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みやさん

写真と物語の融合、写真物語家を夢見ています。 マイペースで更新中。Twitter➪@miya_ayim

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投稿済みの記事一覧

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C Police incident report No.1394

17/10/08 コメント:0件 みや 閲覧数:56

私がCポリスに配属されてから一年が経ったが、こんなに残忍な殺害現場は久しぶりだった。住宅街の道路に無造作に転がっている遺体は水責めにされていて、鈍器で何度も強打され内臓が飛び出していた。遺体を確認した私は掛けられていたブルーシートをもう一度掛け直した。

先に駆けつけていた犯行現場近くの派出所の警察官が私に近寄って来た。
「お疲れ様です。通報者は遺体発見現場の道路の目の前の家の隣・・・

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老人の森

17/09/24 コメント:0件 みや 閲覧数:74

「迎えに来てね、お婆ちゃん待ってるから」
「迎えに行くから、お婆ちゃん待ってて」
それが孫と交わした最後の会話だった。

私は住み慣れた家を離れ家族と別れて、”老人の森”に入所する事になった。森の奥深くにあるその建物は高く広く巨大なホテルの様で、夏の始めに入所した私は蝉の大合唱に迎えられて、子供の頃に育った田舎を思い出させた。老人の森とは政府認定の老人施設の様なもので、家族・・・

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若人の丘

17/09/24 コメント:0件 みや 閲覧数:84

「迎えに来てね、お婆ちゃん待ってるから」
「迎えに行くから、お婆ちゃん待ってて」
それが祖母と交わした最後の会話だった。

僕は住み慣れた家を離れ家族と別れて、”若人の丘”に入所する事になった。小高い丘の上にあるその建物は広く大きくて僕が通っていた大学に良く似ていた。若人の丘とは政府認定の若人向けの婚活支援の様な施設で、家族との接触は月に一度だけ電話のみのやりとりが許可され・・・

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My name is Boss !!

17/09/10 コメント:0件 みや 閲覧数:99

ボスの計画はこうだ。
質屋の様子を電信柱の影から俺が見張る。質屋に客が入ったら、俺も何食わぬ顔をしてその客と一緒に店内に侵入する。客と店主がやり取りをしている間に俺は外から見える様に店のショーウィンドウに展示されている、このショボい質屋には似つかわしくない高級腕時計をこっそりと盗み取る。店に入った客が帰る時か、新しい客が入って来たら俺はまた何食わぬ顔をしてその客と一緒に店から出て、質屋の向か・・・

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黒板に書き殴る愛

17/08/27 コメント:2件 みや 閲覧数:145

今夜はクリスマスイブだから店のメニューの黒板にクリスマスイブに相応しい洒落たメニューをチョークで適当に書き殴った。そんな洒落た料理を小さな洋食屋の店主の私が作れるはずもないのだが、大丈夫。こんなショボい洋食屋にクリスマスイブの今夜、客などきっと一人も来ないはずなのだから。私がメニューの黒板を店の外に出すと、妻が死ぬ十日前に主治医に無理を言って一時帰宅させてもらった時に飾り付けたクリスマスツリーのラ・・・

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育児論

17/08/13 コメント:0件 みや 閲覧数:153

ー育児を自然界の様々なもので比喩する考察ー

*湖期(まだ産まれる前の胎児の頃)
胎児の身体が小さな羊水で守られている様に、心
も湖の様に深い愛情を持って育てる事が望ましい
。まだ産まれていない胎児だが、胎教と呼ばれ
る言葉がある様に育児は既に始まっている。

*空期(零歳から一歳の頃)
・・・

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時計のない旅に出る

17/07/30 コメント:4件 みや 閲覧数:279

その駅は銀色に光り輝いていた。まさしく近未来と呼ぶに相応しいスタイリッシュなその駅は、列車で宇宙旅行に行ける駅だ。

列車で宇宙旅行だなんて、遠い昔に古いアニメーションで見た記憶があった。レトロな列車で宇宙を旅する少年、と彼を見守り導く美しい女性ー
思い出すだけで中年の私も少年の頃に戻った様に胸が踊る。そんな夢物語が、今では現実のものとなっている。そのアニメーションの作者は未来が・・・

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ブローチ猫の憂鬱

17/07/16 コメント:0件 みや 閲覧数:153

私はブローチ猫です。生物学と科学の最先端の技術を駆使して作られた次世代型のブローチペット。ブローチ猫の名前の通りに小さなブローチにされた猫なのです。決してロボットではありません。普通の猫と同じく生きています。けれど私たちはごはんを食べる必要がありません。太陽や電気の光のソーラーパワーが私たちのごはんです。糞尿もしません。糞尿はソーラーパワーをエネルギーに変える糧になります。鳴くのは普通の猫と同じで・・・

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海に住むもの

17/07/02 コメント:0件 みや 閲覧数:180

“海の生き物”

担任の教師が黒板にチョークで丁寧に書いた。
「今日は海の生き物の勉強です。皆んなはどんな海の生き物を知っていますか?」
小学三年生の生徒たちは元気良く手を上げて、魚!亀!サメ!イルカ!クジラ!とそれぞれ答えた。
「皆んな良く知ってますね。皆んな正解です。小さな魚から大きなクジラまで、広い海には沢山のさまざまな生き物がいます」

担任の教師・・・

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僕たちのミュージック

17/06/18 コメント:0件 みや 閲覧数:185

僕たち犬には、色んな物の音や人間が話す言葉が音楽の様に聞こえるって知ってた?

朝の音楽。お母さんが朝食の用意をしている包丁の音や食器の音は幸せな音楽。僕のごはんの用意も忘れないでね。お父さんがヒゲを剃る音は少し耳障りな音楽。萌音ちゃんが髪をセットするドライヤーの音は少し苦手な音楽なんだ。おばあちゃんが僕を抱っこしながら新聞をめくる音は眠りを誘う音楽。いけない、起きたばかりなのにもう眠・・・

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休みの日は何してるんですか?

17/06/04 コメント:0件 みや 閲覧数:208

四十歳間近の女の所に舞い込む見合い話は、訳有り物件でまず間違い無い。容姿に難がある、或いは性格に難がある。バツイチなんてまだ良い方で、バツニ、バツ三の強者もいるから驚きを隠せない。四十歳間近のおばさんと見合いしても良いと思ってくれるのだから、有り難く思わなくてはいけないのかもしれないが…

「朝子ちゃんに紹介したい人がいるの。その人もうすぐ五十歳なんだけど、すごく良い人なのよ。お母さん・・・

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JUSTICE CARD

17/05/21 コメント:0件 みや 閲覧数:230

〈ジャスティスポイントカード ご入会誠にありがとうございます〉

第1条(会員資格)
会員とは、本規約を承認のうえ、所定の手続きを経て当社に入会申し込みをされ、当社が入会を認め、ジャスティスポイントカードを貸代した方をいいます。

第2条(カードの発行)
(1)当社は会員一名につき、一枚のカードを発行し、貸与します。
(2)会員は、カードを貸与・・・

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スイーツ ウエディング

17/05/07 コメント:0件 みや 閲覧数:219

ー結婚生活をスイーツで比喩する考察ー

・フォンダンショコラ*チョコバナナワッフル期(結婚三年以内)

新婚と呼ばれる時期がこのスイーツに当てはまるとされている。スイーツの様に甘い、と言う表現がぴったりのこの時期はフォンダンショコラの様にとろける様に甘く、チョコバナナワッフルの様に沢山の具材(想い)が配偶者へ向けられている。

