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悠さん

人見知りをします。

出没地
趣味
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘 日の光を借りて照る大いなる月たらんよりは、自ら光を放つ小さな灯火たれ。

投稿済みの記事一覧

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チョークと先生

17/08/06 コメント:2件 悠 閲覧数:208

予鈴が鳴る。
次々と席を立つ人波に紛れ、千紗子も教室を出た。あまり目立たぬように、しかし出来るだけ早く。先生のいる、生物室へ。千紗子は教科書を抱きしめ、早足で廊下を歩いた。
生物室には既に半数近いクラスメイトが移動していた。人の合間を縫うようにして、左端の一番前の席に着く。黒板が見えにくいだとか、何かと不満が多い席だが、千紗子にとってここは特等席だった。
教科書を置き、セーラー服・・・

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悪魔の永恋

16/02/29 コメント:0件 悠 閲覧数:550

サラはエドを愛していた。
南の農村に産まれた年端も行かない幼子であったが、サラはエドを愛していた。けれど、サラの容姿は村の人気者であるエドには余りに不釣り合いだった。
それでもエドに愛されたい。胸が押し潰されそうな祈りを、サラはひとり捧げ続けた。

それから幾年かののち、サラはかつての面影を微塵も感じさせないほど美しく成長した。村一番の乙女となったサラはエドと交際を始め、ほ・・・

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咲けよアイリス強かに

16/02/26 コメント:0件 悠 閲覧数:587

「すき」
ぷつん。
「きらい」
ぷつん。
「……すき!」
ぷつん。
最後の花弁がはらりと散り、花占いの終わりを告げる。
…ああ、嫌な夢だ
もはや花とは呼べなくなったそれを無造作に投げ捨て、目の前の少女が瞳を輝かせて走り出す。それが幼い頃の自分であることには気づいていた。少女が向かった先も、それから、事の顛末も、全て覚えているから。
ふわふわきら・・・

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曼珠沙華

15/10/08 コメント:2件 悠 閲覧数:621

久しぶりに夢を見た。あまりに幸せすぎて、壊れてしまった夢だ。
白く霞む世界の中、手探りで君を探す。
ねえ、会いたいよ。もう俺を見てはくれないのか。俺の中の君は、こんなにも眩しく煌めいているというのに。
手を伸ばした希望は脆くも崩れ去った。虚空を掴んだ右手がじわりと滲む。
泣きたい訳じゃなかった。体の内で猛る炎を、上手く制御できないだけだった。君を食い殺さんばかりの熱情を、押・・・

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ただいま

14/12/26 コメント:0件 悠 閲覧数:777

たあくんはいつもひとりぼっち。
今日も教室の隅っこでひとり本を読んでいます。話しかけてくれる友達はいません。
「ねえ、遊ぼうよ」
背筋の凍るような冷たい声が耳元で囁きますが、たあくんはその呼びかけには答えずページを捲ります。たあくんに話しかけるそれは、人ではないからです。
昔から、たあくんはおばけと触れ合うことができました。その力が常人にはないものだと知った時には、たあくん・・・

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解けた秒針

14/11/30 コメント:2件 悠 閲覧数:797



吐息が白く燻る昼下がり。
僕と彼女は喫茶店にいた。
ダークブラウンの木材で統一された店内に、緑を添える観葉植物たち。落ち着いた温かみのあるこの店は、彼女のお気に入りだった。
奥から二番目のテーブルについて、僕らは上着を脱いだ。それから、決まったように二人で同じ方を向く。
店の片隅にひっそりと置かれた、今はもう時を刻まないアンティークの時計。僕らがここに通い出・・・

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