1. トップページ
  2. 佐々木嘘さんのページ

佐々木嘘さん

変な話ばかり書いています

出没地
趣味
職業
性別
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

0

あくまで疲労から

17/04/08 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:160

 とにかくその時の私は疲れていたのだ。泥沼の末の離婚が決まり、根も葉もない噂による職場での居心地の悪さ、祖父の危篤の知らせで毒母の待つ実家。へ、向かう電車の中で私と向かい合わせの椅子には5歳ほどの女の子が足をバタバタさせながら座っている。勿論知らない子だ。
「いやーでも本当に久しぶだねぇ凛子。随分と別嬪さんになって」
 にこにことそう話す女の子は自称、10年前亡くなった祖母の幽霊だ。<・・・

0

電車ごっこ

17/04/08 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:150

 あっ、と。振り返るとそこに電車があった。真っ赤な電車だ。一両だけの玩具みたいな電車だった。
「……駅?」
「乗りますか?乗りませんか」
 急かす風ではない口調でそう言った運転手は制服姿に狐のお面を被っていた。
「の!乗ります」
 慌てて駆け込み私はとりあえず椅子に腰を掛けた。数秒後電車はゆっくりと進みだす。少し落ち着いたので状況を整理しようと思った。まず、どうして私・・・

0

白磁ちゃん

16/08/25 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:531

博士がお手製のアンドロイドをくれたのは、積もり積もった雪がいい加減溶けて欲しいと願う真冬の頃。僕の5歳の誕生日だった。

「お誕生日おめでとう緋色!さぁお前にプレゼントだ!」
「え?…なに…この……女の子?」
「そう。この子の名前は白磁と言うんだよ」
「えっ?博士この子誘拐したの?」
「するか馬鹿!白磁は私が作ったんだ!」
「はくじ?」
「天才なこの・・・

0

ラッシュ

16/01/12 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:438

緑ちゃんが僕の名前を呼ぶ。
--青くん、青くん

小さく歯並びのいい口から甘い声が零れ落ちる。青くん青くん。その声はヘロインとよく似ていた。快楽中枢をダイレクトに刺激し一瞬にして最高の快楽と喜びを与えてくれるのであっという間に虜になってしまう。もう二度と手放せなくなるほどの中毒性。
緑ちゃん。
僕がおかしくなったのは全部全部君のせいだ。


「青くん・・・

1

灰かぶりと男

15/11/19 コメント:2件 佐々木嘘 閲覧数:553

彼女は暖房の効き過ぎるワンルームでソーダー味のアイスを舐めていた。冬に食べるアイスが一番美味しいのに種類が少なすぎると文句を言う茉莉はこの時期の主食が氷菓に変わる。だからこうして週に数回彼女の部屋で僕はシチューとか肉じゃがとかオムライスとかを作る為に足を運んでいた。
彼女はありがとうなんて言わない。ごめんねも言わない。食べたら食べっぱなし。材料費も払わない。でも代わりにその日だけは茉莉の脚を・・・

1

脳内玲奈

15/11/12 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:535

私の脳内には玲奈が居る。
彼女は非常に正義感が強く泣いてばかりの私をいつも励まし慰めてくれた。

解離性同一性障害、というらしい。虐待を受けている本体、つまり私、玲乃が無意識に作り上げた別人格。けれど普通の多重人格とは違い玲奈は本体の人格を乗っ取る事が出来なかった。常に脳内に存在し脳内で本体と一緒に成長し続けるている。出来損ないの私は人格さえ上手に作れなかったようだ。

0

奇人さん

15/11/02 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:540

彼はこの辺では奇人さんと呼ばれていた。
勿論その名前は本名ではない。

彼は半年前こんな糞田舎の廃屋に引っ越して来た20代後半の男性だ。和服を着て丸眼鏡を掛けた明治時代のような風貌で、何か凄い賞を取った小説家らしいと言われていた。どこか掴めない雰囲気と飄々と歩く姿。平日休日朝昼問わず散歩したり野良猫に話しかける変人ぶりから誰かが呼び始めた最低なあだ名だ。でもその正体は誰も知らない・・・

