1. トップページ
  2. アシタバさんのページ

アシタバさん

未熟者ですが宜しくお願いします。

出没地
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

0

感情の旅

17/07/22 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:69

 田村玲二はかつて喜怒哀楽の感情を切り捨てるのに成功した。そして、高校に行かなくなった引きこもりである。
 心配する母親とも顔を合わせない彼は、今、部屋のベッドに横たわり、じっと目を閉じていた。笑い方も泣き方も怒り方も忘れて、とうとう動くことすら忘れてしまったかのようにも見える。
 しかし、これには理由があった。彼の頭の中では今、ある旅の光景が映っているのである。

 事の・・・

0

失恋したら海

17/06/25 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:107

 彼女がエスパーであるわずかな可能性に賭けたのだ。
 毎日、職場のオフィスにて、彼女へ『好き』のテレパシーを送り続ける。
 直に言うのが恥ずかしいゆえの苦肉の策だった。
 それでも、いつか彼女が応えてくれる日を信じて待った。
 しかし、そんな日々が今朝で終焉を迎えた。
 人はこれを失恋と呼ぶらしい。
 どうやら彼女はエスパーでなかったらしいが、今になって気がつい・・・

1

タヌキ電車

17/03/20 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:171

 通勤ラッシュの喧騒が過ぎたのは数時間前で駅を行き交う人々の足取りはのんびりとしていた。ホームで一人の青年が電車を待っている。青年は先程から近くにいる人々にチラチラと盗み見されていた。
 盗み見は失礼な行為だ。皆、解っている。けど、つい見てしまうのだ。青年はそれ程に見目麗しい。
 ホワイトブロンドの髪の毛、南国の海のような青い瞳、スラリとした身体つき、女性も羨む白い肌である。美形の外国・・・

0

タイムスリップ?

17/02/27 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:259

 凍てつく冬だけど彼女と熱々なので寒くもない僕は、はや25歳。
 彼女とドライブに出かけた時だ。助手席の彼女が楽しげに話しかけてくる。
「都市伝説だけど知ってる? この世界は――」
 すると、突然、目に映るもの、ハンドルの感覚、彼女の声、全て消え去ってしまった。叫ぶ間もない。人生という動画に停止ボタンが押されたようだった。

 瞬きをしたら世界が変わった、という言い・・・

1

終らない愛情

17/02/20 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:271

 居酒屋で、その男は頭を抱えていた。
 難病の妻を助けるためには莫大な治療費が必要だが、いくら身を粉にして働いても、男の稼ぎでは遠く及ばないのであった。このままでは妻が神様のもとに召されてしまうかもしれない、そう思うと不安で仕方なくなり、男は飲み馴れない酒をこれでもか、と胃に流し込んでいた。
 泥酔し、意識がちぐはぐになると、男の前に、不思議な雰囲気を纏った老紳士が現れた。
「こ・・・

1

春のゴング

17/01/06 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:311

 会社から持ち帰った仕事を終わらせるためにノートパソコンのキーボードをリズムよく鳴らしていた。苦もなく作業を進めていると、新しい仕事にようやく慣れたことを実感する。新しい生活にも、だ。
 自宅であるマンションの一室は三階に位置するので、ベランダの窓を開けていても、他人に覗かれる心配はない。窓を全開にしていると暖かい夜風が頬を撫で、独特の匂いを胸に吸った。春の匂いがする。
 春という言葉・・・

0

遠い世界のクリスマス

16/12/18 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:247

 研究施設『サンタの家』からの逃走劇は、どうやらここまでのようだった。
「逃げきれると思っていたのか!」
 どこまでも続く広大な雪原に『兄弟』の怒声が響く。
 逃げるのに使った(ジェット式空飛ぶ雪ソリ)は、私の後を追ってきた『兄弟』に撃ち落とされ、無残にも数十メートル先で黒い煙をあげていた。墜落寸前で放り出されたのは良かったが、足の骨が折れて、今は逃げるどころか立ち上がることも出・・・

0

平和島

16/11/03 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:324

 零式戦闘機の操縦席から眼下に見えるのは果てのない海だ。その海に米軍の戦艦が城のようにどっしりと構えている。私は攻撃すべき城にむけて操縦かんを切った。戦闘機は絶叫のようなプロペラ音とともに落下に近い角度で急降下する。
 刹那、轟音がした。自分の肉体にも等しい愛機の皮膚が無数の弾丸で激しく貫かれるのを感じた。戦艦の対空砲火だった。
 海面に叩きつけられるまであと数秒と覚悟した時、心のな・・・

