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佐川恭一さん

よろぴくぴく〜✫ twitter:https://twitter.com/#!/kyoichi_sagawa

出没地
趣味
職業
性別 男性
将来の夢 ノーベル文学賞受賞
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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歴史の果てに

17/11/19 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:117

 2030年にはすでに、将棋という知的ゲームにおいて人類がコンピュータに勝利する可能性が全く失われていた。猛スピードで発達するディープラーニング・システムの過程を研究していた数学者のアルフレッド・シスラーは、以下のような仮説を立てた。

 人生はつねに無数の二択を選び続けることによって決定される。そのすべての選択には最適解が存在し、選択をひとつも誤ることなく人生を進めていけば、少なくと・・・

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スナイパー

17/10/24 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:344

――私は恋人ができたことがありません。デートしたこともありません。デートなんてほんとくだらないよ、私はね、ふと行きたくなったときに居酒屋に寄って酒を飲む、その繰り返しこそが人生であると考えています。それ以外の行為というのは全て蛇足だね。はい、その前の方。ボーダーの。

ボーダー ありがとうございます、えー、先生は居酒屋で酒を飲めればいいということでしたが、同じような考えの異性とならお付・・・

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死神の財布

17/10/22 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:158

 自信にみちあふれた人間であることは欺瞞だ、と僕は思う。そういう人間は社会とうまくやっていけるし、異性からもあこがれられる。力強い所作と筋の通った論理、選び取った立場を明快に説明する能力。それらはとても輝いてみえる。だが僕にとってその輝きはにせものだ、それは女優にあてられるライトのようなもので、ひとを良くみせはするが、その本質を保証するものではない。もしも物事を真剣にみつめる能力が少しでもあるなら・・・

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刑事ハワード

17/10/09 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:167

 事件が起きたのは2021年11月27日午前9時11分のことだった。事件は突然に起きた。そのときのことをスズキは鮮明に覚えているという。
「あの日はひどい嵐でした。暴風警報とかが出ていました」
「なるほど」
 刑事のハワードが神妙に頷き、手帳にメモを走らせた。ハワードのペンは一万円から三万円のあいだぐらいのブランドものの高級ペンである。
「暴風警報とかが出ると、娘を保育所か・・・

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憧憬

17/02/12 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:315

 見渡す限り一面の田んぼ。家の庭には小さな畑。お父さんはスクールバスの運転手をしていて、お母さんは親戚の魚屋さんを手伝っている。僕は近くの広い公園で友達と遊んでから、家でひとりでご飯を食べることが多かった。別にそれで良かった。友達と遊ぶのが楽しかったし、お父さんもお母さんも優しかったから。

 中学に上がっても、小学校と変わりばえしないメンツだった。全校生徒は8人だけ。5人は同じ小学校・・・

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ピカソ展

16/11/07 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:361

 私は芸術というやつはくそくらえ。そのように思う人間です。それは私が芸術に心を洗われたとか救われたとかいう感覚をもったことがないからで、そんなことをいっているやつは大体詐欺師である。そういっておいたほうがゆたかな精神の持ち主にみえるからいっているだけです。反吐がでる。事実、この芸術のどこがどういいのか、ときいてみたときに、しっかりと答えられる人間はすくない。なんとなくとか、ただいいと思ったとか、す・・・

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アレハンドロによろしく

16/11/03 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:433

 私は幼稚園のときからいじめられ、小学校でもいじめられ続け、中学の二年生で不登校になりました。すごいいじめられ方だったので、これでもよくもった方である。「お前、よくやった方だよ。」そういってくれるのは、盟友アレハンドロです。アレハンドロはまことにこのようにいう。「おれがお前だったら、年少組のときにぶったおれてたぜ。」私にはそれがアレハンドロの優しさであるということがわかる。「ああ、そうだろうな。」・・・

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悪の檻

16/11/01 コメント:2件 佐川恭一 閲覧数:997

《安全運転を心がけます》。そう書かれたプレートが暗い車内で白く光っている。ラジオのニュースが小さなボリュームで流れている。タクシードライバーの名はイシザキといった。目的地を告げた後、僕は気まずさとは遠く離れた沈黙の中で、窓から夜の街並みを心地良く眺めていたのだが、イシザキのかすれた声がそれを切り裂いた。
「お客さん、こんなに遅くまでお仕事ですか」
「ええ、まあ」
 おしゃべりなタ・・・

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蕎麦屋への道

16/06/29 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:505

 うまい蕎麦屋がある、というのである。
「おれが車出すし、みんなで食べに行こうや」。
 仕事の昼休みにそういったのは同期の勝浦で、おれは休日にまったく予定がなかったから案に乗った。おれと同じく予定のない佐々木と吉田も乗ってきて、「近くで蕎麦打ち体験もできるみたいやし、みんなでやろうや!」と大盛り上がり。苦しい仕事に精神をすり減らしながらウィークデイをくぐりぬけ、やっと迎えた土曜日。いつ・・・

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先輩

16/06/07 コメント:2件 佐川恭一 閲覧数:667

 ギラギラした夏の陽射しが照りつける。マジで暑い。すげー暑いっすね、と先輩にいってみるが、先輩は「いや、わしは寒いけど」とかいうのである。先輩は185センチあるが、体重が55キロしかないそうだから、普通の人と温度の感じ方がちがうのだろう。
 
