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ヤマザキさん

はじめまして、ヤマザキといいます。 新選組と週刊少年ジャンプを愛する妄想屋です。

出没地 月曜日のコンビニ
趣味
職業
性別 男性
将来の夢 京都に移住する
座右の銘 諸行無常

投稿済みの記事一覧

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永華

16/03/05 コメント:4件 ヤマザキ 閲覧数:546

 私にとっての映画館というのは祖父の昔話を聞くための場所でした。
 映画――当時は活動写真なんて風に呼ばれていましたが、祖父に連れられて行っていたころは、まだ世にでたばかりで『画が動く』こと自体が大変な衝撃でありました。
 時代ですと明治の終わりの頃になりますから、まさに文明開化の集大成とでも言えるような代物です。
 活動写真という呼び名からも、初めて目の前で動き回る画を見た人々・・・

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一宿折犯

16/03/02 コメント:6件 ヤマザキ 閲覧数:604

 よお、どうした相棒。暗い顔して。
 分かってるって。何か言いにくいことがあるんだろ?
 他の連中に内緒で俺とサシで話すときはいつもそうだもんな。
 ほら、とっとと言っちまえよ。俺たちの間で隠し事なんて水臭え上に馬鹿馬鹿しいだろ。
 何!? また拾ってきただって?
 おいおい、つい先週新しいのを棲ませたばかりだってのに、そいつが落ち着かない内から次の奴か?
 行・・・

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射辛心

16/02/01 コメント:4件 ヤマザキ 閲覧数:638

「ですから部長、先程ご説明した方法ですと従来よりも作業の効率化が図れて……」
「あ、ああ。分かった分かったよ」
 まだ俺の話は途中だというのに部長は苦笑しながら口を挟んできた。
「その件はこっちで検討して来週までに答えを出しておくから……」
「来週?」
「まあ今週中にな。だからお前もたまには早く帰って家族サービスでもしてやれ。な」
 そう言って部長は早々と帰り支・・・

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菓道部

16/01/18 コメント:2件 ヤマザキ 閲覧数:535

「結構なお点前で」
あたしの隣の子がさんざん聞きあきたセリフを言った。次はあたしの番だった。でもあたしはうんざりしていてガマンの限界だった。
あたしがこの高校に入学し茶道部に入って今日で二ヶ月。ここの着物のきれいさと和菓子のおいしさはあたしの期待以上のものだった。でもこの液体の苦さも想像を絶していた。
もうこんなもの飲みたくない。なんでこんな見た目も味もサイアクのものを飲まなきゃ・・・

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師忘

16/01/04 コメント:4件 ヤマザキ 閲覧数:666

作家・三木行純がこの世を去ったのは十二月の暮れの頃であった。
末期がんだった。年の瀬を越す前に冷たくなった行純は、その作家人生においても寒い冬を越せる日は訪れぬままだった。
行純は生来の偏屈者で人付き合いの少ない男だった。生涯を独身のまま逝った。
そこだけは往年の大作家たちと通じてはいたが、困ったことに筆は伴わなかった。
そんなわけで彼の死を心から悼んだ者は片手で足りるほ・・・

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land cell

15/12/21 コメント:0件 ヤマザキ 閲覧数:587

「あなたはいつも自分自分自分……自分のことばっかり! そんなに自分が好きなら自分と結婚すれば!?」
 何度目かも分からない妻のお決まりのヒステリーを受けて、島はほとほと愛想が尽きた。
 売り言葉に買い言葉とばかりに気のない返答をする。
「そうだな。君なんかよりも俺自身と結婚した方がまだ有意義な人生が送れそうだ」
 この言葉で妻の中に残っていたわずかばかりの愛情もすっかり覚め・・・

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毒裁政権

15/11/30 コメント:2件 ヤマザキ 閲覧数:563

トランプ王国の農民トレイは三人の仲間と共に独裁者デュース卿を追い詰めていた。
ついに民を苦しめていた悪政を終わらせることができる。
トレイは逸る気持ちを抑えられずに剣を抜き放つ。
「観念しろデュース卿!」
デュース卿は絶体絶命の状況で焦ることなく玉座に腰を下ろしたまま動かない。
尊大さを示すためではなく単純に体を起こすことができないようだった。
「待っていたぞ。・・・

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零石零鳥

15/11/29 コメント:0件 ヤマザキ 閲覧数:550

 せいぜいつまらない男共を取り合ってなさい、私のために。
 レイコは婚活パーティの輪から一人外れ、遠巻きから参加者たちの歓談を観察していた。
 彼女は必死で媚売る女たちを冷ややかな目で見つめ、それに浮かれる男たちにも同様の視線を送る。
 今回も大した男はいないわね。
 小一時間もそうして観察を続けると、レイコは誰とも言葉一つ交わさずにその場から立ち去った。
 前回の婚・・・

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不信者

15/11/11 コメント:4件 ヤマザキ 閲覧数:862

 僕はとにかく自分に自信が持てなかった。
 常に疑念がまとわりつき、何をするにも不安が拭い去れない。
 それを取り除く方法はたった一つだけ。
 周囲の人間に合わせて行動することだ。
 多数派に埋もれることで僕は普通の人間に擬態する。
 そう、普通。
 誰もが普通にできる普通が一体何なのか、僕にはまるで理解ができない。
 一様に同じ服を着て、一つの方向へ吸い・・・

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垂涎の玉

15/11/01 コメント:0件 ヤマザキ 閲覧数:609

 君はラムネに似ているね。
 くびれた体に甘い香り。
 透き通ってて爽やかで、けれどちょっぴり刺激的。
 涼しい見た目で僕の火照りを冷ましてくれる。
 弾ける泡が僕の空腹を満たしてくれる。
 いつだって乾いた僕を潤すために、僕に体を傾ける。
 それでもたった一つだけ。
 僕に触らせてくれないね。
 君の中身を全部飲み干し空っぽにしたと思っても、最後に・・・

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誇張の夢

15/10/18 コメント:0件 ヤマザキ 閲覧数:612

 ミユちゃんが主役の劇が校内コンクールで金賞を獲ったのは、私たちが小学四年生のときだった。
 上級生たちを抑えての優勝ということで、当時のクラスの浮かれようといったら今思い出しても恥ずかしくなるくらいだ。
 ミユちゃんは一躍時の人となりみんなの人気者になった。
 私と彼女が初めて話をしたのは、そんなときだった。
 クラスでも大人しグループだった私に、ミユちゃんの方から話しか・・・

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