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比些志さん

ペーソスとおかしみの中にハッとさせられるなにごとかをさり気なく書いていきたいと思います。

出没地 横浜地区
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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エリート正義漢

17/05/08 コメント:0件 比些志 閲覧数:69

青天白日社は独自に開発したソーシャルメディアを武器に世界平和と再生可能環境の実現を理想に掲げる新興のベンチャー企業である。その社風は同社の社是が「正義」という一条のみに集約されていることからも明らかなとおり、社員のだれもが自分たちこそ正義そのものであると信じて疑わない様子であり、それゆえに自信と情熱にあふれていた。

その青天白日社の入社面談の会場にひときわ希望に燃える一人の紅顔の青・・・

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ユーレイになった教授と大福に関わる人生の定理

17/05/03 コメント:0件 比些志 閲覧数:116

教授は、甘いものに目がない。毎日、三時になると、自分の机の上でオヤツを食べるのを日課にしている。和菓子を食べることが多いが、洋菓子やアイスクリームやチョコレートも大好きだ。生徒たちからは、スイーツ教授と呼ばれている。

教授には女性の助手が一人いる。教授の片腕ともいうべき優秀な助手である。助手も三時になると研究室で教授といっしょにお茶を飲みながら時間を過ごす。しかしスイーツには手を・・・

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ウラジミールの冒険第一章

17/04/15 コメント:0件 比些志 閲覧数:98

ウラジミールとモモターリョとヒューミーコの幼なじみの三人は、多くの十代の仲間たちと凍眠カプセルに入ることを志願した。

地球は氷河期になり、人類が海底に移住してから千年ちかくがたつ。しかし、人口が増え、これ以上海底都市を拡張することがいよいよ難しくなり、やむをえず人口調整をすることになった。その対策のひとつが、若い人間を氷山の中で眠らせ、氷河期が終わるころに再生させるというものだった。・・・

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通勤電車

17/04/01 コメント:0件 比些志 閲覧数:116

その日は雨だった。電車はすし詰めの満員。今日が初出勤日。高校生のときから乗りなれた朝の通勤電車だが、真新しいスーツ姿で乗りこむと、心なしか気分も違う。ようやく自分も社会人の端くれに加わることができたというような誇らしさが、気持ちをたかぶらせた。しかし電車が走り始めると、その高ぶりが緊張に変わり、いやがおうにも吊革を握る手が汗ばみ始めた。ーー突然、停止信号で電車が止まった。なんのアナウンスもない・・・

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あなたの精神鍛えなおします。

17/02/12 コメント:0件 比些志 閲覧数:201

その店は新宿の大ガードをくぐって西口にむかう路地にひっそりオープンした。
店の名前はなく、ただ『あなたの精神鍛えなおします』という看板だけがぶら下っている。
安藤マミは歌舞伎町での飲み会の帰りに偶然その店の前をとおりかかり、看板の前で足を止めた。
こどものころからずっと精神力が弱いと親や教師に言われ続けた安藤マミにとって、それは心をくすぐる文句だった。
考・・・

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あなたの精神鍛えなおします。

17/02/12 コメント:0件 比些志 閲覧数:187

その店は新宿の大ガードをくぐって西口にむかう路地にひっそりオープンした。
店の名前はなく、ただ『あなたの精神鍛えなおします』という看板だけがぶら下っている。
安藤マミは歌舞伎町での飲み会の帰りに偶然その店の前をとおりかかり、看板の前で足を止めた。
こどものころからずっと精神力が弱いと親や教師に言われ続けた安藤マミにとって、それは心をくすぐる文句だった。
考・・・

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人間万事塞翁がラッキーポイント🤞

17/01/08 コメント:0件 比些志 閲覧数:646

野口六郎は朝ベッドで布団をかぶったまま寝ぼけまなこでテレビをつけたら、めざましテレビの女性アナウンサーが、「下三桁は304でした。304号室にお住みの方、おめでとうございまーす」とニコニコ顔で話している。昨日の晩のニュースで上六桁の数字が自分の地区の郵便番号だったことは知っていたが、まさか自分が当選するとは夢にも考えていなかった。

野口六郎はベットから飛び起き、パジャマの上に・・・

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優しさの湯

17/01/07 コメント:0件 比些志 閲覧数:259

優しさの湯という温泉ができたというので、青木は仕事帰りに一人で立ち寄ることにした。そこはサラリーマンやOLをターゲットにしている都市型のいわゆるスーパー温泉である。とはいえ天然の源泉掛け流しで、且つ体のみならず心まですっかり癒され、優しい気分に満たされると評判なのだ。
青木は受付をすませると、まっすぐ脱衣場に進んだ。とても清潔だし、店員の対応も気持ち良い。とりもなおさず汗ばんだスーツとシ・・・