 おれは「夏こそカレー!」と書かれた、どこでもらったのかも忘れたうちわで顔をパタパタあおいだ。朝である。憂鬱な朝。仕事の始まる前のわずかな時間。・・・

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冬の再会

14/01/01 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:908

 大学に入ってすぐにつきあい始めた彼女と別れたのは大学を出たときだと思っていたけれど、それから五年がたって、「別れるとか別れないとか、ちゃんと言葉にしていなかったな」と気がついてふと電話してみると、彼女は屈託のない調子で「ひさしぶりに会おうよ」と言った。せっかくだから一度会ってしっかり話をしようと思った。何事もなあなあに終わらせてしまうのがぼくの悪いくせだった。言いにくいことは言わなかったし心に負・・・

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ビューティフル・ドリーマー

13/09/16 コメント:3件 佐川恭一 閲覧数:1449

 飛ぶ鳥を落とす勢いでミリオンヒットを連発する男性アイドルグループ、ザンジヴァルのKドームコンサートは当然の如く超満員、あたしはアリーナ席の最前列から五列目という絶好の位置で、躍動するメンバーたちを見ていた。
 ザンジヴァルはデビューして一気に有名になったけど、あたしはデビューする何年も前から久保くんを応援している。ザンジヴァルを結成する前、ノースリーブで踊るのに腕がヒョロヒョロすぎて先輩か・・・

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インテグラル・サマー

13/09/15 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:1347

 ミリオンヒットを連発する女性アイドルグループ、アリスインザダークのKドーム公演は当然の如く超満員、わたしはそのスタンド席の最上段から彼女らを観ていた。会場の下の方では見事なダンスを見せつけるオタクたちがいて、わたしも同じように踊りたかったのだが、この席の周辺にはそこまで熱心なファンはいないようで、わたし一人がはしゃぎ出すことは難しい雰囲気であった。右隣には柄の悪い男子高校生が二人、片方は双眼鏡で・・・

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ウェイティング・ガール

13/09/11 コメント:4件 佐川恭一 閲覧数:1128

「待ってる間が一番楽しいって思わない?」
 杉原さんが突然そう言ったのでドキッとした。これは僕の、彼女との初めてのデートで、今のところうまくいっているとは言い難い。午前中に観た映画は妙に哲学的な内容であまり気分も盛り上がらず、その後巻き返しを図ろうと得意なボウリングに持ち込んだのだが、2ゲームやって僕のスコアは103と96。彼女の方は72と51。これじゃ何も面白くない。
 おかしいな、・・・

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ある橋の下で

13/08/19 コメント:3件 佐川恭一 閲覧数:1957

 まったくねえ、神様なんてものがいるはずないんですよ、もしいたなら、私がこんな目に遭ってる理由がわかりません。私はね、昔ちゃあんと働いてたんです、女房と一人娘がいて、慎ましくも幸せな生活を送っていたんですよ。それなのに、私が証券会社に騙されて借金背負わされると、女房は娘と逃げちまいました。私は借金がばれて会社もクビになって、まったくの無一文。毎日借金取りに来られてどうしようもなくなって、強盗に入っ・・・

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ランバージャック

12/08/28 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:1515

 おれは格闘技を観るのが好きだ。スポーツは反吐が出るほど嫌いだが格闘技だけは別だ。野球やサッカーみたいなまどろっこしい退屈な競技とは違う、やるかやられるか、常に極限の緊張状態におかれ一瞬でも気を抜く暇はない。そしてとにかく相手を叩きのめした方が勝ちだ。おれは小学校四年生の時ソフトボールの守備で致命的なエラーを犯したことが原因でいじめに遭っていた、学校というところはどんな小さなことだっていじめの種に・・・

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同級生たち

12/08/28 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:1442

 僕の高校は文武両道を謳っていたがその実進学コースとスポーツコースにきっちり分かれていて、双方の仲はあまりよろしくなかった。進学コース生は、プロスポーツ選手やオリンピック選手を目指すスポーツコース生を非現実的だと馬鹿にしたし、スポーツコース生は一流大学に入り一流企業に入ることにしか価値を見いだせない進学コース生の視野の狭さを軽蔑していた。
 僕は進学コースの落ちこぼれだった。毎日毎日、まるで・・・

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僕と彼女の事情

12/08/27 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:1407

 ねえ、プール行こうよ、と彼女が言った。
 何ということもない言葉だが、それを聞いた僕は驚きを隠せなかった。彼女はこれまで、何度プールに誘っても首を縦に振らなかったのだ。もう僕たちは付き合って五年になる。ずっと断り続けたプールに、どうして突然行きたがるのかさっぱりわからなかったのだ。
「どうしたんだよ、急に」
「何となく、行きたくなったのよ」
 僕はあれこれ聞き出したくなっ・・・

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リセット

12/06/04 コメント:3件 佐川恭一 閲覧数:1977

 休日の朝、妻がオムレツを作る音が聞こえる。僕は新聞を広げながらソファに腰掛けて、煙草を吹かしている。結婚して三年が経ち、まだ子供はいないが、柴犬を部屋の中で飼っている。犬はとてもよく懐いていて、その無邪気な瞳が僕たちをいつも癒してくれる。
 文句のない生活だ、と僕は思っていた。妻はとても可愛らしく僕に甘えてきてくれるし、僕もそれを嬉しく思っている。特に給料は高くないが、大きな不自由のない生・・・

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