0

天賦の才を持つ男

16/10/01 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:446

 その日、いつものように通学のためバス停に並んでいた。
 そしたら赤ちゃんを抱きかかえたお母さんが隣にやってきて、赤ちゃんが「びゃー」と泣き始めてしまった。お母さんが一生懸命あやすのだけれど泣き声がおさまる様子は微塵もない。隣でやり過ごそうとしていたら赤ちゃんの泣き顔が目に入った。
 すると、僕の心のなかで何かのスイッチがカチリと入る音がした。
 おもむろに両手で顔を覆う。そして・・・

0

宇宙への旅

16/09/11 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:425

 平凡な一般人が自分で宇宙へ行く。

 スペースシャトルが現役だった時代ならいざ知らず。太陽光で発電した電気エネルギーを使う宇宙船が主流になった現代なら不可能なことでもない。小型の宇宙船を購入して宇宙へ飛び出した旅行者の前例はいくつもある。が、『今度の夏季休暇に行ってみよう』と言えるほど、まだ簡単なことでもない。

 人生の楽しみはあきらめてひたすら働き資金を貯める覚悟が必・・・

2

お弁闘ですね

16/07/17 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:409

 高校が昼休みになるや、机をくっつけて弁当を広げる二人組がいた。なぜだかピリピリとした空気を漂わせている。そこに眼鏡をかけた女の子がやってきてこう告げた。
「お弁闘を行います」

 弁当を広げて睨みあう二人の女の子、黒川さんと赤城さん。そして、彼女らの傍らに座る青島くんは端正な顔をした男の子だ。クラスメイト達は静かにこの勝負の成り行きを見守っていた。
「美味しいお弁当をつく・・・

2

誰かが淹れてくれたお茶

16/01/31 コメント:6件 アシタバ 閲覧数:800

 男は首をかしげた。
 寝室から起きてくるとダイニングキッチンのテーブルにお茶が用意されていたからだ。一人で住むには広すぎるこの家に住人は彼だけなのに一体誰がこれを用意したというのだろうか? 人が忍び込んだ形跡もない。湯呑の緑茶からは湯気がたっており、どうやら淹れたてらしい。普通に考えればこのお茶は不気味に思える。
 しかし、この男は何を思ったのか椅子に座りゆっくりと時間をかけて飲みだ・・・

1

金曜日の夜 土曜日の午後

16/01/10 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:529

 金曜日。仕事が終わり、いつものように彼と待ち合わせをして馴染みのレストランへと食事に訪れた。ふと気がつくとその日の彼はいつもと様子が違った。いささか固い表情で注文したお酒や料理にほとんど手をつけず、残すのは勿体ないな、と思う私をまっすぐ見つめて意を決したようにこう言った。
「ごめん、他に好きな人ができた。俺と別れてくれないか」
 彼は私と別れたいという想いをストレートに伝えてきた。そ・・・

1

ある星の革命

15/12/23 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:551

 故郷の惑星から遠く離れて広大な宇宙を探索する日々が続いていた。
 重要な任務とはいえ狭い宇宙船にずっと一人きりだったのでいい加減気が滅入り、家族に会いたいと考えていた。そんな時、不意に警報音が鳴った。慌てて状況を確認するとエンジンになんらかの故障があるようだった。本来はあまり未知の星には降りたたないようにしているのだが、エンジンが完全に動かなくなる前に手近な星に着陸して修理することを決めた・・・

1

奇人日和(奇人からの問題)

15/11/06 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:556

問1

日曜日。
待ち合わせによく使う駅前の広場は人が多かった。
自分と同じように人が来るのを待っている、そんな人達はみんなそろいもそろって携帯電話を熱心に覗き込んでいた。男も、女も、あっちにも、こっちにも。

じっと待つ者達もいれば、目的地に向かう者達もいる。
あの家族はデパートへ買い物に行くのだろうか? あっちのカップルは映画でも観るのかな。大学生らし・・・

3

晴れない世界

15/09/24 コメント:3件 アシタバ 閲覧数:732

 最近、僕は少しおかしい。
 授業中にもかかわらず、やたらと窓の外を見てしまう。空はいつもと同じで、淡く光る『光の雲』におおわれ何の変哲もないというのに、近頃の僕はどうしても空が気になってしまうのだ。
 僕の悪癖に気がついた先生が視線で咎める。すぐに謝罪をした。
「ここのところ様子が変ですね。どうかしましたか」
 先生の問いかけに僕は思い切って打ち明けた。
「空に青い・・・

0

幸せのアニメをもとめて

15/09/08 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:838

 昨日。30歳手前のひきこもりの姉が言っていた。
 この世には見たものを幸せにできるという『幸せのアニメ』があると。
 僕は思う。姉よ。
 都市伝説を語っている暇があったら、そのジャージを脱ぎ捨てて、さっさと職か結婚相手を探した方がよいのではないか?


