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satukiさん

新参者ですが、ひとつよろしくお願いします。

出没地 茶屋町駅付近
趣味 読書 小説の執筆 イラスト
職業 フリーター
性別 男性
将来の夢 小説家
座右の銘 無理はしない。

投稿済みの記事一覧

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遅すぎる告白

13/07/20 コメント:1件 satuki 閲覧数:1225

愛してる。
ただそれだけを言うのに、何年もかかってしまった。
今ならいくらでも言える。躊躇することなく耳元で囁ける。
僕が彼女に告白できたのは、その時が最初で最後だった。
瞼を重く閉じて、僕が何度愛の言葉を囁いても、沈黙を守っている彼女の顔を見て、初めて涙を流した。

愛していたんだ。
ずっと側にいたけど、一度として言えなかったことだけど、ずっと君だけを愛・・・

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僕の思考と彼女の行動

13/07/16 コメント:0件 satuki 閲覧数:1064

彼女は可愛い。
歳が五つ離れていること以外は、僕にとってネックになっていることはない。

ある日、彼女に思い切って僕の気持ちを伝えた後、不意にキスをしたくなった。
顔を近づけていくと、それを悟ったのか彼女は突然口臭の確認をし始めた。
僕はフリスクを二、三粒口に含んで、向こうを向いて口臭チェックをひたすらしている彼女の顎を親指と人差し指でつまんでこちらを向かせてキスをし・・・

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声を失っても。

13/07/15 コメント:2件 satuki 閲覧数:1071

彼は最近何も話さなくなった。
正確には話せなくなった。
今現在彼の会話の手段は、手話しかない。
何故、どうして彼は言葉を失ったのか、私は知らない。
それでも、手話をする時の彼の表情は豊かで、別段特に変わったことは殆どない。
しかし、時折彼は言葉にならない叫び声を上げることがある。
どうしたのだと聞いてみると、怖い夢を見たんだと震える指で言葉を作る。

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愛の歌

13/07/11 コメント:2件 satuki 閲覧数:1108

世界を終わらせたのは、核弾頭でも細菌兵器でもなかった。
世界を終わらせたのは、愛の歌だった。

誰でも平等に、愛をはぐくもう。
誰でも何の不自由もなく生きていられるこの世界を愛そう。
誰でも、いつでも、どんな時も…。

僕は高校三年生の時期に、心の調子を崩した。
そんな時、愛の歌はここに良いのだと教えてくれたように思えた。
しかし、その歌が広ま・・・

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かつて

13/07/06 コメント:1件 satuki 閲覧数:1088

「頼む。休養をくれ…。」
戦地を歩く足もおぼつかなくなり、敵も味方も区別がつかなくなってしまった。
疲れ果てていた。
休む暇などなかった。与えてくれなかった。
何のために人を殺しているのか、何のために体を鍛えぬいたのか、その意味が曖昧になっていった。
そこに行くまでには明確になっていた目的もぼやけてしまった。

『オイッ!!何をしている!?』
謝って・・・

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愛すべき者も知らず

13/07/05 コメント:0件 satuki 閲覧数:1078

死に物狂いで助けを求める女性が目の前にいる。
「ねえ、なんでもする。なんでもするから…。」
女性の傍らには、片恋相手の男性の死体が転がっている。それは無残にも切り裂かれていた。原形を殆どとどめていない状態の男の顔がこちらを向いていた。どんな表情をしていたのかも分からない。
救いを求める相手が殺人者とは皮肉なことだ。そして僕は、彼女が好きだった。
だから殺す。殺すことで自分の・・・

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人である証明

13/06/30 コメント:0件 satuki 閲覧数:1099

僕には殺人歴がある。人を殺したことがある。圧倒的なまでに弱い年頃の女の子と、二十代の女学生と、三十代のキャリアウーマンを絞殺した。
皆見事なまでにあっさり死に、周りの人間は見事なまでに僕に騙された。ただ一人の女性を除いて。
彼女は言った。
「人である証明に執着しようとするあなたは滑稽だわ。そんなことしなくても、どうしようもなく私は人であり、あなたも人なのだから。」
僕は言っ・・・

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冬の季節

13/06/26 コメント:0件 satuki 閲覧数:1157

外に出たのは久しぶりだった。いつもなら大学の研究室に泊まり込みでパソコンを叩いているのに、行き詰っていたこともあって、外の空気を吸いたくなったのだ。
「大学に進学した理由は?」と聞かれると、たいていの人は「なんとなく。」と答えるだろう。私だって同じ口だ。特に何かになりたいわけでもなかったし、大学に進学さえすれば、アルバイト代が高校生よりも高くなるとか、一人暮らしが出来るとか、オプションの方に・・・

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迷う年頃

13/06/18 コメント:1件 satuki 閲覧数:1165

生きている内に必ず迷う時がある。丁度子供から大人に変わる年頃の時。
それは生死を別けるような激情で、それでもはたからでは何の変哲も見られない。それは小さな変化で、些細な問題なのかもしれない。しかし、それで毎年何千という命が、自らその生を閉じている。
当たり前のことなのかも知れない。その人が弱かっただけなのかもしれない。でも、その家族からしてみれば、死んでほしくはなかった尊い命だったはず・・・

