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蹴沢缶九郎さん

どうもはじめまして、蹴沢缶九郎と申します。暇つぶしに読んで頂ければ幸いです。「小説家になろう」でも同ニックネームで掌編小説を書いてます。http://mypage.syosetu.com/707565/ よろしくお願いします!!

出没地
趣味 ツーリング スノーボード ラーメン食べ歩き
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘 明日は明日の風が吹く

投稿済みの記事一覧

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メロディ

17/05/24 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:45

小学三年生になる美咲という女の子がいた。ある時、美咲の頭の中にメロディが思い浮かんだ。そのメロディはどこか懐かしく、不思議と心が落ち着く優しいメロディだった。
だが、美咲はそのメロディが一体どこで聞いたメロディなのか、思い出せないでいた。CMの曲か、お母さんが観ているドラマの主題歌だったか、はたまた自分が好きなアイドルの曲だった気もしないでもなかったが、そのいずれも違うようだった。
友・・・

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パム

17/05/24 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:45

新しい楽器を作った男がいた。その楽器はクラリネットのような管楽器や、ギターのような弦楽器ではなく、また、ドラムのような打楽器や、ピアノのような鍵盤楽器とも違う、今までにない全く新しい楽器と言えた。

男は楽器にパムと名付けた。もっとも男からすれば、楽器の名前などは何でもよく、「ないと呼ぶ時に困る」から付けた、その程度のものであり、重要なのは楽器の音の方にあった。
パムの不思議な音・・・

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慰め

17/03/27 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:92

女は落ち込んでいる相手に聞いた。

「キリンの首は何故長いのだと思う?」

突然の問いに戸惑いながらも相手は答えた。

「う〜ん、何ででしょうか? …遠くの景色が見たいから?」

「うん、まあ半分正解。体が大きいと敵に見つかりやすいのだけれど、それは反面、敵を見つけやすい事にもなるから…。あとは、高い所の木の葉を食べる為ね」

「そうなん・・・

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万能なカギ

17/02/28 コメント:2件 蹴沢缶九郎 閲覧数:249

泥棒である男が仲間にカギを見せて言った。

「これは苦心の末、やっと完成した万能カギだ。このカギさえあれば、この世のどんな物でも開ける事が出来る」

男の説明に、仲間は「そんなバカな話があるか」と疑う。

「お前が疑うのも無理はない。百聞は一見にしかずだ」

と、男は大小様々な金庫を用意し、万能カギを使い全ての金庫を開けてみせた。

「こ・・・

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17/02/28 コメント:2件 蹴沢缶九郎 閲覧数:216

「もうこんな時間か、そろそろ寝るかな」

時計の針は深夜の二時を指していた。ここは博士の自宅兼研究室である。博士はその日の仕事を切り上げ、寝室へ行こうとしたところへ、研究室に来客を知らせるインターフォンが鳴った。

「一体こんな時間に誰だ」

博士が研究室のドアを開けた途端、突然来訪者が室内に飛び込んできた。来訪者は懐から取り出した刃物をちらつかせ博士に言う。<・・・

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道路工事

17/02/13 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:161

「なんだ、ここも工事中か」

車で片側が工事中の道路に差し掛かった男は、誘導灯で停止を指示する交通誘導員を恨めしく見た。
年度末、不思議と道路工事が増える時期、何らかの事情はあるのだろうが、彼らの内情など知った事ではない道路利用者にとっては、全くもっていい迷惑である。

それから程なくして、交通誘導員は停止の指示を解き、ドライバーである男はそれに従い、車を発進させてい・・・

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憧れの街

17/01/19 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:231

『人に好かれる街』とは、どこぞの地域都市再生事業の謳い文句だったが、その逆、『街に好かれる人』というのがあるのも、私は自身の経験で知っている。

その日、私は休日を利用し、田舎から電車を乗り継ぎ、大都会新宿へと遊びにやってきた。私はまず、電車を降りて、駅を利用する人の多さに驚く。人の密度に息苦しさを覚えるが、とはいえ、田舎育ちの自分からすれば、新宿は憧れの土地であり、それぐらいはどう・・・

