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小李ちさとさん

面白いと思ったことだけをやりたいのです。 space a:kumoというくくりで、ごそごそ活動しています。

出没地 音の中、文字の海、水の傍
趣味 読書と散歩。音楽。写真。お絵描きと工作。夜空。月。ふしぎなイキモノ。横顔。ただの好きなもの。
職業 事務的ななにか
性別 女性
将来の夢 砂漠で死ぬこと。
座右の銘 おれが おれがの がを すてて おかげ おかげの げで くらせ

投稿済みの記事一覧

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Not Modified

17/01/16 コメント:1件 小李ちさと 閲覧数:309

うちのキャンパスには18個の文化系サークルがある。そのうち11個が、3階建てのサークルセンターに部室を持っている。各階に4部屋ずつの建物は、大学生のサークル活動に提供される施設にしては立派すぎるような気もする。それでも建てられてからかなりの時間が経っているから、あちこちにぼろが出て隙間風も入る。古い小学校みたいな空気がある。

1階は音楽系のサークル。軽音とか合唱とかギターとか、いつ通・・・

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きっとそんな夜に

16/10/05 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:932

目が覚めて混乱した。景色がおかしい。私は大学の帰りで、バスに乗っていたはずだ。今だってバスには乗っているけど、使い慣れた路線バスじゃない。貸切バスで、走っているのは高速道路。隣は空席、周りに座っているのは同じサークルで活動しているよく知った人たち。何かのイベントの帰り?夢?何?
「あ、起きた?」
前の座席からひょいと顔がのぞいた。どきっとするのは片思いの相手だからか、事態について行けな・・・

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拝啓、君へ。

16/01/06 コメント:0件 小李ちさと 閲覧数:544

拝啓、君へ。ずいぶん会っていない君に向けて、初めて手紙を書きます。きっと下手くそな手紙になると思う。でも最後まで読んで欲しい。

季節は今、春です。君の好きだった桜が咲いています。もうすぐしたら散り始めると思う。よくふたりで見に行った桜並木、今年も綺麗です。やっぱり夢のようです。
そうだ、来月にはあの灯台が新しくなります。きっと眩しいくらいの白になる。そうしたら僕、出かけて行って・・・

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星空に・恋

16/01/06 コメント:4件 小李ちさと 閲覧数:591

「うわー!この道も歩けないじゃん!」
言葉とは逆に楽しそうに叫んで、ねえさんはけらけら笑った。石造りの静かな夜の街に、その声は不思議と溶け込んで吸い込まれていく。海辺のこの街は運河が発達していて、潮の加減によっては道が水没してしまう。何とかなるとたかをくくっていたら、もうどこも歩けないほどになっていた。水の流れる音ってこんなにも多彩で深かったのかと、いっそ怖くなってしまう。
「だから早・・・

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さくら

15/08/12 コメント:0件 小李ちさと 閲覧数:753

今度行くから、会えないかな。話したいことがあるんだ。
そう言ったら、『兄貴』と呼んでいるこの友人はすぐに「分かった」と了承してくれた。なので年度初めという忙しい時期に、無理矢理九州から中部までやって来た。初めての土地だから、車外の風景が珍しい。
「ねぇ、あれって何するお祭り?」
助手席から見えた看板を指さすと、「あー……」と微妙な返事が返ってきた。
「べつに大した祭りじゃね・・・

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ゆえんしん、だ、じょーず

15/04/10 コメント:4件 小李ちさと 閲覧数:859

低いテーブルの上、煙草とライター。私一人の時にはない物だ。ライターの主は向かいのクッションに胡坐をかいて、横を向いたまま手元の本に目を落としている。
「うお よう いーじゃん ゆえんしん だ じょーず」
とんとんと、煙草の灰を落とす。マッチまみれになった私の灰皿に、見慣れない物が増える。うお よう いーじゃん ゆえんしん だ じょーず。歌を歌っているような、穏やかな上がり下がり。ゆっく・・・

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渋谷に、星

15/02/24 コメント:4件 小李ちさと 閲覧数:860

この代々木公園で、今や国民的アイドルとなったあの子たちが路上ライブをしていた。それを知っている人はきっと多いだろう。
だけど彼女たちと同じ夢を見ながら、同じ頃に、同じように踊っていたアイドルのことを、誰か覚えているだろうか。

彼女たちの存在に気付いたのは、恐らく僕がいちばん早かった。いつもの場所からよく見えるところで、彼女たちが路上ライブをするようになったからだ。
もちろ・・・

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きっとさよなら

14/12/24 コメント:0件 小李ちさと 閲覧数:920

美しいものには魔が潜む。
比喩ではない。実際に悪魔がいる。いるだけならいいのだけど、作者や作品を見た者に害を及ぼす。美しいものを破壊しない限り、悪魔は消えない。
私は美しいものを破壊するのが仕事。特に能力は必要なくて、強いて言えばライトノベルみたいな世界観を受け入れる諦念力と、繰り返しの訓練を消化できる忍耐力くらいだ。
専門は日本国内の絵画作品対応。知らせを受けたら現地に赴き、作・・・

