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牛肉のビール煮

18/01/26 コメント:0件 エア 閲覧数:198

 それは仕事終わりが近付きつつあった日の事だった。
 ウチの会社にやって来た顧客がお歳暮に缶ビールのギフトをくれたのだ。
 しかも、缶には光り輝く金が豪華に施されていたことから、所謂プレミアムと呼ばれるものであることは分かった。
「お前も、どうだ」
 上司がそう言いながら、缶ビールを僕に渡したが、生憎僕はお酒が飲めない。かといって、せっかくのご厚意を無駄にする訳にもいかない・・・

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寂しい男の代表

18/01/26 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:217

 朝、目覚めると高級ホテルの一室にいた。昨夜も飲み過ぎたせいか頭が鐘をつかれたように鳴ってまぶたも重たかった。
 隣には見知らぬ女が裸で寝ている。二十歳くらいでモデルのように美しい。念のため心臓に耳をあててみると動いていない。
 テレビドラマではよくあるお決まりの場面だ。この後は身に覚えのない男は慌てて部屋を出てエレベーターに乗って逃げていく。エレベーターの監視カメラにはばっちり写って・・・

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下克上

18/01/26 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:327

「お前はいつもいつもダメなんだ!そんなだから契約もロクに取ってこれないんだぞ!」
俺は部長にいつも怒られている。もう慣れてはいるものの、四六時中怒られていると気が滅入ることがある。
「まぁ気にするなよ」
同期は俺の哀れな姿に同情し、優しい声を掛けてくれる。しかしその優しい声がまたダメな奴だと言われている気がしてならなかった。

ただ今日の仕事が終われば、俺の人生に光が・・・

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カラフル・カクテルRev3

18/01/26 コメント:1件 j d sh n g y 閲覧数:238

西野彩は静かなバーで女友達の村治咲が来るのを待っていた。肩まで伸びた艶やかな黒髪と鮮やかな口紅が仄かな照明で光っている。
客席をぼんやり眺めると、色とりどりのカクテルが存在感を示していた。
「おまたせ」
いつの間にか村治咲が西野彩の席まで来ていた。
「びっくりしたー…いつ来たの?」
「ついさっきだよ」
「ぜんぜん気づかなかった」
あいかわらずだね、と席に座・・・

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アルコールランプ

18/01/26 コメント:1件 浅間 閲覧数:263

 私は無意識に、いつもの赤提灯に入った。さながら、光に群がる虫のようだ。この時間に明かりがついているのは、この辺ではカラオケ店か居酒屋くらいだろう。そこに集る虫たち。黒いスーツだから、カブトムシかクワガタか。いや、飲食店に来るのだからゴキブリだろう。なんて、馬鹿馬鹿しい。
 そう思いながら、カウンターの一番端の席に座り、焼酎を頼んだところだった。
「お隣、いいですかねぇ?」
 話・・・

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今はただゆるゆるとほどける。そして、飛ぶ。

18/01/25 コメント:0件 向本果乃子 閲覧数:252

プルリングを開けて缶のまま口をつけ、ほんのり甘く炭酸を含んだそのアルコール飲料を喉から胃に流し込む。はぁ。体に染みわたるアルコールに力んでいた節々が緩む。噛み締めていた奥歯、こめかみ、首筋、肩、背中、腰。一日張り詰めていた筋肉がゆっくりとほぐれてゆく。もちろん、実際の筋肉はアルコールでほぐれたりはしない。だからそれは私の心が緩んで、結果として体に入っていた力が抜けているだけのことだ。お酒を飲まない・・・

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グラスの音に

18/01/25 コメント:0件 葉月三十 閲覧数:264

 1月20日。
 今日がなんの日かと訊かれたら、これだと答えられる人間は俺の身内ですらきっと少数だ。
 1月20日、今日は俺の誕生日。ただそれだけ。だがただの誕生日ではない、二十歳の誕生日だ。法律上は、今日から酒やタバコが許される、未成年から成人へと移る節目の歳だ。
 しかしだからといって今日が特別な日になるわけもなく、淡々と、ただいつも通りに一日は過ぎていく。何の変哲もない、金・・・

