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ナポレオンさん

まだまだ未熟者ですがコメントもらえると嬉しいです。 忙しくてなかなか投稿できませんでしたが半年ぶりに復活してみました。 しかし、皆さんレベルが高いです^_^;

出没地 山奥の竹林
趣味 読書、園芸、楽器。たけのこ掘り
職業
性別 男性
将来の夢 本とか出せたらいいなー
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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変態と少年

15/12/01 コメント:1件 ナポレオン 閲覧数:617

いつの頃からだろうか、自分がこの世界の主人公ではないと気が付いてしまったのは。
大惨敗に終わった高校受験の時か、好きな女の子にキモいと言われた時か、学校で無能と言われいじめられた時か。
僕の人生には何か意味があるのだろうか。その答えはおそらく見つからないと思う。だから僕は今日、首を吊って死ぬことにした。

学校帰りに近くのホームセンターでロープを買った。結び方は良くはからな・・・

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その箱に熱い思いを

15/11/02 コメント:1件 ナポレオン 閲覧数:799

「お前の評判は常々聞いておる。私からは何も言うまい、あとは任せたぞ」
そう言って男は、迷宮の子細な地図を私に手渡した。銀の調度品で飾られた部屋は薄暗く、その男の身から溢れる冷気は空気さえ凍てつかせていた。私は仰々しく男に頭を下げ、震える足で部屋を出た。入り組んだ迷宮は壁や天井に至るまで銀の彫刻で飾られており、その全てがあらゆる生命を拒んでいるかのように冷たく輝いている。
ここは世界の果・・・

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無憂草

15/10/19 コメント:4件 ナポレオン 閲覧数:715

21世紀の日本はユウウツに溢れている。会社、学校、失恋、漠然とした将来への不安etc.……。一歩町へ繰り出せばこの大都会は死にそうな顔をした人間でいっぱいだ。

ところで皆さんはユウウツを解消してくれる魔法のような都合の良い植物があるのをご存じだろうか?勿論、大麻とかではない。ダメ、絶対。
その名も無憂草というその植物こそ、夏になるとホームセンターの園芸コーナーにぶら下がっている・・・

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動物園殺人事件

15/06/29 コメント:1件 ナポレオン 閲覧数:738

初夏の風が涼しい日曜日の朝。普段なら多くの観光客でにぎわうワクワク動物園も、この日だけは騒然とした空気に包まれていた。園内に子供たちの声は無く、代わりに物々しい制服を着こんだ警察官たちがあちこちを捜査していた。
この動物園の園長を務める本田正が今朝、園内のメインストリートで死体となって見つかったのだ。死体は強力な鈍器で殴られたのか頭蓋骨が砕けており、駆けつけた警官はこれを殺人事件として捜査を・・・

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食パンシンドローム

15/03/21 コメント:2件 ナポレオン 閲覧数:956

「はい、私は幼いころからそれはそれは夢見がちな女の子でございました。きっかけは小学校の低学年くらいの頃、お母様に少女漫画の雑誌を買って頂いた時のことです。私はその時、初めて少女漫画というものに触れ衝撃を受けました。漫画の中では男の子も女の子も皆きらきらと輝いていて……こんな田舎町の人間しか見たことのなかった私は、一発でその雑誌の虜になってしまいました。中でも私の一番のお気に入りだった漫画がありまし・・・

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Aquarium

15/03/09 コメント:4件 ナポレオン 閲覧数:817

初めて見たスクランブル交差点は、月並みな表現だがまさに地元の祭りの様だった。

俺がここに来た理由は特にない。ただ渋谷は俺たち田舎者にとって、東京の象徴のようなものだった。ここに来れば地元にはない何かが手に入るんじゃないかと、ただそう思っていた。
俺の地元は典型的な糞田舎だ。子供たちは死ぬまで地元を離れようとはしないし、大人たちも閉鎖的な価値観の中でただ日々を浪費している。俺はそ・・・

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光秀奇談

15/02/09 コメント:2件 ナポレオン 閲覧数:1117

この日、光秀は主君である織田信長公の私室に招かれた。急なことであったが、今すぐに来いという主君の命のために身支度もそのまま安土城の金の戸の前に馳せた。
戸の先に座る信長はいつになく神妙な顔をしており、それが招かれた光秀の緊張感をいっそう掻き立てた。今回は何があったのだろうか。急な呼び出しとは碌なことがない。戦の話であろうか、それとも俺が何か粗相を……。不吉なことを思い浮かべながら主君の前にい・・・

