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子無狐さん

たまに小説書いてます。 Twitter:https://twitter.com/afox2212

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将来の夢
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投稿済みの記事一覧

1

写る仮初めを切り取って

16/08/19 コメント:0件 子無狐 閲覧数:866

 ――『私』を殺して。あなたのカメラで。

 一眼レフの絞りを調節し、焦点を合わせる。
 液晶の中には、なんの変哲もない、学校の一部屋が写る。
 使い慣らしたステンレスの机と、古ぼけて色の薄まったロッカー、それにマニュアルなどが収められた本棚が並んでいる。
「良い部屋よね。人が立ち入らなくなって、少し経ったから、より良いわ」
 そう呟くのは、隻州院 眞子 [せき・・・

1

タイミング

16/07/03 コメント:0件 子無狐 閲覧数:797

「終わりにしよう」
「えっ」
 ぶちり、と口元の蕎麦を噛みちぎってしまう。
 ずるっ、と口元の蕎麦を吸おうとしていたのに。
「今、なんて……」
 口元の笑みが、ちょっと歪んでいるのがわかる。
 でも、聞かなきゃいけない。
「今の関係を、終わりにしたい」
 ――えっ、今、年越しだよ?
 ハロウィンもクリスマスも仕事で忙しく、ろくに時間を過ごせず。・・・

4

音の雨を共に

16/06/04 コメント:3件 子無狐 閲覧数:698

 彼と私が出会ったのは、雨の日だった。
 ざあざあと降り続く音は、室内にも陰を落とす。
 初夏であったこともあって、湿度も高い。私の調子は、そんな日は特に悪い。身体のチューニングがズレやすくなるのだ。
 だけれど、そんな私のなにが気に入ったのか。
 彼は一目見た私へ、熱心に語りかけてきたのだ。
 そして私の身体ごと、そのまま雨の降り続く外へと連れ出し、自分のステージへ・・・

3

うつるのかな

16/06/04 コメント:0件 子無狐 閲覧数:658

 不思議なお客だった。
 長い黒髪と、ガラスじゃないのってくらいに白い肌。着ている服も、このアース[地球]の住人にしては、ほこりっぽさがない。
 雨の日だけ、このカフェーにやってきて、一杯のコーヒーを頼んで帰っていく。
 初めて見かけてから、三ヶ月くらいか。
 区画管理や大気清浄がなされている土地とは言え、そのお客の雰囲気はちょっと異質。
 晴れの日なら、匂いも汚れも・・・

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