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11doorsさん

のんびりした田舎に引っ越してきました。温かな人たちとのゆったりした会話や日常は、ほんとうに宝物です。そんななか、小説という異質な空間の中で、読む人に、ちょっとでも喜んでもらえる作品が一つでもかけたなら、幸いに思います。

出没地
趣味 プログラミング
職業
性別 男性
将来の夢 世界旅行
座右の銘 A piece of cake.

投稿済みの記事一覧

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シャネルの遺言

16/04/26 コメント:0件 11doors 閲覧数:446

川村眞知子はデザイナーの仕事をしている。彼女のデザインす
る服や帽子、靴やバッグなどは、ひそかな人気を得ていた。

ただ、彼女は人前に出ることや目立つことを、極端にイヤがる
性格であったため、業界の人でも、彼女に関する情報は少ない。

彼女は、淡々と自分のペースで仕事を仕上げるだけなのだが、
自分のデザインした商品で、お客さまが喜んでくれれば、それ
・・・

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あなたの時計は正確?

15/06/02 コメント:0件 11doors 閲覧数:667

あるバーのカウンター席で、30代前半の女性、渡辺香織が、マスターと談笑していると、吉野達彦があわてて現れる。

「あらっ、達彦。もう7時すぎちゃたわよ」
「えっ〜? そんなバカな、あと1分あるんじゃ…」


達彦は、店の中央の柱にかかる、大きな時計をみる。


「うっ、うそ! 1分過ぎてる」


香織はニコッと笑い、青ざめる達・・・

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たったの5分

15/05/28 コメント:0件 11doors 閲覧数:740

僕の家はマンションなんだけど、いろんな人が住んでて、楽しいんです。なかでも、お隣の302号室には、ヴァレリーさんっていう、すごくキレイな外国人の女性が住んでて、英語教室を開いてます。僕のお父さんもお母さんも、せっかく近所に外国の方が、来られたんだし、僕も英語を勉強したらいいって、一日一時間、土曜日と日曜日以外は、毎日通ってます。

それに、僕と同じクラスの恵梨ちゃん…、あっ、ちゃんとし・・・

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占い師奥野と相性プログラム

15/04/12 コメント:0件 11doors 閲覧数:789

新聞社の事務職で働く川口美津江は、占い師奥野の自宅を訪ねた日、持病の心臓病で倒れ、それをキッカケに彼のマンションに住み続けている。美津江の同僚である丸山君子は美津江の部屋に宿泊することに…

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美津江と丸山君子は、以前、奥野の妹が使っていた部屋に、布団を敷き、ガールズ・トークを展開している。彼女た・・・

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あるラジオ局の一室で

15/04/07 コメント:1件 11doors 閲覧数:697

僕が生まれたとき、僕の両親は、できるだけ丸いものを多く揃えようとしました。オモチャでも何でも、子供は丸いものを見ると楽しくなって情感が育つと、父が誰かから聞いたからです。僕の家のリビングに、大きな楕円形のテーブルがあるのも、そのせいです。

父は数年前までは地元のラジオ局で働いていました。僕が母のおなかの中にいる頃、局の改築工事があって、古いものを、まとめて処分することになり、そのとき・・・

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占い師奥野と家系の縁

15/03/29 コメント:1件 11doors 閲覧数:849

月曜日の午前中、川口美津江は同僚の丸山君子と、銀行廻りの合い間に、喫茶店に入って秘めたることを相談する。

「どうしたの、美津江ちゃん? 私に相談なんて」
「ちょっと言いづらいことなんですけど、私と奥野さん、セックスレスなんです」
「ええっ、そんなこと、ここで話していいの?」
「丸山さん、何かうれしそうな顔してますけど、誰かに話したりしません?」
「うふふ、こう・・・

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女医ラハブ先生の幸せ

15/03/22 コメント:2件 11doors 閲覧数:957

ある村に、ラハブという10歳の女の子がいました。彼女は親切でやさしい村の人たちが大好きでした。ある日、近所に住む5歳の女の子が、突然おなかが痛いと泣き叫びます。その家も、また隣近所の家も、ほとんどお金を持っていなかったので、医者に診てもらうことができませんでした。

みんなが、どうしようかと頭を悩ませているとき、ラハブの前に天使ガブリエルがあらわれます。

「私が言うとおり・・・

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あの世の元彼と会わせるミッション

15/03/17 コメント:2件 11doors 閲覧数:790

鈴木一也がバーのカウンター席でバーボンを飲んでいると、マスターの谷川尚也が、酒に酔った30歳くらいの女に、もう今日は飲むなと説得している。結局、女は悪態をついて店を出て行った。