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甘酒日和

18/01/24 コメント:0件 れいぃ 閲覧数:214

 鉄格子の向こうに黒い頭が見えている。
 少女は一睡もしていない瞳でとろんと窓のほうを見上げ、天に近い場所からのぞきこんでいる生き物をじっと見た。
「なんだ、カラスか」
 前から見るとわりと間の抜けた顔をしていて可愛い。
 カアとひと声鳴いたのを「なにやってるんだ」と翻訳して、少女は顎を上げて答えた。
「ぶちこまれたんだよ、見りゃ分かんだろ」
 ふうとため息をつ・・・

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パオパオ

18/01/24 コメント:2件 トモコとマリコ 閲覧数:234

 休園日の動物園の象舎を点検しに行くと、象がパオパオ笑いながら踊り回っていた。やめろと言っても聞こえていないようだったので、持っていた竹箒で頭を引っぱたいて無理矢理黙らせた。
 後で他の飼育員に聞いたら、象の中の奴ら、休園日だからって朝から酒を呑んでいたらしい。・・・

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魂酒 ─〈想い酒〉─

18/01/24 コメント:1件 のあみっと二等兵 閲覧数:357


杯と白い陶器の瓶を抱えて、縁側から空を見上げる。

月は出ていない代わりに、音も立てずに降りてくる雪が、白く染まった庭を、いつもよりも明るくしていた。


「それはそれは丁寧に丁寧に、噛んでらっしゃいましたよ」

近くの神社で巫女が差し出したモノを受け取って来た。この酒は、君が、〈君自身〉を入れたモノだと聞いた。
三年経ったら、俺に渡して欲し・・・

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再会

18/01/24 コメント:2件 秋 ひのこ 閲覧数:626

 8年ぶりに再会した宮下は、記憶にあるよりほんのちょっとオッサン化していた。30なんて感覚としては学生の頃と大差ないが、時は確実に過ぎているらしい。  私が選んだ人気のスペイン料理店。カジュアルだが客単価が若干高めなので落ち着いた雰囲気だ。宮下とこんなお店に入る日がこようとは思わなかった。  サーバーに飲み物を聞かれ、宮下はメニューも開かずに「生」と応じる。  私の胃がきゅっと縮んだ。サーバーは慣・・・

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ルナパークに酔いしれて

18/01/23 コメント:4件 元町 杏 閲覧数:483

「言えばよかったって後悔して終わるより、全うしたいじゃない。 だってもう『私』が私として生まれることはないんだから」 今、目を閉じても思い出せる。真っ直ぐに見据えた紗雪の瞳を。 賑やかな路地を抜けた静かなバー。 カウンターの端から2番目の席。そこが俺のお決まりの席。 その右隣に紗雪が座り、紗雪を挟むように修哉が座る。紗雪は決まってルナパークを飲んでいた。 俺はいつもラムコークを。修哉は「ジュー・・・

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足の生えたビール瓶

18/01/22 コメント:1件 吉岡 幸一 閲覧数:426

「足の生えたビール瓶をつかまえて飲むと結婚できるって知ってるか」  そう聞いてきたのは同じ職場の同僚だった。屋台でおでんを頬張りながら三本目のビール瓶を握って離さない横で、僕は終電を気にしながら付き合っていた。 「ビール瓶に足なんかあるわけないだろう」 「それが夜遅くになると足の生えたビール瓶が繁華街を走っているっていうんだ」 「なんだそりゃ、新しい妖怪か」 「ねえ、大将も聞いたことがあるでしょ。・・・

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ビールの味は苦く、遠く。

18/01/22 コメント:1件 のあみっと二等兵 閲覧数:483


私の父の話をしよう。
父はとにかく呑むのが好きで、それは体臭がアルコールの匂いがするくらいだった。

私が中学二年の時、末期癌だと解って。
「あと3ヶ月でしょうか」
そう言われたと、母は私と兄を集めて、泣いて告げた。
私はまだ子供だったからか、すぐには受け入れられずにいて。
だって、つい最近まで仕事に行く父の背中を見送り。帰ってきたらとりあえず瓶ビ・・・