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木目

17/01/03 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:260

天井の木目が人の顔に見えて仕方がない。たまに建物の窓や、ちょっとした家具のネジ等の組み合わせが顔に見えるのと同じだ。
布団に入り、約十分程、電球のぼんやりとしたオレンジ色に照らされた木目を見ながら、「あの木目ははたして男なのか、女なのか…」と、割とどうでもいい事を考える。あの力強さを放つ目は男の様な気もするが、あの口の色っぽさは女である。
自分でも呆れる事に頭を使っていると、いつしか眠・・・

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引っ越しの朝

17/01/02 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:195

引っ越し当日の朝、私は長く暮らした決して広いとは言えない室内を見渡し、それまでの思い出にふける。
暮らし始めた当初は、こんな部屋にしか住めない自分を恨んだものだが、実際に暮らしてみると、これが意外と居心地良く、あまり荷物を持たない私には丁度いい事がわかる。きっと分相応なのだろう。
壁の染みや傷、窓からの景色、今となっては全てがいとおしい。名残惜しいが、今日でこの部屋ともお別れなのだ。次・・・

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1LDKC

16/12/19 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:198

一人身の男が新しい部屋を探しに不動産屋へやって来た。男を迎え入れた担当者は、男の希望する物件の条件を聞き、一件の物件を紹介した。

「お客様の希望を満たす物件となりますと…、こちらの部屋などはいかがでしょう? 最近入ってきたばかりの優良物件です。駅から徒歩三分、近くにスーパーがあり、家賃は六万円と相場よりお安く、なにより新築アパートの1LDKCです」

「新築か…、良いね」・・・

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魔法のポケット

16/12/19 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:227

おやつの時間、弟が兄に言った。

「お兄ちゃん、僕のポケットはね、魔法のポケットなんだ。だからビスケットを入れてポケットを叩くとビスケットが増えるんだよ」

弟の言葉に、兄は笑いながら言う。

「それはビスケットが増えているんじゃなくて、ただビスケットが二つに割れただけさ」

しかし、その説明に納得のいかない弟は、

「嘘じゃないよ、見て・・・

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早く速く

16/12/05 コメント:2件 蹴沢缶九郎 閲覧数:253

「すいません、遅刻しました」

その日も遅刻をした田中助手が、慌ただしく研究室のドアを開けて入ってきた。そんな田中助手を、自分の席から慣れた様子で見ていた鈴木博士が呼んだ。

「おはよう田中君、ちょっと来なさい」

「あ、博士おはようございます。何でしょう?」

自身の遅刻癖について一言言われるのだろうと気づいていた田中助手が、白々しく「何でしょう?・・・

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少年とサンタクロース

16/11/27 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:277

夜、寝ていた健太少年は物音で目を覚ました。音のする方に目をやると、そこに赤い服の立派な白ひげを蓄えた、優しそうな老人が立っている。健太少年は、その老人がサンタクロースである事を一目で確信した。

「おじいさんはサンタさんでしょ?」

「おやおや、見られてしまったね。その通り、私はサンタクロースだよ。メリークリスマス」

「やったー!! サンタさんだ!!」
・・・

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価値観

16/11/21 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:246

美術館の壁に飾られた一枚の絵がある。

赤や青、白や黒といった様々な色が織り混ぜられ、あらゆる直線や曲線が交差し、おおよそ形を成していない。「これを描くのに一ヶ月かかりました」と言われればそんな気もするし、「目をつぶり見ないで描いた」と言われれば信じるかもしれない。見ようによっては芸術にも見えるし、ただの落書きの様にも見えるそんな絵。

