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夏日 純希さん

名前は「なつのひ じゅんき」と読みます。誰かに届くなら、それはとても嬉しいことだから、何かを書こうと思います。 イメージ画像は豆 千代様に描いていただきました(私自身より数億倍、さわやかで、かっこよく仕上げていただきました。感謝感激) Twitter(https://twitter.com/NatsunohiJunki) 豆 千代様 HP:MAME CAGE(http://mamechiyo555.tumblr.com/?pagill )

出没地 竹やぶ
趣味 節約。
職業 SE
性別 男性
将来の夢 みんなが好きなことをできる優しい世界を作ること。 でもまずは、自分の周りの人を幸せにすること。
座右の銘 良くも悪くも、世界は僕に興味がない。(人の目を気にし過ぎてるなってときに唱えると、一歩踏み出せる不思議な言葉)

投稿済みの記事一覧

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シリアルシリアル

17/04/16 コメント:2件 夏日 純希 閲覧数:290

バカな僕の人生は少々苦いことが多い。

「そんな苦い人生に最高のスイーツはいかが?」

と甘い誘惑をくれたのは、まだ一度も会話を交わしたことのなかったクラスメイトの御神さん。
これは甘い罠だと僕の16年の人生経験が警告音を繰り返す。

「ひ…一ついただけますか?」

ばかばかしくバカな僕は人差し指をクールに突き立てた。自称クール、他称ギコチナー・・・

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金貨は表と裏がある

16/02/26 コメント:2件 夏日 純希 閲覧数:577

 皆と違うとすれば、悲しみと金を交換していることくらいのものだ。悠馬は他人からスッた財布の中身が空っぽになったことを確認してから、そっと酒場の前の大樽の上に置いた。昼の酒場には人気がなく、すぐに誰かがそれに気づくことはなさそうだった。悠馬は20歳だがスリとしては一流だった。10歳で両親に先立たれながら、この荒くれ者が蔓延る街で生きていけたのは、マジシャンだった父親に教えてもらった、気づかれずにモノ・・・

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沈みゆくトンビは

15/07/23 コメント:4件 夏日 純希 閲覧数:897

沈みゆく潜水艦の中は静かだった。カラスは

「もう何もできねぇな」

と言って尻もちをペタンとついた。トンビは計器に焦点を合わせないまま、口に手を当てて、何かを考えるふりをし、

「やっと千代に殺してもらえる」

と手の平の中でつぶやいた。艦内に残っているのは五人だけだった。トンビは静かに安堵のため息をついた。水圧で鋼鉄が歪められる音が重たく響く。<・・・

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近未来ラブレボリューション

15/07/20 コメント:2件 夏日 純希 閲覧数:846

少子化に歯止めが効かないからって、政府の奴ら何考えてんだか、離婚のときに慰謝料請求できないように法律を変えちゃった。おかげでほら、もう俺の元妻なんて無償で捨てられて泣いてんじゃん。無償の愛だけに無償で捨てられて、スマ婚だけにスマートに離婚もできる。なんて合理的なんだろう。いやいや、政府の方針キタコレだから、俺に対して何か言うのはお門違いだぜーってなわけで、偉い先生が言うには、流動性が大事らしいから・・・

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現実アレンジメント

15/07/13 コメント:2件 夏日 純希 閲覧数:794

これは僕がはまった罠の話だ。

サークルも、アルバイトも、合コンもしない。成績表に優を集めるだけの大学生活。大学は勉学に励むところ。こんな当り前が友人に理解されることは一度もないまま、僕は大学三回生の後期を終えようとしていた。

不正行為、ダメ、絶対

A4用紙に書かれた啓蒙のビラが事務棟の掲示版に貼られていた。僕はそれをチラリとだけ見て、隣にある試験の通知をチ・・・

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レントル・ザ・サンド

15/05/31 コメント:5件 夏日 純希 閲覧数:865

 レントルによって維持された脆弱な街。王室のベッドの上。さらりとしたシーツの肌触りを背に、レイは汗ばむ王を抱く。王の荒い呼吸がメトロノームのように響き、やがて緩やかに収束する。
 生臭い静寂。
 ことを終えた王は、力強い眼をレントルに向け、左腕でしなやかに王自身を包み、振るった右手から黄砂を放つ。砂が中空で細長いS字を描き、金魚鉢のようになったレントルの頂部から吸い込まれる。レントルは・・・