・チョ・・・

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ようこそ竜宮城へ

17/04/23 コメント:2件 みや 閲覧数:235

昔話の浦島太郎が亀に連れられて訪れた海の中にある竜宮城は、鯛やヒラメが舞い踊る絵にも描けない美しさだというー

そんな夢の様な竜宮城が、現代で実際に建築される運びとなった。現実問題として人間は水の中では呼吸する事が不可能なので、現代の竜宮城は海外の巨大な古い潜水艦を利用して造られた。全長約二百メートル、最大水深約四百メートル、乗員定数約二百名のその大きな竜宮城の中には様々な夢の様な施設・・・

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家路

17/04/09 コメント:0件 みや 閲覧数:219

いつもなら電車に乗って走っている線路を、今は自分の足で歩いている。線路には砂利が敷き詰められているので、厨房の長靴のまま飛び出した若い男には歩きづらかった。それでもじゃりじゃりと音を鳴らしながら長靴の若い男は線路伝いの家路を急いだ。

通勤電車の準急で家から職場まで約一時間。歩いたら一体何時間かかるのだろうか?長靴の若い男は不安になったが今はただ歩くしかなかった。長靴の若い男以外にも何・・・

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愛を抱いて生きている

17/03/26 コメント:4件 みや 閲覧数:268

三時間目の体育の授業の為に体操服に着替えようと体操服袋を覗いて、小学六年生の結衣はため息が出た。真っ白なはずの体操服がデニムと一緒に洗濯をされたせいで薄くブルーになっているからだった。
「ごめんごめん、白いのんと色もんと一緒に洗濯したらあかんのにまたお父さんやってしもうた。失敗や」
そう言っていた父を思い出して、何べん失敗したら分かるねん、と腹を立てながら結衣は仕方無く薄くブルーがかっ・・・

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枝垂桜の木の下に

17/03/11 コメント:0件 みや 閲覧数:267

その日の朝の通勤途中の駅に向かう道にある公園の人集りを見て、圭介は何事かと思った。人集りは50人程は集まっていて、いつもの穏やかな通勤風景とは違いザワザワとした空気が漂っていた。そしてその公園にある枝垂桜の木にゆらゆらとロープの様な紐でぶら下がっている人の後ろ姿が人集りの隙間からチラリと見えた時に、圭介はギョッとした。その後ろ姿が圭介の妻の結花の雰囲気にとても似ていたからだった。

首・・・

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ノセル

17/02/25 コメント:0件 みや 閲覧数:325

私の使命は”乗せる”事。ご主人様を乗せて何処へでも行く事が私の使命である。
私のご主人様の莉央ちゃんが無事に志望高校合格を果たし、通学の為に自転車が必要となった時に私はこの高岡家にやって来た。自動車、電車、飛行機、ありとあらゆる交通手段の中で私は一番手軽で一番働き者だと自負している。

「この色すごく綺麗、この自転車が良いな」
自転車屋に並んでいる数々の色や形の自転車の中か・・・

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Neo Shinjuku Ward

17/02/11 コメント:0件 みや 閲覧数:334

新・新宿区マニフェスト
一、全ての新・新宿区民に不安の無い生活を必ずお約束致します。具体的な内容と致しまして新宿区に住民票を移された区民の皆様の住居の確保、仕事の斡旋を必ず実現致します。

一、皆様からは住民税や社会保険の税金をお納めて頂きますが、税金の使い方を明確にしその使い方につきましても、区民の皆様が安心して暮らせる為に・・・

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304号室への鍵

17/01/29 コメント:2件 みや 閲覧数:348

一カ月後に結婚式を控えている学生時代からの友人と久しぶりに酒を飲みながら、僕にはどうしても彼に聞きたい事があった。聞きたいと事と言うよりは確認したい事と言った方が正しいのだけれど。

「いよいよ結婚式だな。僕達も来年は三十路だし、結婚するには良い時期かもしれないな」
いきなり本題に入るのもアレなのでまずは差し障りの無い話題から。
「だよな、もう30だよ。大学卒業して就職して・・・

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ポインセチア

16/12/04 コメント:0件 みや 閲覧数:361

今年の九月に女手一つで私を育ててくれた母が胆管癌だと診断されてから、私は母が死ぬ事を頻繁に想像する様になった。幸い手術適応な状態なので、手術をすれば今すぐに死ぬ事は無く後何年かは生きられると医師は言う。けれど極度の怖がりの母は手術を受ける事を躊躇している。不安と恐怖で自分でもどうすればよいか診断から二カ月が経っても答えを出せないでいた。そんな母を見ていると母が死ぬという事が現実として押し寄せ常に私・・・

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サイン ミュージアム

16/12/04 コメント:0件 みや 閲覧数:337

今日も二十歳の僕は、このサインミュージアムと呼ばれている美術館に展示されている、芸能界やスポーツ界、文学やアート等ありとあらゆる分野から選ばれた才能に溢れるその世界の飛躍に貢献している素晴らしい人々の沢山のサインを一枚一枚丁寧に清掃道具で拭いていく。このサインミュージアムにサインが展示される事は素晴らしく名誉な事。僕は約一年程前からこの沢山のサインを毎日拭いているので、誰のサインが何処にあるかもす・・・

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人生おみくじ‼

16/11/03 コメント:0件 みや 閲覧数:360

私はくじ運が悪い。
おみくじ、宝くじ、懸賞、近所の商店街の福引、年賀状の抽選、今迄生きてきた14年の人生の中で何かのくじに当たった試しが一度も無い。

おみくじは大体が凶。良い時で末吉。宝くじはお小遣いを貯めて奮発して10枚買ったらもれなく付いてくる300円のみ。懸賞は応募してもことごとくハズレ。近所の商店街の福引は決まって白玉。年賀状の抽選は切手シートすら当たった事が無い。

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月と鷲と枯れた木と

16/11/03 コメント:0件 みや 閲覧数:326

月は遥か紀元前から一日中地球の側でぼんやりと光り輝いているのだけれど、太陽が光り輝く日中、圧倒的な太陽の光の前では地球からその姿を見る事が出来なかった。けれど確かにそこに存在し続けている。
太陽が消滅してしまった現在では、月のその姿を一日中見る事が出来る。月は昼も夜もずっとぼんやりと光り輝きながら地球の周りを周り続けている。勿論今迄もずっとそうしてきたのだけれど。

「月さん、今・・・

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もっと笑え

16/10/01 コメント:0件 みや 閲覧数:395

「新しい転校生を紹介します」

担任の教師と一緒に教室に入って来た新しい転校生を見て、ある小学校の三年四組の生徒達は皆ギョッとした。その姿はガリガリで、まるでガイコツの様だったからだ。ひそひそ、くすくす、教室に静かな笑いが込み上げる。名前は、と担任の教師が言いかけると、三年四組のリーダー格の男子生徒がガイコツみたいにガリガリだから名前はガイコツで良いじゃん、と言い放ち教室中に大きな笑い・・・

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Another side of the world

16/10/01 コメント:0件 みや 閲覧数:411

契約書を目の前にしても無数の小さな文字の羅列は頭に入ってこなかったけれど、最後の”今なら十万円キャッシュバック中”の一文が目に飛び込んできて妙に可笑しい気持ちになる。一億円払って十万円返して貰う、何だか滑稽に思えた。それにタイムスリップが可能になった科学的な現代に於いても、紙の契約書がまだ活用されている事に俺は驚きを隠せない。紙をスキャンしてデータに保存しておく事は勿論言うまでも無い事なのだろうけ・・・

