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れいぃさん

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性別 女性
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投稿済みの記事一覧

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凪子さん。

18/06/27 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:88

数学のできる女の子は、できない子より少し繊細で美しい。
数の世界に踏み込んでいくのは、無機質なガラスをかきわけていくみたいだもの。
 ツユカは、背中で揺れる凪子さんの黒い髪を見るたびにそういうことを考える。数学が苦手な子がほとんどのクラスの中で、難しい数式をすらすらとける凪子さんの存在は特別なものに思えた。ツユカは現代社会や政経は得意だけど、数学となるとさっぱりだから、余計に凪子さんを・・・

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「ゴミ」から「キミ」に

18/04/06 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:211

 捨てに行きたい。
 でも、捨てられない。
 アリシュエルはゴミ袋を前に途方に暮れている。
 中味は、彼女の出した魔法廃棄物だ。魔物の脱皮によりできた皮、ロウソク、枯れた薬草、魔術に使う縄や貝殻や石、供え物の腐ったの。
「どうしたものかなぁ」
 いつもなら、魔法廃棄物処理場に出しに行くのだが、困ったことにゴミ袋の中味はごそごそうごめいているのだ。
 魔法に失敗し・・・

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人形。

18/03/17 コメント:1件 れいぃ 閲覧数:222

 誰がなんと言おうと、僕にはもうあなたしかいませんでした。
 この気持ちもあなたなら分かってくださると信じています。
 動かないあなたに微笑みかけ、手足を眼鏡ふきできれいに拭き清める僕はそれだけで、世界一の果報者の心地でした。

 僕とあなたが出会ったのは小さな名もないがらくた屋の店先、あなたはかろうじてディスプレィされていて、マジックで1500円と乱暴に書かれた紙を貼りつ・・・

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甘酒日和

18/01/24 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:258

 鉄格子の向こうに黒い頭が見えている。
 少女は一睡もしていない瞳でとろんと窓のほうを見上げ、天に近い場所からのぞきこんでいる生き物をじっと見た。
「なんだ、カラスか」
 前から見るとわりと間の抜けた顔をしていて可愛い。
 カアとひと声鳴いたのを「なにやってるんだ」と翻訳して、少女は顎を上げて答えた。
「ぶちこまれたんだよ、見りゃ分かんだろ」
 ふうとため息をつ・・・

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マーキング

18/01/10 コメント:1件 れいぃ 閲覧数:399

 自分で結んだのと他人に結んでもらったのでは、見た感じが微妙に違う。  だから、すぐに分かってしまう。 「ヒナコ、またヤッてたんだ」  一、二時間目をサボッておきながら、三時間目の頭に何食わぬ顔で席に戻ってきた友人を横目で見て、れみはため息をつく。 「今、何してんの」  小声で訊かれ、「百六十ページ」と教えてあげるけれど、本当はもう教えてあげたくないと思っている。  授業抜け出して、先輩といかがわ・・・

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最初で最後の一枚

16/12/02 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:683

見どころのない映画は嫌いだ。
自分が悪いわけじゃないのにだまされた方が悪いような気分にさせられるから。
「おじいちゃん、この映画おもしろかった?」
 何の感想もわいてこなかった梨希は、映画館を出てすぐ、祖父に尋ねた。
「じいちゃんは何見てもいっしょじゃ。すごいなぁとしか思わん」
 祖父は白い眉を少しだけ動かして、のんびりした声で言う。
「そっか」
 確かに・・・

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回廊の僕ら

16/08/01 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:541

 僕の学校では、悩み事があるとき、廊下を歩いて考えることになっている。中央に庭をすえ、アリストテレスのショウヨウ学派とやらをまねた回廊があるのだ。
 僕は悩みなんておおげさなものは抱えていないけど、ちょっと考えたいことがあるから、ここにいる。さっきから何周もしている。一辺が結構長くて、薄暗いから、他にだれかいても、かなり近くに行くまで気づかなかったりする。
 知ってる奴にあっても、挨拶・・・

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やらずの雨だし今日も俺はハロワに行かない。

16/06/19 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:769

あー。
雨だ―。
朝起きてすぐに分かった。
ざあざあ、ばらばらいう音が鼓膜を連打する。
ニート歴三年、ひきこもり歴四か月の俺はまた、布団を頭上までひっぱりあげた。
最近雨続きで干していない布団はちょっとくさい。
でも人間の鼻は同じにおい嗅ぎ続けるとそのうち麻痺してくるらしいから、大丈夫だ。

