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地ー3さん

小説を読んだり書いたりしているただの大学生 ロマンを追い求めている

出没地 滋賀・愛知・福井
趣味
職業 大学生
性別 男性
将来の夢
座右の銘 小さくとも名を残したい

投稿済みの記事一覧

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牢獄と蜘蛛の糸

16/05/30 コメント:0件 地ー3 閲覧数:612

「休日に降る雨はまるで牢獄のようだ」
 テーブルの上に置かれたカップを手に取り,中を満たす紅茶の香りを楽しみながら窓から見える降りしきる雨に文句をつけた。空を埋め尽くす雲からひっきりなしに降り落ちてくる水滴に辟易しながら,片手に持っていた文庫本をテーブルの上に置く。
 一週間に二日ないし一日しかないせっかくの休日であるにもかかわらず,人々から外へ出かける意欲を失わせ,鬱屈な気持ちを抱か・・・

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博徒の性(さが)

16/02/16 コメント:2件 地ー3 閲覧数:580

「今回のゲームはロシアンルーレットです」
 薄暗い部屋に設置してある机のそばに立つ黒服の男が宣言する。俺はその宣言を椅子に腰かけながら耳に入れ,この状況になった経緯を思い出していた。

『ゲームに勝てたら,借金を帳消しにしてやる。ただし,命懸けだ』
 借金取りからの逃走中,俺はある男からこのゲームに誘われた。
 最初は胡散臭いと思ったが俺を追いかけていた借金取りをあろ・・・

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無情な隣室

15/01/06 コメント:1件 地ー3 閲覧数:772

 隣室。
 読んで字の如くとなりの部屋。部屋の隣に位置する部屋。THEお隣さん。
 私が住む安アパートの自室、その両隣にも部屋がある。
 そして、安アパートに住んでいれば壁が薄くてプライバシーもへったくれもないというのはご存じだと思う。両隣のお部屋の会話どころか、独り言さえ聞こえる。
 例えば、右隣。
「指名手配から逃れて一年。このまま逃げ切れればいいんだがな」

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涙を止めるために

14/07/02 コメント:0件 地ー3 閲覧数:715

 あの日,父が死んだ。川で溺れかけた僕を助けようとして自らを犠牲にしたのだ。
 葬儀の時、母が泣いた。妹が泣いた。そして、僕も泣いた。そして、涙とともに決意した。誰も涙を流して欲しくない、誰かを助けることが出来る人間になろうと。
 そして、月日が流れた。

「これは……籠手、でしょうか?」
「どうやらそのようですね」
 達彦は装飾が施された籠手を拾い上げながら問・・・

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理不尽な神様

14/04/20 コメント:1件 地ー3 閲覧数:889

 目が覚めると同時に、激しい痛みが体を走り回った。あまりの痛みのために体を動かすことが出来ない。
目の前に広がるのは木々。降りしきるは大雨。手には抜かるんだ土の感触。
 激しい雨が私の顔を叩く中、記憶を遡り、なんとなく今の状況に見当をつけることが出来た。
 
 朝、雲一つない晴天を見上げた私は山に行こうと思ったのだ。理由はない。ただ気分の赴くままに準備をし、近くの山へと出発・・・

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お手紙、届きました

13/05/03 コメント:1件 地ー3 閲覧数:1336

 学校で良く耳にする噂話がある。花子さんとか口裂け女とか、そんな夏のテレビで紹介される怪談に似た噂話が流行っている。名前はお隠し様の手紙というそうだ。この街に移って新しい学校に、クラスにそろそろ馴染み始めてきたかという僕には、みんなよりも遅い段階でその噂話を耳にした。
自分の知らない間に、鞄の中やポケットの中に手紙が入っているとこがあるらしい、差出人は書かれておらず、その手紙に書かれている内・・・

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名無しのラブレター

13/05/03 コメント:0件 地ー3 閲覧数:1317

『貴方の事がずっと好きでした。今日午後六時、学校の屋上で返事を聞かせて下さい』

 新学期が始まり、一か月。あれほど騒がしかった部活動の勧誘も今ではすっかり鳴りを潜め、学校全体の雰囲気が落ち着き始めた頃合いだ。
 坂上浩一が差出人不明の恋文に気が付いたのは今朝方だった。いつも通りの時間に登校し、自分の席に着いた時、机の中にある手紙の存在に気付いた。机の中に入っていた手紙をこっそり・・・

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真紅に染まる財布

13/04/07 コメント:1件 地ー3 閲覧数:1303

 薄暗い夜の道で一人の青年が歩いている。人通りは他に無く、いるとすれば街灯に集まる虫くらいのものだ。
 時刻は既に夜の十二時。昨日であり、今日であり、明日である、とても曖昧な時間。そんな時間に秋津浩人は苛立っていた。
「くそッ!」
 苛立ちの原因は金だった。浩人はついさっきパチンコで有り金を使い果たしたのだ。残金は千五百円。これで今月を過ごさねばならない。
 完全なる自業自・・・

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誰でもない

13/03/22 コメント:1件 地ー3 閲覧数:1438

「そういえば僕、ピエロさんの素顔見たこと無いですね」
 とあるサーカスに所属する少年ポコは先輩である道化師と共にテントの隅で備品の片づけをしていた。ポコの隣では仮面を付けた道化師、ピエロが同じように荷物の整理を行っている。
「まあ、人前ではこの仮面を取りませんからね」
 本人の言うとおり、ピエロは人前で決してその仮面を取ろうとはしない。さらに、自分から本名も明かそうとしないのだ。・・・

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