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シュノーケアンバランリング

15/05/10 コメント:4件 夏日 純希 閲覧数:924

 薬指のリングを引き抜くと「どわりゃぁぁわっしゃいーー」と叫びながら、水平線の向こう側を目指して投げ込んだ。愁いで染め上げたような茜色の空を通って、銀色のリングは……わりと小さな放物線で、想像よりかなり手前に着水した。
 ぽちゃり。
 …。
 ……。
 ………。
 ざぶん。
 着水地点から黒いボールみたいなものが浮かび上がったかと思うと、それはまたすぐに沈んで消・・・

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最愛

15/02/21 コメント:6件 夏日 純希 閲覧数:942

「あんたなんか戦場で絶対くたばって来なさい」
妻、乙代の言葉。戦場で脳内再生。聞こえの悪い言葉。繰り返し再生。

叫び。地面と人との衝突音、鈍い金属の衝撃音。

次々と刺さる大量の矢。
地面、誰かの肩・胸。叫喚。
佐吉の足下。溜飲。無視(不可)。

凄腕の友人籐野。迷わず追走。
慎重に進撃。切り開かれた経路を進行。
卑怯者? 短く深・・・

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伊丹空港ラプソディー

15/01/17 コメント:8件 夏日 純希 閲覧数:1122

伊丹市をご存知だろうか? ここは、公立の小中高でも昔から冷房完備なブルジョアな市である、と言えばブルジョアという部分だけ嘘になる半端に素晴らしい市である。

伊丹空港があるところといえば、そこそこの人に通じるかもしれないし、通じないかもしれない兵庫県の右端の下の方にある知名度中途半端な市である。空港も伊丹市内にすっぽり収まっておらず、半分は大阪の豊中市にはみ出しているので、大阪空港と・・・

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僕は妹の部屋に向いて歌う

15/01/10 コメント:8件 夏日 純希 閲覧数:1306

長いものに巻かれるのは構わないけれど、自分で巻きつけるのは首吊りをするみたいで嫌だから、せめて長い奴自ら巻きに来て欲しい。そんなことを自分の楽曲を検索しながら思い、仕方なしに自分で楽曲の登録リクエストを行った。タイトル名から検索すればもちろん検索出来るのだが、少しマイナーな部類に入る鼻歌による音楽検索サービスでは自分の曲がまだ表示されない。だから登録リクエストを自ら行う売れないシンガーソングライタ・・・

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1/4の罪悪と、あの人の密室

14/12/23 コメント:7件 夏日 純希 閲覧数:1326

運命とはサイコロで決まるスゴロクのようなものだと思っていた。だから私はたいていの人たちと同じように、出たサイの目に従って素直に運命を受け入れていた。受け入れる潔さこそが、人の強さだと思っていた。

でも、もしかすると、私たちはサイの目自体を選ぼうと、もっと努力すべきなのかもしれない。ちょうどあの最悪の状況下で「ジャンケンでの生存確率を上げよう」
と言ってくれた、あの人のように。<・・・

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告白ロールバック

14/12/19 コメント:7件 夏日 純希 閲覧数:995

 時哉は、魔法使いの祖父の話を聞くのが大好きだった。
「科学ではどうしようもないこともあるぞ」
「じいちゃん、それって何?」
 小学生の時哉はワクワクして答えを待つ。
「時の流れとか、愛とか」
「あい?」
「愛はまだ時哉に早いか。それより……時哉は時の魔法を受け継いでいるぞ。だから名前に時が入っている」
「まんまだね」
「直接過ぎて嫌だと言う身内もい・・・