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Mother side of the world

16/10/01 コメント:0件 みや 閲覧数:415

自分自身の身体の不調は、自分自身が一番良く分かっていた。これでも医療従事者の端くれなのだから。そしてその身体の不調が、大きな病のサインである事も分かっていた。手術や治療を施して少し寿命を引き延ばしても何の意味も無い。だから一年前に身体の異変に気付いた私は、病院へ行く前に保険会社に駆け込んだ。病が診断されてからでは保険に加入出来ないのだから。

「俺、看護師になりたい」
高校生にな・・・

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Father side of the world

16/10/01 コメント:0件 みや 閲覧数:389

19時頃に出張先の得意先周りを終えて宿泊先のビジネスホテルに到着したクタクタの僕は、早くホテルのベッドに潜り込みたくて仕方が無かったのだけれど、ホテルの前でウロウロしていた青年に声を掛けられた。
「あの…引っ手繰りに荷物を盗られてしまって…旅行中で…この辺りに交番はありますか」
不審な青年にそう言われて僕は戸惑ったけれど、無視する程僕は不親切な人間ではない。地元の人間ではないので交番が・・・

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本屋の作法

16/09/03 コメント:0件 みや 閲覧数:714

毎月発行されている婦人雑誌を、必ずいつも発売日当日に買いに来ていた品の良い老女が先月は発売日になっても姿を現さず、一か月が過ぎ今日ついに新しい号の発売日となった。これだけが楽しみで、と嬉しそうに毎月雑誌を購入していた老女がついに亡くなったのか…と白髪混じりの店主は複雑な気持ちになる。

店内は相変わらずガランとしていて、小説を立ち読みをしている常連の女子高生一人しか客はいない。ほんの何・・・

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夢のあとさき

16/09/03 コメント:0件 みや 閲覧数:634

ーライジングサンのヒロが死んだらしいー

誰かがその書き込みをネットに投稿したが、レスポンスは一つも付かなかった。それを偶然見つけたヒロは、俺どうやら死んだみたい、とメンバーに戯けて見せた。それ書き込んだのきっと俺たちのファンだね、と笑うジュンとケイ。ついに殺されたか、とルイ。自分で書き込んだんじゃないか?とからかうアキ。自作自演するほど俺たちはまだ落ちぶれてないだろう、とヒロはまた戯・・・

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君に贈るギフト

16/08/01 コメント:0件 みや 閲覧数:540

なけなしの貯金を叩いて、小さなダイヤの指輪を彼は購入した。そしてその小さなダイヤの指輪を、今夜彼女に渡す為に高級レストランもリザーブしてある。彼女は喜んでくれるだろうか、指輪を?彼女は受け入れてくれるだろうか、プロポーズを?

高級レストランに先に到着した彼は予約席に若いボーイに案内された。フカフカの座り心地のとても良い椅子に座りながら彼は彼女に想いを馳せた。

彼女は現れ・・・

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何かが無くなる日

16/08/01 コメント:0件 みや 閲覧数:540

今日の授業は算数。大きなスクリーンにたくさんの数字たちが映し出された。2×5、3×6、4×7…

「ではこの問題を、パピプペポシステムに入力して答えを求めなさい」
担任の綺麗な女の先生がぼくたちに指示を出して、ぼくたちは先生の指示通りにパピプペポシステムのタブレットの液晶画面にタッチペンでスクリーンの問題を書いて答えを求め始めた。タッチペンだから鉛筆のように先が丸まっていて書きに・・・

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ワルツなんて知らない

16/08/01 コメント:0件 みや 閲覧数:647

はぁ…と白雪姫は小さな悩ましい溜息を零した。プリス王子との婚礼を間近に控える白雪姫は憂鬱な気持ちになっていた。プリス王子との結婚が嫌な訳では決してなく、白雪姫は婚礼の儀式の後に開かれる舞踏会が憂鬱で堪らなかったのだ。
死んだ事にされ七人の小人達とひっそりと森で暮らしていた白雪姫が、今迄にダンスを踊った事など勿論無いのだから、舞踏会に憂鬱な気持ちになるのは至極当たり前の事である。

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ランチタイムブルース

16/07/03 コメント:2件 みや 閲覧数:588

社内の社員食堂で、日替わりランチの油まみれのこってりとした豚の生姜焼きを一人で食べていると、ここ良いですか?と経理課の顔は知っているけれど名前は知らない若い女性社員が、私の目の前の空いている席に座った。

五十を過ぎた私には油が濃過ぎる豚の生姜焼きを食べ終わり、私は妻にメールを打ち始めた。”本日の昼食 ・豚の生姜焼き定食 油が濃い”メールを打ちながら名前の知らない若い女性社員が食べて・・・

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蕎麦の花も一盛り

16/07/03 コメント:0件 みや 閲覧数:553

幼い頃から周りの人達に器量が悪いと言われ続けていたので、自分の容姿の悪さは充分に自覚している。けれど、鏡を見る度に佳代は溜息が溢れた。

佳代が十二の時に死んだ母親にそっくりな腫れぼったい一重の目と団子の様に丸い鼻、唇は幸の薄さを現しているかの様に細い。かと言って、体型は決して細くはなく、肌が綺麗な訳でもなく髪が綺麗な訳でもない。褒める要素が一切無い自分自身が佳代は大嫌いだった。

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美しい雨

16/06/04 コメント:0件 みや 閲覧数:651

”本日は雨、小学生の子供達は学校がお休みです”
気象予報士の声がテレビから流れている。私は出勤準備をしながら雨が降ったら小学生以下の子供達は学校が休校になり外出禁止になったのはいつからだったのかな…と考えながら同じマンションに住む環境研究センターの教授が開発したMIKI TANAKAと私の名前が印字されている電磁波遮蔽レインコートを羽織ると、夫が私のお腹をそっと撫でて電磁波遮蔽ゴーグルを手渡・・・

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妄想トラベラー

16/06/04 コメント:0件 みや 閲覧数:622

”次の方、中へお入りください”
アナウンスと共にトラベリングルームに入って来たのは冴えない三十代前半の男だった。アナウンスの音声は続いて、”何年後にトラベリングを御希望なさいますか?”と男に問いかける。

「一年…いや、三年後にトラベリングをお願いします」
”かしこまりました。では、目を閉じて下さい。フューチャートラベリングをスタンバイします”

スタッフ達は直・・・

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Sweet Summer Sour

16/05/01 コメント:0件 みや 閲覧数:627

学校帰りの待ち合わせから約一時間待たされて、今日もまたすっぽかされたか…と少し僻遠していると、携帯に川野夏橙(かわの なつみ)からメールが届いた。

ー早希たちとカラオケに行く事になったー

メールにごめん、の一言も書かれていないのはいつもの事なので、俺は気にする事もなく公園の柵に立て掛けていた自転車に跨り川野夏橙との待ち合わせの公園を後にした。

家に着くと1・・・

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Eye love color

16/05/01 コメント:0件 みや 閲覧数:580

恋愛の駆け引きに於いて重要な事は相手の気持ちを読み取る事であるが、それは相手の瞳を見れば一目瞭然である ー20世紀の有名な哲学者の名言ー

21世紀の現代に於いて恋愛に臆病な若者が多く、その原因は何かと考えるとそれはやはり”振られる事の恐怖”が往々にして考えられる事は明白な事象である。
誰しも勇気を出し・・・

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客の来ないレストラン

16/04/03 コメント:0件 みや 閲覧数:495

今日も誰も来なかったな…皆んな殺られちまったか…と店主は溜息混じりに店内をぐるりと見渡した。誰も座らなくなったテーブルにはうっすらと埃が積もり、誰も使わなくなった鍋は錆びつき始めていた。

