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山田えみる(*´∀`*)さん

執筆歴は八年半になります(*´∀`*)

主にpixivの小説サイドで活動をしています→http://www.pixiv.net/member.php?id=927339

ブログはこちら→http://aimiele.blog136.fc2.com/

2011/11/19のpixivマーケット2にてオリジナル小説合同誌を発行しました。

出没地 名古屋駅
趣味 podcastを聴きながら散歩
職業
性別
将来の夢 趣味として、小説を書き続けられたらそれで幸せです。
座右の銘 死ぬこと以外はかすり傷

投稿済みの記事一覧

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機械仕掛けの恋心

13/09/24 コメント:1件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:1444

 人形工房の朝は早い。
 お日様が昇るより早くに目覚め、鶏が鳴く頃には家事に取り掛かかる。マスターが目覚める時間を逆算して朝ごはんを作り、仕事に専念できるようにいまのうちに工房の掃除も進めておく。
 それがわたしの日課。
 マスターの最初の作品にして、作業の助手を務める自律人形。
 ここで造られた自律人形は数多く、いまでは街のいたるところで見ることができる。店番に、農作業を・・・

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プラットフォームとハンカチ

12/09/11 コメント:1件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:1680

 「死にたい」
 クリスマスを目前に控えて賑わいを見せる街の片隅で、わたしの言葉は誰にも拾われずに白い霞と消えた。溶けかけた雪に転びそうになりながら、とぼとぼと駅へと向かう。

 「こんなところで眠っていたら風邪を引きますよ?」
 そんな声をかけられて、跳ねるように身体を起こした。どうやらプラットフォームのベンチで眠ってしまっていたらしい。OLさんが、わたしの顔を覗き込んで・・・

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走る理由

12/09/03 コメント:0件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:1281

 何度やってもうまくいかなかった。
 位置について、ようい、どん。その言葉に合わせてスタートを切り、ただ他の人よりも早く走るだけ。それだけのことが、これほどままならないとは思わなかった。小学校のときに気まぐれで始めた短距離走だったが、そのころはめきめきと成績が伸びていったのを憶えている。自分はこの競技をするために生まれてきたのだと思ったことも一度や二度ではなかった。けれど、中学最後の大会を控・・・

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祖父

12/08/28 コメント:0件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:1510

 わたしは武道家の祖父の経営する道場の一人娘として生まれた。
 このご時世に武道家なんてと思う人もいるかもしれない。実際、父がそうだった。跡取りとして厳しく育てられた反動で、父は作家になってしまった。幼いころ祖父に鍛えあげられた腕力は、キーボードを押下する程度にしか使われていない。それが父の復讐だったのかもしれない。
 わたしと母は道場の手伝いをしていた。特に大変だったのが、夕食の準備・・・

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帰郷メランコリイ

12/07/09 コメント:0件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:1729

 群馬。
 『馬の群れ』という字面から田舎と思われがちな地域ではあるけれど、わたしにとってはかけがえのないふるさとだ。東京の大学では群馬生まれであることを告げると笑い者にされたけれど、そのたびにわたしは顔を真っ赤にして怒ったものだ。
 いまわたしは数年ぶりにこのふるさとに帰ってきた。未曾有の不況と就職難により、わたしは新卒の適切な時期に働き口を見つけることができなかった。両親からはこっ・・・

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銀輪

12/07/09 コメント:1件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:2696

 郊外の公園のベンチの上。
 そこがぼくの定位置だった。ぼくはここから見る景色が好きだった。春の緑や夏の青、秋の紅に冬の白。その変化を味わうのは最高の贅沢だった。住宅街に近いので、よくお母さんが子供を連れて遊んでいる。いつもここにいるぼくは、いつ不審な眼で見られるのではとびくびくしているが、やはり公園はみんなのもの、ただここでぼけーっとしているだけのぼくも許容されていた。
 そんなぼく・・・

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桜下爛漫ノスタルジア

12/06/16 コメント:0件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:1793

 ぼくたちは文芸部の新年会の真っ最中だった。
 とはいっても、学校で一番大きな桜の木の下は運動部系の賑やかなグループに押さえられているしなんでも朝の四時からブルーシートを敷いていたらしい、他の目立ったスポットも人がごった返しているので、もう使われていない校舎の裏というなんとも寂しい一本桜の下である。
 一週間前の卒業式で文芸部を支えてきた先輩たちが抜けていき、いまはぼくと後輩の女の子の・・・

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テセウスの薬指

12/06/04 コメント:1件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:2207

 「あなたー、ちょっと肩が凝っているの。直していただけないかしら?」
 買い物から帰って来たらしい妻の声が、工房の方まで聴こえてきた。ちょうどキリがよかったので、いま手がけている作業に一区切りをつけ、エプロンで手についた油汚れを拭う。オートメーションの量産品より、職人の一点物を――という復古ブームが来ていることもあって、次から次へと注文が止むことはない。そのおかげでわたしも食べていけるし、妻・・・

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古書店にて

12/05/19 コメント:1件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:2282

 『京都』というところには他の土地にはない魅力があるらしい。
 だいたい創作モノでは鬼や妖怪が跋扈しているように描れることが多い。わたしもアマチュア作家だからよくわかる。だいたいそれにおまけして、和装の少年が陰陽師の子孫として札を操っては式神を使役したりする。
 だが、もちろんここはそんな現代ファンタジーな世界ではない。夏は蒸し暑く、冬はまじ寒い、いたって普通の街だ。

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追想アンブレラ

12/05/12 コメント:0件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:1690

 自律人形アンブレラは今日も墓石の前に立っていた。
 雨粒の一滴たりとも主人の墓石にかけまいと、傘を差して立っていた。

 ※

 あれから何年経ったのか――、いまでも目覚めた日のことは憶えています。博士の作業台の上で目を開いたわたしは、生まれる前から規定されていたプログラムに従って、まずあなたに挨拶をしました。
「これが何かわかる?」
「レイン社製、筋繊・・・

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雨色メモリア

12/05/08 コメント:1件 山田えみる(*´∀`*) 閲覧数:2105

 梅雨という季節はあまり好きにはなれません。
 いいところといえば苦手な体育が室内競技の卓球になることくらいで、洗濯物はなかなか乾きませんし、つい水溜まりに突っ込んでしまって靴下が濡れてしまうと、その日一日憂鬱になってしまいます。また、湿気のせいでもともと癖毛気味なわたしの髪はまとまる気配を見せません。ねぼすけなわたしはわざわざ早起きしてまで、ぴょこんと飛び跳ねる髪と格闘する毎日です。

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