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三文享楽さん

私、三文享楽でございます。

出没地 ラーメン屋、居酒屋
趣味 映画撮影を少々
職業
性別 男性
将来の夢 鼻炎の改善
座右の銘 枕カバーは週1で洗う。

投稿済みの記事一覧

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前科アリの人々

16/04/10 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:450

「君ねえ、その若さで前科三犯なの?」
「はい、すみません」
 畏怖させることが目的としか思えないような態度で、面接官が僕を圧迫してくる。慄きと憎しみで頭の中が飽和し、うまく言葉が出てこない。
「いや、謝られても困るんだよ。うちも人助けでやってるわけじゃないからさ。この先、真面目にやっていけるかってことを訊きたいの」
「はい、これまでのことを反省し、これからは社会人として相応・・・

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ブーツのために

16/04/10 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:1084

 世の中の女性のブーツを全て嗅ぎ回りたい、と思う男性は如何ほどいるだろうか。
 拙い野望ではあるが、ケイもそのうちの一人である。
 ケイが他人と違うのは、その野望を叶えるためだけに、職を選んだということである。もちろん、ブーツの臭いを嗅いでいればいいだけの仕事なんてあるわけがない。
 もしそのような仕事があるならば、誰もが幼少期から必死に勉学に励み、東大に入り、留学しインターンを・・・

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ハエトリ草

16/04/10 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:415

「もうヤダ。なんで、こんなにハエだらけなのよ!」
 目の前のハエを払いながら、明美は喚く。
「仕方ないだろ。この時期はどこの家でも大量発生するんだ」
 妻の気を静めるために、夫の義和も一緒になって手を動かす。
「それにさ、ハエが多少は出るようになったとはいえ、生ゴミは家庭で肥料にしなければならない条例が出たことによって、資源の有効活用も上手くいくようになったんだから」

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胎マン

16/04/10 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:426

 ヒデを中心点として周囲に堆く積まれたマンガ本は、いくら読んだって尽きない。読む分だけでなく読もうと思うもの全てを手の届く範囲へ並べ、養分を吸い続ける。
「すみません、注文ですが、おつまみポテトとねぎみそラーメンください」
 店舗にもよるが、ここでは個室に設置された電話一本で食べ物も飲み物も供給される。
「あー、餃子とチャーハンがキャンペーン中だったのか。いいや、また後で頼もう」・・・

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幻の屋台飯

15/09/01 コメント:2件 三文享楽 閲覧数:664

 ここでもなかったか。
 ケンは食べた唐揚げカップのゴミを脇に置いた。
 味的には申し分なかったのに不満げな顔を浮かべているのは、本来の目的が達成できなかったことに他ならない。
 さて、どうしたものか。
 祭り広場に座っていたケンは次の店を探すため立ち上がった。
「祭りで、ある状態になった屋台の食べ物を口にすると、無限大に広がるお宝を手に入れることができる」
 ・・・

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立派な先輩の運転ご指導

15/09/01 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:641

「お前、なんでこの道通ってるの?」
 社用車を運転しているアキラに、助手席に座った朏島が話しかけた。
 朏島はアキラの職場の先輩である。
「なんで、と言いますと?」
「と言いますとじゃねえよ。この国道は信号が多い。でも、向こうの県道なら信号はほとんどないし、ひっかかることも稀だ。前に教えなかったか?」
「ああ、そうでした。すみません」
 でも国道の方が制限速度的・・・

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パチンコ店、童子神輿乱入譚

15/09/01 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:675

 きたきた、きたー。
「フィーバー! 大当たりだよ。右打ちしてね」
 やっと来ました今日の確変タイム。
 長かった。朝の開店からこの台の前に座り、かれこれ六時間は経過している。時間を浪費しただけならまだいい。既に三万円を投入しているのだから、ふところ的にもそろそろ勝たねば、次の給料日までパチンコを打つ金がなくなる。
「どきどきタイム継続、チャンス五十回」
 はあ。この・・・

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文学輪廻の通り路

15/08/16 コメント:4件 三文享楽 閲覧数:834

 もう何度、この路を通ったか分からない。
 この路に戻ってきてすぐは毎度忘れているのだが、しばらく浮遊しているうちに以前にも通っていたことを思い出す。
 輪廻という概念が近いのだろうか。やはり我々は「生まれては死に」という転生を繰り返しているようだ。
 こんにちは。
 しかし、輪廻という言葉ともやはり違うのだと思う。我々は魂の存在すら含め、宇宙次元の有機物に組み込まれており・・・

