1. トップページ
  2. ドーンヒルさんのページ

ドーンヒルさん

趣味は、読書,旅行,写真です。 主に、純文学系の作品を書きます。 よろしくお願いします。

出没地
趣味
職業 大学生
性別 男性
将来の夢
座右の銘 苦しむこともまた才能の一つである               フョードル・ドストエフスキーより

投稿済みの記事一覧

0

灼け落ちた星で

17/10/06 コメント:0件 ドーンヒル 閲覧数:83

 命を終えた星のように冷めた社会で好まれたのは、数少ないエリートが叫ぶ正義ではなく、宇宙の理に習った乱雑と混沌だった。奥底で燃える感情を爆発させ、犯罪に手を染める人は増える一方だったが、被害者を除いて騒ぎ立てるのは、野次馬か、灼け落ちた正義にしがみ付くジャーナリストぐらいだった。
 司法官憲としてのキャリアに終止符を打つ日がやってきた。朝刊の事件スクープに目を通すと、流行りの誘拐ネタが取り上・・・

0

アマの休日 プロの休日

17/06/04 コメント:0件 ドーンヒル 閲覧数:148

 時刻は六時をまわっていた。東の空が紅く染まり始めた。ビデオ屋で買い漁ったアニメの鑑賞を終えた隆司は、スマートフォンを手に持った。
 「もしもし」
 スピーカーから、張り合いのない声が聞こえた。
 「いや、これといった話ではないのだが……」
 言葉にならないほどの深い感動から覚めていなかった。家族という重厚な主題を、時にはコミカルに、時には涙を流すほど切なく描いた作品だった・・・

0

朝焼けに映える涙

17/03/25 コメント:0件 ドーンヒル 閲覧数:191

 急患を知らせる連絡が入ったのは、五時を少し過ぎた頃だった。雲の切れ間から顔を覗かせた太陽が、空を紅黄色に染めていた。烏の囁きが、遠くから聞こえてきた。
 「いつになく綺麗な朝焼けね」
 暁は、苦笑いを浮かべて、少しばかりしわになった、白衣に袖を通した。
 患者は、既に到着していた。睡眠薬の多飲による自殺を図った、若い女性だった。発見が迅速だったことと、薬自体がそれほど強力でなか・・・

1

旅立ち介在人

17/03/12 コメント:0件 ドーンヒル 閲覧数:202

 ネットサーフィンの末、隆司がたどり着いたのは、鈴木内科、という小さな、町のクリニックだった。こじんまりとした玄関、細い通路を抜けると、診察室、と書かれた部屋に突き当たった。恐る恐る、扉を開けると、初老の医師が、人懐っこい笑顔を浮かべて、隆司の方を向いていた。
 「的場隆司さん、ですね。院長の鈴木と申します」
 「お世話になります。あの、今日は、旅立ち介在人の件で……」
 鈴木は・・・

0

モノクロに射す灯

16/12/15 コメント:0件 ドーンヒル 閲覧数:333

 地上よりも、六百メートルほど天に近いビルでの作業を終えたのは、六時を少し過ぎた頃で、作り出された光が、星々の輝く大空を、黄色く染めていた。展望デッキには、クリスマスイブということもあって、多くの人が、スマートフォンを片手に談笑をしながら、思いを寄せていた。
 地上に降り立つと、大勢の人が、展望デッキへ向かうエレベーターを待っていた。一足早く、それも、一般人が入ることのない特等席で、一人、北・・・

0

旅人の告解

16/10/04 コメント:0件 ドーンヒル 閲覧数:407

 千九百九十九年十二月二十四日は、思考のタイムスリップを何百回繰り返しても、必ずたどり着く終着地である。人生の終焉をカウントダウンし始めて、まもなく十年が経とうとしている。社会から隔離された空間において、唯一の話し相手である定年間際の刑務官が与えた宿題の答えを見つけたのは、つい昨日のことである。
 午前八時十二分、山手線車内で殺傷事件発生。犯人は、ナイフを振りかざして、次々と乗客を切り付けた・・・

0

あの日の鐘は今日も響く

16/09/10 コメント:0件 ドーンヒル 閲覧数:852

 私が初めて鐘の音色に魅了されたのは、中学に上がって二週間後のことである。生まれつき貧弱で友人を作ることが出来なかった私は、入学早々クラスメイトの姿を静観していた。時折、一緒に遊ぼう、だとか、部活はどうする、などと声をかけてもらうことがあった。
 ありがとう。校庭に行こうか。
 心の中で強く叫んだ。
 ドッジボールをして、すぐに球が当たった。弱いな、と笑われた。
 うん、と・・・

  1. 1
ログイン
アドセンス