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迷いの中

17/11/05 コメント:0件 甘露 閲覧数:116

このところ気分が優れない。
「もう3日後には卒業かあ」
放課後の教室、対面に座る健志の言葉は、独り言ではなく俺に向けられたものだろうが、どこか遠くの世界で響いている感じがした。
私の将来はどんなだろうか。私は何が為に生きるのだろうか。そんなことが、四六時中頭を支配して、私は私の未来が全くわからなくなっていた。終いには、未来が思い描けない、ということは、自分の人生はここ・・・

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仮面でデート

17/11/04 コメント:2件 水谷暁 閲覧数:115

 遠藤理紀子は、店員がチーズバーガーとコーラを用意しているあいだ、店内をさっと見渡した。高校の制服を着ている客は、理紀子のほかにはいなかった。
 高校は近いが、部活動が盛んで、理紀子みたいな帰宅部∴は少数派なのだ。初老の女三人がおしゃべりしているのと、背広姿の男が、店の表に面したカウンター席で外を眺めている、それが客のすべてであった。
 同級生の甲矢荘介はまだ来ていない。
 ・・・

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スカイブルーを選んだ人

17/11/04 コメント:0件 ケイジロウ 閲覧数:140

「イラッシャイマセ」
 若い女の店員が伝票に何かを書き込みながら言った無表情な音が小さな空っぽの店内にだるく響いた。そのだるさが、少し緊張していた山田勉にとって心地よく感じられた。
 ≪ものさし専門店ルーラー≫の店内には、その名の通りものさししか置いていないようだった。勉はあいかわらず伝票に何か書き込んでいる店員を気にしながらものさしを眺めて回った。
 小さな店内を一周すると勉の・・・

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秋風に揺れる楓眺め、君は何想う

17/11/04 コメント:6件 霜月秋介 閲覧数:318

「今日は有難うございました。とても楽しかったです」
 感情が込められていないような顔と口調で、彼女はそう告げた。そして僕の前から姿を消した。紅く染まった楓が舞う、秋の夕暮れのことだった。

 わかっていた。僕に対する特別な感情など、彼女には始めから無いことくらい。

「私のことは、カエデと呼んでください」
 彼女と初めて出会ったとき、彼女はそう言った。ある店で彼・・・

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初恋デート

17/11/04 コメント:0件 文香 閲覧数:133

 時は大正。西洋と和の文化が入り乱れ、混ざり合い日々変わっていく日本。この時代の令嬢たちに恋愛の自由はなく、爵位を持つ家柄は家の為の結婚が多い。卒業後に結婚する者もいれば、在学中に結婚が決まり女学校をやめて嫁ぐ者も少なくはない。
 今年で十五歳になる私も、そう遠くはない未来に、父が結婚相手を決める日がくるのだろう。
 ある日、女学校で仲良くしていた女生徒が結婚の為に学校をやめるのだと知・・・

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人生は風まかせ

17/11/04 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:121

僕はタンポポの綿毛のひとつ。
いま、まさに旅立とうとしている。
これまで大切に育ててくれた女の子、ありがとうね。
ここはその女の子がすんでいる裏庭。

あれは、とある晴れた春の日だった。モンシロチョウと戯れながら、女の子は僕のことを見つけてくれた。それから毎日、僕のところに駆け寄ってきて、小さなじょうろで水をくれ、大切に育ててくれた。

お陰で、今、僕は5・・・

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桜咲くこの場所で

17/11/04 コメント:0件 黒江 うさぎ 閲覧数:126

 桜並木が続く川沿い。
 穏やかで温かい風が吹く中、俺は歩く。
「良い天気になりましたね」
 君は、そう言って笑う。
 ころころ、ころころ、可愛いらしい笑みで。
「…ああ、そうだな」
 俺も、そう言って笑った。
 君に、ぎこちないと言われた笑顔で。
「あの日の事、覚えていますか?」
「勿論、覚えているとも」
 桜がちょうど散ってしまった日・・・

