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糸白澪子さん

今の私だからこそ書けるものを。Twitterもしています。よかったらフォローしてください。@mioco_cocoa

出没地
趣味
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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Background Music

17/06/08 コメント:2件 糸白澪子 閲覧数:362

 雨が激しく降っている。
 誰もいないローカル線のプラットホームでは、そこいら中、雨の存在感で満たされている。大粒の雫が駅舎のトタン屋根を叩く。雨樋は勢いを含んだ水流を抱えてはちきれそうに唸る。プラットホームから線路を覗くとそこはうっすらと洪水していて、新たな雨粒によって水面はうねりを帯びている。風が、豪、と空気を荒らしていく。
 その風景を、私はオレンジ色のベンチの上で眺めていた。<・・・

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わたしたちの秘密の約束

16/11/25 コメント:12件 糸白澪子 閲覧数:853

『怖い』というのが、ここ、美術館に来たアカリの抱く気持ちであった。

そもそも今朝起きたときからアカリは「今日はどこかいつもの日曜日とは違うな」と確信していた。まず、お母さんがそわそわしていた。妙にニヤニヤして、キレイな服を出し、アカリにもお気に入りのワンピースを着せてくれた。(このワンピースは、くるんと回るとスカートがふんわり広がり、『シンデレラ』のドレスとそっくりなのだ)さらに、お・・・

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あいことば

16/10/14 コメント:4件 糸白澪子 閲覧数:614

ここ、大阪といえば、あなたは何を思い浮かべるだろうか。多分、1位タイで「お笑い」と「たこ焼き」が挙がるだろう。
正直言うけどな、「お笑い」が挙がんのは日本におけるお笑い芸人の二大事務所がある所為やで。地元民はそんなに日常からお笑いしてないから。あと、あたし、たこ焼きよりイカ焼きの方が好きやし。あ、イカの姿焼きちゃうで。それとは別個であんのよ。まあ、ググってみて。
さて、ちょっと話が逸れ・・・

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そうしてまた、始まる

16/03/07 コメント:5件 糸白澪子 閲覧数:763

ある日の明け方、貴方は生まれました。体重3000g程の元気な男の子です。地方都市の中流家庭で貴方は育ちました。幼少期から絵を描くのが好きで、他の子が外で遊んでいても見向きもしませんでした。当然のことながら画力は人一倍早く身に付き、小学校の頃は地域のコンテストで入賞することもありました。しかし絵が描けたって人気者でいられるのは低学年の間まで。背が伸びるにつれ周囲は貴方を指して“ジミ”、“インキ”と言・・・

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カムパネルラへ

15/01/27 コメント:5件 糸白澪子 閲覧数:1266

「なあ、エリック・サティはクラシックやと思う?」
希美(のぞみ)はアイスキャンディを食べながら私に聞いた。
「クラシックやなかったら何になんの?」
私は汗をかいたペットボトルを握ったまま希美に聞き返した。
「サティはクラシックっていうほど古典的な雰囲気ないねんもん」
「あー…ね」
蝉の声が降ってくる。
じーじーじー。
みんみんみん。
しゃわしゃ・・・

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私たち

15/01/20 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:805

女の子は単純だ。好きな人を見つけると無意識に笑顔になっているんだから。それだけでテンションが上がってたりするし、そうかと思えばにやついた笑顔のまま何も話さなくなる。かなり分かりやすい。
あと、好きな人の関連した何かを見つけると友達にそれとなく報告したりする。例えばこんな感じ。
「あ、カリフラワー」
いや、単に昼ごはんのタコライス定食に付いていたサラダの中にカリフラワーがあっただけ・・・

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クススッ!

14/09/17 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:822

舞台中央に立つパックにスポットライト

開幕

パック:やあやあ、皆様ごきげんよう。僕の名はロビングッド・フェロー、またをパックと申します。今日はどうかよろしくお願いいたします。

パック、上手から退場

暗転

場面:高校の寮の部屋の中

あいさ、テーブルの真ん中の椅子に座る

SE:風の音、徐々にミュート

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Hello

14/09/10 コメント:1件 糸白澪子 閲覧数:746

「嘘やろ…」
冷蔵庫に入れていた冷やし蕎麦。確かに昨日買ってもらったものだ。確かに… …そんな何日も冷蔵庫に入れっぱなしになっていた訳ではないし、まして入れっぱなしになっていてもこんなことにはならないだろう。だって、冷蔵庫であって冷凍庫ではないんだもん。
「あたしの昼飯…そんな…」
スーパーで売っているその冷やし蕎麦。プラスチックの容器の中に麺と具材と出汁がそれぞれパックされてい・・・

