーレンは隠れ場所から外を眺めて、夜が開け始めたのを認めた。
 苔むした素焼きレンガの隙間から、遠くの森の上が仄白くなっていくのが見える。
 しかし隠れ場所からは、それ以上日の光をうかがえない。
 処刑に連れて行かれる途中、獄卒たちを振り切り、戦って何とか逃げ延びたのはいいが、そのために鼓動も呼吸もひどく速まっている。
 太陽と自分の身体、そのどちらを使っても、時間の経過・・・

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砂時計

16/12/23 コメント:0件 みんなのきのこむし 閲覧数:363


 ある日の午後、ジェン藩侯は久しぶりに狩りを始めた。
 何日か降り続いた雨が上がり、空は晴れ渡っているが湿気はまだ強く残り、ひどく蒸し暑かった。
 藩侯は日陰で扇風機の風に当たりながら、配下に命じて獲物を広大な庭園に放すと、狩猟専用に使っている大きく豪華な砂時計を逆さにした。
 様々な宝石を散りばめたプライヤーの木の柱と枠に、強化ガラスボディを入れ込んだ砂時計が、真っ白い・・・

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それぞれの事情

16/12/02 コメント:0件 みんなのきのこむし 閲覧数:388


「これは封じ絵にゃ」
 警備の依頼を受けた山寺併設の美術館に着いて、狙われているという室町後期の妖怪画を見るなり、妖怪特捜員の相棒、猫又のニャア太は、ろくろ首の僕に言った。
「封じ絵といっても、江戸時代に流行った絵を使ったナゾナゾではにゃい」
「ああ、分かるよ。法力や呪力によって妖怪の魂を紙に封じ込めたものだ。絵のように見える」
 そこには日本三大妖怪の等身大封じ絵・・・

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密かな楽しみ

16/11/30 コメント:0件 みんなのきのこむし 閲覧数:453


 私は毎夜の楽しみにネットのヤバい情報を漁っていた。
 妻と娘との夕食後、一時間ほど自分の部屋でパソコンに向かい、闇を垣間見る。
 性的倒錯、過激な政治主張、死体愛好……
 晩酌してからだと目眩がすることもある。しかしそれはそれで悪くない。
 もちろん家族はそのことを知らない。
 SEという仕事柄、パスワードを騙ることもある。
 しかし私程度に侵入される・・・

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今日のところは

16/10/24 コメント:0件 みんなのきのこむし 閲覧数:387


「今日のところはこれで勘弁してやる。次は容赦しねぇぞ」
 小鬼は泣きそうな表情で飛んで逃げ、妖怪特捜員のニャア太と僕を引き離すと、よくある捨て台詞を吐いた。
 ろくろ首の僕は頭部を身体から飛ばして追跡しようとする。
猫又のニャア太が止めた。
「もういいにゃ。あいつは当分悪さをできにゃい。」
「そうだね。かなり叩いた」
 小鬼は大した妖怪ではなく、人知・・・

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頭に咲く花

16/10/23 コメント:0件 みんなのきのこむし 閲覧数:416

 
 歩道で擦れ違う人たちのうち何人かの頭に、花が咲いていた。
 真っ青なガーベラ、蛍光ピンクのチューリップ、手の平ほどのラフレシア。種類も色も柄もばらばらだが、どれも人間には見えていないらしい。
 ろくろ首の僕は家に帰ると、妖怪特捜員の仲間、猫又のニャア太に、花のことを訊いてみた。
「花咲か仙人の仕業にゃ。あいつ、また現れたにゃ」
 人の頭に花を咲かせているのは、花・・・

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ひょうすべ

16/10/22 コメント:0件 みんなのきのこむし 閲覧数:474


 深夜、帰宅途中の青年が細い路地を曲がると、そのすぐ前を小柄な男が背中を丸めて、ひょこひょこと歩いていた。
 青年は多少の怪しさと煩わしさを感じながら、男に触れないぎりぎりの間隔で追い抜いて、先に行こうとする。
 男はその直前で振り返り、顔を露わにして青年を見上げた。
 小柄な男はつるっぱげで額に横皺の二、三本寄った平目顔、幅広く薄い眉をして細い目と大きな口が笑っているよ・・・

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提灯小僧

16/10/09 コメント:1件 みんなのきのこむし 閲覧数:432

「いた」
 思わず小さい声で言った僕の左肩で、三毛猫のニャア太が頷いた。
 僕たちの視線の先では小雨の降りしきる二十三時の歩道を、顔一面を血のような赤に塗った長髪で和服の少年が、自分と周りを照らす大きな提灯を下げて淡い影を従え、足早にまっすぐ進んでいる。傘はさしていない。
 まばらな通行人たちはその様子を、今時流行らないストリート・パフォーマンスと思っているようで、少し驚く以上は・・・

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