少し前までは店内は常連客で溢れ返っていて、それぞれが持ち寄った獲物の自慢で皆んな盛り上がっていた。今日は俺の獲物が一番大きいぞ、いや俺の獲物の方が新鮮だ。マスター、今日はイタリア風で。俺は煮付けにし・・・

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空へ行くのよ私たち

16/04/03 コメント:0件 みや 閲覧数:572

館内にけたたましいサイレンの音が響きわたる。警報を感知すると、警備会社の警備員たちが十分程でここに到着するのは想定内なので、飼育員たちは手際よく、大きな水槽から持ち運び出来る小さな水槽に約三百匹の小さな稚魚のスカイフィッシュを素早く入れ替えていき、その小さな水槽を台車に乗せて水族館の裏口に待機している消防車の所まで慎重に運んで行った。

「皆んな、本当にご苦労様」
消防車の横で待・・・

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Ms.スイートスイーツを探して

16/03/01 コメント:0件 みや 閲覧数:628

朝目覚めて洗面所に行くと、昨日まで一緒に暮らしていた女の家に歯ブラシを置いて来た事を彼は思い出し、まぁいいか、と歯磨きは諦めて口を濯ぐだけで済ませて、こういう所がダメなのかなと苦笑いした。

身支度を整えてリビングに戻ると、スマートフォンに昨日まで一緒に暮らしていた女と知り合った同棲迄をサポートしてくれる企業から新しい女性紹介の新着メールが届いていた。同棲がふしだらだと認識されていたの・・・

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Mr.ブルーバードを探して

16/03/01 コメント:0件 みや 閲覧数:560

朝目覚めて洗面所に行くと、昨日まで一緒に暮らしていた男の歯ブラシがまだ残っていて、こういうところが嫌なのよ、とウンザリしながら彼女はその歯ブラシをゴミ箱に投げ捨てた。

身仕度を整えてリビングに戻るとノートパソコンがブルーバード社からのメッセージを受信していて、そのタイトルを見て彼女は小さく溜息を零した。ブルーバード社には昨日まで一緒に暮らしていた男との同棲の解消を昨夜の間にメールで報・・・

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たこ焼きルーレット‼

16/02/01 コメント:4件 みや 閲覧数:677

「今日も行くやろ?」「当たり前やん」小学校の終わりの会の間中、男子たちはひそひそと楽しそうにしている。先生さよなら、皆さんさよなら、の合図と共に男子たちは一斉に教室から駆け出した。
「翔、16時に”てっちゃん”の前で集合やからな!」健太が上履きを履き替えながら叫んだ。
「わかってる!」翔は一目散に家に向かう。

家に着くなり翔はお母さんお小遣い!と言って、手も洗わずに母親に・・・

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桂花茶を飲みながら

16/02/01 コメント:0件 みや 閲覧数:716

大学からの帰り道に、風に乗って何処からともなく漂ってくる金木犀の香りを感じて、亜紀はどうしようもない焦燥感に駆られた。亜紀は金木犀の香りと金木犀が咲く季節が大嫌いだ。

金木犀の香りを感じると、去年の秋に両親が離婚するまで住んでいた家を思い出すからだ。その家の小さな庭に、小さな金木犀の木があった。亜紀は幼い頃から秋になるとその金木犀の香りを感じて育った。父親の女癖の悪さが原因で両親の不・・・

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純文学の書き方

16/01/04 コメント:2件 みや 閲覧数:2665

まず風景や行動の描写を出来るだけ長くしてみて下さい。そうですね、鳥居を抜ける恋人達のこの写真を見てただ単に「二人は鳥居を抜けた…」ではなく、「二人は熱い想いをそれぞれの胸に秘めて真っ赤な朱色の鳥居を加速する鼓動の早さと同じ速度で通り抜けた…」と表現してみては如何でしょうか?そうする事により恋人達の感情が温度となって読み手に伝わりますし、芸術的要素も加味されるのではないでしょうか?芸術的要素は純文学・・・

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全ての恋が成就するはずもなくて

16/01/04 コメント:0件 みや 閲覧数:662

仕事帰りに二人で立ち寄った居酒屋はクリスマスイブの夜を楽しむ人達で賑わっていて、主任は美味しそうにビールをグビグビ飲みながらご満悦だ。

「クリスマスイブの夜なのに上司と居酒屋に居るなんて本当に冴えない男だな」大きなお世話です。
「別れた彼女にまだ未練があるのか?別れてからもう一年位経つだろ?」ほっといて下さい。
「早く新しい彼女を作れ」僕の自由です。
「早く…嫁をも・・・

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今日の晩ごはん なに?

15/12/02 コメント:2件 みや 閲覧数:702

世界中の全ての妻や母親達を奈落の底に突き落とす言葉は、今日の晩ごはん なに?であるー
ー 20世紀のある有名な詩人の名言ー

仕事や学校から帰って来た夫や子供が最初に発する言葉は「ただ・・・

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異彩を放つ

15/12/02 コメント:0件 みや 閲覧数:615

「私は滝村君みたいには絶対になりたくない」小学三年生の樹里は心の底からそう願っていた。

自分自身、集団の中に上手く紛れているつもりでも、ほんの少しの違和感を絶対に見逃さずに敏感に感じとるクラスメイトという名の恐ろしい集団の存在を樹里は恐れていた。彼らは異端を見つけると、瞬時に集団で攻撃を開始する。隠していても零れ落ちる個性ーそれは欠点なのか?魅力なのか?小学生の子供たちにとってそれは・・・

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カワイイカタチ

15/11/02 コメント:0件 みや 閲覧数:638

秋桜の花びらは八枚なので、スキ、キライ…と恋占いをしたら絶対にキライ、で完了する。
恋占いをするなら奇数の花びらの花が良い。例えば桜、例えばツバキ…

公園に咲いている秋桜を眺めながらそんな事を考えている僕は、あぁだから大学生になっても恋人の一人も今だに出来ないのだなぁと自己嫌悪に陥る。

「可愛い形だね」
一緒に眺めていた先輩が嬉しそうに言った。

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なんきん かぼちゃ ぱんぷきん

15/11/02 コメント:0件 みや 閲覧数:587

青果店でいつもと違うなんきんの皮の色を見て早苗は狼狽えた。
いつもは深い緑色なのに、今日のなんきんの皮は橙色をしている。

「今日はハロウィンやから、西洋かぼちゃ仕入れましてん。パンプキンですねん」
青果店の若い男の店員がニコニコしながら早苗に話しかけてきた。

関西ではかぼちゃの事をなんきん、と呼ぶ習慣があるので早苗はかぼちゃやらぱんぷきんやらはろうぃんやらハ・・・

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嘘ものお月さま

15/11/02 コメント:5件 みや 閲覧数:687

マンションのベランダから見る月は、いつも街の灯りに紛れて幼い時の柚子にはどれが本物の月か分からない時があった。分からなくて泣きそうになるといつもあの一番大きいのが本物のお月さまやで、と香苗ちゃんが教えてくれた。もちろん小学六年生の今なら柚子はすぐに自分で本物の月を見つける事が出来る。

「柚子、香苗ちゃん来たからお父さん仕事行ってくるで」
部屋で宿題をしている柚子に父が声を掛ける・・・

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人生は 思う通りにいかないね でもだからこそ おもしろいんだ