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洞窟を出れば、そこは不条理だった

14/12/01 コメント:10件 夏日 純希 閲覧数:1428

「今日は、とある男女の話をさせてもらおう思います」
『聞かせてもらいましょう』
「外国での出来事。男の名前はジャン、女の名前をハナコと言いました」
『待て、片仮名=外国人やと思うなよ!』
「うるさいな。そしたら、タロウとハナコがいました」
『直すのそっちちゃう! もう日本人しかおらんがな』
「タロウとハナコは……」
『あー、もうええ。続けて』
「二人・・・

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しおれうつむいた花が見つめる寂しいパズル

14/12/01 コメント:7件 夏日 純希 閲覧数:1005

 スマホのアプリストアを眺めていると、変なものを見つけた。名前は『花パズル』。申し訳程度に作成されたアイコンから、個人制作のアプリだろうと察しがついた。レビュー評価はまだない。
 こういうのはつまらないことが多い。だが、私は説明文を見て少し心を惹かれた。

 家族が天寿を全うしたのでこのゲームを作りました

 パズルゲームの説明には全く見えない。だが、その淡白な迫力が・・・

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夜空と重力が普通の夜

14/11/10 コメント:9件 夏日 純希 閲覧数:1288

人一人の命が消える瞬間くらい、月は綺麗に輝いていてもらいたいものだ。

ビルの屋上で手すりの向こうに立っている男を見ながら、私はそんなふうに思った。なぜ、そんなことを考えたのだろう。あぁきっと、こんな夜でも月が雲で霞んでぼやけているのと同じ理由なのだろう。

今夜が満月と予報されたところで、満月が見られるとは限らない。当然だ。

ここはどうしようもなく風が冷たく・・・

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交差する願いは、二人を川へと駆り立てる

14/11/08 コメント:12件 夏日 純希 閲覧数:1041

 ◇ 悠花の願い

「そこから飛び降りても死ねませんよ」

悠花は欄干の上で見知らぬ男の声を聞いた。そして「邪魔をしないで」と心の中で呟く。死ぬわけがない。だって、得るために飛び降りるのだから。飛び降りて死んだら元も子もないではないか。

悠花は少し振り返り、片目でその男の姿を捉える。年は三十前後だろうか。なかなか整った顔立ちをしている。だが、今は誰だろうと関係・・・

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狩人のモード

14/10/26 コメント:9件 夏日 純希 閲覧数:1113

「狩人に必要なのは卓越した冷静さだ」シンの兄の言葉だった。
あれだけ冷静だった兄がなぜ? シンは孤島へ向かいながら考えていた。
「シン兄、新種っていくらになるの?」妹のアリスはシンに尋ねた。
「今回は金目当てじゃないぞ」シンは眉一つ動かさずに答える。
「仇討ちでも貰えるもんは貰っとかないと」
「報酬の50%はやる。けど、今までの立て替え分で全て消えるぞ?」
「私・・・

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月と星だけに

14/10/20 コメント:8件 夏日 純希 閲覧数:871

今ケイコが欲しいものは――だ。
こんな風に、ヘキルには好きな人の欲しいものがはっきりとわかった。ただ、それは便利だけど万能でもなかった。
チョコレートが、ひと時の幸せを運べても、虫歯を治せないのと同じように。

 ◇

「いってきまーす」

ヘキルは扉を閉めて外へ飛び出すと、秋をまとった朝の寒さが足元から上ってきた。「寒いし走ろっかな」思考と行動がリ・・・

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グラストンベリーの丘で

14/10/02 コメント:12件 夏日 純希 閲覧数:945

子供の頃は幸せなんて何もしなくても舞い降りてきたものだった。

二十代最後の年、僕はグラストンベリーの丘を登る。
何かが足りなくて、このままでは生きていけない。
パワースポットと呼ばれるこの丘にくれば何か変わるだろうか。
普段の僕なら、
「パワーを垂れ流しにしている場所なら、もう枯渇してるでしょ」
とか何とか言って否定的だったろうに、もう本当に僕は参ってし・・・