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インスタントラーメン

13/06/02 コメント:0件 satuki 閲覧数:1083

何か食べようと思った時、いつもそばにあったのはインスタントラーメンだった。
特別不味くもなく、特別美味しいわけでもない。
ただ腹を満たすためだけの食べ物。以前はそう思っていた。
でも、ちょっとした理由があって、世界的に食糧難になった時、支給されるのはいつもインスタントラーメンだった。
肉の入ってないカレーとか、具のないスープライスとかあったけど、特に気に入っていたのはラーメ・・・

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夫と出会って狂って授かった娘。

13/05/21 コメント:0件 satuki 閲覧数:1313

名古屋について知っていることは少ない。
行ったこともないし、行こうと思ったこともない。
ただそこには、私の母親がいるという事実だけが、私の頭から「名古屋」という言葉が抜け落ちない理由だ。
私の母は、名古屋の田舎で客としてやってきた男に恋をした。
食べた魚が最高においしいとべた褒めしたらしい。
実家の味に自信と信頼を持っていた母の烏合にとって、それはどんなに嬉しい言葉で・・・

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愛し合う二人だけの初恋。

13/05/14 コメント:0件 satuki 閲覧数:1230

明日を願う男が一人、荒野に立っていた。
彼は白血病だ。
絶え間なく穴という穴から血を流し、空を見上げていた。

明日があれば…。

そうして男は砂の大地に倒れた。
死を見届けた者はどこにもいなかった。
彼にも愛していた女性はいたはずなのに。

空からトンビが降りてきた。
きっと彼を食べるためだろう。
目玉をくり抜き、腸を引きず・・・

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新魔人転生

13/05/13 コメント:0件 satuki 閲覧数:1190

あそこには誰も入ってこない。
興味半分、面白半分で入って行ったものは出てこない。

この洞には昔から悪いうわさが絶えなかった。
出てこられぬ、入っては戻れぬ。

僕がこの洞に迷い込んだのは、自分の家族の一人がおかしくなったからだ。
父は突然、「空が泣いている」と訴え始めた。
家族はそんな父を病院に隔離しようと考えて、父は突然暴れ始めた。
僕はそ・・・

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初めての旅で訪れた廃れた街の朝

13/05/12 コメント:0件 satuki 閲覧数:1396

空を見る。
晴れている。
雲がある。
太陽がまぶしい。

しぶしぶ体を起こした僕は、今日が初めての野宿であることを思い出した。
昔は駅のホームとか映画館とかで夜を過ごす人のことを遠巻きから見ていたのに、今では自分がその内の一人になっている。

初めての夜は嫌なものではなかった。
季節は夏だし、野宿といっても廃墟のビルの屋上で、持っていた毛布を広・・・

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生まれたての人工知能

13/05/12 コメント:0件 satuki 閲覧数:1138

 「生きているって嬉しいこと?」

 生きていて嬉しいと感じることは少ないね。

 「では、悲しいの?」

 辛いことだよ。

 「辛いのに何故生きているの?」

 生きているから。辞めるのはいつでも出来るから、しばらくは生きてみようと思うんだ。

 「人間って何?」

 生き物さ。難しく言えば、有機的な素材で出来・・・

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少年兵

13/05/11 コメント:3件 satuki 閲覧数:1464

何人死んだか分からない。

死体の転がる荒野にただ一人、たった一人で立つ少年がいた。
僕が志願したのはこんな死体の山を見るためじゃない。祖国の繁栄と勝利を祈って引き金を引いた。
しかし、最後に弾丸を撃ち込んだのは、年端もいかない少女だった。
理由は単純明快。スパイだったのだ。敵軍の兵士と情報交換をしていた。

ただそれだけ。
たったそれだけ。
・・・

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不満を持つ新人妖怪

13/05/09 コメント:1件 satuki 閲覧数:1283

 一人の女性が街の裏通りを使って帰宅中、不意に何者かの気配を感じ取った。
 振り向くとそこには誰もおらず、しかしやはり気配だけは確かにそこにある。恐る恐る手を伸ばしてみると、何もないはずの空間に、人間のような弾力を感じ取った。
 悲鳴を上げて逃げようとすると、それは慌てて手を握ってきた。そして、逃げないでくれと懇願してきた。
 「オイラは透明人間だ。見てもらいたくても誰にも見えな・・・

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永遠には続かない。

13/05/05 コメント:0件 satuki 閲覧数:1279

――あなたのことは今でも好きです。――

僕の手元の紙にはそう書かれていた。
もう遅すぎる彼女からの手紙。
今は誰かの男のところに嫁いでいるだろうか。
彼女はきっと僕のことは忘れているだろう。だけど、僕が自分のした失敗としては大きなもので、どうしても、今に至るまで約十年間、悩み続けた。
自分勝手な責任の感じ方。自分のことばかりを考えてきた自分の責任。

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財布にチェーン

13/04/03 コメント:0件 satuki 閲覧数:1560

僕の財布には常にチェーンを付けている。自転車やバイクのタイヤに付けるような円形のものではなくて、財布と僕を繋いでいる鎖のことだ。
 これで財布を無くす回数も増えないだろう。合計五回もの財布紛失は、ある意味才能だ。これまでの紛失理由は気が付いたら無くなっていた。まぁ、わざと無くす人間はいないだろうけど。それでよく親に仕方のないやつという目で見られていた。物をもっと大切にしなさいと何度言われたこ・・・

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