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幸いに、日々変化

17/11/04 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:199

 駅の改札口を出て家までは徒歩で十二分の距離。今日も僕はいつものように仕事を終えて家に帰っていた。この街に暮らして八年、いまさら知らない道もなく道に迷うなんていうこともなかった。何百回、駅から家までの道を行き来したことだろう。目をつぶっていたって迷うことはない。
 家に帰れば妻と三歳になる可愛い娘がいる。飲み屋にも寄らず真っ直ぐに帰っているのだから酔ってもいない。仕事で疲れているとはいえ頭は・・・

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ここまでふたりで

17/11/04 コメント:4件 秋 ひのこ 閲覧数:216

 長年通った駅前の喫茶店が、その春なくなっていた。代わりに人気の大手コーヒー店が店を構えている。
「なんと、ついにこんな田舎まで」
 弟の直也が顔をしかめた。
「『タシロ』のホットケーキを俺は半年間心待ちにしてたのに」
 ぶつぶつ言いながら店の前で霊園行きのシャトルバスに乗り、20分。山に囲まれた平たい町を見下ろす丘に到着した。斜面を彩る薄桃色の桜がまぶしく、私は目を細める・・・

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九千メートル級越しのデート

17/11/04 コメント:0件 本宮晃樹 閲覧数:129

「どうした。ビビってるのか」相棒の倉本さんはにやにや笑っている。「ま、無理もないわな。〈グレートウォール〉を越えようとして戻ってきたやつはいないんだから」
「ビビってなんかいませんよ」気合い一発途方もなくでっかいザックを背負う。ずっしりと肩にバンドが食い込んだ。「ちょっと感傷に浸ってただけです」
「そうだったな、すまん。お前の親父さんもそのうちの一人だったっけ」
「謝るなんて倉本・・・

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ラストダンス

17/11/03 コメント:0件 朝綺 閲覧数:126



 十月も終わりに近付いた、土曜の静かな夕暮れだった。
「わたし結婚することにしたの」
 彼女がけろりと言ったので、私は心底驚いた。私の認識が正しければ、私たちは恋人同士のはずだった。そして彼女は、結婚しましょうとは言わなかった。
「びっくりした?」
 いたずらな子どもみたいに彼女が笑う。無邪気で、そのくせどこか大人びている。楽しげで、なぜか寂しい。
 ・・・

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デートは太陽の下で

17/11/03 コメント:0件 小峰綾子 閲覧数:148

朝7時の待ち合わせに、彼は4分ほど遅れてやってきた。私たちがデートするのはいつも朝。

慎吾と私は元々職場の先輩後輩だった。私の一方的な片思いだったのだが何度か「ご飯食べに行きません?」とめげずに誘っているうちに向こうが応じてくれた。あともう一押しで付き合えそう、そんな風にノー天気に思えていたのだからつくづくお気楽だったのだなあと思う。

慎吾ができちゃった結婚すると聞いた・・・

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次に逢うなら

17/11/03 コメント:2件 待井小雨 閲覧数:197

 よく晴れた日は年老いた夫婦揃って一緒に公園に行くのが、私と妻の習慣だった。
「うぅ、寒い」
 妻が震えながら言う。
「もっと厚着をすれば良かっただろう」
「こんなに寒いと思わなかったわ」と妻がマフラーを首に巻く。
「歩いている内に体も温まるさ」
 道行く人と挨拶を交わしながら妻は歩く。十五分ほどで公園に着き、日当たりのいいベンチに腰かけた。
「ここが空い・・・

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ノースマホ

17/11/03 コメント:2件 田中あらら 閲覧数:205

 美沙は駅前のポチ公銅像の前で、悟が来るのをかれこれ30分ほど待っていた。腕時計に目をやるとすでに1時20分、約束は1時だった。いつもならラインで連絡を取るのだが、今日はスマホを家に置いてきたので連絡手段がない。ポチ公前には大勢人がいて、皆スマホの画面に釘付けだ。ぼーっと立っているだけなんて、なんと無駄な時間!と心の中でつぶやいた。その時不意に、背後から肩を叩かれた。振り向くと悟が笑っていた。

