1. トップページ
  2. 小岩井豊さんのページ

小岩井豊さん

趣味としての物書きです。 http://mypage.syosetu.com/40531/

出没地 町田 菊名 喫茶店
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

1

血液と記憶

17/03/27 コメント:1件 小岩井豊 閲覧数:189

 私は死人の血を舐めたことがある。人身事故があった翌日のことだ。

 T線H駅は急行通過駅で、投身自殺の名所らしい。特にこの時期になると月二の事故は覚悟した方がいいという。
「うちの友達の知り合いがさ、あの駅のホームに立ってたとき掴まれたんだって、足首。だれもいないのにだよ」これはクラスの子の証言。友達の知り合いってところが怪しいから私は信じていないけれど。ともかくそんな話もあっ・・・

0

ブランコ

14/07/01 コメント:0件 小岩井豊 閲覧数:610

 塾の帰りに寄り道をして、公園に立ち寄った。
 見ると、男の子がブランコに揺られて遊んでいた。男の子といっても、別に、幼い男の子というわけではなかった。暗くてよくわからなかったけれど、たぶん、私と同世代くらいの男の子だった。
 私はブランコに近づいた。男の子が揺れるのを止めて、じっと私を見つめた。あいかわらず、暗くて表情がわからなかった。寒い夜だったので、彼の薄く開いた口から、細く白い・・・

0

廃墟と草原の世界で

13/02/21 コメント:0件 小岩井豊 閲覧数:1203

 うー、うー、うー、うー。
 あー、あー、んんっ。
 あーっ。

 ずっと人間の姿を見ていない。
 青臭い丘がどこまでも続いている。ときおり、春風に草原がたなびいた。遠くには山々の連なりがあった。夜になると、山の方から野良犬らしき遠吠えが聞こえてきた。
 丘と草原はどこまでも続くが、完全な真っ平らというわけじゃなく、蔦や木々に浸食された廃屋の残骸をたまに見かけた・・・

1

人生はじめての受験

13/02/18 コメント:4件 小岩井豊 閲覧数:1600

 なにしてんの、と僕は聞いた。年の離れた妹は畳に広げた算数のドリルから顔を上げ、「じゅけん勉強!」と元気よく答える。鼻で笑った。競う相手もいないくせに、って。
 いそいそと鉛筆を動かす妹に背を向け、僕はスーパーのチラシの裏に即興で問題を作った。整数の足し算と引き算、あとはかけ算と、簡単な文章問題。いじわるして、妹がまだ習っていないはずの分数のかけ算も混ぜておいた。
 出来上がると、勢い・・・

1

お日さま

13/02/17 コメント:2件 小岩井豊 閲覧数:1286

「お日さまが追いかけてくるよ。ねえ、とーちゃ」
 軽トラックの助手席に揺られながら、当時七歳の私は、父に向けてそう言った。
 私の父は昔からとにかく面白味のない人で、好奇心旺盛だった私がなにを尋ねても、ぼそぼそとした低い声で、知らん、としか言わないような人だった。そんな父が、私が何気なく発した益体もない質問に対して、こう答えたのだ。
「お日さまは鞠子が好きやけん、追っかけて来よっ・・・

  1. 1
ログイン
アドセンス