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総老人層時代を経ても

15/08/16 コメント:2件 三文享楽 閲覧数:1067

「こんにちは。今日も精が出ますな」
「ええ、天気も良くて、体の動かし甲斐がありますよ」
 貴史は今日も朝のランニングを欠かさない。
 いつものコースで中学時代の同級生と挨拶を交わし、また走り続ける。
「こんにちは、渡辺さん」
「ああ、どうもこんにちは」
 杖をつきながらも必死に歩いている渡辺老女ともすれ違った。事故で脚が不自由になったが、動く気力は満ち満ちている・・・

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ペンを執る日の朝

15/08/16 コメント:2件 三文享楽 閲覧数:694

 朦朧とした日曜の朝、ニュース番組では中東のテロ事件が報じられていた。
 数か月前ならば、意識を集中させて注視していたであろう事件をここ連日起きている記憶の断片として処理した自分に気付いたが、とりたて責めることもしなかった。
 宗教や人種が原因となりテロが起きていると報じているものもあれば、社会的構造に不平等を蒙っている人々がそうした方面に傾いていると報じているものもある。
 い・・・

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ウサギ罠

15/07/14 コメント:2件 三文享楽 閲覧数:830

 はてさて皆さん。この状況、おかしいのは私なのでしょうか。
 山にしかけた罠を確認しに行った私は、ウサギがひっかかっているのを見たのです。
 いえ、もちろん、それ自体はおかしい状況ではございませんよ。
 そのウサギ、なんとまあ腕組みをしてこちらを見ているではありませんか。
 痛がる、逃げようと暴れる、というのが一般的な反応ですよねえ。百歩譲って、もう逃げられないからどうにで・・・

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高台寺党服部武雄

15/07/14 コメント:2件 三文享楽 閲覧数:964

 新撰組元参謀の伊東甲子太郎が切腹した。
 その死体を引き渡すということで、伊東甲子太郎が代表を務めていた高台寺党の面々に連絡が入った。
 その面々には、元新撰組八番隊組長の藤堂平助らも含まれていた。
 一行はすぐに油小路へと向かった。
 我らの先生を一刻も早く引き取らなければならない。
 しかし、現場に到着した彼らが見たのは、野晒しにされた一体の死体だった。
・・・

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録音器

15/07/14 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:807

「ああ、私ボギーでしたよ」
 しめた、あのバカ、ひっかかりやがったぞ。
 良武はプレー中にも拘わらず、同僚の亀田の姿を見てほくそ笑んだ。
 あれだけのオーバーをしていたら、誰が見たってボギーではない。少なく見積もってもトリプル、下手すればプラス四か五だ。これであいつの信頼はガタ落ち、いられなくなるだろう。
 そう思いながら打ったショットが、思いの外よく飛んだ。
 職場・・・

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補正システム

15/07/14 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:775

「ゆいちゃん、今日も帰るの?」
「うん、ごめんね、ちょっと予定があってね」
「そっか、また今度ね」
 ゆいはサークルの友達を背にして駅へと歩き出した。
「のりわるっ、どうせまた男なんじゃない?」
「いいよねえ、ああいう元からキレイな子は」
 背中越しに友達の声が聞こえたが、ゆいは聞こえない振りをする。
 できることなら遊びたい。でも、私にはやらねばならない・・・

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美女と報酬

15/07/14 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:812

 報酬の対価に栗本が受け取ったのは、一人の美女であった。
 ホテルのバーで煙草をふかしているところに、女はやってきた。
 女は特に何も言わなかったが、報酬を受けとる場所に胸元の開いたドレスでやってきて挑発的な目を向けてくれば、それがどういうことかは栗本には分かる。
 ウィスキーを何杯かあおった後、栗本は女を味わった。
 スレンダーなボディの中に詰まった果実の旨みは、最高であ・・・

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コーヒー牛乳

15/07/14 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:792

 私は自分が嫌いだ。
 ううん、嫌いなんていうと言い過ぎかもしれない。好きではない、くらい。
 自分で言うのも変な話だけど、世間的に見て私は美女の部類にはあてはまるんだと思う。
 でも、そういうことを平気で考えてしまう自分が、そう、好きでないのである。
「お前はわりかし無粋なとこがある。自分は他の子よりかわいいと、口にしないまでも、意識はしておいた方がいいかもしれんぞ」