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その手にあるもの

14/12/05 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:1040

大学を出たら、黒々とした雲が視界を埋め尽くしていた。冬の曇天は気が滅入る。どこにも行けないような、どこまで行ったって『終わり』にしか行けないんだって言われているような、そんな気持ち。
昔見た映画、あれも冬の出来事だった。ヒッチハイカーとトラック運転手が一緒に旅をして、恋に落ちて、最後にはけらけら笑いながら車ごと海に飛び込む。救いのないラストなのにひどく明るく美しくて、そうだ冬ってこういうもの・・・

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それでも、手を取って。

14/11/11 コメント:0件 小李ちさと 閲覧数:789

4月は桜。
誰が何と言おうと そう主張したくなるのは、花が咲くのを待ちわびる高揚感とか、咲いては散っていく生き様とかが、人との出会いに似ているからだと思う。

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「はーい、以上が新しく打楽器パートに加入した1年生でーす。これから このメンバーで一緒にがんばっていきましょーう!」
明るく言って拳を上げると、
「はーい!」
と素直に拳が返っ・・・

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senza titolo

14/10/23 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:882

「なー」
「何だよ」
「コレいくらで売ったらいいと思う?」
「好きな値段で売れよ」
呆れて振り返ったら、浩介は真面目な顔で自分の作品とにらめっこしていた。上品なワインレッドと落ち着いたゴールドの、俺にはよく分からん物をよく分からん感じで組み合わせて出来上がったイヤリング。『大人の女性になり始めた女の子に贈る』をコンセプトにしている浩介のアクセサリーは、質とデザインとその他 ・・・

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些細な

14/10/20 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:790

一度 落ち始めてしまえば、後は早かった。
合格した大学は、第一希望ではなかったけれども望んでいた学部で、入ってみたら意外とすごい先生がいたことも分かった。クラスメイトも大学生ともなれば大人だし、今度こそ上手くやって行けそうな気がした。
でも駄目だった。俺の気力が続かなかった。高校時代の部活仲間に「理由なくそこまで落ち込めるのは、もう才能だ」「その日陰好き根性、お前はコケか?ダンゴムシか・・・

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曖昧な情々

14/10/07 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:731

坂の上のこの高校には離れたところに建っている「C棟」があって、離れているけど渡り廊下で他の校舎と繋がっていて、坂の上でそんな建て方をすると、2階に玄関が出来る。
でもC棟には1階にも玄関があるし3階にも下駄箱があるから、何をしたいんだか分からない。高校ってものが何をしたいのか、いつも分からない。

1階に玄関があるのは俺たちの部室があるからで、おかげで絶好のサボりスポットになって・・・

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【二千のエッセイ】1465の向こう側

14/09/19 コメント:4件 小李ちさと 閲覧数:796

さて舞い降りたものは翅の欠けた蝶であったが、要するにそれは、命ということ。

私は蠍座の月に生まれた。
蠍座と言うものは命を司る星座であるらしい。喪失と再生、冥王星の宿命。とかなんとか。

残念ながら命という言葉にはぴんと来ないが、死という言葉にはぴんと来る。
幼い頃、どうやら死の方に何かを置き忘れてきたらしいのだ。


7歳の時、姉が崩れた。・・・

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約束しました【二千のエッセイ】

14/09/10 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:812

仕事で小さなミスをしかけた。
それだけのことなのに前を向いて歩けないのは、もともと気持ちが沈んでいたから。
気持ちの落っことし方を間違えて、大事な人を怒らせてしまった。
理詰めの言葉が並ぶメールは非常に厳しく、それでも相手を死ぬほど信頼しているから内容を受け止められた。それほどの相手を怒らせた自分に嫌悪する。

言葉に傷ついたわけじゃない。
自分のやったことが、・・・

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ひかるものたち

14/07/25 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:759

図書館が6時にしまって、それからの3時間が勝負だ。
図書館の裏をすこしのぼったところ、高台にある人のいない公園が ぼくの居場所。今みたいな冬にはずいぶんさむいところだけれど、一度人の多いところにいておまわりさんに見つかったことがある。家に連れ帰られて、そのあと親からこっぴどくなぐられた。あんな思いをするくらいなら、それまで帰って来るなと言われた9時まで、こうしてこごえていたほうがいい。