15/10/02 コメント:2件 みや 閲覧数:767

「行け!そこだ、周り込め!」
監督の声が響き渡る試合中のサッカーグラウンド。それを一人見つめる少年がいた。

今日もスタメンに選ばれなかった…でも今度こそスタメンに選ばれるんだ。練習だってもっといっぱい頑張らなくちゃ。少年はそう心に誓った。

「泣いてるのか?」
いつの間にか少年のそばで試合を見ていた背中に黒い翼のある悪魔の様な男がそう言った。
「…泣いて・・・

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海月ノ見ル夢

15/10/02 コメント:6件 みや 閲覧数:857

「クラゲになる夢を見た」
高校二年生の弟の一樹が、真面目な顔をして言う。

「何それ」私は苦笑いしてしまった。
「クラゲになる夢を見たんだ」一樹はもう一度繰り返した。
「海の中をぷかぷかゆらゆら漂って、すごく気持ち良かった。今俺頭が坊主だろ?だからちょうどクラゲに似合ってるかも」そう言いながら一樹は笑った。私もまた苦笑い。何年か前に家族で旅行に行った沖縄の水族館で見た・・・

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杏ちゃんに羽が生えてきた

15/09/04 コメント:2件 みや 閲覧数:873

三ヶ月になったばかりの長女の杏の背中に羽が生えてきた、と最近そんな変な事を二歳の長男の陸が言い始めた。

「あんちゃんにね、はねがはえてきたんだよ」
「ママには見えないけど?」
「はえてきたの!」

二人の子育てに忙しい私はそんな陸の言葉に、陸には杏が天使に見えるんだね、と感激する気持ちにもなれず、子供は無邪気でいいわよね、と溜息しか出ない。まだ手が掛かる赤ちゃ・・・

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いつも待っていてくれる君

15/09/04 コメント:0件 みや 閲覧数:741

夏の日の入りはとても遅く、18時を過ぎても外はまだ明るい。
今日は家の近くの神社の夏祭りの日で朱莉との待ち合わせは18時30分だ。僕は遅れない様にそろそろ出掛けようと自分の部屋を出て家の玄関に向かった。

玄関でスニーカーを履いて出掛けようとしている僕に母がどこに行くの?と問い掛けるので、お祭りに行って来ると僕は答える。

「そうね、今日はお祭りの日だったわね」

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永続論

15/08/02 コメント:4件 みや 閲覧数:897

親元を離れた子供がいる場合、今後親が死ぬまでにその子供と一緒に過ごせる時間は、およそ一ヶ月である。

何かの本に書いてあったこの一説を読んだ時、直美は心臓がひんやりするのを感じた。
小さな時には嫌と言うほど一緒にいて、同じ時間を過ごしてきた我が子とこれから先は後一ヶ月しか一緒にいる事が出来ないなんてー
一ヶ月、と言うのは少し大袈裟かもしれないが、24時間一緒にいた小さな頃を・・・

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ニマイジタ

15/08/02 コメント:0件 みや 閲覧数:896

腹ペコで今にも倒れそうな狼は森の中を歩いている可愛い女の子を見つけ、舌舐めずりをした。

美味そうな女の子だ。馬のふりをして近づいて、あの娘を食べてやろう。
そう考えて狼は、馬のふりをして女の子に近づいた。

「お腹がペコペコで死にそうだよぉ、何か食べ物を分けておくれ」
「あら、お馬さん可哀想に…お婆さんのお見舞いに持って行くマドレーヌを一つ分けてあげるわ」

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六月 彼女が着るはずだったドレス

15/07/04 コメント:4件 みや 閲覧数:991

このドレスは人気が高くてすぐに契約が決まっていたのですが、先日キャンセルが出たばかりなのでラッキーですよ、そう言ってウエディングプランナーは満面の笑みを浮かべている。

黄色を基調にしたそのドレスにはチェック柄の大きなリボンが胸元に施されており、少し子供っぽいかな…と奈菜は思ったが、ウエディングドレスはシンプルなAラインのデザインを選んでいるのでお色直しのカラードレスはこれ位目立つプリ・・・

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7 Green Days

15/07/04 コメント:2件 みや 閲覧数:971

日曜日

朝の早い時間からヘリコプターがバタバタと空を旋回している。窓を閉めて下さい、しばらくの間絶対に外へ出ないで下さい、と微かに拡声器の声が聞こえる。ああ、今日から始まるんだったな…と晴翔はまだ眠りの海を漂いながらぼんやりと考えていた。そういえば子供の頃、夏になると朝早くに害虫駆除の為の薬剤を散布する車が来ていたな。母さんが汚染されない様に慌てて洗濯物を取り込んでいた。今回散布され・・・

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地球最古の花

15/06/01 コメント:2件 みや 閲覧数:829

その花は遥か昔からずっと見ていた。

恐竜達が生きていた時代。肉食恐竜の王様ティラノサウルス、草食恐竜の帝王トリケラトプス、空を飛ぶ勇者ケツァルコアトルス、海を泳ぐ猛者リオプレウロドン。彼等達の姿もその花は見ていた。地球はまだ産まれたての姿で、其処には何も無くただ花や木や水の自然と恐竜達だけが生きていた。それはまるで自然の動物園、いや恐竜園で、恐竜達は空気や風や緑の自然に育てられ、自然・・・

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完璧な器

15/06/01 コメント:0件 みや 閲覧数:851

人生50年、と言われていたのは江戸時代のことだったか?

もちろん身分や家柄によりその平均寿命に差があった事は明白ではある。そして食料の不充実、医療の未熟、などにより平均寿命は現在に比べると確実に短かかった。しかし日本人の平均寿命は時代の変化に伴い確実に伸びていった。
食料の充実、医療の進歩により明治時代、大正時代、昭和時代、平成時代と時代が変わり、遂に日本人の平均寿命は世界一と・・・

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眠ル魚

15/06/01 コメント:0件 みや 閲覧数:802

人間には時間が足りなかった。

一日24時間、ざっと考えると一般的な社会人であれば8時間働き8時間眠り8時間自由に過ごす事が出来るはず。
しかし自由になる時間は実質問題として8時間も無いのが現状。労働は割り当てられた8時間を優に超え、自由な時間を侵略していく。8時間の自由時間には食事や通勤も含まれているので、考えてみると一日に自由に過ごせる時間などほんの僅か…

労働・・・

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青イ光ニ埋モレテ

15/05/03 コメント:2件 みや 閲覧数:899

青色のイルミネーションは緻密に計算され、一つ一つ丁寧に配置された。青色には微妙なグラデーションを付け、滑らかな波の動きをプログラミングにより表現し、大胆で繊細な海の動きを再現していて、音響には本物の波の音が使われていた。

綺麗だね、素敵だね、素晴らしいね、それを見つめる人々はそれぞれに歓喜の声を上げた。初めて見る海に感動し、泣き出す人もいた。海ってこんなに綺麗なんだね、こんなに心が落・・・

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My home(town).

15/05/03 コメント:0件 みや 閲覧数:856

陽子は三人の息子達が将来大きくなり、生まれ育ったこの家を出てどんな「マイホーム」を持つのかとても楽しみにしていた。子供達がどんな一国一城の主になるのか、そして密かな夢が陽子にはあった。

息子達が生まれ育ったこの二階建ての古い家は夫の実家で、死んだ夫には申し訳ないけれどお世辞にも広くて綺麗だとは言い難く、壁や天井もかなり薄汚れているし柱も傷だらけ。隙間風もひどく、窓も何だがギシギシと変・・・

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Eat me!