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旋回するおじさん

18/01/21 コメント:2件 つつい つつ 閲覧数:322

 太陽が顔を出し空が薄っすらと明るくなり始める頃、カウルゥおじさんはグアゥグアゥと鳴き喚きながら空を不安定によれよれと旋回し出す。時々バランスを崩すと、つまずいたように急降下するから、そのまま落ちてしまわないかと心配になる。
 私はうんざりした表情でおじさんを見上げる。
「毎朝、毎朝、よくこんなに酔っぱらえるものね」
 おじさんの妹であるママは「ほんと困ったものね」なんてにこにこ・・・

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○酒

18/01/21 コメント:2件 アシタバ 閲覧数:315

 ふと、男は何かに呼ばれた気がした。
 男は出張先で泊まったホテルを抜け出し、酒でも一杯ひっかけようと夜の街を彷徨っていたのだが、この辺は宵の口でもシャッターを固く閉じた店ばかりで探すのをあきらめかけていたところだった。
 そんな時、ネクタイを外したワイシャツの襟元に、生暖かいそよ風を感じた。
 そよ風には何故だか甘ったるい芳醇な香りが混ざっていて、それが鼻をくすぐると、あたかも・・・

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禁酒法よ、永遠なれ

18/01/21 コメント:2件 本宮晃樹 閲覧数:312

「なあお前」イライジャ・K・シャピロ氏はワイングラス片手に長々とため息をついた。「どうも最近、こいつからばかに魅力がなくなった。そう思わんかね」
「そうねえ」連れ合いのミズ・マクリーン・K・シャピロも同意見らしい。つまらなさそうにボトルからワインを注いで、たゆたう液体を眺めるばかり。「そうかもしれませんね」
「ルーズベルトは早まったと思うよ、わしは」
「国家禁酒法修正案にサインし・・・

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酒酔憐憫

18/01/20 コメント:3件 伊川 佑介 閲覧数:397

ボォォ、とエアコンの鈍い音が響いている。目の前の白衣の女はうんざりした表情で眼鏡越しに僕のことを睨んでいる。この女は何歳だろう。もしかすると五十以上だろうか。昔は美人であった面影のある顔で睨まれて、僕は申し訳なさそうに視線を落とした。
「荻野さんご自身の問題なんですよ」
生殖行為という側面だけを考えると、全ての男の欲求は若い女にだけ向けられるはずだ。けれど今なぜか、目の前の女の目尻のシ・・・

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じぃじの葬式

18/01/19 コメント:1件 笹岡 拓也 閲覧数:372

みんなじぃじの葬式を早く終わらせたくて仕方ない顔をしている。パパもママもおじさんもおばさんも、遠い親戚の人もみんな葬式が終わることを今かと待ちわびている。
「キヨヒコさんと過ごした日々を思い出してあげることが大事です」
お坊さんがお経を唱えたあと、私たちに有難い話をしてくれる。昔はお坊さんの話なんて聞いてられないと思ってたけど、今聞いてみると素晴らしいことを言っていたんだと感じる。

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月の夜に

18/01/19 コメント:2件 紅茶愛好家 閲覧数:745

上弦の月が出ていた。 底冷えする寒さのなか、月明かりを頼りにキンと冷えた井戸水で野菜を洗う。木製の勝手口からは客の楽しそうな笑い声が漏れ聞こえてくる。 「光太、来るついでに紅さつきを持ってきてくれないか?」 勝手口が少し空き、店主銀次が声を掛けた。光太は振り向いて首を伸ばし「ハイ!」と返事をした。 光太は野菜と一緒に冷やされていた薩摩焼酎『紅さつき』を水から拾い上げタオルで水滴を拭った。カウンター・・・

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サイドカー

18/01/18 コメント:1件 かわ珠 閲覧数:309

 酒の力は、魔法のようなものだ。
 人の気持ちを大きく動かす。
「僕、今日こそはあの子に告白しようと思うんです」
 と、カウンターに座る彼は私に報告して、手元に置かれたジンベースのカクテルを一気に飲み干す。
 バーで働く私はこんな光景を何度も見たことがある。
 酒の力を借りて、意中の相手に告白を試みる。
 気持ちはわからないでもない。
 告白するというのに・・・

