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かるりさん

のんびりきままなやつです。 2回読みたくなる短編が目標。がんばります。

出没地
趣味
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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住民皆304

17/01/17 コメント:2件 かるり 閲覧数:449

「ヨナガと申します」
 ドアを開くと若い女性が立っていた。そして今日5回目のあのセリフを言う。
「304号室に住んでいます」

***

 それは夕方から始まった。

「304号室のドイです」
 最初は初老の男性だった。
 引っ越しの挨拶といえば、引っ越してきた側が先住者を訪ねるのが定番だが、今回は先住者側から訪ねてきた。ドイさんが変わっ・・・

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腐るボタン

17/01/10 コメント:3件 かるり 閲覧数:438

「腐りますか?」
 案内人を名乗る男が取り出したのは、怪しげな装置だった。
 装置はたばこの箱と同じぐらいの大きさで、中央に赤いボタンがついている。ポチッと押したくなるデザインだが、その気になれないのはボタンの下にDANGERと書かれているからだ。
「危険と書いてあるぞ」
「教えて頂きありがとうございます。英語が苦手なものでして」
 恭しく頭を下げた後、案内人が言った・・・

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アニラスの花畑

16/12/26 コメント:0件 かるり 閲覧数:477

 さらさらと音を立て揺れる葉桜。雲1つないスカイブルーの空に感情はあるのだろうか。

 外へ出たくなるよく晴れた日だった。デスクに置かれた本日の来客リストが、解放的な気持ちを抱くのは僕だけでないのだと教えてくれる。僕のリストに20人以上いるのだから、同僚のところにも大勢のお客様が訪れるのだろう。
「よし……番号札1番の方。診察室へお入りください」
 いつもより早く、準備を終・・・

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キヨシこの夜に、赤鼻の戸中井さんとお届けに伺います

16/12/19 コメント:0件 かるり 閲覧数:386

 キヨシはクリスマスが嫌いだった。その理由は2つある。
「この日に人が死ぬと決まってこう言うんだ」
 空っぽの缶を蹴り飛ばして、赤い服を着たキヨシが呟く。それはブラックコーヒーの苦みが混じった声だった。
「サンタさんが連れていってしまったのよ、と」
 空き缶は公園の花壇へ転がって夜に溶けた。隣に立っていた相方の戸中井は缶の転がる音が聞こえなくなってからようやく、重たそうに唇・・・

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父の蕎麦、近づく僕

16/06/30 コメント:0件 かるり 閲覧数:530

「今日、タカシくん家は遊園地に行くらしいよ」

 ふて腐れた僕の言葉に、父は手を止めなかった。大きな背は丸めたままで振り返ることすらしない。
 日曜の午前に映し出されるのは、家にいるより会社にいる時間の方が長い父と、休日を満喫する僕、そして僕たちのやりとりを眺めて微笑む母。変わらないいつもの光景だ。
 父は蕎麦を打つのが好きで、休日になれば台所に立ち、僕たちに手作りの蕎麦を・・・

3

土竜のみる夢

16/06/07 コメント:2件 かるり 閲覧数:670




――きょうもきこえるよ。あめがふっているね。


――――そうね。





――だいじょうぶかな。おうちがこわれないかな。


――――大丈夫だよ。お家は壊れないよ。





 僕はまだ会ったことがないけれど、外の世界にはニンゲンがいるのだと聞く。
 ニンゲ・・・

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