ある人は、「この絵には数十億の価値が・・・

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アニマルチェンジクラブ

16/11/19 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:356

『あなたも別の動物になってみませんか?』

なんともチープな謳い文句が書かれた、アニマルチェンジクラブの看板に見事心を掴まれた彼女が言った。

「ねえねえ、別の動物になれるんだって。面白そう、入ってみようよ」

そんな彼女の言葉に、彼氏はうんざりした様子で言う。

「ここはつまらないからやめておこう」

「入った事あるの?」

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上位の会話

16/11/08 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:283

ある競技で世界一位の男が、余裕綽々と言った。

「ああ、追われる身も辛いものだ」

その言葉を側で聞いていた世界二位の男が言う。

「安心してください。あなたの座はもうじき私が頂きますよ」

「楽しみにしているよ」

そんな二人のやり取りに、世界三位の男が加わる。

「お二人さん、俺の存在を忘れてもらっては困る。虎視眈々とあん・・・

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観る目

16/11/07 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:285

とある美術館の壁に飾られた一枚の絵を前に、三人の評論家達がもっともらしい顔つきで語っている。

「この抽象画は大変素晴らしい。特にこの直線の力強さ、描き手の真っ直ぐな信念が伝わってくる」

その言葉を聞いた別の評論家が頷いて言った。

「まったく同感です。そして力強さだけでなく、曲線の繊細さ。描き手の心の優しさが表れています」

また別の評論家は、<・・・

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どこかの行列

16/10/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:309

私は行列に並んでいる。その行列が一体何の行列で、どこまで続いているのかを私は知らない。「行列があったら並びたくなる」というのが群衆心理らしく、私もご多分に漏れず行列に加わった。行列があり、気になったから並ぶ。行列に加わる利用などはその程度で良いのだ。

だが、やはり行列の正体を知らないのも気持ち悪く、私は前に並んでいる人物に聞いてみた。

「すいません、これは何の行列ですか・・・

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頑固者

16/10/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:314

「もう食べなくていいよ。お代はいらないから帰ってくれ」

ラーメン屋の店主は、まだラーメンを食べている女性客に冷たく言い放った。女性客は何故といった表情で店主を見返す。

「あのね、香水臭いんだよ。それじゃあ俺が作ったラーメンの薫りが楽しめないだろ? 他のお客さんにも迷惑だから、お代はいらないから悪いんだけど帰ってよ。もう二度と来なくていいから」

他の席の客達・・・

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優しい装置

16/10/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:338

あるバイクメーカーから最新のバイクが発売された。そのバイクは危険を察知すると、瞬時に車体の半径一メートルをバリアが囲み、乗り手とバイクを守る、バリア発生装置を搭載していた。

そんな最新のバイクに乗ってツーリングを楽しんでいる一人の男がいる。
男は高速道路をスピードを出して走っていた。男は自身の運転技術を過信しており、何よりもバイクを過信していた。

「俺のバイクは万・・・

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やってきた男

16/09/15 コメント:2件 蹴沢缶九郎 閲覧数:680

道を歩いていると、突然目の前に現れた見知らぬ男が、私を睨みつけて言った。

「おい、お前に言われた通り来てやったぞ」

しかし、そう言われた所で私はこんな男など知らない。

「すいませんが、どちら様ですか? 誰かと間違えているようですが…」

「いいや、確かにお前だ」

男からは怒りを抱いている様子が感じて取れた。私は自分の気づかぬ内に、・・・

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16/09/13 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:588

強欲な男がタイムマシンに乗って、遥か昔の時代にやってきた。その時代の生物で一儲けを企てていた男は、麻酔銃を使い、手当たり次第に生物を撃っては捕まえていく。

最後に一匹の猿を捕獲し、男は元いた時代へと帰っていった。しかし男が捕獲した猿は、麻酔銃に撃たれたショックと変化した環境に適応する事が出来ず、日に日に衰弱していく。