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夏の酔い

18/01/16 コメント:1件 ぜな 閲覧数:311

 シャツにスーツのズボンってこの暑い夏を凌ぐのには適していない。だけど仕事上この格好が勝負服なので脱ぐわけにはいかない。
 暑さでだるく重くなった体を引きずりながら、会社に戻る。さあっと体に吹き抜ける冷たい風が気持ちいい。冷房の涼しさを体全体で感じていると、同僚の渡がこっちに近づいてきた。

「よ!錫谷、今日飲みに行かね?」
「……そうだな、きつい仕事には焼酎一杯に限る」<・・・

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プルタブで切れた命綱

18/01/16 コメント:0件 入江弥彦 閲覧数:399

酒を飲もうと言い出したのは、元気だけが取り柄のカイトだった。
コンビニ袋の中にはチューハイが三本。ちょうど人数分だ。真面目で気の弱いシュウヤが反対するものかと思っていたが、彼は何も言わなかった。それどころか、調子に乗ったカイトに肩を組まれて、嬉しそうにはにかんでいる。
「もちろんカズオも飲むだろ?」
「ああ」
疑問形のように見えて、カイトのそれが命令だというのは長年の付き合・・・

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この一杯のために

18/01/16 コメント:1件 若早称平 閲覧数:738

 子供の頃、私にはお父さんがよく口にする嫌いな言葉があった。仕事から帰宅して晩酌する時に一杯目のビールを美味しそうに飲んで必ずこう言うのだ。 「あぁ、この一杯のために生きてるわー」  それを聞くたびにお父さんは私よりもお酒の方が大事なのかな、などと思って勝手に傷付いていた。我ながら可愛いらしい少女時代だ。それでも時々私が正面の席に座り、ビールをお酌してあげると「由依が注いでくれるビールは格別だな!・・・

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人の役に立つ幽体離脱は酒匂う

18/01/16 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:288

 一升瓶三本分の酒を熱い湯の入った浴槽に混ぜ、三十分ほど浸かっていると幽体離脱できることを知ったのはつい最近のことだ。
 幽体離脱とは生きたままで魂だけが肉体から出てしまう現象のことだ。死後の世界などを取り扱ったテレビ番組ではよく聞かれる言葉だが、生死を彷徨っているわけでもない僕が、こんなにも簡単に幽体離脱ができるなんてNHKが知ったなら全国ニュースで取り上げてくれるに違いない。
 だ・・・

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エキセントリック・カメムシ

18/01/16 コメント:2件 霜月秋介 閲覧数:468

「あんた、いつまで偽りの優等生を演じるつもりなの?」
 彼女のその言葉に、僕は背筋が凍りつきそうだった。触れてほしくない。触れてはならない。カメムシのように、触れたらきっと、僕は悪臭を放つだろう。自分を守るために。



 自分に正直に生きている人間というのは、この世にどれほどいるのだろうか。周囲の人間と今まで築き上げてきた信頼関係が、本来の自分を周囲に知られることで・・・

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世界のあばら骨がズレている

18/01/15 コメント:1件 小高まあな 閲覧数:646

「このあばずれ!!」  そう叫びながら、変な女がこちらに向かって走ってきた。 「危ない!」  突然のことに動けない私の代わりに、カレシが私の手をひっぱって、女の進行方向から避けさせてくれた。  殴る対象がいなくなって、女は前につんのめる。 「な、なんなんですか!」  私を背中に庇い、彼が怒鳴る。  頼りになるな、と思わずきゅんっとしてしまった。私のカレシは同い年の高校生とは思えないぐらい落ち着きは・・・

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カツ丼喰いたかっただけ

18/01/15 コメント:4件 むねすけ 閲覧数:479

 男が欲したのは未経験の体験だった。怖いのは最初だけと、言葉のお尻にハートマークをくっつけて、二度めに宿す生の耐性のために一度めの臆病に走り勝つ快感が彼にとってはなによりの薬であった。  昨日までの未知を既視に変えて道をゆく。その日、男は思ったのだ。警察の取調室でカツ丼が喰いたい。トロケル卵の黄色をまとって含み、やさしくふやけて前歯の侵入に寛容な豚カツに刑事の情に包まれながらかじりつきたくなったの・・・