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渾身のスイング

17/11/02 コメント:0件 和倉幸配 閲覧数:139

 九回裏二死満塁、得点は一対〇。
 球場の興奮が最高潮に達する中、僕はピンチヒッターとして打席に送り出された。
 甲子園大会への出場をかけた県大会の決勝戦。一打出れば逆転サヨナラ勝ちという場面で、僕の出番がやって来た。
 高校三年間、僕はついにレギュラーポジションを獲ることはできなかった。
 だが、勝負強さを買われて、しばしばピンチヒッターとして起用され、それなりに結果も残・・・

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もしも、君と。

17/11/02 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:132

「大学生活の四年間って、なにかやりたいことを見つける時間でも夢を現実にする為の時間でもなくて。社会からみれば、諦める為の時間でしょ?」
 高校三年の夏、進路先をあれこれと皆が悩む中、三芳は僕にそう言った。
 僕は時間と孤独が欲しかったから、地元を離れ大学へ進学したけど、それは三芳からすればただの甘えで、結局僕は中身の乏しい女の会話に合わせて酒を飲んでいた。
 なにも楽しいことがな・・・

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一寸先の闇

17/11/02 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:139

 20代後半に突如として襲う漠然とした不安は5・6才にふいに訪れた感情に似ていた。あの頃は生き物としての理や死とか老いが分からずに感じられたものだった。20代後半のそれは漠然とした未来から襲うもので。その実、どちらも一緒だった。
 ベットの中、何者にもなれてはいない、なんの将来設計もなされていない俺を襲うそいつに呻き声も上げられず、どうしようもないやるせなさに心は踏み躙られた。
 この・・・

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幽霊の復習の

17/10/31 コメント:0件 有屋春 閲覧数:157



私は死んだ。
殺されたのだ。しかも私に非はない。
あれはストーカーだったんだろうか?名前も知らない人から急に告白され、お断りしたら私は刺された。
死ぬまでの間、そいつは愛おしむように私を触り続け、その行為に嫌悪や怒りを感じながらも私はまともに体が動かず悔しさを噛み締めながら死んだのである。

そんな私が天に召されるわけがないのか私は幽霊となった。幽霊な・・・

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海老について思うこと

17/10/30 コメント:1件 マサフト 閲覧数:227

「海老が食べたい」
ふとそう思ったのは昼食の後だった。思えば好物の海老をもう長い事食べていない。今日の昼食も社員食堂で一番安いカレーライスだった。せめてシーフードカレーなら海老でも入っていたかもしれない。そんなメニューこの食堂にあるわけ無いが。

子供の頃、家族内でのお祝いには決まって海老があった。例えば尾頭付きの、車海老の塩焼き。例えば牡丹海老のお寿司。御節にも入ってい・・・

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速度が変わる時計

17/10/30 コメント:0件 ケイジロウ 閲覧数:158

 細かくなったレタスがベルトコンベアの上をゴミのように流れていくのを、亀田剛は眉間にしわを寄せて眺めていた。傷んでるレタスをはじくのが亀田の任務なのだが、次から次へと流れてくるレタスに目を回さないようにするのに必死で、とてもじゃないが、3oの傷みを見つけることなど、亀田にはできなかった。
「ちょっと、亀田君、ぼけーっと見てるだけでどうすんの、もっとひっくり返して、いろんな角度からちゃんと見て・・・

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ルージュ

17/10/30 コメント:0件 野々小花 閲覧数:169

 雪乃が待ち合わせ場所に着いたのは午後一時だった。約束の時間まで、あと一時間は余裕がある。昨夜、場所と時間を指定するメッセージが莉子から届いた。昨日は学校で一度も会えなかった。クラスが離れているから仕方がない。
 メッセージの語尾にはハートマークが並んでいて、それを見た瞬間、雪乃は思わずスマートフォンをベッドの上へと投げ捨てていた。ひどく顔が熱い。叫びたくなるくらいに恥ずかしい。しばらくする・・・