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六つ目の難題

14/08/25 コメント:7件 ナポレオン 閲覧数:968

この晩も私は、つややかな木材で出来た縁側に腰を降ろし、澄んだ空に輝く月のもと、物思いに耽っておりました。月の光がはっきりと影を作る夜の庭、周囲に響く虫の聲、澄み渡る秋の風。常にこの国は美しい自然で満たされております。そして、そんなこの国の美しさに触れるにつれ、私の悲しみは枯れることを知らぬ泉のように心に溢れ、流れてゆくのでした。

しばらくしてふと、物音に目をやると、垣根の隙間から男の・・・

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70億の白い部屋

14/08/10 コメント:6件 ナポレオン 閲覧数:744

気が付くと男は真っ白な部屋に立っていた。

白い床に白い壁、白い天井。電灯のような物は見当たらないが、部屋全体が眩しいほどに真っ白だった。そしてなぜか部屋の中央を横切るように白い骨組みのベルトコンベアが二本あった。
男が後ろを振り返ると、壁の一部が白い扉になっていた。男はこの扉からこの部屋に入ったようだ。しかし、男にはこの部屋に入る前の記憶が何一つなかった。何一つ、自分の名前さえ・・・

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決戦の大掃除

14/07/28 コメント:6件 ナポレオン 閲覧数:1113

「ちょっと!タクミくん!真面目に掃除してよね、掃除係でしょ」
まったく女子というのは何故こうも面倒くさいのか。
「はいはい、わかったよ」
タクミくんこと僕は、鬼の形相で迫るシオリちゃんの前に跪き、青いプラスチックの塵取りを差し出す。シオリちゃんが自在箒で埃を入れる。ともすれば騎士と姫君だな、なんて窓の外を見る。日が暮れかけている。僕はため息をつく。

今日は年に一度の・・・

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Mermaid Tears

14/07/14 コメント:6件 ナポレオン 閲覧数:1024

国内最大の養殖真珠メーカー「CReeL」。世界各地の自社養殖場で製造されるCReeLの真珠は創業以来、世界中の女性たちに愛されてきた。中でも「マーメイド・ティアーズ」と呼ばれる純白に輝く大粒の真珠はこの世のものとは思えない美しさからすべての女性にとって憧れの的であった。そんなマーメイド・ティアーズだがどんな貝を使ってどのように生産されているかを知る者はほとんどいない。そのため、あれは本物の人魚の涙・・・

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青春の熱病

14/07/02 コメント:7件 ナポレオン 閲覧数:905

それはひどく暑い真夏の夜のことだった。
僕は、その日もなかなか寝付けずにいた。田んぼや畑ばかりのこの小さな町では、夜になると虫やカエルの声だけが聞こえていた。やがて寝ることをあきらめた僕は布団から出て着替えを済ませると、静かに玄関の戸を開けた。寝付けない夜は、いつもこうして突然外に出てはふらふらと当てもなく町をさまようのであった。とはいってもこんな熱帯夜では涼みにもならない。真っ暗な道を歩く・・・

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寓話「にんげんの道」

14/06/13 コメント:1件 ナポレオン 閲覧数:902

「君たちにはこれから‘にんげんの道’を歩いてもらいます」

神様が言いました。神様の前にはまだ生まれる前の赤ん坊たちが集まっていました。
「にんげんの道は険しい道です。途中でつまずいたらすぐに死んでしまいます。気を付けてください」
赤ん坊たちには神様が何を言っているのかは分かりませんでしたがが、皆よちよちと目の前の道を這っていきました。言葉は分からなくとも、なぜだかこの道を・・・

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転がる夢

14/06/07 コメント:5件 ナポレオン 閲覧数:1121

 その夜、奇妙な夢をみた。

 真っ暗な世界だった。体にまとわりつく湿った落ち葉やら無数の這う虫によって、ここが森の中だと分かった。身をよじり落ち葉を押しのけると、私の体は森の斜面を転がり舗装された道に出た。そこで初めて自分の体の異変に気が付いた。球体、だった。小さな、ゴム毬のような球体。さながら首から下がどこかに行ってしまったかのような。
 ころころ。
 どうやらこの体は・・・