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女リスト

18/01/15 コメント:0件 沓屋南実 閲覧数:304

 晩夏の夕陽が差し込む、とある邸宅のフォルテピアノの置かれた部屋。
 クララ・ヴィークはいぶかしげに、カミラ・プレイエルからの手紙を見つめた。

 お互いライバルピアニストとして、知っていはいるものの友人ではない。演奏旅行ではすれ違いばかりで、クララはカミラの演奏を聴いたことがない。ただ、ショパンからノクターンを献呈されるほどの実力を誇る、スターピアニストであることは誰もが認め・・・

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イメージ アバズレ

18/01/15 コメント:1件 nekoneko 閲覧数:361

『すいません。貴女はアバズレさんですよね?ちょっとお話ししたいのですけど。』突上、蒸していたタバコの煙の中から可愛い感じの女子高生が顔をヌッと突き出して来た。目を合わせると、そいつの顔が満面の笑みになって返って来る。一瞬言葉に詰まりながら、『あんた補導員とか?』『いえ違いますけど。それがなにか?』『ちょっと待ってよ。いきなりアバズレさんですか。て聞いて来るあんたは』と言いかけて私は口をつぐむ

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運び屋の流儀

18/01/15 コメント:2件 時田翔 閲覧数:269

「ふざっけるんじゃないよ!」

 緋色の瞳を燃え立たせ、同じ色の長い髪を逆立てんばかりに、あたしは激昂した。
 肘あてに拳を振り下ろし、艦長席から立ち上がると、あたしをここまで怒らせた相手を睨みつける。
 一触即発の雰囲気に、宇宙船のブリッジ内は、しんと静まり返った。

「やれやれ、こちらが穏便に話をしようと努力してるというのに。あばずれとは聞いていましたが噂以・・・

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ふしだらな彼女

18/01/15 コメント:2件 みや 閲覧数:262

「櫻井さん今日も無断欠勤してたわね」
「部長が連絡がとれないって怒ってたわよ」
「ヤバいんじゃない?」
「例の彼氏?婚活パーティーで知り合ったとか言ってた」
「カッコイイって自慢気に話してたけど」
「犯罪に巻き込まれてるんじゃない?」
「怖い〜」

仕事終わりの社内の更衣室の女性のお喋りの話題は大抵がそこにいない同僚の悪口と相場は決まっている。特に日・・・

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触れれば燃える

18/01/15 コメント:2件 君形チトモ 閲覧数:311

「もういいわっ、さよなら!!」
 日曜昼前、副都心でお気に入りの歌手のCDを買った帰り。信号待ち中に、カップルの激しい喧嘩が後ろから聞こえた。荒いヒールの音が近づいてくる。カップルの女性の方だろう。
「あら? あなた、同じクラスの高橋くん?」
「え?」
 思わず声の方向を見た。露出した太ももにブーツ、ニットワンピースにファーベストの女の子が、こちらを見つめている。
「・・・

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My Baby

18/01/15 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:263

お腹の赤ちゃんは今日も元気に暴れまくっている。 「イタイ、痛いってば!」 思わず、声が出てしまう。 「本当に元気だなあ。やっぱり男の子じゃないか?」 TVを見ていた夫が隣の部屋からお腹の赤ちゃんに話しかける。 「はやく、出て来いよ〜。」 結婚5年目にしてはじめて授かった子供、みんな、赤ちゃんの誕生が待ちどうしくてたまらないのだ。 「元気で生まれて来いよ。パパは待ってるぞ。」 夫は言う、30歳離れ・・・

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Jelly Fish

18/01/15 コメント:1件 黒江 うさぎ 閲覧数:227

 真っ暗な、部屋の中。  不気味に白く光る水槽が一つ。  入っているのは、一匹の海月。  ゆらりゆらりと、たゆたう。 「…ねぇ、知ってる?」  不意に声がした。  水槽の側にいた女の物だ。  …真っ白な、女だった。  長い髪も、肌も、着ている服すら白い。  儚く、朧気で、目を離せば空気に溶けて消えてしまいそうな、女。 「水海月って、死ぬと水になっちゃうんだって」 「…へぇ」  声がした。  部屋の・・・