0

すでに呪い

15/10/20 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:607

色付きコンタクトで隠しているけれど、実際蒼太の右の瞳は宝石のように美しいく、いつかこの私が彼の目玉をまるっと頂こうと密かにずっと思っていた。
きっと誰も知らない。知ってたまるか。私だけが知っている。ブルーダイヤモンドのその眼球。


「おはよう」

挨拶をすると蒼太は怯えたような顔をして素早く私と距離を取った。おおおはよう、と吃りながらも律儀に挨拶を返すと猫背の・・・

0

白化

15/10/18 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:549

嘘みたいな白い髪の毛と白い肌と白い睫毛。
白人の様な容姿の透はハーフでもクォーターでもなく純粋な日本人だ。
彼は紫外線に対する耐性が低い為常に白い皮膚を衣類で隠し過ごしている。

お互い6歳とまだ幼かった頃。隣に越して来たと母親と訪れた透の姿は、当時夢中だった絵本に出てくる天使だとか妖精だとかそんな空想上の生物のようにしか思えず、目の前に居る男の子がホンモノの人間なんだと認・・・

1

神様が化粧をした

15/10/14 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:574

その日神様はお化粧をしました。
頬と唇には赤を薄く乗せ、瞼の上には金色のキラキラを一筆。
人間の雌。
一番瑞々しいと呼ばれる女の子と女の間の容姿に、真っ白な髪と瞳の色を艶のある黒へ。
青色のワンピースを纏ってそして、緋色の靴を履きました。




しばらくぶりに陸地に足をつける。最初は何だかあやふやな違和感が抜けなかったけれど、6cmのハイヒー・・・

1

同族嫌悪愛

15/10/09 コメント:2件 佐々木嘘 閲覧数:588

安心、嫌悪、恐怖、期待、欲望。感情は未熟な心の中では一つも混ざり合えないでいた。多感な体内で持て余し発酵も出来ないでいつまでも燻り続けている。
優等生と劣等生、高慢と謙遜、理性的と盲目的。
そんな曖昧な境界線をほんの些細な出来事で反転させてしまう、15歳のこの身体。



「瀬山くん。今いいかな?」

花壇に水をあげている彼に初めて話しかけた。当たり・・・

0

さよなら地縛霊

15/10/09 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:601



嘘つき


口を尖らせてそう呟いた。びゅうびゅうと冷たい風は容赦なく身体に吹き付けて来る。今なら手を伸ばせば飛ぶ鳥にも届きそうだと思いながら空を見上げた。涙なんて出すものか。





このビルはこんな田舎ではまるでCGみたいに見える高層ビルだ。
山や畑、古臭い日本家屋や崩壊寸前のボロアパートばかり溢れているのに都会に憧・・・

0

らくさきつりと

15/10/07 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:573

桜が散ればもう誰も見向きもしない。
4月上旬には綺麗だ綺麗だともてはやし、桜が散れば毛虫が邪魔だと忌み嫌う。
人間は本当に勝手な生き物だ。



もしかすると花見の時だけ飲めや歌えやと騒ぐ奴らより、いそいそと小枝を集めスモークチップとしてチーズやハムを美味しく燻製しているあの男の方がずっとマシなのかもしれない。

でも週末の午後、穏やかな日差し。涼・・・

0

stickler for cleanliness

15/10/07 コメント:0件 佐々木嘘 閲覧数:594

カーテンが踊る。そして偶然その裾が首筋の皮膚に触れると彼女はどうしようもなく不愉快な顔をした。久世、窓閉めて、と命令するように言うと藤野は鞄から除菌シートを取り出して自分の首を赤くなる程擦った。
教室のカーテンなど複数の人間が触れ、雨水を染みこませてる汚らわしい布だと言わんばかりだ。

除菌シート、アルコールスプレー、3Dマスク、ナイロンの白手袋。
高校生である藤野の・・・

  1. 1
ログイン
アドセンス

ピックアップ作品