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おはようミカ

14/06/21 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:784

おはよう、ミカ。
気分はどうだい?少し戸惑っているのじゃないかな。でも心配しなくていいよ。君のために出来ることは、全部やったからね。

君の前には今、一本の道が伸びているはずだ。その道があまりにも光り輝いているから、君は希望を抱き、同時に恐れを抱いているだろう。惹かれてやまない、だけども強い光は怖い。その通りだ。

その道はね、ミカ。美しく怖い場所に辿り着く道だ。

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人生、人生

14/05/27 コメント:0件 小李ちさと 閲覧数:717

やはり人間、ロックでなければ。

誰にも流されない。誰にも惑わされない。
自分だけの流儀で、自分だけの道を貫き、自分だけの信念を遂げる。
それこそが人間のあるべき姿だ。誰に何と言われようと、人と言うのはそうあるべきなのだ。

と、ラジオから流れた某有名アイドルの曲を聴きながら演説した。
隣でドラムをコピーしようと手足をぱたぱたさせていた彼女は、「うーん」と・・・

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その歌を、君に

14/05/27 コメント:0件 小李ちさと 閲覧数:760

君の歌が好きだったの。
そんなこと今更言ったって、きっと信じてもらえないけど。

最初は何とも思ってなかった。
才能のある新人に近づいて、仲良くなって、いい歌詞とかいい曲を盗んで、どこかに売ってしまう。
そういう仕事をするようになった理由はちょっと言いたくないけど、とにかく、それが私の仕事だった。スパイみたいでかっこいいじゃんって、上司は無邪気に笑っていたけど。

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君を待つ永い夜

14/05/10 コメント:0件 小李ちさと 閲覧数:778

「一輝、どうして」
私の問いに、一輝が足を止めた。ロングヘアの女が綺麗に顔をしかめる。
「答える必要あるー?早く戻らないと、怒られるの私なんですけどー」
「……戻りたかったんだ」
私の前に立つ一輝はそう言って、小さく笑った。
「もう一回、千影に会いたかった。そのためにはスパイになるしかなかったんだ。僕を攫った憎い奴らに、大事な故郷の仲間を売るしか、ね」
「あら、・・・

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※このエッセイはフィクションです

14/05/07 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:783

私の両親は恋愛結婚である。
しょっぱなに断ったのは、「恋愛結婚しといて、それ?」と十中八九問われそうな夫婦仲であるからだ。この歳になれば「そんな夫婦ってけっこう多いよね」と悟りもするが、幼い頃は重苦しく衝撃的な現実だった。「なんと恐ろしい、こんなことがあって良いのか」と思い続けていた。
たとえば。
父の文句ばかり言い続ける母に、「じゃあどうしてお父さんと結婚したの?」と聞いた時の・・・

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未来の約束

14/05/01 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:714

ケータイが着信を知らせる。ろくに確認しないまま電話に出たから、「もしもし」の声に慌てた。ガラケーだった時は着信ランプを緑色にしていたから、心の準備が出来ていたのに。
「……もしもし」
「なに、その声」
くすっと笑う表情が、見えないのに好きだと思う。
「……スマホで着信ランプの色変えるのって、どうやるの」
「え、知らね。俺のついてないし。お前のついてんの?」
「…・・・

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雨に消える

14/04/18 コメント:4件 小李ちさと 閲覧数:1205

声など消されてしまいそうな雨の中に、アートを見つけた。
もちろん芸術を発見したわけではなく、それは友人のあだ名である。小林彰人というのが本名で、だからアート。まぁ芸術と同じように爆発している。『晃樹』という男のような名前を持ち、女子生徒のくせに自分を『僕』と呼ぶ僕のことを、何故だか非常に気に入っているらしい。
だから僕の声も、アートには届いたのだと思う。大声で呼んだ3秒後、アートはゆっ・・・

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春の

14/04/12 コメント:2件 小李ちさと 閲覧数:869

一目見て驚いた。驚きすぎて怖くなった。
こんな人が、まさか、いるのか。
わたしより頭一つ分くらい大きいその人は、『お兄ちゃん』と呼びたくなるような穏やかさでこちらを見ていた。やわらかい雰囲気と、やさしそうな表情。
見つめられて、圧倒的な予感に支配される。
「はじめまして」
彼がそう言って笑うから、わたしも挨拶を返す。上手く喋れただろうか。頭の中が、別のことでいっぱいだ・・・

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The Rain

14/04/08 コメント:8件 小李ちさと 閲覧数:964

どかどかどか、はげしい雨がふっています。バケツくらいではもの足りなくて、風呂おけでも足りなくて、小学校のプールをひっくり返したみたいな大雨です。ちいさな坂道は川のようにあばれ、せまい溝はとうの昔にあふれていました。石ころもだれかの落としものも、ぜんぶぜんぶ流されてしまいそうです。あちこちでぶつかりあった水流が、街灯の光を反射してきらきら光っていました。
からだが痛いなぁ、とおもいながらモーリ・・・

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