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ハートは胸にはついてない

17/10/29 コメント:0件 浅月庵 閲覧数:324

 ◇ 
 中学生になって少し経って、同じクラスでハーフの山田リエンに放課後、肩を叩かれる。
「白崎さん、これから僕とデートしてほしい」
「私のことからかってる?」
 リエンは心底驚いたように目を見開くと、一つ咳払いをした。
「僕ね、異性とデートしないと“死んじゃう病気”なんだ」

 確かリエンは小学五年生までアメリカで暮らしていたと言っていた。
 も・・・

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デートの際は妬みにご注意を

17/10/29 コメント:0件 撫子 閲覧数:128

最近ここら辺では連続傷害事件が多発している。
連続といっても毎週の土日のどちらかではあるものの、場所も関東全域に広がっている。被害状況もナイフで切り付けられたり、素手や鈍器で暴行されたりと様々だ。しかし、被害者はどれもカップルの片割れで、その中でも被害に会うのは男性という共通点から連続傷害事件とされている。
当初警察は無差別テロと考えていたが、犯罪プロファイディングの結果、一つの結果が・・・

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山田さんと初秋の本屋

17/10/29 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:177

 欅通りの道沿いには小さな本屋がある。僕は毎週大学からの帰りに立ち寄っては週刊漫画雑誌を買っている。
 本屋の前に自転車を止めて硝子のドアを引いて入っていくと、山田さんはいつもレジの前に座って本を読んでいる。白いカーディガンの胸元につけられた名札の上にかかる黒い髪が美しくて、見惚れそうになる気持ちを押しころして本を探すふりをする。
 店内を歩きまわりながら時々立ち止まっては本を手に取り・・・

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完璧な彼…さようなら

17/10/29 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:136

学生時代から付き合ってもうすぐ8年になる彼がいるにも関わらず、年下のチャラ男と付き合って半年…今、8年の彼と別れる理由を探している。
8年も続いている彼は、非の打ち所がない。
弁護士で、きちょうめん、真面目で裏表がない。
でも完璧すぎてだろうか、何か物足りない。今日のデートのときも、ビリヤード行って、喫茶店で話して、夕食を食べて終わり。
先月のデートのときは、映画をみて、カ・・・

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進路

17/10/29 コメント:0件 眠々瀬未々 閲覧数:116



  問
 最近、私はポニーテールにしている彼女の姿を見ていない。それは何故
 A.私のせい
 B.あなたのせい


  答
 A.私のせい


  前髪を二〜三センチ短くして、
  あの子はただ美しく笑ってた。
  私もつられて笑うけどだから何。
  あなたのあなたの後ろ髪。
  重力引かれて落ちて・・・

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残った最後の弾丸を天井に撃ち込む

17/10/28 コメント:0件 かわ珠 閲覧数:161

 小さな頃からスラム街で育ってきた俺が生き抜くためには、地元の強力なマフィアに入ってしまうのが一番手っ取り早い術だった。それは生きるために必要なことで、悩む必要性なんてなかった。そこで多くの罪を犯してきたが、後悔などしたことはなかった。
 そうして育ってきたある日、そんな俺に『悩むことができるっていうのは、選択肢があるということ。つまり、可能性があるってことでしょう。あなたは、これまで一体い・・・

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薄着で夜空に飛び出した

17/10/28 コメント:0件 眠々瀬未々 閲覧数:144

 薄着で夜空に飛び出した。冷たい空気が私を撫でて、あのオリオン座の右隣から、あなたがこっちを見つめている。私はもう、何度こうやってあなたに会いに行くのだろうか。後何度、私はあなたに会えるのだろうか。この街が奇跡を否定して暗くなっても、私達は奇跡の形を知っている。手のひらの上に座って、首を傾げる奇跡を知っている。知っているから笑っている。奇跡が否定されても、あなたと私は笑っている。手のひらの上で、暗・・・

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デートの本当の理由

17/10/28 コメント:0件 有屋春 閲覧数:152



私の旦那は医者で、働く時間帯はバラバラだし、勤務時間は長いしで一緒に暮らしているはずなのになかなか二人の時間というものがない
休みは休みで、次の勤務の為に足りない睡眠時間を補う為にひたすら眠る
そして起きるとまた仕事。
そんな旦那といて浮気するようになるのは必然というものではないだろうか?