 一日の大半はアニメを見ることに費やしている姉に頼まれて、大学生の貴重な休日に僕は近所の古本屋にやって来た。・・・

1

江戸の町と光の花

15/06/05 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:727

 この世に終わりがあるとすれば、今がまさにそうだろう。

 夏の雲ひとつない空。
 灼熱の太陽は今日も江戸の町をジリジリと焦がしている。
 仕事の依頼で雨傘を直しにいく途中、手拭いで汗を拭きながらふと思ったのだ。
 徳川将軍様のお膝元。江戸の町。そこに住む人々は昔から、威勢のいい華やかさと、どこかサッパリとした力強さがあったはずだ。そう思っていた。
 しかし、今・・・

2

博士と海

15/05/04 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:803

 ある大手製薬会社で突拍子もないプロジェクトが持ち上がった。
 宇宙開発や深海探索などの国家的事業の為に過酷な環境下でも人間が生きていける薬を作る、というのだ。これが成功すれば世紀の大発明になることはまず間違いないだろう。ところが、本当の理由は実につまらないものだった。
 この会社には若くてとても優秀な女の博士が働いている。彼女は様々な研究で会社に利益をもたらしていた。ただ性格が問題で・・・

1

憧れの展開と事実

15/03/24 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:915

『事実は小説よりも奇なり』 今日こそは起きてくれ。
 通学中、僕はそう心の中で祈っていた。
 朝の通学路では、チュンチュンと雀が鳴き、ごみを出すパジャマ姿の主婦やあくびをするサラリーマンなどが視界に入ってきた。
 本日もドラマティックな出来事など簡単に起こりそうもない雰囲気で、僕自身も何の変哲もない高校一年生だ。
 それでも、高校生になってからというもの、僕は毎朝、通学路を・・・

0

隣の引っ越し

15/01/08 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:761

わたしの住むアパートの前にトラックが止まった。
窓から見なくても部屋に入ってくる音だけで大体わかる。
そのまま耳を澄ませていると、誰かが階段をのぼってくる足音がした。
隣の部屋から聞きなれたチャイムの音が鳴り、ドアの開く音と先輩の話声が聞こえてきた。
どうやら予定通り引っ越しの業者が来たようだ。

今日、先輩がこのアパートを出ていく。
大学を・・・

0

君にお別れを

14/11/10 コメント:0件 アシタバ 閲覧数:812

 えっと、頭の中を整理しよう。

 先日、交際中の彼女に別れを告げられた。久しぶりに一緒に映画を見てから立ち寄った喫茶店でのことだ。「一体、どうして」と聞くと「他に好きな人が出来たの、ごめんなさい」とありきたりのことを言って、飲みかけのコーヒーと僕を残して去っていった。当然、僕は納得ができないので、その後の数日間、彼女に電話をかけてみる、がことごとく無視されて、家まで行くと頑なに居留守・・・

1

つかまえて

14/10/16 コメント:1件 アシタバ 閲覧数:678

中学生の時のぼく。
気になる女の子がいた。
その子に悪口を言っては校舎を追いかけまわされる日々。
ほぼ毎日。懲りずに来る日も、来る日も。
ぼくはそれしか彼女との接し方を知らなかった。
周りの同級生たちは呆れていた。
それでも彼女は律儀にそれに付き合ってくれる。
他の生徒達をすり抜けて、すり抜けて、廊下を駆けて逃げる。
そして、最後はいつも四階に逃げ込・・・

1

天使が舞い落ちた思い出

14/09/22 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:751

 昔、天使に会ったことがある。
 俺が30歳くらいの頃かな?
 そいつは若い女で金色の髪の毛、外人のような透き通った肌だった。
 背中には白い大きな翼が生えていた。
 孫娘にその話をすると「素敵ね」と喜んでくれる。
 だが、最後にこれを言うと言葉を失うのだ。
「あいつ体重は100キロくらいあったぞ」と。

 当時、天使本人にそのことを言うと「失礼ね。・・・

  1. 1
ログイン
アドセンス