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sucreさん

混沌としたもの きれいなもの 記憶 なまなましい感情 声として説明できない想い 気持ち そういうあらゆるものを 小説として 言葉に 落としてゆきたいと思っています

出没地
趣味 演劇 映画 おんがく 読書 そらを見る 旅 カフェ巡り
職業
性別 女性
将来の夢 小説家
座右の銘 フリをして人を想うことはできない。 愛することはとても痛みを伴うもので、 同時にとても努力が必要なんだ。

投稿済みの記事一覧

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ミズノオリ

13/03/31 コメント:0件 sucre 閲覧数:1260

水の檻みたい。
そう言うと彼は「や、そんな綺麗なもんじゃないでしょう、男の部屋なんて」と苦笑する。
たしかに男の人の部屋はーーと言っても見たことがあるのは先輩のこの部屋だけだけどーーものすごくきっちりと綺麗か、ものすごく乱雑か二極化している。
ここは、そのどちらでもない。
ベッドサイドにところどころ置かれた本、パイン材のシェルフにぎっしりと詰まった多国籍のCD、無造作に椅子・・・

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そのゆきのまえに

13/03/31 コメント:0件 sucre 閲覧数:1188

何度も何度も丁寧に漉いた和紙のようにしろい指が障子を撫でる。
どれだけ着込んでいても北海道の寒さは半端なものではないので、何れだけ服を重ねたって、余り意味はないのかもしれない。
爪先を擦り合わせる度に、足袋が弦のような音を立てるのがそのいい証拠だろう。
右手で開いていた古い本を閉じて、文机に置く。
傍らではぜる火鉢のなかの赤を捕まえようと手のひらを翳せば、わずかな温かみが皮・・・

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例えるならば世界は雨に包まれたスノードームだ、君と僕、とならば

13/03/31 コメント:0件 sucre 閲覧数:1351

「…僕には妻がいるんですが。それでもいいの」





その日も雨だった。
以来雨の日になると柔い髪の毛を掻き乱されたような気持ちになる。
朝のラッシュの地下鉄の中でふくらはぎに触れる濡れたビニール傘のぬるりとした感触生理的にふるえてしまう、
ススキノのサントリーの看板がかなしげに雨に打たれている様子、上司が珍しくきっちりと締めているネクタイの・・・

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