今日も私は出会い系で知り合った男に会う予定だ
四角いメ・・・

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レンタルデート

17/10/28 コメント:0件 有屋春 閲覧数:134


男ってなんで浮気するんだろうね、なんて会話で女子高生が盛り上がっている。
頼んだコーヒーを飲みながら隣のテーブルの会話を聞いて不思議に思う。
男が浮気してるってことは、必ず相手がいるわけで
その相手も浮気、なのかはわからないけど、とにかく浮気相手になるわけで
考えれば簡単に出る、浮気する男の数だけ、浮気する女性もしくは浮気相手をする女性がいる、という答えを分かってて・・・

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パンドラの匣 〜宝くじ編〜

17/10/28 コメント:0件 有屋春 閲覧数:121


む?なんだこの小さな箱は?
気になった私はそれを開けてみた。
すると、不思議なことに中から煙が噴き出した。それは浦島太郎が玉手箱を開けた時のようになんとも大きな煙であった。
この小さな箱にそぐわない大きな煙に驚いていると、さらに驚くことにそこから人が現れた。
いや、人ではないのかもしれない。何故なら、それは宙に浮いていたからである。

パンドラ初めまして・・・

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待ちぼうけ

17/10/27 コメント:0件 Sage.N 閲覧数:154

(来ないのかな……)
 喫茶店の窓際の席に座った少年は、目の前に置かれたコーヒーカップの中身を見つめながら思った。カップの中身は、少年の頭のなかみたいに黒くにごっている。
 今日は人生で初めてできた恋人との、初めてのデート。張り切っておしゃれをして、約束の時間よりもだいぶ早く待ち合わせ場所の喫茶店に着き、おとなぶってブラックコーヒーを頼んだ。しかし約束の時間から、もう二時間も経つのに、・・・

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さいごの言葉

17/10/27 コメント:0件 伊崎 閲覧数:221

「ね、デートしよ」
 彼女はそう言って、僕の手を引いた。

「デートって……デート?」
「そうよ。だって一度もしたことなかったじゃない?」
 当たり前のことをそんな不満そうに言われても困るのだが。
 そう思いながらも、僕は彼女の横に並んで歩いた。
「公園をうろつくのがデートって言える?」
「お散歩って言ってよ!」
「…………」
 彼女が何・・・

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寒い日は・・・

17/10/26 コメント:0件 善行 閲覧数:166

「初めまして!」
「えっ?私のこと??」
「突然ですが、僕は大!」
「えっ?春といいます」
「春さんはとてもいい香りがしますね」

そう、大さんとの出会いは突然だった。
江戸川区内にある駅前のスーパー。
人の出入りも多くなく、本当にやっていけているのか不思議な感じ。
そうは言っても、店をたたむわけでもないのは、威勢のいいご主人と、とても優しい女・・・

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塗れない空白をどうしたい?

17/10/26 コメント:0件 ちほ 閲覧数:134

「あら、どうしたの?」
  泣き出しそうなわたしは、声をかけてくれた女の先生を見上げた。幼稚園の『りんごぐみ』のみんなが、わたしの塗り絵を覗き込む。まだ1つも塗れていないわたしに、「また迷っちゃったのねぇ」と先生は困った顔をした。他の子も先生のマネをして「まよっちゃったの?」「まよっちゃったんだって。かわいそうだねぇ」……と心配そうに口々に言う。わたしは、ぼんやりとクレヨンに目を落とした・・・

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僕とパンツと年増の女

17/10/26 コメント:0件 伊川 佑介 閲覧数:158

 延々と一時間も電車に揺られ、藤沢駅に着いたのは午後七時半過ぎだった。待ち合わせまではまだ時間があったけれど、その人は既に来ていて、どこか寂しげに佇んでいた。想像していたのとは随分と違って、黒髪で、縁なしのメガネをかけた大人しそうな人だった。
「真美子さんですか?」
自分でも意外なほど自然に声をかけた。彼女は少しビクッとして怯えた様子を見せながら、無言で小さく頷いた。トートバッグから彼・・・

