1. トップページ
  2. 上村夏樹さんのページ

上村夏樹さん

はじめまして、上村と申します。 公募に挑戦するワナビです。突発的にショートショートを書きたくなる面倒くさい生き物。 最近、初めて買って読んだ詩集で泣きそうになるという、やはり面倒くさい生き物。 物書き、そして読者のみなさん、よろしくお願いします!

出没地 丸善、有隣堂、くまざわ書店、紀伊国屋書店
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

0

テストでは高得点を取らないほうが褒められる

17/03/14 コメント:0件 上村夏樹 閲覧数:171

 とある日の放課後、高校に入学して最初の中間テストの結果が配られた。
 うちの学校は、全教科の答案用紙の返却後、テスト結果が一枚に集約された紙が配布される。どの教科が何点だったかその一枚でわかるので、親に渡してテスト結果を報告しろと担任は言っていた。
「こんなテスト結果、母さんに見せられねぇっての……はぁ」
 嘆息し、その紙に視線を落とす。
 英語83点。古典80点。世界史・・・

1

未来と消失と宇宙の法則

16/12/16 コメント:2件 上村夏樹 閲覧数:157

 学校の帰り道、空から女性が降りてきた。
 彼女は黒いスーツ姿だった。腰の辺りまで伸ばした金髪は綺麗で、手入れが行き届いている。碧い瞳は美しく、まるで宝石みたいだ。
 彼女はゆっくり降下し、着地した。
 隣にいる幼なじみの美里が、俺のわき腹を肘で突く。
「優太。この人、今……」
「……空から降りてきたな」
 それ以外、どう言えばいいかわからない。
 金髪の・・・

1

就活サンタ

16/12/05 コメント:2件 上村夏樹 閲覧数:324

「私、この仕事辞める。将来のことを考えると不安だし」
 ミニスカのサンタ服に身を包んだ彼女は、ビールジョッキに口をつけた。
 テーブルにジョッキを置く彼女。鼻の下に白い泡のヒゲができていて、なんだか滑稽に見えた。


 株式会社ニコニコサンタ。それが俺と彼女が務めている会社の名前である。
 彼女は俺と同期入社のサンタだ。年は二十三歳。サンタ専門学校を卒業し、資格・・・

2

魔法の絵画

16/11/14 コメント:4件 上村夏樹 閲覧数:368

 その絵画のタイトルの下には、奇妙な注意書きがあった。

※絵画の中に入れます。心臓の弱い方はご注意ください。

 絵画の中に入れたら、心臓が強い人でも注意が必要だと思うのは俺だけだろうか。


 ここは都内の美術館。
 大学の友人から美術展のチケットを譲り受けた俺は、春休み最終日の今日、この場所にやってきた。
 友人曰く「面白い絵画があるから・・・

0

平和なセカイの作り方

16/10/30 コメント:0件 上村夏樹 閲覧数:550

 重たいまぶたを持ち上げると、俺は見知らぬ場所に立っていた。
 より正確に言えば、ここがウォルテアという国であることは知っている。だが、土地勘のない俺には、ここがウォルテアのどこなのかわからない。
 俺の認識では、ウォルテアは商業が盛んで活気づいている国だ。

 それがどうだ。この眼前の光景は。
 すべてが赤に染まっていた。
 街が、緑が、空が、大地が、そして人・・・

1

痕跡本に想いを

16/09/04 コメント:2件 上村夏樹 閲覧数:771

「あぁー! この本、マーカーで線が引かれてる!」
 お客さんのいない店に、私の声はよく響いた。
 ここは古書店『文撃堂』。私のアルバイト先だ。
 私が怒っている理由。それは本棚に並べようと思った単行本に、マーカーで線が引いてあったことだ。これじゃあ商品にならないから、廃棄しないといけない。
「千佳ちゃん。声大きい」
 注意してきたのは同じ高校に通っている琢磨くん。年下・・・

0

裏切さんは裏切らない

16/08/25 コメント:0件 上村夏樹 閲覧数:1137

 僕は裏切さんの大ファンだ。
 裏切さんは僕のクラスメイト。背が小さくて、小動物みたいな可愛い女の子だ。
 僕は彼女に恋愛感情があるわけじゃない。ただ純粋に可愛いものを遠くから見て愛でる……そんな高校生活を送っているだけなのさ。
 さて、今日も張り切って裏切さんをストーキン……ウォッチングしよう。

 一限目、家庭科。
 今回は調理実習だ。班に分かれてお菓子を作・・・

1

墓前の誓い

16/08/10 コメント:2件 上村夏樹 閲覧数:702

 うだるような暑さが猛威を振るう夏の日。
 蝉しぐれが降り注ぐ中、私は墓前に立っていた。
 墓に彫られた「松田家」の文字を見ながら、たった一言。

「亡くなってから、どれくらいの時間が経ったんだろう……」

 墓前で漏らした声は、夏の空に溶けて消えた。



 不運な交通事故だった。
 事故の原因は相手の飲酒運転。青信号だったにもか・・・

1

健康の国

16/05/17 コメント:0件 上村夏樹 閲覧数:597

「ここが健康の国か!」
 入国した若い旅人は感嘆した。
 遠くを見れば、高層ビルが群れをなしてそびえ立っている。旅人が思い描いたとおりの大都会だった。
「なんだあの車! 都会すげぇな!」
 流線形のメタルボディの車が道路を行き交っている。科学技術が高度に発展した国なのだろう。旅人は眼前の光景にかなり興奮しているようだ。
「都会スゲェナ」
 旅人の肩に乗っているオ・・・

0

君との恋が終わるとき、この手に残るモノは

15/12/21 コメント:0件 上村夏樹 閲覧数:452

 相沢夏樹との出会いは暗くて狭い路地裏だった。
 彼女はそこでチャラそうな男にナンパされていた。
 近づいて男を追い払うと、
「ありがとうございます。助かりました」
 彼女は安堵の笑みを浮かべてそう言った。
 俺は絶句した……彼女があまりにも可愛かったから。
 絹糸のように細い髪。愛らしい笑顔。小さくて無防備な薄桃色の唇。彼女を構成する全ての要素に惹きつけられた・・・

5

アニヲタ観察日記

15/09/10 コメント:6件 上村夏樹 閲覧数:1043

 私の名前は新田美月。中学三年生の女の子だ。

「今日は夏休みの自由研究を発表してもらいます。発表したい人は挙手してください」

 理科の先生が尋ねるけど、教室内は静まり返っている。無理もない。一番手というのは、得てして緊張するもの。みんながやりたがらない気持ちはわかる。
 ここは学級委員の私の出番だ。私がトップバッターとなり、みんなの緊張を和らげよう。私は黙って手を・・・

  1. 1
ログイン
アドセンス