「彼女、酔うと決まって『死んだあの人に会わせろ! 会わせてくれたら何でも言うことを聞いてやる』って騒ぐんです」
「ねえ、マスター、あなた、あの女性に惚れてません?」
「えっ、何でですか?」
・・・

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「数学の日」の友情

15/03/15 コメント:2件 11doors 閲覧数:823

3月14日は「数学の日」だそうですね。たしかに、パッとみただけで円周率の“3.14”にちなんだ日だと分かります。でも、そんな記念日があると、僕が知ったのは社会人になってからでした。

その3月14日で思い出すのが、僕と中学校まで同じだった同級生の杉浦基之君です。彼は全科目でオール5。誰もが認める優等生で、特に数学が得意でした。

本人はほとんど自慢しない男でしたから、直接聞・・・

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占い師奥野と銀座のホステス

15/03/13 コメント:2件 11doors 閲覧数:880

日曜日、川口美津江は占い師である奥野の家で倒れたが、水曜日の朝には、再び元気な姿で勤務先の新聞社に出社した。

皆な、にこやかな笑顔で彼女を出迎えるが、不思議なもので、彼女が来る寸前までの沈滞していた社内の雰囲気は、いつの間にか活動的なものに変わっていた。

かつて、奥野は、彼女を『運勢の風を巻き起こす女』と、社主にだけは言ったことがある。

「ねえねえ、川口さ・・・

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通学路で人気のおじいさん

15/03/12 コメント:8件 11doors 閲覧数:982

私は林義道といいます。以前、小さいながらも金属加工の会社を経営しておりましたが、現在は長男の素生が、会社の跡をしっかり引き継いでくれております。

長年連れ添った妻が5年前に他界した今、私にとって6人の孫と、ふれ合える時間が、何よりの楽しみです。『目に入れても痛くない』、そんな言葉を肌身で感じる毎日です。

ところで、私は地域の交通安全のお手伝いをさせていただております。近・・・

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占い師奥野の悪夢な一日

15/03/07 コメント:2件 11doors 閲覧数:802

日曜日の朝、奧野は何度も鳴らされるチャイムに起こされた。パジャマのままドアを開けると、そこには27歳独身の川口美津江と、35歳主婦の鈴木泰子が、漫才コンビのような笑顔で立っている。

この二人の組み合わせで考えられるのは、占いの事務局の用件だろう。朝から面倒な話がやってきたと、奥野は気が重くなる。

「朝早くから、どうしたんです?」
「えっ? もう11時ですよ。いつも・・・

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佐代子、渋谷での挑戦

15/03/01 コメント:2件 11doors 閲覧数:834

私は小野佐代子、生まれは愛媛県なんですけど、東京でハウスクリーニングの仕事をしてます。

今日の午前中は、その下見と見積もりが渋谷で2件あって、今は代々木公園でランチしてます。もうすぐ、節ちゃん、芳崎節子さんていう同郷の女の子が、ここに来ると思うんです。彼女も私も、90ccのバイクで都内を、いそがしく営業で走りまわってます。

この仕事は親戚の松原さんっていう叔父さんとの縁・・・

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よい嫉妬心、悪い嫉妬心

15/02/28 コメント:2件 11doors 閲覧数:872

私は若林と申しまして、都内の料亭で花板を務めさせていただいております。つい先日、先代の傘寿の祝いに、ある新聞社の社主をはじめ、8人のお客様がお見えになりました。

その際、先代からの希望で、花板、立板、椀方、煮方。さらには焼方、揚場、追い回しまで、一人一皿のお造りを出すようにと、おおせつかった次第です。お客様がお食事を終える頃、私ども全員、お座敷に挨拶に来るよう呼ばれました。お座敷にう・・・

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神通力は考えない時間に

15/02/25 コメント:2件 11doors 閲覧数:789

その日、私は代理の占い師として、都内のある会社に行くことになった。仲間の占い師がインフルエンザにかかったからだ。

特に予定もなく、気軽に電話でOKを出したが、考えてみれば、堅苦しいスーツなんてものは持ち合わせていない。まさかTシャツにジーンズで、会社の役員室に行くわけにもいかないし…。運勢の鑑定より、そんなことで悩んでしまう。