猿の様子を見ていた男は、

「こいつが死・・・

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先の話

16/09/13 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:561

夜、人気のない道を歩いていた青年にスーツ姿の男が声をかけた。

「こんばんは、君は川口君だよね」

「そうですが、あなたは誰ですか?」

「突然こんな事を言って信じてもらえないだろうが…、簡単に言うと、私はタイムマシンに乗り、未来の地球からやってきた者だ」

確かに何を言っているのかと思ったが、いたって真面目な口調の男に酔っぱらっている様子はなく、不・・・

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小説の亡霊

16/08/28 コメント:2件 蹴沢缶九郎 閲覧数:500

「どうぞ椅子にお掛けください」

神妙な面持ちで診察室に入ってきた男に医者は促した。

「それで、今日はどうなされました」

「どうか、笑わずに聞いて頂きたいのですが…」

「笑いませんよ。患者さんの不安を取り除く為に我々医者がいるのです。安心してお話ください」

医者の言葉に幾分か気が楽になった男は語り出した。

「実は最近・・・

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撃退商品

16/08/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:385

久しぶりの休日、自宅でのんびりとくつろいでいた田中の許にセールスマンが訪れ言った。

「どうもこんにちは、本日伺いましたのは、あなた様のような方にぴったりな商品を紹介したく…」

「何を売り付けようというのか知らないが、間に合っているよ」

田中の言葉にも、セールスの男は構わず続けた。

「とりあえず、私の話を聞いてみて、それから判断されてもよろしい・・・

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ヒーローの資質

16/08/17 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:419

「君、ヒーローになってみないか?」

部活帰り、人気のない道でふいに声をかけられ、そちらに目をやると正義のヒーローがいた。

「あなたは正義のヒーロー、グレートハイパー仮面さん!?」

「いかにも、私は正義のヒーロー、グレートハイパー仮面だ」

突然目の前に現れた本物の正義のヒーローに、僕は興奮を押さえきれずにいた。だが、そんな自分を他所に、グレート・・・

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契約

16/08/15 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:370

薄暗く閉ざされた室内の中央に、チョークで描かれたいびつな魔方陣がある。その魔方陣の上にトカゲの尻尾、小瓶に入れたコウモリの血、干し椎茸、老婆の爪、ヒトデの粉末を置き、

「カニャラムホンジュラム…」

と呪文を唱えると、魔方陣から煙と共に悪魔が姿を現した。

「やった、成功だ!!」

悪魔の召喚に成功した男は喜びの声をあげた。悪魔は喜んでいる様子の男・・・

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奇妙な夢

16/08/02 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:423

それはとても奇妙で不気味な夢だった。突然男の目の前に現れた禍々しい影が言ったのだ。

「私はお前の暮らす土地に昔から住み着いている悪霊だ。お前に恨みはないが、お前を呪い殺すとする」

男はそんな事をされてはたまらないと、悪霊に懇願し抗議した。

「何故そのような事をするのです!? やめてください!! 酷すぎるじゃありませんか!? 理不尽だ!! あんまりだ!! 」・・・

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被ってみた

16/07/06 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:456

「はい、皆さんどうもこんにちは、ヒグキンちゃんです。今回は『踊ってみたシリーズ』です。それではさっそく、ミュージック、スタート!!」

録画を始めたビデオカメラの前で、一人の男が軽快な音楽に合わせ、創作ダンスを踊り始めた。男は動画投稿サイトに動画を投稿し、それで生計を立てていた。男からすれば、言わばこれが仕事なのである。

男が利用している動画投稿サイトは、自身の投稿した動・・・

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最後の一人

16/06/21 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:425

朝起きて顔を洗い、フルーツの缶詰を開けて軽めの朝食をとる。出掛ける支度を済ませると自転車に乗って近所の野菜畑に行き、野菜に水をやったり収穫をしたりと野菜の世話をして過ごす。
お昼になり、自宅から持ってきた弁当を食べて、午後も農作業に精を出す。日が暮れてきたので、適当な所で作業を切り上げ帰宅して風呂に入り、夕飯を食べつつ一杯やりながら音楽を聴く。至福の一時。やがてうつらうつらと睡魔が襲ってきた・・・

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弁当箱の中

16/06/20 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:421

目の前に弁当箱がある。中が気になるので蓋を開けると弁当箱が入っていた。

その弁当箱を取り出し、蓋を開けるとまた弁当箱が入っている。まるでロシアの民芸品マトリョーシカの様だ。

再び弁当箱を取り出し、蓋を開けるとまたまた弁当箱が入っている。その弁当箱を取り出し、蓋を開けると弁当箱が入っていて…。

その行為を何度か繰り返したところで、取り出す弁当箱の大きさが全く・・・

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へのへのもへじ

16/06/07 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:418

梅雨の時期に突入し、連日雨が降り続いている。空を雨雲が覆い、久しく陽の光を見ていない気がする。窓から降りしきる雨を見ていた僕は、ふと小学生の頃の記憶を思い出した。それは、遠足の前日、「明日は晴れますように」と願って作ったてるてる坊主の記憶。
もうそんな歳でもないが、僕は久しぶりにてるてる坊主を作ってみようと思った。丸めたティッシュペーパーをティッシュペーパーで包んで、首にあたる部分を輪ゴムで・・・