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モノローグ

14/08/08 コメント:2件 糸白澪子 閲覧数:752

どうやら、ここからでは出られないらしい。
真横に空もビルも何もかも見えているのに、外に出られない。見えないけれど、ここにはちゃんと壁がある。
まただ。
さっきから忙しなくこの箱の中から人々が出たり入ったりしている。俺もこのオッサンと一緒に入ってきた。
ここにはざっと七十人程の人間がいる。よくもまあこんな窮屈な細長い箱の中に居られるもんだ。俺とここへ一緒に入ってきたオッサンは・・・

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光に

14/07/14 コメント:1件 糸白澪子 閲覧数:736

俺が駆けつけたときには、いや、駆けつけてなんかいない。確かにここに着いたけれども俺はとても駆けつけるなんて出来なかった。そりゃ、大学寮から出て東京駅で新幹線に乗るくらいまでは肩で息をするほど走っていた。でも、いざ故郷の地に二年ぶりに降り立つと、怖くて、怖くて…。
変わり果てたユウコに会う事が、怖くて仕方なかった。
ユウコが事故に遭ったと聞いた。両腕の複雑骨折。意識も無い。目覚めたとして・・・

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君とあなたと水平線

14/07/12 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:595

もう、今日という日も暮れる。目の前に延びる水平線、空と海の境が曖昧で今にも一緒になりそうだ。西陽に照らされて、足元の砂浜がキラキラと輝いている。これが最後の楽しい思い出になるんだ。きっと。
海に行こう。
あなたがそんな事を急に言い出すから、ちょっと戸惑っちゃった。水着なんて持ってなかったし、そもそも海なんて来たことなかったんだよ?
あなたは今、私の右側で煙草を吸いながら私と同じ景・・・

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たいせつなもの

14/07/11 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:659

ーー何を、君は探しているんだい?
「髪飾りだよ」
ーー大切な、ものなのかい?
「お母さんがくれたんだ。たった一つしかないんだ。お母さんはもう、作れないから」
ーーそうかい、それは大切だね。
「綿毛さんは何を探しているの?」
ーー僕は、彼の命を探しているのさ。
「カレノイノチ?」
ーー彼は、僕を育ててくれたのさ。優しく、優しく育ててくれたのさ。
・・・

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きらら

14/06/12 コメント:2件 糸白澪子 閲覧数:952

コン。
じりじりと陽光が降り注ぎ、ベタベタした空気が澱んだまま辺り一体を包んでいる。鈍色のアスファルトから陽炎が踊っていた。
コン。
軽い音を立てて転がる石はまるで私を皮肉っているかのようだ。似た者同士、こんなのとは似たくもない。数m先で止まった石は私を睨んでいる。直径5cm程度のそいつは明らかに私より小さいのに私を見下しているかのようだ。
もう一度蹴ってやろうと近づく。一・・・

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真赤のチューリップ

14/05/19 コメント:1件 糸白澪子 閲覧数:858

こんな事をクラスの皆が知ったら、きっと彼奴らは侮蔑と優越感の目で私を見るに違いない。ひそひそひそ。今にも耳障りな声が聞こえてきそうだ。
耳の奥で聞こえる声を振り払うように私はベッドから起き上がった。隣で大きく鼾をかくオジサンを尻目にパンツとブラを着ける。制服のシャツを着たときにオジサンが目を覚まして、
「あ、もう帰るの?」
なんて聞いてきたもんだから、
「明日、学校あるから・・・

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カーネーション

14/05/06 コメント:1件 糸白澪子 閲覧数:773

田中尋子。私の母だ。父が家庭に無頓着な上に私の妹ばかり可愛がる人だったから、私は母に育てられたようなものだ。その父がかなり暴力的でもあったためもあり、母は一時鬱病を病んでいた。
その頃は毎日のように「ねえ、サチちゃん、私もう死にたい」なんて口にしていたし、実際自殺を図ったことも何度もあった。一番難儀だったのは真夜中の徘徊であった。『サチちゃんへ、死にに行きます。探さないでください。』と私宛・・・

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クロッカス

14/05/03 コメント:2件 糸白澪子 閲覧数:755

その日の放課後、部活もなくって暇だったから、私はリコと二人で課題をしていた。私達以外に誰もいない教室は少し新鮮だった。
リコが大きく溜息をついてあたしを見た。
「なんでサチは数学できるの?」
「なんでって、得意だから」
問題をときながら、あたしは適当に応えた。
リコは話を続ける。
「こんなの世の中になければいいのに〜っ!」
「数学って大分この世に貢・・・

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みんな知らない

14/04/18 コメント:1件 糸白澪子 閲覧数:779

頭痛がする。目眩がする。身体中ふわふわする。怠い。眠い。正直、物理どころじゃない。2時間目の物理の間、ほぼ板書すらとれなかった。あー、これは多分…あれだな。そんな気がする。
今日は4月20日。新しいクラスの雰囲気も掴めたばかりだ。3時間目の教科は…体育か。これ、体育出席したら倒れるパターンじゃん。
あたしは休み時間の間に保健室に行くことにした。階段を降りる足取りは覚束なくて、もう自分で・・・