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スーパーハッカー五十嵐 誠司の完全なる世界

14/09/27 コメント:14件 夏日 純希 閲覧数:1697

俺の名前は五十嵐 誠司。世界屈指のスーパーハッカー。27歳既婚。
決め台詞は「This is my perfect world(これが俺の完全なる世界だ)!」。

ただいまハッキング中である。え、何をって?
俺の生死にも関わる最重要機密情報。つまり、

 妻の日記である。

ハッキングとは、ネットワーク経由でするものというイメージのあんた。
甘・・・

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君影 〜今も君の名を〜

14/09/20 コメント:13件 夏日 純希 閲覧数:1371

彼女の、第一印象は“変な子”だった。
「私の名前はリリィ」
そう言った彼女の姿は、カタカナの要素なんて、
どこにも見あたらない日本人のそれだった。

それでも、僕は彼女のことを「リリィ」と呼んだ。
そう呼べば、彼女が嬉しそうに「なあに?」と返事をくれる。

僕と彼女は、鈴蘭の咲く丘で出会った。
そして、この丘で約束もなしに会っては話をした。

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守りのデッドロック

14/09/14 コメント:11件 夏日 純希 閲覧数:2996

男たるもの、頑なに貫きたいことがあるだろう。
それを守ること、それ即ち矜持である。
だが、守ると何かを失うとしたらどうすべきか?

真っ白なゲレンデ、中級者コースから外れてしまった僕らは、
誰も踏みつけていない深い雪に囲まれて二人きりだった。

目の前には、愛しの佐伯さん。

僕らの関係と言えば、他人以上・恋人未満。
端的に言い直せば、告・・・

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約束の果て

14/09/08 コメント:11件 夏日 純希 閲覧数:1403

名前で区別することはあまり重要ではないと思うから、
あいつらのことは、ただ単に『犯人』と呼ぼうと思う。

あいつらは、二人組の銀行強盗だった。

小学四年生だった僕は、お母さんと銀行に来ていた。
お母さんはATMに寄っただけだった。
しかし、タイミング悪くやって来たあいつらに銃を突きつけられ、
僕らは人質になった。

人質の数は、僕らを合・・・

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空のゴースト

14/09/05 コメント:10件 夏日 純希 閲覧数:916

島の空軍基地では、今夜花火大会が予定されていた。
そのため当番以外のメンバは町へ出払っていてどこか寂しい。

一日の仕事が終ったタケルは急に話し相手が欲しくなった。
整備士のマルヤは必ずいるはずだと思い付き、格納庫へと足を向ける。

格納庫は普段から人が少ないので、寂しさが和らぐ。
くすんだ青色のF6戦闘機が一列に並んでいた。
マルヤは案の定そこにい・・・

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愛をかけたら

14/09/01 コメント:8件 夏日 純希 閲覧数:857

理系というのは不思議な人たちだ。
あんなに難しそうな数式は理解しているのに、
ファッションというものを理解しようとしない。
いつも古びたシャツとGパンみたく簡素で質素だ。

私の理系な彼はさらに不思議だ。
私を……、背も低くて、スタイルも良くなくて、
顔だって普通で、性格だってひねくれている、
そんな私をかわいいと言ってくれる。
私が大嫌いな私・・・

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甲羅の意思

14/08/29 コメント:12件 夏日 純希 閲覧数:1427

一匹の噂好きのカラスが、池の水面へと伸びる枝にとまった。
そのすぐ下の、池にぽこりと浮かんだ石には、一匹の亀が今日も道路の方を眺めている。
亀の名は三平といった。
「初めまして。ちょっと世間話でもいかがですか」
カラスは、三平に話しかけた。
「別にかまわないけど」
三平の声はひどくしゃがれていたが、口調には、どこかあどけなさが残っていた。
「いま、ちまたで・・・

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ラブレターを取り戻せ

14/08/26 コメント:15件 夏日 純希 閲覧数:1015

あの頃、私以上にドジな中学生はいただろうか。
私はあろうことか前日書いたラブレターの下書きを、間違って提出してしまった。
だから、日直が回収したそれをこっそり本来の提出物とすり替えなければならなかった。