15/04/03 コメント:4件 みや 閲覧数:1060

テーブルの上にどんな美味しそうな料理が並んでいても、お腹がいっぱいの人やその料理に関心のない人達にとっては何の価値もない。 ー21世紀のある詩人の名言ー

男は女を抱きたいと思わなくなっていた。
女は男に抱かれたいと思わなくなっていた。

政府の調査では若者の性に対する欲求の減少は著明であり、原因を調査すると、そこには現代を生きる人間の現代病とも言える性質が明る・・・

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積もる言葉たち

15/04/03 コメント:6件 みや 閲覧数:946

いつも通りに新宿の裏通りにある寂れた公園のベンチで暇を持て余していると、今日も色んな人達が私の横に座り、私に話しかけてくる。

午前中は老女や主婦などが多く、彼女達もまた私と同じ様に暇を持て余している。
今日は天気が良いね、今日は寒いね、お決まりの挨拶から始まり彼女達は色んな事を私に話し始める。その話しの内容の殆どが愚痴や悩みだ。旦那が退職して家でゴロゴロしてばかりいる。夫が育児・・・

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通学路に関する条例

15/04/03 コメント:4件 みや 閲覧数:966

通学路とは児童が安全に、安心して学校へ登校出来る道であるべきである。この観念に基づいて各都道府県の地方自治体が通学路に関する条例を発表した。

・居眠り運転やドラッグ使用の危険運転による自動車やその他の乗り物の児童達の通学に対する妨害、及び生命の危険を脅かす行為はあってはならないものであり、よって通学路への児童及び学校関係者以外の人間、自転車、バイク、自動車、全ての乗り物の通行を禁止す・・・

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ウラハラ

15/03/09 コメント:2件 みや 閲覧数:1052

M美ちゃんへ

M美ちゃん、結婚するんだって?本当におめでとう!M美ちゃんとは大学時代からの友達で、もうかれこれ十年位の付き合いになるかな?月日が流れるのは本当に早いね。大学を卒業してお互い就職して…私は早くに結婚して仕事もすぐに辞めちゃって、今は子供も二人いるし、M美ちゃんは仕事が忙しくてお互いに時間が無くて今では会える機会も減ってしまったけれど、今回M美ちゃんが結婚すると聞いてとて・・・

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飛ぶ鳥を落とす

15/03/01 コメント:4件 みや 閲覧数:1277

人気作家Kに盗作疑惑が浮上したのはKが新作を発表してすぐの事だった。

新人作家SがKの新作が、Sが次作の為に書き上げている作品に酷似していると指摘した事が発端であった。Sは自らのブログに次作の構想や設定等を事細かく公開しており、今や流行新人作家であるSのそのブログは有名タレントに負けずとも劣らないアクセス数を誇っている。それを見たKが自分のアイデアを盗んだのではないのかとKの新作を読・・・

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いつか星になるまで

15/02/11 コメント:2件 みや 閲覧数:1026

クーちゃん、またオモチャを散らかしてる!お母さんが今日もぼくを怒ります。
クーちゃん、待てって言ってるのにすぐ食べる…お父さんが今日もぼくに幻滅します。

ぼくはどうやらダメな犬の様です。
御主人様の瀬奈ちゃんもいつもクーちゃんはおバカさんだね、と言って笑います。

忠犬ハチ公のモノガタリ、皆で観ていたテレビで賢い犬のお話しが放送されていました。ハチは死んでしま・・・

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砕け散った夢の欠片達

15/02/09 コメント:6件 みや 閲覧数:998

夢は叶う、未来は君の手の中にー

渋谷のスクランブル交差点の付近にデカデカとその文字は、大きなビルの大きなスクリーンに映しだされている。最近良く流れているCMのキャッチコピー。これを見る度に俺はいつもイライラする。
夢は叶う?は?奇麗事言ってるんじゃないよ。世界中の人間の夢が叶うとでも言うのか?冗談じゃない、と怒りさえ感じる。夢が叶うのはほんの一握りの人間だと言う事くらいは今の時・・・

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その男はSAMURAI

15/02/09 コメント:0件 みや 閲覧数:908

境内の拝観料を自分が出しますと言いながら、緊張と寒さで手がかじかんでいるので小銭を上手く出せずにもたついている自分が武士は恥ずかしかった。
ライスフィル氏に飽きれられているのではないか…ライスフィル氏は案の定、武士の後ろで肩をすくめていた。

気を取り直して境内に足を踏み入れると、その朱色の建物にライスフィル氏はwow…と外国人らしい感嘆の声をあげて、武士はほんの少し安堵した。<・・・

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世界は音でできている

15/02/01 コメント:4件 みや 閲覧数:931

ピピピ、ピピピ。いつもの時間に鳴り響く目覚まし時計はファの音かな?
眠気まなこでキッチンに降りて行く。お母さんのおはよう、の声はミの音?

洗面所の蛇口から流れる水の音は…わかんないや。歯を磨く音も。
いただきます、と家族みんなでテーブルに座ってお母さんが作ってくれた朝ご飯を食べる。お姉ちゃんの食器のカチャカチャ、お父さんの新聞のガサガサ、お母さんのスリッパのパタパタ。色ん・・・

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花は桜木 人は武士

15/02/01 コメント:0件 みや 閲覧数:1031

殿は誠に桜がお好きなお方でございました。

咲き誇る姿、潔い散り際、散っても尚美しいその様に殿はその様な武士でありたい、と憧れの様な思いをお持ちであったのだと私は思うのでございます。

鳴かぬなら殺してしまえホトトギス。その様な残酷な歌を詠む事で冷徹で残虐な面を持たれている、と恐れられておりましたが、その反面、裏切られても人を信じ続ける、と言う懐の深さもお持ちでございました・・・

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ピアノなんて好きじゃなかった

15/01/12 コメント:2件 みや 閲覧数:970

美帆ちゃん、ピアノを習ってみない?

小学一年生だった私に祖母はピアノを習う事を勧めた。今なら祖母も母も弾けないのに何故と不思議に思うけれど、本当は祖母は母にもピアノを習わせたかったのだが、母が拒否したらしい。我が子で叶えられなかった夢を孫の私で叶えたいー

だから祖母は孫の私にピアノを習わせたかったのだ。そしてエリーゼのためにと言う曲が祖母のお気に入りだったから、というシ・・・

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I’m home

15/01/02 コメント:7件 みや 閲覧数:1213

その空港に連れて来て貰えて僕はとても興奮していた。その空港にあるのは飛行機ではなく船。ピカピカの大きなその船はみんなの憧れだった。突然出航のインフォメーションがアナウンスされて僕は戸惑った。今日は見学だけだと思っていたから。パパは僕にチケットを渡した。ママがパパとママも後の船ですぐに行くからね、と言った。そんなのは嘘っぱちだ。これが最後の船なんだから。

嫌がる僕はテレビで何度も見た事・・・

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隣りの小豆洗い

14/12/18 コメント:9件 みや 閲覧数:1716

高校受験を間近に控え受験勉強という名目の夜更かしをしている僕の耳に、お隣の家からまたあの音が聞こえてきた。

ショキショキ ショキショキ ザー ショキショキ ショキショキ ザー

また来てくれたんだ、と僕は嬉しくなって自分の部屋から飛び出した。

初めてその音を聞いたのは、お隣の家が引っ越ししてすぐの事だった。
お隣には80歳くらいのおばあちゃんと娘さん夫・・・

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どんぐりの一番美味しい食べ方

14/12/01 コメント:2件 みや 閲覧数:1126

夫が持ち帰った大量のどんぐりを妻は一日目、携帯コンロのガスを使いカレーのルーでコトコト煮込んだ。幼い息子は喜び、どんぐりカレーだ!とはしゃいだ。
二日目はミートソースで和えた。麺がないとさみしいね、と息子が呟いた。
三日目はバターで和えた。ビールに合いそうだな、と夫が喜んだ。
四日目は調味料が底を尽き、塩を振りかけた。これが一番シンプルで一番美味しい、と夫は笑った。