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ベランダの月

18/01/15 コメント:0件 宮下 倖 閲覧数:254

 見上げた月は満月には少し欠けていた。
 なまぬるい風が腕を撫でていく。白いパピコは手に触れているところからゆっくり柔らかくなっていった。
 アパートのベランダで、隣室とを隔てる板の向こうからムーンリバーの歌声が聴こえてくる。英語の歌詞があいまいなところは相変わらずハミングで押し通していてちょっと笑えた。
「ナツキさん、パピコとけてきた?」
 私は板の外側へ顔を出し、となり・・・

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香車の観察

18/01/15 コメント:0件 ケイジロウ 閲覧数:242

「おうて〜♪」
 花子が香車を太郎の王将の目の前に指した。
 指した、とは呼べない。親指と人差し指でUFOキャッチャーのようにつまんだ駒を落とした、と言った方が正確だ。落下した駒は無礼にも太郎の王将を直視することなく、右の金将の方にだらしなく体が向いていた。まるで、「あら金将さん、若くて、たくましくて、セクシーね。でも、あなた貧乏でしょ」と言いたげだ。金将も金将だ。そんなあばずれ女なん・・・

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君はあばずれたのか

18/01/15 コメント:0件 志水孝敏 閲覧数:308

 今回のテーマを見て、イヤな気分になった、イヤなことを思いだした。
 ずいぶん前のことである、小学校五年生で、自分は少年団に参加しており、天候のよい土日に、小中学生に加え、引率の大人と、キャンプ地に出かけるというもので、その日は札幌の初夏、空は冴え冴えと澄みわたり、いつまでも吹かれていたくなるような薫風が、苦しい冬と短い春を乗り越えて力を発揮し始めた木立を揺らし、若々しく爽やかな緑の香りのな・・・

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ママ

18/01/15 コメント:0件 待井小雨 閲覧数:319

 あたしのお母さんは気が小さくて、いつもお父さんに怯えている。
 お父さんは横柄な人で、お母さんのことが嫌いなようだった。ことあるごとに怒鳴りつけ、その度お母さんは体を震わせて耐えていた。お母さんはいつでもお父さんへの恐怖に支配されていて、あたしをちゃんと見てくれない。
 だけどお母さんの中には別の人がいて、お父さんがいない時だけその人――「ママ」が表に出てきてくれる。

・・・

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この女

18/01/15 コメント:4件 光石七 閲覧数:667

 きょとんとする瑛司に私はもう一度告げた。 「赤ちゃんができたの。三か月だって」  瑛司の顔に喜びと責任感が入り混じる。 「結婚しよう。未羽もお腹の子も必ず幸せにする」  瑛司のプロポーズに私は頷いた。  翌週末、私の実家へ二人で挨拶に行った。結婚と妊娠、ダブルでめでたいと両親は祝福してくれた。次の週末には瑛司の実家を訪ねた。 「初めまして。多倉未羽と……」 「このあばずれ! どうやって瑛司をたぶ・・・

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純白

18/01/15 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:276

「由貴がSEXをしているわ。」
朱美はクスクスわらう。
私は笑っていいものかどうかわからなかった、というか固まってしまって笑えなかった。
「分かるの?」
「感じるのよ、胸がね、ざわざわするの。あの子馬鹿だからほいほい男についていくのよ。安い女。」朱美は吐き捨てるように言った。紺野由貴と紺野朱美は双子の姉妹だった。
「あの…なぜ、由貴を助けようとしないの。双子の姉妹でし・・・

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薔薇とカナリアと落花生

18/01/15 コメント:0件 そらの珊瑚 閲覧数:338

 マホガニーのダイニングテーブルの上に、落花生の殻がこんもりと積まれている。暖炉の火は酸素を吸って身もだえながら揺れる小さな生き物のようだった。 「琴子さん、落花生はほどほどにしておいたら? またお顔に吹き出物が出てもしらなくてよ」  姉の文子が妹に声をかけるが、琴子はその手を止めない。腹の大きな文子は、陽だまりに置かれたゴブラン織りの安楽椅子に座り編み物をしている。 「まあ、お姉さま、吹き出物が・・・

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阿婆擦れ山

18/01/14 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:486

「阿婆擦れ山って知ってる?」
「いやそれ姥捨山じゃねぇの?」
「いやそれもあるけど、阿婆擦れ山ってのもあるらしいんだ」
友人の勘八が教えてくれた山は、おいらの家からそう遠くないところに位置する山とのこと。その山の名前は通称で、本当の名前があるようだが、多くの人がその山のことを阿婆擦れ山と呼ぶらしい。
「その山がどうしたんだよ?」
「そうそう!阿婆擦れ山って名前だけあっ・・・

