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猫野まちさん

東野圭吾と恩田陸が好きな女子学生です

出没地 書店、映画館
趣味 読書、映画鑑賞、ピアノ
職業 学生
性別 女性
将来の夢 図書館司書
座右の銘 yesterday is the past. today is the now. tommrow is the future.

投稿済みの記事一覧

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エチュードと銃声

17/06/11 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:240

 「パパの車庫には近づいちゃいけない」
 わたしは幼い頃から母にそう言われていた。
 父の車庫からは、時々とても大きな音でクラシックの音楽が流れていた。
 あれはブラームスの交響曲第3番。これはビゼーのカルメン組曲。ガーシュインのラプソディー・イン・ブルー。ルロイ・アンダーソンのシンコペイテッド・クロック。
 時折聞こえるその音楽に、母は耳を澄ませわたしにその曲名を教えてく・・・

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虚無

16/12/17 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:319

 耳をつんざく目覚ましのベルで私は起きた。
 とても深く眠っていた。そんな感覚が寝起きの私を襲う。
 何か夢を見ていたような気がする。何だったっけ、と思い出そうとするとずきりと頭が痛んだ。
 目覚まし時計は無機質に6時半を指している。
 重たい体をやっとの思いで起こし、つめたい床に足を下ろす。
 下からお母さんの声と目玉焼きの香りがした。

 ・・・

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彼女

16/11/25 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:374

 街は煌びやかなイルミネーションと響き渡るクリスマスソングで賑わっていた。
 街を行く幸せそうな恋人たちを横目に僕は走る。
 白い吐息はやがて空気に混じり、溶けた。
 ―おまえはひとりなのか。
 ―かわいそうに。
 ―うらやましいだろう。
 目は口ほどに物を言う、というのはこのことか。冷たい視線が凍える体に突き刺さる。
 違う。僕にだって待っているひとがい・・・

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親友

16/09/04 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:638

 彼女は人生を本に捧げていたと言っても過言ではない。
 彼女にとって本は最愛の親であり、夫であり、親友であり、教師だった。
 傍からみれば彼女は生涯孤独で死んでいったかわいそうな女である。
 しかし、彼女はいつも幸せに包まれていたのを、私は知っている。

  ・・・

 幼い頃、私は両親を亡くした。
 今でも覚えている。私が7歳のときだ。8月16日金・・・

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狂気

16/09/03 コメント:6件 猫野まち 閲覧数:788

 「ごめんね」
 彼女の口はそう動いていた。
 引き金の引かれる音と周囲のどよめきが聞こえたのは束の間。
 教室に銃声が鳴り響いた。

  ・・・

 「牧野由佳は中学二年生の13歳、俺の姪だ。
 何もかもを見抜かす様な大きな目、常に口角が少し上がった艶やかな口元、長い睫毛の影が落ちた桃色の頬、桜の香りを微かに感じる綺麗なロングヘア。
 小さい・・・

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無知 ・前・

16/07/07 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:548

 独特の匂いが私の鼻腔を刺激した。
 部屋に一歩入り、ぺこりと小さくお辞儀をする。
 長机を囲みおしゃべりしていた人たちの中の一人が何やら囁くと、一斉に皆がこちらを向いた。
 その迫力に後ずさりしそうになったが、なんとか踏みとどまり父から聞いた「ツルミさん」を探した。「ツルミ」がどんな字かも分からない。普通に考えると「鶴見」さんだ。
 壁にフェルトで描かれた「ゆるり」の字。・・・

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挨拶

16/07/06 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:460

 部屋の空気が凍っていた。
 一カップのヨーグルトを彼女は一気に飲み干すと、深いため息を吐いた。
 彼女がこちらを振り向きそうになったので、慌てて半ドアになっている引き戸に身を隠す。
 すぐそこまで出かかった「おはよう」は、やがて私の口からただの空気となって出て行った。
 なんだか悲しくなってきて、視界が潤むのを感じたので、足音と息をひそめベッドへ戻った。

<・・・

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愛情

16/06/20 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:439

 「明日、弁当いるって。」
 こういうと、母は決まってこう返した。
 「えー、じゃあ、いつもの焼肉弁当でいいの?」
 私は母が作ってくれる弁当でその「焼肉弁当」以外食べたことがなかった。
 「焼肉弁当」というのは、二段弁当の下の段にオカズが入っていて、上の段にご飯と焼肉が入った簡素なお弁当だ。だけど、私はそれが大好きでもあった。
 
 
 私の母は、夜に仕・・・

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思考

16/06/19 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:503

 「考える」ことは人間に与えられた最大の幸福だ。
 考えることにより自分の人生に最適な道を選べるよう設定されているはずなのである。しかし、その使い方は人によって違う。その違いの理由となるのが、賢さだ。いかに物事を客観的に、倫理的に捉えられるかによって人それぞれ選ぶ道は全く違うものとなる。たとえば仕事だ。好きな職業は自分の趣味、嗜好で決まることが多い。だが、望み通りの職に就ける人間はほんの一握・・・

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予想

16/06/19 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:542

 「太陽の匂いがする。今日は快晴かも」
 「何それ?そんなのしないよ。・・・ほら、いつもと何も変わらない」
 「するって。なんていうのかな・・湿った感じの・・あー、わかんない」
 「まあなんでもいいんだけどさ。で、どうするの。」
 「僕は欲しいと思ってるけど、亜美はどうなの?」
 「・・・分からない。産みたいけど、産みたくない」
 「うん、もうちょっと悩んだらい・・・

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空想

16/06/18 コメント:0件 猫野まち 閲覧数:473

 こんなことを考えていた。
 今俺が食べているこの蕎麦の一本が突然口を利けるようになり、そして泣き始めるのだ。お願い、お願いだから食べないで、と。仕方なしに箸を置いてふうーっと目を瞑りため息をつく。そして目を開ければそこは先ほどまで賑わっていた蕎麦屋でなく、壁が全面金箔で覆われた城が立ちはだかっている。どういうことだと辺りを見渡そうとすると横にはこれまで見たこともない絶世の美女が!そして彼女・・・

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