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Dying Message

14/05/30 コメント:9件 ナポレオン 閲覧数:1227

学園祭の終わった夕暮れの教室。名残惜しそうに残っていたクラスメイト達は、少しずつ散る様にして学校から去って行った。僕はというと、一人窓際の席に座りオレンジから群青に変わる空をただぼーっと眺めている。否。にやける顔を教室の皆に見せまいと窓の方を向いているのだ。
「ケン君に大事なお話があるんです」
放課後、教室で待っていてくれと言ったのはクラスメイトのソラという女の子だった。彼女はいつも一・・・

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フューネラル・ウェディング

14/05/16 コメント:7件 ナポレオン 閲覧数:944

――結婚とは人生の墓場である。

冗談交じりに言われ続けてきたそんな格言も、今の時代の若者にとっては限りなく真理に近いものになっていた。


芽生え始めた夏の若葉が、穏やかな風に薫る6月の昼下がり。郊外の静かな丘の上にたたずむ白い教会では、今まさに若い二人の結婚式が執り行われていた。

カラーン、カラーン。

金色の鐘の音に祝福されながら愛の言・・・

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闇夜のマスカレイド

14/05/10 コメント:9件 ナポレオン 閲覧数:832

「あなた、最近なんか私に隠してない?」
夫は玄関で靴を履く手を止めた。
「え、な、なんだよ急に」
「こないだもそう。すぐに帰るとか言って、結局深夜まで帰ってこなかったじゃない」
「あ、あの日は残業で………」
「残業?上司の方に電話したらあの日は帰ったって言ってたわよ」
私が刺すような視線を送ると、夫はあわてて靴を履き、逃げるように会社に向かっていった。
「・・・

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予感の春

14/04/29 コメント:8件 ナポレオン 閲覧数:854

春の花咲く美しい山あいに、その家はあった。そこには、一人の若い女性が暮らしていた。

ある日、久々の来客があり彼女がドアを開けると、玄関の向こうには入院しているはずの夫の姿があった。
「どうしたの?急に」
夫に会うのは数か月ぶりになる。かつて、国の機関で研究者として働いていた夫は、今や不治の病に冒され病院の外どころか、真っ白なカーテンで仕切られた病室から出ることすら許されて・・・

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穴の底には

14/04/09 コメント:7件 ナポレオン 閲覧数:1032

 ある山奥の村に、とても古い煉瓦造りの縦穴があった。

 穴は、古代の劇場のようなすり鉢状に掘り下げられた土地の真ん中に開いており、鉄でできた1m四方の格子状の蓋がついていた。掘り下げられた周囲の地面や穴の内側を覆う、苔の張り付いた古風な赤煉瓦は、穴がはるか過去に作られたことを証明していた。

 ――この穴が何のために作られたのか、それを知る人間は一人もいない。

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肝試し

14/03/30 コメント:9件 ナポレオン 閲覧数:940

住宅街のはずれにある裏山のふもと。鬱蒼と生い茂る雑木林の中。無数のつたが絡みついた、表面の剥げたコンクリートの塊。かつて小学校だったこの建物は、当時のことを知る人もなくただ廃墟として、不気味な姿で佇んでいた。

「遅いぞ、ジュン」
時刻は午前2時。集まったのは、ジュンと呼ばれた僕とアキラ、リョウ、トモコの三人。僕たちは、今からこの廃墟で肝試しをする。ここは近所でも噂の心霊スポット・・・

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嵐の夜の訪問者

14/03/25 コメント:1件 ナポレオン 閲覧数:757

 夜半、激しい雨音に目を覚ます。
 寝室のある二階の窓から外を見ると街路樹や電線が激しい風雨にさらされ、さながら踊るように揺れ動いている。時折、遠くで雷が光る。
 昔から、嵐のせいで目覚めてしまった夜は再び寝るのに苦労する。
 雨が窓をたたく乱暴な音や、家のきしみがうるさいというもっともな原因もあるのだが、私が寝付けない一番の理由はもっと本能的な、嵐に対する恐怖が私の鼓動を高まら・・・

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ひまわり

14/03/24 コメント:2件 ナポレオン 閲覧数:810

 四月になり、念願だったマイホームを手に入れた。
とはいっても決して大きな家ではない。郊外の、自然に囲まれた小さな家だ。ただ、日当りだけはすこぶる良い。日の光をたっぷり浴びた子供は良く育つという妻のこだわりだ。
 そんなわけで妻は一日中日当りの良い窓辺に座り、お腹をさすりながらもうすぐ生まれてくる子供に笑顔で何やら話しかけている。窓の外には小さな庭が広がり、レンゲソウの可憐な薄紅が眩し・・・

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