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好きな色はみどりとオレンジ

14/12/01 コメント:4件 みや 閲覧数:898

壁もカーテンも真っ白な部屋に少年の元気な声が響き渡る。

「好きな色はみどりとオレンジ!」
「みどりはどんな色かな?」
「ん〜と…葉っぱの色!」
「その色を見てどんな気持ちになる?」
「えっとね…優しい気持ちになる!」

医師はパソコンに向かって診察内容を打ち込みながら、次の質問をする。

「じゃあ、オレンジはどんな色かな?」
「太・・・

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ヒヤス

14/11/03 コメント:6件 みや 閲覧数:936

私の使命は冷やす事。
野菜、果物、肉、魚、飲み物、ありとあらゆる物を冷やす事が私の使命ー

桜子さんがこの麻川家に嫁いだ日に、私はこの家にやって来た。色んなピカピカの家電製品の中で、私は一番大きくて、一番働き者だと自負する。

夏の間は特に私の出番であり、私は全身全霊をかけて、冷やす、冷やす、冷やすー

あれから20年。共に嫁いできた家電製品達は寿命を全し・・・

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シー・ジュエル

14/11/01 コメント:2件 みや 閲覧数:746

それを海で最初に見つけた男は、そのあまりの美しさに驚愕した。

大きさは手のひらにぴったり馴染む大きさで、形は少し歪な楕円形。色は乳白色が基調になっているが、光に当てると角度により鮮やかなマリンブルーやエメラルドグリーンの様々な色がキラキラと輝きを放っていた。20年漁師をやっている男でも、今までにこんなに美しい貝を見た事が無かった。

貝、と言ってもそれはアサリや蛤のように・・・

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ライドニ乗ッテ

14/10/08 コメント:4件 みや 閲覧数:854

ようこそ、人生という名のテーマパークへ!
色んなライドがあって楽しそうでしょ?ワクワクしてきたかな?
でもまず君に一番のオススメのライドは、ゆりかご。君はまだ産まれたばかりだからね。
つまらないって?そんな事は無い。ママの優しい手で揺らされると、幸せな暖かい気持ちになるでしょ?危なくないしね。

次のライドはベビーカーだ!世界が動く瞬間を君は楽しんでいるはず。そう、世・・・

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家族の法則

14/10/01 コメント:4件 みや 閲覧数:783

ぼくがお父さんの本当の子供じゃないっていう噂は、あっという間に一年二組のクラス中に広まった。噂、じゃなくて本当の事なんだけれど…

ぼくのお父さんはぼくが四歳の時にぼくのお母さんと再婚した人。ぼくは本当のお父さんがどんな人なのか知らないけれど、多分本当のお父さんよりも、今のお父さんは本当のお父さんだと思う。優しくて面白くて頼りになるお父さん。休みの日には一緒に遊んでくれるし、サッカーだ・・・

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キオクノカケラ

14/09/09 コメント:2件 みや 閲覧数:838

「あーちゃん、桜が綺麗だね」

お母さんが幼い私にそう語りかける。家族で出かけた公園の桜の木が咲き競うように満開だった。
まだ小さな私には桜の美しさが理解出来ずに、舞い落ちた桜の花びらを、まるで儚く消える記憶の欠片を拾い集める様に楽しそうに拾い集め、花吹雪の様に桜の花びらを嬉しそうに撒き散らしている。

お父さんがレジャーシートを広げて、あーちゃん、お腹が空いたねと微・・・

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観察

14/09/03 コメント:2件 みや 閲覧数:768

”おはようございます。今日も素敵な一日になりますように!”

今朝もいつも通りに麻依ちゃんがツイートしている。僕はそれを確認して安心する。
こうやって麻衣ちゃんを見守り続けて何ヶ月になるだろうか?

”麻依ちゃんおはよう”僕は麻依ちゃんにリプライを送る。
”おはようございます♫”麻依ちゃんからリプライが返って来た。

お昼休みには麻依ちゃ・・・

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再会屋

14/09/03 コメント:4件 みや 閲覧数:843

会いたい人をお探しします。

それが当社、再会屋のキャッチコピーだ。
再会屋と言う名の探偵もどきの様な商売が俺の仕事だ。

突然音信不通になり居所が分からなくなる人達がこの世の中にはいる。
それが故意であるか他意であるかは別として、いつの間にかその場所から姿を消す人達がこの世の中にはいる。周りの人々は驚き、悲しみ、心配する。親や恋人なら特に。

そん・・・

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口カラデマカセ

14/08/03 コメント:2件 みや 閲覧数:804

夜遅くに、子供を殺しました、と交番に通報が入った。

応対した新入りの警官は狼狽え、主任の中田巡査部長に助けを求めた。
「あ、いつもの事だから。大丈夫」
中田巡査部長は大きなアクビをして、私が行って来るから、と冷静だった。
「だって主任、殺人事件ですよ?」新入りの警官はまだ狼狽えていた。

「その人、時々電話してくるんだよね。ただのデマカセ。ちょっと精神的・・・

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産休革命

14/08/02 コメント:2件 みや 閲覧数:764

産休を申請した石井美波に、永井部長は目を白黒させた。

「石井さんは…独身やったなあ?あ、もしかして結婚決まった?できちゃった婚か」
「独身ですが、結婚の予定はないです。あ、妊娠の予定もないです。多分これからも」
美波が平静とそう言うので永井部長は益々目を白黒させた。美波はもう38歳になるので、おそらくこの先も妊娠する事はないだろう。独身であれば尚更。

「産休・・・

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不眠症

14/07/01 コメント:1件 みや 閲覧数:742

AM11:00
今日もまた眠れないのか、と男は溜息を零した。

昼に眠り夜に働く生活が始まって約六ヶ月。男はその生活に慣れないでいた。
昼夜逆転の生活。今迄働いていた時間に眠り、眠っていた時間に働くー
簡単な様に見えるが、今迄の習慣を壊す事は思う以上に難しく、ストレスがかかる。
男は不眠症に陥っていた。身体は疲労困憊なのに精神がそれを拒絶しているかの様に男は眠れ・・・

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知らんぷりの海

14/07/01 コメント:2件 みや 閲覧数:760

「お姉ちゃん、背比べしよう」
「いいけど、私に勝つなんて百万年早いよ」

二人は笑いながら海を見つめている。毎年家族四人で訪れていたこの海を。

「お姉ちゃん、本当にお父さんの所に行くの?私、お姉ちゃんとずっと一緒にいたい。お母さんと私とお姉ちゃんの三人がいい」
「私がお母さんの所に行ったらお父さん一人になるじゃない。どうしようもない頼りないお父さんだけど、一人・・・

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ハートビート

14/06/02 コメント:0件 みや 閲覧数:918

ピッ、ピッ、ピッ、監視モニターの音に混じって看護師さんの声が聞こえる。

「内田さん検温の時間ですよ。お熱測りますね」
看護師さんは手慣れた動作で私の体温を測る。
今日の担当看護師さんはまだ若い。だからこうやって優しく声を掛けてくれるが、オバサンの看護師さんはただ黙って私の体温を測る。それが当たり前なのかもしれない。
私は植物状態で意識が無いからだ。

