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たつみさん

出没地
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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未来のために

14/08/10 コメント:0件 たつみ 閲覧数:733

カチャッ。通話は途切れた。
電話で突然、僕の夢の話しを信じて下さい、と高校生の俺が言ったところで、テレビ局の人がまともに取り合ってくれるはずがない。
「やっぱりだめだ」
携帯電話を放り投げ、ベッドに横になった。
「どうするつもり?」
勉強机の椅子に腰かけ、電話を聞いていた千夏の声が聞えてくる。
「どうするも何も、信じてもらえないんだ。どうにもできないよ」
・・・

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夏夜に光る白き流星

14/07/27 コメント:0件 たつみ 閲覧数:666

もし、あの馬に出会っていなければ、中央(競馬)の騎手試験を受ける事はなかっただろう。地方(競馬)とはいえトップジョッキーにもなった。所詮地方での話だと下に見られようが、それでもいい。俺はもう41歳なのだからこれで充分、そう思っていた。
だけどアイツの背中に跨ると血が騒いだ。忘れたはずの何かが揺さぶられた。
アイツの走りが問い掛けてくる――それでいいのか。
あのレースが問い掛けくる・・・

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涙いろいろ

14/07/14 コメント:0件 たつみ 閲覧数:679

――ねぇ、そんなにガチガチで大丈夫なの?
 最終ホールのグリーン上でパターを構える桜木翔太の体はガチガチである。このパットを決めれば、ツアー初優勝なのだから、そうなるのも当然といえば当然なのだが、それにしても緊張しすぎである。
――君は置き物か!
 固まったまま動かない。
 彼は大学卒業後プロになって6年目のプロゴルファーである。これまでツアー優勝こそしていないが、実力がな・・・

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切なき呪縛

14/07/06 コメント:0件 たつみ 閲覧数:656

小学2年生の大輔に父はいない。母は……。
3ヶ月前、大輔は肺炎と喘息で入院していた。
体調が安定した頃、ベッドに横たわる彼に母親は「ちょっと仕事場に行ってくるね」と声をかけた。
それに対し大輔は泣いてぐずった。
普段なら、仕事に行く母を、彼は笑顔で見送っていた。本当は寂しかったとしても。
だけど今は、病気で心細くなり、無理矢理抑え込んでいた素直な幼な心≠ェ顔をだして・・・

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14/06/20 コメント:0件 たつみ 閲覧数:667

 ここは静かな緑の世界。
 見渡すかぎり広がる野原には、沈むことのない緑≠フ太陽から柔らかな陽が降り注いでいる。そこに一本の道がある。白い砂を敷き詰めたような道が真直ぐと伸びている。
 その道を人々が歩いている。彼らは前だけを見つめ、足を進めている。親に怒られても飛び回っているような子供も、立つことだってできないような細い足の老人も、誰もが同じスピードで歩いている。ゆっくりではあるが・・・

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導き

14/06/16 コメント:4件 たつみ 閲覧数:909

殺風景な居室に目を閉じ、正座をする姿がある。
男は目の前にある鉄格子の重みを感じながらただ祈り続けている。
   ★
小ぢんまりとした三階だてマンションは静まり返っている。辺りに人影はない。
二階奥の部屋のチャイムを押してみる。
反応なし。
ポストがチラシで溢れていたから旅行にでも行っているのだろう。
横へと視線を向ける。ちょこんと座る白猫が玄関ドアを見つ・・・

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ふたつの世界

14/05/31 コメント:0件 たつみ 閲覧数:685

鬱蒼とした森にぽつんと建つ店がある。
古い振り子時計と懐中時計があるだけの小さな骨董店である。
カウンターには作務衣を着た男が座っている。高級スーツに身を包めば、恰幅のいい初老紳士といった感じの男は目を閉じ、腕を組んでいる。
カラン、と鐘が鳴り、木扉が開くと硬い声が――「ご無沙汰しております」
深々としたお辞儀に対し、男は「いっらしゃいませ」と笑み浮かべた。 
時計音・・・

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大切な場所

14/05/19 コメント:1件 たつみ 閲覧数:720

久しぶりのデートが終わろうとしている。
彼は仕事が忙しくなかなか時間がとれない。それより何より、新幹線とバスを乗り継いで二時間半という距離が、近いようでもやはり遠いのかもしれない。
私は一年前、東京の旅行会社を辞め、今は両親と福島でイチゴの観光農園をしている。
お台場でデートをし、新幹線に乗るため東京駅に戻ると、ふと彼が「行きたいところがあるんだ」と呟いた。そして今、大手町にある・・・

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