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ほんの五分間の願い

16/12/15 コメント:0件 比些志 閲覧数:231

ほんの五分だけ世界中のありとあらゆる電気を消したら
たぶんきっと、だれも今まで見たことがないぐらいに
夜空は美しくきらびやかに輝くことだろう。

ほんの五分だけ世界中のありとあらゆる機械を止めたら
たぶんきっと、だれも今まで耳にしたことがないぐらいに
世界は深い静寂と生命力に満ちた自然の息づかいにつつまれることだろう。

ほんの五分だけ世界中のありと・・・

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聖夜の酒宴

16/11/21 コメント:0件 比些志 閲覧数:290

ここに来てもう二年になる。その夜、オレはダムの建設現場の仲間たちと宿舎の居間にいた。缶ビールとさきいかを手に、荒くれ男だけが集うわびしいクリスマスイブ。

となりに座っている初老の小男が頼みもしないのに新しい缶をあけ、笑顔をすりよせながらオレのグラスにビールをそそいだ。半年ほどまえにこの現場に来た男だが、笑うと恵比寿様のように目が垂れて愛嬌がある。どうやらオレに好意を持っているらし・・・

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赤毛の女と少年

16/11/12 コメント:0件 比些志 閲覧数:244

少年は私が守衛をつとめる美術館に毎日やってくる。
そして、立ったまま、だまってモディリアーニの赤毛の女の絵を見ていた。
私はなんどか声をかけたが、少年は言葉少なに返事をするだけで、決して笑顔は見せなかった。
それでも私は短い会話を通じて、少年の母親がその絵を好きだったことを知った。女のやせ細った顔が、病床の母親に似ているともいっていた。母親は一ヶ月前にガンでなくな・・・

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サムシング・グレート

16/10/29 コメント:0件 比些志 閲覧数:356

地球侵略をねらうマリモ型宇宙人にとらえられたヒネタ博士は、自宅の地下室の中でイスにしばられたまま、何時間も尋問を受け続けた。
「この尋問もそろそろ終わりだ。オマエら人類は明日滅亡し、この星は我々のものになる。さあ、最後にいいのこすことはないかね?」
博士はなにもいわず、ただ首を小さくよこにふった。
「………つくづくオマエらほどおもしろい生命体はない。これほど未熟でひ弱な意思と体・・・

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芝浜式治療法

16/10/17 コメント:0件 比些志 閲覧数:290

クマオは、人もいいし仕事もできるが、底なしの酒好きだ。ゆうべも浴びるほど酒を飲んだ。だれとどこで飲んだのかも覚えていないほど酔っ払い、おかげで今朝は二日酔いで目覚し時計が十回以上鳴っても起きようとしない。妻は業を煮やして、クマオの掛け布団をはがしとった。
「うるせえなあ、オレはねむいんだ………」
さらにさんざん言い訳してズル休みをしようとするクマオを、妻はなだめすかして東京の芝浦に・・・

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地球買収プロジェクト

16/10/13 コメント:0件 比些志 閲覧数:352

地球は完全に破綻した。人口爆発、戦争、大気汚染、森林伐採、資源の乱獲などにより自然の再生循環システムは崩壊し、一年中厚い雲に覆われた空からは、昼間でも日光が差し込まないばかりかほとんど一滴の雨さえもふらなくなった。寒さと水不足のために多くの生物や植物が死滅し、このままでは人間自身が滅亡しかねない深刻な事態となった。
この難局を乗り切るため世界中の国は統一政府をつくって、大改革を推し進め・・・

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記憶の年輪

16/10/09 コメント:0件 比些志 閲覧数:354

記憶には年輪があることがわかった。大脳皮質の裏側に年輪状のひだが見つかったのだ。そのひだを年代ごとに刺激すると特定の時代の記憶が脳内によみがえる。つまり外部から個人の特定の記憶をよみがえらせることが可能になった。とくに眠っている間にこの治療をおこなうと完全にその時代にタイムスリップした気分になる。
この画期的な発見は記憶喪失やアルツハイマーの治療、犯罪捜査などへ利用されはじめている。そし・・・

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一分後のオレ

16/10/01 コメント:0件 比些志 閲覧数:390

ある日からとつぜん、あいつはオレにはなしかけるようになった。あれはたしか強風にあおられて、点検中のマンホールに頭から落っこちそうになった時からだ。あいつはオレだが、いまのオレではなく、一分後のオレだという。あいつにはオレが見えるらしいが、おれにはあいつの姿は見えず、ただ声だけがきこえる。あいつはオレなのにいつもオレの悪口ばかりをいう。いつもドジばかりふんでいるオレもたしかに悪いが、それをあしざま・・・

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