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渾身の一杯

16/06/06 コメント:2件 蹴沢缶九郎 閲覧数:468

蕎麦屋の店主は日に日に遠退く客足に頭を悩ませていた。決して蕎麦の味が悪い訳ではなかったのだが、近頃の舌の肥えた客達には物足りなかったのかもしれない。

このままではダメだと、店主は蕎麦の研究に取り掛かる。それまで築いてきたものを全て捨て、ゼロからのスタートである。世代、客層に好まれる蕎麦の統計を取り、日々様々な店を食べ歩き、蕎麦の麺に合う粉や汁、具材との相性、それらを作り上げる工程を研・・・

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行動

16/05/31 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:554

「何でこうなった…」

僕の目の前には雨に打たれ、頭から血を流し倒れている男の遺体がある。

「誰がやった…僕か…僕なのか…」

混乱する頭で記憶を辿っていく…。そうだ、僕は数時間前、この男と酒を飲んでいた。カウンター席でたまたま居合わせた男と意気投合し、一緒に飲んでいたんだ。初めは楽しかったが、その内、男と口論になり、店の外に出て男に殴られ…、かっとなってつい・・・

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長年の夢

16/05/25 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:422

ある日、ベテランの政治家が秘書を呼んで言った。

「私には長く思い描いていた夢、計画があるのだ」

「それは一体どういったもので…」

「うむ、自宅前に電車の駅を作る計画だ。そして駅前には私の銅像を建てる。どうだ、素晴らしいだろう」

秘書は困惑しながら言う。

「あいにくですが、先生のご自宅付近には既に駅がございます。さすがに無理がある・・・

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取り戻す

16/05/23 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:450

コンビニを出ると、傘立てに入れたはずの自分のビニール傘がない事に気づく。盗まれたのか、誰かが間違えて持っていったのかはこの際どちらでもいい。自分の傘を持っていかれたという事が問題なのだ。

俺はポケットから小型のリモコンを取り出しボタンを押した。五分ほどして、コンビニの前を救急車が通り、俺は救急車が走り去っていった方へと向かう。
数十メートル行ったところで救急車が止まっており、近・・・

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古寺の声

16/05/22 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:495

昔、ある村のはずれに人がめったに立ち寄らない古寺があった。この古寺に、最近になって妙な噂が持ち上がった。古寺から連日不気味な声が聞こえるというのだ。人々は「妖怪の仕業」や「老いた古だぬきが化かしている」とそれぞれに噂をし、いっそう古寺に近づく者はいなくなった。

ある日の夜、古寺の噂を耳にした一人の旅人が、化け物の正体を見極めてやろうと古寺にやってきた。着くとなるほど、寺の外にいても不・・・

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会話

16/05/22 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:387

喫茶店で一組の男女が話している。女が男に聞いた。

「ねえ、神様っていると思う?」

「突然どうしたの? さあ、深く考えた事もないな」

と答えると、男はアイスコーヒーを飲む。

「私はね、いると思うの」

「ふうん、そうなんだ」

男はあまり興味がなさそうだが、女は続ける。

「神様というよりも、神様みたいなもの・・・

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森の分かれ道

16/05/20 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:501

旅人が森の分かれ道でどちらに進むべきか悩んでいる。別に目的地を決めての旅でもなく、気ままな一人旅なのでどちらの道を行ってもよかったのだが、これも旅の一興と旅人は道を決めあぐねていた。

その時、突然どこからか誰かの歌声が聞こえてきた。

「右だよー右に進もうー ラララ右には幸せがいっぱいー」

歌声のする方を見ると、木の枝に止まっている小鳥が歌っていた。こんな事・・・

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地図と発見

16/05/20 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:453

休日、男は暇つぶしにスマホで地図アプリを眺めていた。画面に自宅のある場所を表示し、そこを中心に色々見ていると、それまで使った事のない裏道が、以外な所に繋がっているなど、自分でも知らなかった発見がある。

しばらくすると、画面を触っていた男の指が止まった。

「ひょっとすると…」

何かに気づいた様子の男は、真剣な表情で画面を見続け、

「やっぱりそう・・・

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