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紅い木の春

14/04/12 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:762

梅を見に行こう。そんなことを考えたには訳があった。今まで梅を側で見たことがなかったからだ。地方都市の近郊で生まれ育った私には植物とはあまり縁がなかった。学校の菜園か、祖母の育てるプランターの花か。触れ合ってきた植物なんて、そんなものだった。
しかしそんな私が和歌に熱中するようになった。和歌の多くには四季が織り込まれている。風や空の色や雪解けの水滴の音で季節を感じた歌などもあるが・・・

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貴方

14/04/01 コメント:1件 糸白澪子 閲覧数:728

独り、アスファルトの上を傘も無しに歩く。イヤホンから聞こえるラジオの天気予報のキャスターはこれから強い夕立ちが来ると言っている。ここら一帯には暴風雨警報も出ているらしい。
垂れ込める重い曇を見上げる。どうせなら、その雨になってしまいたい。どうせなら、雨になってしまって、この心のままに貴方を困らせたい。困惑させたい。貴方の傘を吹き飛ばして、空っぽの貴方に降るのだ。独特の匂いと共・・・

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暴走サウンド

14/03/27 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:683

「暴れたいのか?」
あのギターボーカルのライブ映像っぽく放った言葉はマイクによって増幅され、ゼミ室の中を響き渡った。エレキギターの弦にピックを滑らせると、家で弾くよりいい音が出てニンマリと頬が緩む。学校の軽音部の部室を借りてよかった。俺は軽音部の部員じゃないから、正直借りることができるとは思ってなかった。不真面目でさっさと部活を終わらしちゃうウチの軽音部の部員さん、ありがとう。
ここに・・・

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ポプラ〜夢追う君へ〜

14/03/12 コメント:2件 糸白澪子 閲覧数:839

「作った。あげる」
俺はこの子からこんなものを渡されるとは思ってなかった。しかも駅に着いた時に渡されるとは。この子、人前が苦手なんだがなぁ。いや、まあ、いつも予想の斜め上を行くのがこの子だから、この子らしいと言えばこの子らしいんだが…。
「大丈夫、花粉は飛ばん。被っても平気な筈だ」
… …。そういう問題じゃないんだけどなぁ。
この子、ユウコは人にプレゼントなんて渡さない子だ・・・

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あいつの所為じゃない。

14/03/11 コメント:1件 糸白澪子 閲覧数:841

「ねえ、誰なの?」
ドキっとした。イキナリ何を…なんてベタな言葉も出なかった。こんなに早くクラスの友達から、しかも鈍感な菜穂から聞かれるとは思ってなかった。案外、あたしは顔に出るタチらしい。あたしは声も出さずにゆったりと、みんなとワイワイ喋る太陽くんの方を見た。菜穂はあたしの視線の先を見て、またあたしを見て、ニタリと笑って言った。
「あんたにも、春が来たんだね。応援してあげるよぉん」<・・・

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シヴァの左手、死神の右手

14/03/11 コメント:3件 糸白澪子 閲覧数:870

きっとそうだ!
雪が、人類の歩いた道を消して、夜が、人類の造った物全てを包み込み、私たちが、その孤独の空間に取り残された状態。
それこそが真の美なのだ!
光は闇に還り、音は静寂の彼方へと向かい、あらゆる色が失せる。全ての感覚から解き放たれたその世界。シンプルなんていう安っぽい領域を超越した、無の世界。
きっとどんな物より、景色より、美しいであろう。何にも邪魔されることなく、・・・

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シヴァの左手、死神の右手

14/03/11 コメント:3件 糸白澪子 閲覧数:785

きっとそうだ!
雪が、人類の歩いた道を消して、夜が、人類の造った物全てを包み込み、私たちが、その孤独の空間に取り残された状態。
それこそが真の美なのだ!
光は闇に還り、音は静寂の彼方へと向かい、あらゆる色が失せる。全ての感覚から解き放たれたその世界。シンプルなんていう安っぽい領域を超越した、無の世界。
きっとどんな物より、景色より、美しいであろう。何にも邪魔されることなく、・・・

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14/03/11 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:807

『おかしくなった』と言えば、そうなのかもしれない。確かに私のリアルは『おかしく』なった。まず母が歩けなくなった。…訂正。運動が難しくなった。そして体が以前より不自由になった事で母はたまに鬱になる。それに父。父は著しく私を嫌いになった。言い方が変だが本当に著しく嫌いになった。ずっと「私は父から嫌われているんじゃないか…」と疑っていた事が確実になった。私は嫌われているのだ、父から。そうでなくては私・・・

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