三・・・

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フリダシニ戻ル

14/06/01 コメント:2件 みや 閲覧数:1055

「過去に戻る薬か未来に行ける薬、どちらになさいますか?」

無表情な店員は、そう尋ねられて惑っている俺にもう一度尋ねた。

俺は人生をやり直したいのか?やり直す?何処から?何時から?
普通に大学に行って普通に就職し、普通に結婚もして、現在15歳の長女と13歳の長男の子供が二人いる。順風満帆と言えば順風満帆。
普通が何なのかさえも分からなくなる位に普通の人生。

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まほろば

14/05/06 コメント:0件 みや 閲覧数:889

女王はここからの眺めをたいそう気に入っていた。
目に眩しい緑と優しい風に包まれたこの庭を愛していた。

クナ国との戦は苦戦を余儀無くされており、ここへ攻め込まれるのも最早時間の問題だった。やがて緑は焼かれ、建物は崩壊し、人々の真っ赤な血が大地を染めるだろうー

女王は戦を辞めたかったが、辞め方を解らないでいた。
白旗を上げるには自分の命を奪われるしか道は無いと信・・・

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結婚裁判

14/05/03 コメント:2件 みや 閲覧数:1019

「裁判員の公正なる審議に基づき、この結婚は否決とする」

裁判長の言葉に女は泣き出し、男は項垂れた。

2030年。離婚率の高さに不安を抱いた政府は結婚裁判員制度を導入。つまり結婚を希望する男女の結婚を、政府にランダムに選ばれた裁判員に審議をさせ、その結婚が可決か否決かを決める制度。今や結婚は、自分達で決める時代ではなく他人に決めてもらう時代になったのだ。

離・・・

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ハルノウタ

14/05/03 コメント:0件 みや 閲覧数:942

春よこい、はやくこい。

はるちゃんはこの歌が好きで、春が近づいてくるといつも楽しそうに歌うのだけれど、今年はなぜかしら歌いません。

「どうして今年は歌わないの?」お母さんが聞きましたが、はるちゃんは返事をしません。幼稚園で何か嫌な事でもあったのかな…とお母さんは心配になりました。

「はるちゃん、幼稚園でお友達とケンカしたの?」はるちゃんはまだ返事をしません・・・

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ぴんくのながぐつ

14/04/14 コメント:0件 みや 閲覧数:1024

「あ〜あ、雨降らないかなぁ」
小学一年生の繭ちゃんは大人っぽくため息を零した。

繭ちゃんは新しいピンクの長靴を買って貰ったばかり。早く新品の長靴を履きたくて堪らない。
ピンクの長靴で水たまりに入って、バシャバシャビシャン、とやりたくてウズウズしていた。

毎日お母さんに明日雨降るかな?と聞くのが日課となっていたけれど、
「最近お天気続きだから、当分降らな・・・

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ナキダシソウナ

14/03/29 コメント:0件 みや 閲覧数:1138

月は今にも泣き出しそうだった。

「月さん、どうしたんだい?」地球は慌てて尋ねた。
「だって…太陽さんはあんなに大きくてあんなに光り輝いているのに、私は…小さくて自分では光れないし、地球さんの周りをただぐるぐる回ってるだけなんだもん…」月は悲しそうにそう呟いた。

それを聞いた地球は、ははは、と可笑しそうに笑った。
「またそんな事気にしてたの?…確かに太陽さんは・・・

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記録

14/03/23 コメント:4件 みや 閲覧数:1095

・Aについて
Aは光り輝いていてその光は何億光年も先を照らす。表面は炎でゆらゆらと燃え盛り、
エネルギーに溢れている。例えるならそれは生命の源の様でとても眩しい 。表面の温度は約6000℃。残念だか我々でも跡形も無く燃え尽きてしまうだろうー

・Bについて
BはAからの光を受けて輝いてはいるが、Aの光が届かない場所は・・・

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空ガ一回転

14/03/13 コメント:2件 みや 閲覧数:1545

小学二年生の奈央ちゃんは焦っていた。
同じ逆上がりが出来ないクラスでたった1人の仲間の勇太君が今日、華麗に逆上がりを成功させたからだ。
明日から私だけが逆上がりが出来ないんだ…と焦っていた。

今まで友達やお父さんに協力してもらって一生懸命練習をしていたけれど、奈央ちゃんはいつまで経っても逆上がりが出来なかった。鉄棒を逆手に持って、とかお腹を鉄棒から離しちゃダメ、とか足を思・・・

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涙ノ融点

14/03/01 コメント:0件 みや 閲覧数:1306

雨が雪に変わったその日の夕暮れ時、仕事帰りの真里は公園のブランコに座って降る雪を眺めている悪魔の様な容姿の男に出会った。

男の背中には大きな黒い翼が生えており、降る雪の白さと合間ってその黒さが際立っていた。
コスプレ趣味の若者だろうと無視して通り過ぎようとした時。

「雪が降ると目立って仕方無いな。いつも通りの灰色の空、灰色の景色なら気付かない人間も多いんだけどな」・・・

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イヌノキモチ

14/02/16 コメント:7件 みや 閲覧数:1926

昼寝をしているおれの鼻先をかすめるスパイシーな香り。
今夜はカレーだな。
大きな伸びをして、おれは大きなアクビをする。

キッチンに行くとお母さんがいて、やっぱりカレーの支度をしていた。
おれは立って両方の前足でお母さんのふくらはぎに突撃。
「ココちゃん邪魔だからあっちに行ってて」
お母さんつれないぜ…おれもカレー食べたい…

おれの名前はココ・・・

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チキュウメツボウノヒ

14/02/02 コメント:2件 みや 閲覧数:987

2012年12月21日。
マヤ文明の予言によれば、この日地球は滅亡する。らしい。
地球滅亡?人類滅亡?世紀末?

マヤ文明以外にも似たような予言は以前にもあって、でも地球は滅亡していない。
マスコミは少し騒いでいるけれど、私達人類はその予言が当たると信じていない。
信じるどころかどうせ嘘でしょ、とさえイラつく。

地球なんて滅亡しない。地球は滅びる事・・・

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ウマノキモチ

14/01/23 コメント:2件 みや 閲覧数:1110

子・丑・虎・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
どうして僕が十二支の七番目なのかって?

そうだね。確かに僕が本気で走ったら時速60kmくらいだけれど、さすがに前日から出発していた子さんや丑さんにはかなわない。
とても速い虎さんや空を飛ぶ辰さんにもかなわないけれど、卯さんや巳さんには勝てそうだもんね。

僕は争いが嫌いなんだ。一番になれなくてもいい。
平和・・・

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ハナマル‼︎

14/01/17 コメント:2件 みや 閲覧数:1483

私は小学一年生の時から、姉と一緒にお寺の書道教室に通っていた。

お寺という異空間に小学生の私の心は弾んで、毎週楽しく通っていた。
今思えばお坊さんに書を習えるなんて、とても有難く、希少な経験だったと思う。

その教室では、まず鉛筆で字の練習をさせられた。鉛筆の練習がある程度上手くなったら、いよいよ筆でのお稽古が始まる…のだか、私は下手だったのか、なかなか筆でのお稽古・・・

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永遠

14/01/05 コメント:0件 みや 閲覧数:1430

ナターシャの美しい髪をリチャード王子は優しく撫でながらそっと囁いた。
「ナターシャ愛してるよ、永遠に」
ナターシャはうっとりしながら瞳を閉じるー

城中が寝静まった後に、ナターシャは毎夜こっそりと王子の寝室に忍び込む。
二人だけの甘い時間はほんのひとときで、朝が来る前に二人は離れなくてはならない。

ナターシャは美しく、けれど召使の身であるので王子との恋な・・・

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