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sugginoさん

本がすきです。とくに恋愛ものやへんなもの(ナンセンス文学に興味があります)がすきです。   ★ひさしぶりに長編書いてます。高校生らが濃いとか音楽とかにかまける話です『スメルズ・ライク・シックスティーン・スピリット』http://ncode.syosetu.com/n9487dn/   ツイッター:@suggino

出没地 モトコーヒー
趣味 読書
職業 ライター的な
性別 女性
将来の夢 ペンギンを飼う
座右の銘 ゆっくり歩け、たくさん水を飲め

投稿済みの記事一覧

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母の美術館

16/11/30 コメント:0件 suggino 閲覧数:628




 美術館へは、毎週日曜日に行くきまりになっていた。
 行く、とはいっても建物の中に入るわけではなかった。展覧会を見にいくのではない。ただ、「行く」のだ。美術館の建物は旧く、おごそかで立派だった。敷地は公園のように広かった。実際母はわたしを公園で遊ばせるかわりに、美術館へ連れて行ったのだった。
 まだモネもドガもルノワールも知らないころだった。物心がついてから小学・・・

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God “Breath” you.

14/11/17 コメント:8件 suggino 閲覧数:1102

 その国はとても小さかった。五才の子どもの足でちょうど時計一周分の時間もあれば歩いて周れるほどの大きさで、両手両足の指で数えきれるほどの国民が住んでいた。
 国の中心には、国土のおよそ半分を占める湖があった。湖は大変美しく澄んで、まるで鏡のように日光を反射させきらきらと光った。そのほとりには白い石で造られた小ぶりの城が建っていた。城には王様とお妃様とお姫様が、つつましく仲良く幸せに住んでいた・・・

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天頂より遥かにくだって

14/10/05 コメント:16件 suggino 閲覧数:1008

「お姉ちゃんてな、どっから来たん?」
 声が降ってきたとき、茉莉にはそれが日本語のように聞こえなかった。
 アパートの裏でトムさんの散歩(兼食事、兼排泄)に付合っているところだった。ネザーランドドワーフという種の小さなウサギを放牧――放牧というとまるで家畜だが、他にしっくりくる言葉が茉莉には思いつかない――することについて同居人の鉄男はいささか懐疑的(お座敷動物を外に出しても平気なのか・・・

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貝の不幸、われわれのしあわせ

14/09/21 コメント:13件 suggino 閲覧数:1371

 あの人が「貝がいい」などと言いだした。天変地異。貝類を苦手なものランキングベスト3に入れているほどの男が。
 夕飯の、みそ汁の具の話である。どうしてそうなったかと訊ねてみれば、こういう訳であった。
 先ほど「テレビを観ているとみそ汁を食べる人が映って」おり「その具があさりだった」のらしい。「それがあまりにうまそう」で、「今なら僕にも食べられそうな気がする」と。私は反論した。いやいやい・・・

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肉体死して、夏。

14/08/21 コメント:12件 suggino 閲覧数:1146

詩人さんの部屋に、近ごろ女がころがりこんできた。
詩人さんは、アパートの隣人だ。
彼はとにかくでかい。全体的に小作りなアパートの廊下に、ほとんど天井すれすれの身長でがたいのよい詩人さんが立ってしまうと、すれ違うのもひと苦労なのだった。目なんか糸みたいに細くて口鼻は大きく、頬はごつごつとした、いわゆる強面のうえにこの図体なので、とうていカタギの人には見えないが、詩人さんはとても心優しくす・・・

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まるくて透明で、つるんとした

14/07/22 コメント:5件 suggino 閲覧数:1645

 いま女と住んでるんだけど、と鉄男は言った。

 女、未来から来たんだ。銀色のぴたぴたしたスーツを着て、何ていうか、こう、まるくて透明でつるんとしたヘルメットみたいなの、被ってた。
 循環バスの運転手は、退屈だ。再就職にはおすすめしない。夕方帰宅ラッシュを過ぎると一気に客は減り、三、四時間で乗客なしというのもざらにある。とはいえ途中で帰る訳にもいかないし、一日中同じルートを延々廻・・・

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宵山奇譚

14/07/19 コメント:7件 suggino 閲覧数:966


 ストーンヘンジという遺跡がイギリスにはあるが、それが作られた当時、原始時代の人間たちはイギリス全土から、遠いところなら数ヶ月間歩き続け、その場所に集結したという。まだ生きていた頃そんな番組をテレビで観、徒歩で? と驚いた記憶がある。そんなことを七月が来る度思いだす。祭りなどのために毎年毎年酔狂な。と。
 死んでから千年が経った。千年。今では覚えていることいえばそんな埒のないことばか・・・

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