二十三歳でブラック企業をやめてから仕事をする気力もなく、俺・・・

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初めて出会う大親友。

16/05/21 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:677

 早朝、見ず知らずのそいつと待ち合わせした。
 LINEのIDもメアドも知らないし、電話番号も分かんなかったから、とりあえず、オヤジの遺した手紙にあった住所にハガキ送った。手書きなんてひさしぶり、でも書くことなんて全然ない。相手は知らない奴なんだから。
 単刀直入に、
「先日うちの父が亡くなりました。で、出てきた手紙にあなたのことがありました。俺が死んだら、俺のいちばんの友達の息・・・

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甘い夏はバラせない。

16/05/20 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:677

 甘夏バラ売り、のキーをタッチしてふと気づく。
 夏は、バラ売りなんかできない。
 夏はひとかたまりで夏なのだ。
 そうとしか思えないアヤナは、口唇を結んで、商品を機械に通し続ける。
「1789円です」
 フランス革命の年だね、と数字から連想しながら客の金を受け取った。レシートとともにお釣りを渡す。
 レジ打ちのバイトを始めてから十日、やっと少し自然に笑えるよう・・・

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色とりどりの肝試し。

16/04/14 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:682

 かき氷にかけるシロップのような、原色に色づいた水がペットボトル何本分も用意されている。今日は、肝試しの日だ。村の子どもたちはこの水を口に含み、何を見てもひとこともしゃべらないで再びこの広場へ帰ってくる。途中で声を出して水をこぼしてしまったら失格だ。次の年まで、「意気地なし」と呼ばれる覚悟をしなくてはならない。
 陽代鳥は、背筋が霜柱になりそうなほど緊張していた。
 意気地なしの臆病者・・・

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ブサイク。

16/04/05 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:761

 飼いたくなければ、飼わなくたっていい。
 ぜんぶ、自己責任だ。誰も褒めてくれないし、守ってももらえない。
 それでも摩耶は、後戻りできないスタートのラインを、思い切り後ろに蹴とばして、飛んだ。
 里親募集サイト「猫飼いさんち」に登録し、夜な夜な、恋人でも探すかのように、運命の猫を探し求めた。希望は、白にオッドアイの子。理想を言えば二歳以下で、できれば♂がいい。去勢手術も終わって・・・

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犬なんかはたぶんいない。

16/03/29 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:717

 その水槽には、犬がいたんだ。
 青と黄色、片目ずつで色が違うやつさ。
 俺がそっと手を出してみたら、犬は右の前足を出して載せてきた。
 濡れていた。
 
 路騎士は、僕の左のこめかみのずっと向こうを見ている顔で、よどみなくそんな話をした。どうせ作り話だと思う。新しくできた水族館に、犬なんかいるはずがない。「水族」じゃないじゃないか、犬は。だいたい、お金とって見せるよ・・・

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敬天愛人。

16/03/12 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:729

 いっしょに住んでいる、と言えるのだろうか。
 俺は彼を、拘束、というか監禁している。
 外には絶対出さないし、飯は安いのしかやらないし、俺が忙しいときは話しかけられても無視している。風呂には入らせてやらないから若干くさい。服はめんどくさいから着せてやらない。
 べつに、最初からこういうことするつもりはなかった。
 俺は誰かといっしょなんて耐えられないし、男と同じ部屋なんて・・・

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階段のその先

16/01/16 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:820

 登り切るのはどうしてもいやだった。到着したところでどうなるのか、何も知らされていない。一説には無になると言われているが、それだって地上での噂に過ぎなかった。ホトリユキオは、七十八年五か月三日の地上生活を終えて、今、引き返せない階段を上らされているのだが、後にしてきた地上への未練がなみなみと胸にある。
 妻のマツコがデイサービスにいそいそと出かけていくたび若返っているように見えるのは浮気のせ・・・

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ヤメル、ヤメナイ。

15/10/31 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:787

 いっそ曖昧なままにしておくというのはどうだ。
 久しく笑っていない自分の顔を鏡の中に見ながら、岸本は己に提案した。
 やめる、やめない、やめる。
 この仕事についてここ最近迷い続けているのだが、答えを出すにはまだ早いような気もする。非正規の事務員として雇われて三か月、仕事の流れは覚えてきたものの、人間関係が最悪の職場だ。何でも白黒二色に分けて、気に入らない側を糾弾するタイプの女・・・

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