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ここからはじまる物語

17/10/25 コメント:0件 t-99 閲覧数:162

 待合せを15分過ぎても彼女の姿はなかった。町はずれに位置する公園には、モスグリーン色をしたベンチが並んでいる。夏場は草木と混じり合い風景に溶け込んでしまう。一枚の絵画のように誰からも気がつかれない。噴水から溢れる水しぶきが水面を揺らしていた。腕時計で時間を確認するついでに水に触れる。冷やりとした感覚がどこか心地よかった。


 生まれて始めて告白された。クラスの顔と名前がまだは・・・

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本当の気持ちはどこにある

17/10/25 コメント:0件 有屋春 閲覧数:163



私の旦那は医者で、働く時間帯はバラバラだし、勤務時間は長いしで一緒に暮らしているはずなのになかなか二人の時間というものがない
休みは休みで、次の勤務の為に足りない睡眠時間を補う為にひたすら眠る
そして起きるとまた仕事。
そんな旦那といて浮気するようになるのは必然というものではないだろうか?

今日も私は出会い系で知り合った男に会う予定だ
四角いメ・・・

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二人で一つの願い事

17/10/25 コメント:0件 有屋春 閲覧数:157




今、私の隣には素敵な彼女がいる。ろくでもない親の子に産まれ貧しい生活を余儀なくされたにも関わらず必死に生き、なんとか自立をし生活を始めたという彼女に出会ったのは半年前だった。

最初に会った時、私は彼女のことを特になんとも思わなかった。裕福な家に産まれた私から見ると彼女はひどくみすぼらしい格好をしていると思った。その格好を見た瞬間に魅力がない女性だと思ったしもっ・・・

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時限式付録

17/10/25 コメント:0件 高宮 聡 閲覧数:139

 一向に熱が下がらないまま、朝食の準備をする。昨日から急激に気温が下がり、体調を崩したのだ。風邪ではない。きっと僕は環境の変化が嫌なだけなのだ。それで駄々をこね始め「どうにかしてくれ」と必死に訴えている。頭はその訴えを却下した。空腹の方が勝っている。
 変化がない無菌室が一番安心できる居場所なんだと、入ったこともない真っ白な部屋を思い浮かべた。
 ベーコンエッグを食パンに乗せようと思っ・・・

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17/10/25 コメント:0件 右川 閲覧数:170

 洗顔の泡立てネットみたいな、別に必要ないのにいつの間にか当たり前になったものが部屋の中にうじゃうじゃあって、それに気付くといつも発作みたいに皮膚が痒くなって、赤くなるまで掻き毟ってしまう。爪を立てても漫画みたいに血が出るまでは搔けないし、赤くなった見た目ほどは別に痛くない。
持ち物を全部ひっくり返して、これは今大事、これは今は必要ない、そんなふうに、今の、今の私に大事なものだ・・・

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自己憐憫の奈落

17/10/25 コメント:0件 伊川 佑介 閲覧数:169

 気づくとそこは、暗闇だった。何が起きたのか。先ほどまで私は、夕暮れの海岸を犬と一緒に歩いていた。それで、ああ、そうか。落とし穴だ。そう言えば「マジヤベー」って声が上から聞こえた気がする。その後ショックで気を失ったようだ。あの声の主は誰だろう。そもそも私はここへ越してきたばかりで、知り合いはいないはずだ。とにかくここから出ないと、と立とうとして、足に激痛が走った。変に曲がっているようだ。ふいに左手・・・

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りんごとナイフとピエロにキッス

17/10/24 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:256

 移動サーカスのピエロに最初っからなりたかったわけじゃないぜ。
 おいらは夜が怖かったんだな。
 だから夜を明るくしてくれるサーカス団の一員になりたくて、今の団長に弟子入りを志願したんさ。
 おいらも団長みたいにカッコよく鞭を振るって風を切れると思ったのさ。猛獣使いの芸でお客の歓声を浴びれると思ったよ。甘かったね。
「離しちゃいけねーよ。お客さん、あんたを信じてるからね。今・・・