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言葉の意味

18/01/14 コメント:0件 国光 閲覧数:256

「このあばずれ女」  言った瞬間、左の頬に衝撃が走った。そして視界が横にずれた。 「えっ?」  びっくりしながらゆっくりと顔を正面に戻すと、涙を浮かべている彼女の顔が目に入りさらにびっくりした。  すかさずもう一度頬に衝撃が走る。顔を正面に戻すともう一発。この繰り返し。  回数が二桁を迎えたあたりで流石に叩かれすぎじゃないかと冷静になる。 「いい加減にしろ」  俺の左頬を狙い放たれる腕を掴みあげる・・・

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ティアドロップ

18/01/14 コメント:0件 栗山 心 閲覧数:234

 スパイスの香り。熱風。冷房の外気。雑多な食べ物の匂い。物売りが商品の名に節を付けて歌うように連呼している。何所かの国の観光客は言葉が通じず、困惑の声を上げている。商品の小瓶がより美しく見えるように設えた、大きなガラス張りの店先は、強く冷房が効いているが、裏の工房は路上にいるのと同じだった。
 私達はティアドロップと言う商品を作っている。涙型の小瓶に入った、魔よけになる聖なる水、と言う触れ込・・・

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あばずれな巫女様

18/01/14 コメント:1件 あずみの白馬 閲覧数:484

 昔々のこと、とある山あいに、小さな村がありました。
 その村はとても豊かで平和でしたが、何年かに一度、日照りで大変な水不足になっていました。

 そこへ、一人前の巫女を目指して一人で旅をしているという、十五、六歳の娘が現れました。
 名を沙希というそうですが、ぼろぼろの身なりをふびんに思った村の長老が、家に泊めてあげることにしました。

 その夜、
「長・・・

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「えー、付き合ってない人とエッチするとかありえない!」

18/01/14 コメント:0件 藤原光 閲覧数:267

「えー、付き合ってない人とエッチするとかありえない!」

光の友人の春奈は、目を丸くし茜に言った。茜は、先週のテニスサークルの納会の後、酔っぱらった勢いで、気になっていたハヤト先輩に、お持ち帰りされたそうだ。
茜「一生の不覚だわ。」
息を落としつつそう漏らす。
茜は、光の方をチラチラと視ては、目をそらした。優子はその会話を聞き、顔をこわばらせ、ひきつっている。
・・・

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よりよい品物

18/01/14 コメント:0件 本宮晃樹 閲覧数:293

 男女交際がよい意味でも悪い意味でもオープンかつフリーになった当節、笑われるのを承知でいまの心情を吐露したい。「あの娘、元気でいるだろうか」
 考えられる限り最悪の訣別だった。浮気の発覚、ほとばしる痛罵、感情的な応酬、「もういい!」の捨て台詞とともに狭苦しいアパートから走り去る彼女。
 必ずしも快い思い出とは言いがたいかもしれない。それでも破綻するまではめくるめく白昼夢のようなひととき・・・

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近づいちゃだめ

18/01/14 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:343

僕の住む町は都心から離れた田舎町で、近所付き合いが良いところだ。しかしあるおばあさんの家にだけは近づいてはいけないと言われている。
「あそこのおばあさんには近づいちゃだめよ」
お母さんやお父さんがそこまで言う理由が分からなかったけど、幼かった僕はおばあさんに近付こうとはしなかった。

この町に住むみんなはとっても良い人だ。お肉屋さんのおばさんはいつもコロッケをサービスしてく・・・

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私には彼氏が5人いる

18/01/13 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:367

「勇次?今日はどこに行く?」
私には彼氏が5人いる。世間では私のような人間をあばずれと呼ぶのだろう。でも私のことをあばずれと思っている人はいない。私は5人の彼氏にばれないようにするだけでなく、私の知っている人すべてにばれないように努力をしているのだ。
「んーじゃあ今日は雨だし映画でも見に行こうか」
「いいね!何見る?」
「俺気になってたのがあってさ!」
勇次が見たいと・・・

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