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サンジェルマンさん

見て聞いて感じた事を言葉でつなぐ活動をしてます。

出没地 海外
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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晴れた日には永遠が見える

14/04/04 コメント:2件 サンジェルマン 閲覧数:715

 病院から出てくると、彼女の首筋に影がなくなった。
セスは車椅子に乗る彼女をいつも後ろから眺めていた。
彼女の後姿のことなら、誰よりも知っていた。
セスはその背中に翼をつけてやりたいと、いつも願っていた。
彼は翼のつけ方を知らなかったが、翼がつけられることは知っていた。
『ジニー、気分はどうだい?』と車椅子を押しながらセスは聞いた。
『あの医者は嘘をついている』・・・

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命の距離

14/02/08 コメント:2件 サンジェルマン 閲覧数:918

 強い風が男の背中を押している。
男はただ立ち尽くしている。
空がいつもより近く、前を向けば地平線かもしればいが、
男は空を見上げている。
男はため息を付くが、その音も呼吸も風に流され誰の耳に届くことはない。
そこは街の中ではあるが、男の姿を見ているものはいない。
瞳からは涙が流れている。この瞬間においては悲しいわけでも、
辛いわけでもなく、男はただ涙を流・・・

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涙の音

13/10/10 コメント:1件 サンジェルマン 閲覧数:974

 雨と風が街を打ち鳴らしている。
嵐が近づいているのが分かっていながら、
私はウィスキーを飲むために、わざわざ暗いバーにやってきた。
バーに入ると客は一人の男だった。男はカウンターの中央に座っていた。
私は男と席を一つ空けて座った。狭いバーでは、この距離が私と男の、
互いの世界を守る精一杯の距離である。
私はスコッチを頼むと、男は私に興味も示さず、
手元の・・・

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霧の晴れた街へ

13/09/22 コメント:1件 サンジェルマン 閲覧数:1100

 部屋の窓を開けると冷気が流れ込み、酒で温まった私を鎮め去っていく。
十二階から見える周りの高層ビルは空を侵食し、夜空には僅かな空間しか与えていない。
夜空は与えられた空間から、街を静めようとしている。

 索漠とした風景を誤魔化すためなのか、街に霧が覆いかぶさっている。
覆いかぶされたビルからは、橙と白の生活の明かりが外へと流れ、
霧に色をつけている。・・・

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