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掃除穴

15/06/17 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:802

「何だ、これ」
 ケイは自分の家の庭に出現した黒い穴を見て、思わず呟いた。
 穴といっても、地面に空いているわけではない。物干し竿と塀の間の空中に、ポッカリと黒い穴が開いているのである。
「穴……だよな」
 空中に穴が開いている状況など、大学生になるケイは一度も体験したことはない。
 親を呼んでみたが、当然それが何か分かるはずもなかった。
「警察でも呼ぶか」

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掃除屋ジェフ

15/06/17 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:865

 乾いた銃声がした。
 依頼人の阻害となる者を掃除する。それが掃除屋ジェフの仕事である。
「こいつを殺って欲しい。前金で千ドル、成功の暁には二千ドル渡そう」
 今回の依頼は、ジェフの仕事としては安い方だが、拒むべくもない。
 掃除すべき人間が現れれば、完璧な仕事で始末する。それがジェフのスタイルだ。
 今日もまたジェフの手によって、一人の人間が掃除された。息の根を確認・・・

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重さん

15/06/17 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:742

「実際、重さんがいなくてもやっていけると思いませんか?」
 いつこの言葉を店長にぶつける機会が来るか、ヒデは様子を窺っていた。
 重さんはヒデの先輩である。
 ヒデが料理の専門学校を卒業した時、既に重さんはこの中華料理店で五年働いていた。料理の知識と技術を身につけたとはいえ、まだ料理店で働くことを知らないヒデに、下修行を一から教えたのは重さんであった。
 しかし、最近になっ・・・

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動物園からの革命

15/06/14 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:752

 ある晴れた日の平日である。
 動物園の檻が次々と爆破された。
 誰が何の目的により爆破したのかは現状として不明であるが、少なくとも動物を狙ったわけではなさそうである。
 壊れた檻から出てきた動物たちは示し合わせたようにある方向へ走り出した。
 もちろん園内は動物を見にやって来た客でごったがえしており、爆破に次ぐ動物の脱走で大混乱が生じたことは言うまでもない。幼稚園児は泣き・・・

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四十年ぶりデート

15/06/14 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:699

「何年ぶりだろうねえ、動物園なんて」
 俺は老いた母の手をひき、動物園にいた。
 車椅子を借りることもできたが、母親の意思によって歩いている。
「まあ、俺の知る限りは四十年ぶりだろうな。翔太たちと来たこともなかっただろうし」
 翔太たちとは、俺の息子たちのことである。
 同居せず近くに住んでもいない親元へ我が子を連れて行く場合、彼らがせっかくの孫とのふれあいの時間を動・・・

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人間だね

15/06/14 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:730

 入園ゲートを抜けると、檻に入った動物が見えてきた。
「この生き物はなあに?」
 小さい子どもを連れてくると、この時点でこうした質問を受けることになる。
「これはね、怠け者という生き物だよ。自分では生産性のあることもしないのに、人のやることにはケチをつけて欲望のままに生きている動物なんだ」
 聞かれたならば説明をしなければならない。
「へえ。よく見ると人間の一種なんだ・・・

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ウソ話

15/05/31 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:719

「やっぱりねえ。おめえ怪しいと思ってたよ」
 俺は動きを止め、声の出所を確認するため振り返った。
「あんたはさっきの茶店にいた」
 記憶力は良い方ではないが、この男はしっかり覚えている。なにせ、俺がこちらの世界に来て初めて見た顔なのだから。
「おめえさん、何者なんでえ? お江戸の茶店で、初対面の相手にお城の場所を訊くとはまともな了見じゃねえ。上京したての田舎者ならまだしも、・・・

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ちょっといいかい

15/05/31 コメント:0件 三文享楽 閲覧数:739

「ちょっといいかい」
「へえ」
「平左、なんだって毎日そう腑抜けた顔をしてるんだい」
 また始まった、番頭さんの小言である。
「へえ、なんででしょうねえ」
「まったく。お前さんにはねえ、覇気がないんだよ、覇気が」
「はあ」
「もっと亀吉みたいにできないものかね」
 おっと、こういう時に自分の名前が引き合いに出されるのは喜ばしいものではない。
 ・・・

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