今思い出しても、滑稽で仕方がない。
夜眠るときに思い出して悶えることも、まだ時々ある。
でも、……それでも、あの出来事が今の仕事の要になっている。
そう・・・

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悩み相談員の悩み事

14/08/17 コメント:9件 夏日 純希 閲覧数:996

1人で悩まないで。
メッセージの横には電話番号が記入してあり、そこにかければ、誰でも、どんなことでも相談できる。

加奈はそこで相談員の仕事をしていた。特別なスキルを持っているわけではない。
イージーな悩みを抱えた人たちは、どこかに悩みを吐き出したいだけだ。
そのはけ口が、この相談室の役割。互いの声は機械が自動的に変換してくれて、
個人情報的観点からも程々に安心・・・

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詩人からは程遠い二人による考察

14/08/12 コメント:5件 夏日 純希 閲覧数:907

「なぁなぁ、俺さ、詩の才能あると思うんやんかぁ」
「まぁな、お前なら上手に練炭で一酸化炭素発生させられると思うわ」
「そうそう、こうやって七輪に練炭たくさん入れてな!モクモク。うーん。バタンキュー。
 って、ちゃうちゃう、死の才能やない、詩の才能や。
 俺、詩人になれるんちゃうかなって思うんやけど」
「あぁ、詩ってあれか、『今日はあなたが皿を食べたい言うたから、皿だ記・・・

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一つだけの仕事

14/08/10 コメント:4件 夏日 純希 閲覧数:766

京都老舗のすき焼き専門店。すき焼き『半額』。
嬉しくない。なぜなら、それが私につけられた値段だったから。

「あんたの腕では、半分しかお代はいただけません」

女将である母は言った。当時の私は心の中で悪態をつくだけだった。
あるお客さんの話を聞くまでは。

友達が就職活動で苦戦をしているのを、私は少し遠くから眺めていた。
私は産声を上げたときに・・・

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未来のタイムカプセル

14/08/05 コメント:9件 夏日 純希 閲覧数:864

「明日はタイムカプセルを作りますからね」

僕はタイムカプセルなんてものを知らなかった。
僕は隣に座っていた辰巳君に尋ねた。ちなみに、彼は意地悪だ。
悪役のように笑う彼を見て、僕は聞くんじゃなかったと後悔をする。

「仕方ない。教えてやるよ。タイムカプセルって言うのはな、

“時間を圧縮してカプセル状にし、未来で、呪文により圧縮した時間を再度取り出せ・・・

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ミィと俺の二週間。そして、未来の約束。

14/08/03 コメント:3件 夏日 純希 閲覧数:762

何も載っていない両手を上下させてみる。ため息。
天秤は楽でいい。計る基準は明確だし、比べる対象も二つっきゃない。

街頭のテレビに目がとまり、俺は立ち止まっていた。
一年前、わけあって二週間だけ一緒に暮らしたアイドルがそこにいた。
今はもう一方通行で眺めることしか許されない。
汗を浮かべながら必死に歌う姿に、あのときに見せた儚さはない。

何かを握り・・・

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白の珈琲

14/08/01 コメント:8件 夏日 純希 閲覧数:855

私の未来は白の珈琲。

台所から目玉焼きを焼く音がする。自然と妻が台所に立っている姿が、うつろな夢を上書きする。
いつも自分より先に起きて朝ご飯を用意してくれている。
今日もいつも通りの一日が始まった。

泥沼に半身を沈めたような気分で台所へと向かう。朝はいつだってひどい気分だ。
「あら、おはよう。今日は朝から機嫌が良さそうね」
妻は言った。
・・・

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告白デッドロック

14/07/29 コメント:12件 夏日 純希 閲覧数:3437

 これは告白できなくなった僕の悲しい話。
「今日はこれ奢ってくれるよね?」
 僕は反射的に肯定した。惚れた女の子に奢るのは御褒美だ。尻尾があったらフリフリものだ。
 例え、佐伯さんのお盆に学食最強のランチセットがあって、僕が学食最弱の具なしカレーがあろうとも。
 最強と言えど、たかが学食。文庫本一冊程のお値段。許容範囲。
「後ろの子の分も一緒にお願いします」
 ・・・

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