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スナイパー

17/10/24 コメント:0件 佐川恭一 閲覧数:348

――私は恋人ができたことがありません。デートしたこともありません。デートなんてほんとくだらないよ、私はね、ふと行きたくなったときに居酒屋に寄って酒を飲む、その繰り返しこそが人生であると考えています。それ以外の行為というのは全て蛇足だね。はい、その前の方。ボーダーの。

ボーダー ありがとうございます、えー、先生は居酒屋で酒を飲めればいいということでしたが、同じような考えの異性とならお付・・・

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あいて

17/10/24 コメント:0件 善行 閲覧数:159

「この前、行ったところってどこだっけ?」
まだ温かいブレンドコーヒーを飲みながら聞いてみた。
「・・・最近だと、鎌倉ですね」
「写真って出る?」
「・・・こちらですか?」
「あっ!そうそう!これこれ!」
「・・・」
「あの時は春で桜が綺麗だったねぇ」
「・・・」

鎌倉って町というか地域は好きだなぁ。
なにが好きというわけではないの・・・

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大切なもの

17/10/24 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:130

「朝起きたら雨戸をあけて、顔を洗いなさい。顔洗ったらちゃんと朝ごはん食べて学校にいくのよ」
「帰ったら手洗いうがいをして、宿題やってから遊びに行きなさい」
「プリントやテストがあれば見せなさい」
「遊んだらお片付けしなさい」
「5時までには帰ってくるのよ」
「明日の支度は寝る前までにしなさい、歯を磨きなさい、何度言ったら分かるの」
小学三年生の亜美は、毎日毎日、・・・

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山谷ブルース

17/10/24 コメント:0件 田中ヒロポン 閲覧数:222

 腹が減った。
 そういえば朝から菓子パン一つしか胃に入れていないことに電車の中で気づく。どこかで関西に帰る前に腹でも満たそうかと思ったそのとき、電車は南千住の駅で停車していた。もうドアも閉まりかけている。ふと思い立ち、僕は転げるように車内から飛び出した。
 
南千住といえば、東京最大のドヤ街である山谷の最寄り駅である。今はもう山谷という地名こそ地図上からは消えてしまったが、ドヤ・・・

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目覚めたあなた

17/10/24 コメント:2件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:217

 理紗が母にむかって甘えた声で話しかけたのは、一月後に結婚を控えた夜のことだった。、
「ねえ、お母さん、私にあの指輪、ちょうだい」
 母はテレビから娘に顔をむけた。
「あの指輪って、どの指輪のこと」
「ほら、二階の棚の上の、木箱にはいってるあれよ」
「あれは、お父さんの家に代々伝わるものよ」
「じゃ、お父さんに頼んでみる。まえにちらとみたことあるんだけど、純金製・・・

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美しくありたい

17/10/24 コメント:0件 瀧上ルーシー 閲覧数:251

 私は美人だ。美人故にやっかまれるので同性の友達はいない。
 まだ化粧を始めていないし、服もたまの休みにお母さんが買ってくれる物を着ているだけだが美人なものは美人だ。二重の瞼も小鼻も肩までの髪も自慢だった。私は美しい。
 両親は共働きなので私をめったに拘束しない。仕事から帰ってきたお母さんなりお父さんなりが毎晩夕食を作ってくれる。
 夏休みの少し前、放課後小学校で開放されている校・・・

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長財布

17/10/23 コメント:0件 四島トイ 閲覧数:149

 同期の小崎花が落ち込んでいる。
 大方、恋人の大住誠が理由だろうと予想したら、そのとおりです、と泣き出した。話を聞いて、と涙ながらに訴える姿は意地らしくもあり、愛らしくもあったが、どうでもいいという冷めた気持ちが私の心に深く根を下ろしていた。
 学生食堂の曇ったグラスにぽたりと波紋が広がった。
「大住ごときのことで泣くんじゃないよ」
「ひーちゃんは大住君を馬鹿にし過ぎだよ・・・

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