久しぶりにネクタイを締め、適当なブレーザー・・・

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渋谷に降る雨つぶの再会

15/02/22 コメント:2件 11doors 閲覧数:769

僕は松原圭介、東京都内でハウスクリーニングの仕事をしている。一応、A班の班長で、スタッフの多くはバイト。しかも、その半分は外国人。B班も似たような編成で、高梨幸男って男が班長だ。

みんなA班の「A」はアホ、B班の「B」はバカの頭文字だと思っているが、それは間違いない。たぶん、夜と昼が逆転してる生活っていうのは、人間の思考というか、生体リズムと呼ぶのか分からないけど、そんなを狂わすんじ・・・

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天海と盲目の少女

15/02/16 コメント:0件 11doors 閲覧数:768

その日、徳川家康の軍は峠の麓あたりで、行軍を停めた。家康の体調が悪くなったためだ。指揮を務める陣代は家康の体調を気遣い、近くの寺を徴収することにした。寺の住職は快く彼らの申し出を受け入れ、兵たちもしばしの間休息をとる。


「家康殿の腹痛はいかがなものかな?」


奥から年配の僧侶と、10歳ほどの少女が、陣代に近づいてくる。


「はて? もし・・・

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家系によみがえる歴史

15/02/07 コメント:0件 11doors 閲覧数:1065

一、雨の日の誘い


かつて大手の銀行に勤務していた松浦憲治は、出向を自ら希望して、地方の工場へと赴いた。そこは不況のあおりを受け、主力の機械が売れず、たとえ出向といえど、銀行側の誰もが行きたがらない、そんな会社を彼は自ら希望した。当時、銀行の支店長だった谷本良平は、安定して好調な実績を出す彼を手放したくなかった。実は、出向を希望した松浦自身、なぜ自分から出向を希望するのか、よく・・・

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DNAに眠る『小田原評定』の謎

15/01/28 コメント:0件 11doors 閲覧数:783

私は妻と、彼女の祖父房太郎に会いにいった。

「おじいさま、千早です」
「おお、千早か、ひさしぶりじゃのう。そうか、ついに離婚か」
「おじいさまは、私たちが必ず離婚するといわれました。何か根拠がおありだったのですか?」
「あの頃は、ただの勘でな。それに親の反対する結婚は大抵ダメになるじゃろう」
「あの頃は…ですか。では、今は他にも根拠が?」

房太郎・・・

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生き方の乗り換え

15/01/25 コメント:0件 11doors 閲覧数:932

私はアフリカでの仕事を終え、韓国の仁川国際空港まで来た。
早く福岡行きの便に乗り換えて、とんこつの匂いをかぎたい。
だが、まだ時間があるので、空港のラウンジにある喫茶店で、
報告書をまとめることにした。

私はこういう静かな雰囲気が好きだ。誰にも邪魔されず、仕事
の内容を整理したり、これからの構想を練るのにいいのだ。

でも、そんなに落ち着けないとき・・・

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3度目の出会いと別れ

15/01/24 コメント:0件 11doors 閲覧数:922

私は海外で長らく過ごし、久しぶりに故郷の松山に帰ってきた。
市内を見ると、なつかしさで胸がいっぱいになる。そんな私が、
幼なじみの聡子と再会したのは、日曜日の松山空港、その3階
にある展望台だった。

その日は家族連れが多く、飛行機が滑走路を離着陸するたびに、
子供たちの歓声が上がっていた。私も小さい頃、よく両親に連
れてきてもらった。

フェ・・・

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バッハに感謝

15/01/21 コメント:0件 11doors 閲覧数:798

僕は大学卒業後、就職した会社の女性と結婚しました。彼女は
4歳年上。僕が3階の経理課で、彼女は4階の総務課でした。

彼女と知り合ったきっかけは携帯電話。二人とも同じバッハの
『イタリア協奏曲』を着信音にしていたんです。

それを知ったのは、社内の休憩室。少し離れたところで『イタ
リア協奏曲』の着信音が聞こえたので、僕は驚きました。自分
と同じ曲を着・・・

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髪結い亭主の乱心

15/01/18 コメント:0件 11doors 閲覧数:834

あれは、かなり肌寒い日でした。

ある美容院を経営している女性から、夫の運勢をみてほしいとの電話を受けて出かけたんです。

最寄りの駅に降り、送られたファックスの地図をみながら、少し広い公園をぬけると依頼主の美容院が見えるはず。そう思いながら、細い路地を歩きました。

ふと、エンジンをふかしたままの車が気になって、なかをのぞくと競馬の新聞を顔にかぶった男が、シー・・・

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