1. トップページ
  2. 因幡雄介さんのページ

因幡雄介さん

第一種冷凍機械責任者兼ライター。個人サークル小説制作所を運営。ホラー・ライトノベルを電子書籍にて出版。 《商業出版した出版社名》 ・インプレス ・竹書房 Amazon、楽天にて書籍発売中(http://inaba20151011.hatenablog.com/)

出没地
趣味
職業
性別
将来の夢
座右の銘 休めるときに、休んどけ。

投稿済みの記事一覧

0

少女天国

17/09/19 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:189

 白髪の男が見つめる窓ガラスの奥で、二十人の少女たちが遊んでいた。
 少女たちの年齢は十歳前後。皆白いワンピースを着ている。グループにわかれ、縄跳びや積み木やお絵描きなど、好きなものを手に取って遊んでいた。
 男の子と違う点がある。少女たちはよく雑談をした。
 女はコミュニケーションを大事にする生きものだ。太古から子を産み、育てることのできる能力を持つがゆえの運命なのだろう。彼女・・・

0

雪の季節

17/06/16 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:219

【1】


 真っ白な雪が降る山を、雪女は登っていた。
 服装は白地の着物だ。薄い紫の帯を胴部に巻きつけ、白足袋に草履で、柔らかな雪の道をシャナリシャナリと歩く。目指しているのは山小屋だ。
「ん?」
 丸太で建てられた濃茶色の小屋が見えてきたとき、なかに気配を感じた。
 いる。獲物が。
 ペロリと唇をなめる。ごちそうに、喉が鳴る。
 興奮を抑え・・・

0

告白免許

17/02/26 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:312

 史織さんと恋人になるには、自転車免許が必須だった。
 父親に聞いたけれど、昔は自転車を乗るのに免許は必要なかったらしい。だけど車の交通事故に比例するぐらい事故が多くなったときから、国はとある法律を制定した。自転車免許制の導入だ。
 国民の反対を押し切って作られたこの法律により、十歳以上の者が自転車学校の入学を認められるようになった。不便だと皆思ったけれど、無料バスやタクシーの充実によ・・・

0

こけし

16/11/23 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:464

 栗原は白シャツを着て、赤いネクタイをしめ、黒いコートを羽織っていた。
「サンタクロースって死に神みたいね」
 ラブホテルの白いベッドのなかで、不倫相手の明美がしゃべった。勤務する会社の事務員で、年は十個下だった。自分が四十八なのだから、三十八歳か。サンタクロースからプレゼントがもらえるんだよと、言われるよりかは大人の会話だ。
「どうして?」
「だって赤い服着てるんだよ? ・・・

0

愛を取り戻せ

16/10/02 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:516

 私が研究室で優雅にコーヒーを飲んでいると、突然博士がノックもせずに部屋に入ってきた。
「ミツコ君! 過去や未来に行ける、タイムマシンが完成したぞ!」
 博士は喜々として大声一発。
 黒い液体を吐きそうになるが、無理やり飲み込む。
「どうした? 早く来い!」
 せかす博士。
 ――この髭オヤジ!
 エレガントな時間をつぶされ不機嫌になる。
 自慢気に・・・

1

本屋の女王様

16/09/19 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:501

 ベッドの上で拘束されていた。
 体中を革のベルトでしめられている。動けない。手や足や胴、首まで強固な束縛用具がはまっている。
 部屋は高級感であふれていた。よくわからない彫刻がされた照明、誰が書いたかわからない絵画、白く取っ手の丸い棚。王女様が住んでいそうな部屋だった。
 ――俺、大学の学生寮で寝ていたよな?
 瞬間移動の超能力でも手に入れたのだろうか。
 どこだこ・・・

0

偽食

16/09/03 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:568

 私は料理学校卒業試験の会場で、緊張で吐きそうだった。
 筆記試験は良かったのだ。えんぴつを持って紙に書くだけだったから。実技は雰囲気がまるで違う。
 初老で白髪、銀縁メガネをかけた先生がにこやかな笑顔で立っている。バインダーに挟んでいるのは評価表だ。高得点の者が、有名ホテルの就職を決める。
 就職難の時代、料理学校を卒業しただけで職にありつくのは難しい。趣味で子供の頃から料理を・・・

0

自縛霊

16/08/21 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:575

 俺は幽霊屋敷と呼ばれる廃虚へ、片手で持てるデジタルビデオを持って踏み入れた。
 恐怖を体験したかったわけじゃない。人間関係に疲れたのだ。人以外のものを見れば、癒やされると思ってここにきた。
 生活は余裕がなさすぎる。朝の満員電車。うっとうしいクレーム電話。業績が悪いからと給料を減らす会社。厳しいノルマをかってに決められて、ヒーヒー言わなきゃならない。
 くだらない。死にたいぐら・・・

0

スパイ採用試験

16/08/05 コメント:0件 因幡雄介 閲覧数:821

 俺は会場に入り、指定された席に座った。
 周りにいるのは受験者だ。皆緊張した面もちをしている。えんぴつをナイフで削る、神社でもらったお守りをにぎりしめているやつもいる。
 数にして二十人。全員ライバルだ。試験で勝ち残った者が栄光を手に入れられる。受かる者はたった数人程度。
 スパイ養成学校の激しい訓練を思い出す。厳しい鍛錬に耐えられず、脱落するやつは多くいた。俺はあいつら弱者と・・・

  1. 1
ログイン