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迷い道は、狐の道。

17/11/14 コメント:0件  浅縹ろゐか 閲覧数:203

 「オヤァ、もしかしてお嬢さん道に迷ってる?」
 夕暮れの駅前。慌しく通り過ぎる人達は、家路を急いでいる。そんななか、駅前の寂れたロータリーで私は一人荷物を抱えて噴水の淵に腰掛けていた。ぼうっと人波を眺めていた私は、道に迷っているようには見えないと思うのだが……。声を掛けてきた男は、胡散臭く笑って隣へと座った。新手のナンパだろうか。面倒臭い。男の言葉を無視して、再び視線を人波へと戻す。冬の夕・・・

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はらむ

17/11/14 コメント:0件 要崎紫月 閲覧数:130

 携帯電話が鳴る。時計を見ると、もうすぐ二一時。こんな時間に架けてくるのはアイツだろう、と一度無視する。どのみちもう一度鳴らしてくる。
 少しの無音。そして、再度の着信。
「もしもし」
「あ、ルミさん? 今、電話いい?」
 ハルカはそう確認して一気に喋り出した。少なくともこのまま一時間は喋り続ける。仕事の事、遊び仲間の事、付き合っている男の事。尽きない話題に私は適当に相槌・・・

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聖母の微笑みで殺して

17/11/14 コメント:0件 第六感 閲覧数:122

ラブホテルで抱き合った後、湊はいつも泣いている。声を殺して、身を丸めて。迷子みたいに、あるいは、今まで私と触れ合っていた細胞をその身から引き剥がす、痛みに悶えるみたいに。正直、そんな湊は見ていられない。好きな人が苦しんでいるのは見たくない。湊は可哀想だ。生きるのに真面目で頭がいいから、ほとんど運命的に苦しまなければならなくなる。――代わってあげられたらいいのに、とは、いつも思う。温かさとは無縁・・・

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願いが叶う時

17/11/14 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:136

今年、我が家にも子供が産まれた。慣れない育児に毎日大変。まだ3ヶ月だっていうのに、夫は今日から一週間、海外出張…。
「私も旅に出たい…」
そう呟いた由美は赤ちゃんを連れて隣街に一泊二日でぶらりと旅をする支度をし始めた。
旅行鞄に必要なものは揃った。銀行からこの旅のために少し贅沢に30万円おろしてハンドバッグへ。
あとはお化粧だけ。
三面鏡をひらき、化粧をするとため息を・・・

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オカルトハウス

17/11/14 コメント:4件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:215

 夕方の五時ともなれば、この辺りには寒々とした黄昏がたれこめて、人通りもほとんどない。昼間でもこの界隈は、木々の繁みが分厚く層をなして重なり合い、いくら空が晴れ渡っていてさえ地上は黒ずんだ灰色の影がみちているようなところだった。    静寂のなかにきこえるものといえば、私がこぐ自転車の単調な回転音か、自分自身のせわしげな息遣いぐらいのものだった。  自転車の荷台には、ほとんど配りおえた新聞の、・・・

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無人(むびと)

17/11/13 コメント:2件 浅月庵 閲覧数:360

 無人は、人の姿をして人に非ず。
 無人は、死の概念を持たず。
 無人は、人の悲鳴を好む。

 ーーこれはまだ日本に、妖の類が蔓延っていた時代のお話。
 孤児である平吉は、同じ境遇の子らと名主の家で“飼われて”おり、今日も朝方から川に水を汲みに出かけていた。

「悲しい話だが。槍助のやつ、妖に喰われて死んだらしいぞ」
 道中を共にする五郎が、平吉に向・・・

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演技力

17/11/13 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:152

彼の蹴りは強い。僕が彼について記憶していることの全てはそれだったが、記憶よりも強かった。そういえば今日は月曜日だから体力が有り余っているのかもしれない。彼はすぐに飽きてしまう。それもだいたいいつも同じくらいの時間だ。終わると僕はお腹が空くのでコンビニで肉まんを買うことにしていた。額から流れる血に視線が注がれて愉快な様な滑稽で馬鹿馬鹿しい様な気持ちになる。声をかけてくる物好きはいなかった。ガラス越し・・・

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金魚

17/11/12 コメント:0件 和倉幸配 閲覧数:118

 仕事休みの日、切らしたごみ袋を買いに行ったホームセンターの片隅に、金魚を販売するコーナーがあった。
 私は特に金魚が好きな訳ではないが、冬空のような鈍色の日常にささやかな彩りを添えてみたくなり、真っ赤な金魚を一匹買って帰った。

 家に帰ると、妻はソファで横になっていた。眠っているわけではない。目を開けてはいるのだが、私が部屋に入っても、何の反応も示さない。それがいつもの光景に・・・

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AM6:00

17/11/12 コメント:0件 ポテトチップス 閲覧数:130

小泉が、洞窟に入ろうと言った。
その洞窟は、島では恐れられている洞窟だ。

小泉は臆することなく洞窟に入って行く。
俺はビビリながら後をついて行った。

洞窟の入り口から50メートル程進むと、行き止まりになった。
そこには、お地蔵さんが1体設置されている。

小泉は、お地蔵さんに小便をかけた。
俺は、ビクビク怯えた。

その数・・・

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風変わりな植民

17/11/12 コメント:0件 本宮晃樹 閲覧数:112

 人びとが降った日、火星開拓チームの朝はなんの変哲もなく始まった。
 与圧ドームの寝棚から各自が不承不承這い出し、機能一点張りの糖分の塊を朝食代わりにすすり、宇宙服を着込み、酸化鉄に支配された不毛の大地に踏み出す。気苦労は多いけれども充実した一日になると誰もが確信する、そんな平凡な朝。
 むろん、そうはならなかった。その日は中国人が考えられる限りもっともエキセントリックな方法で、火星に・・・

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11月のクリスマスツリーとホットココア

17/11/12 コメント:0件 緑がかった濃い水色 閲覧数:130

そのパン屋で私は、フォカッチャとココアを頼んだ。席を選ぶことすら受け入れないほどの倦怠感を纏った私は、重力の赴くままに入口側のカウンター席に座り、ガラス越しに見えるエスカレーターをぼんやりと眺めていた。
大学受験を控えた11月のある日。どうにも集中できず、予定より早く映像授業を切り上げたものの、赤本がどんと待ち構える自分の部屋にはどうしても帰る気が起きない。そこで私は、夜11時まで営業し・・・

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有能性エンジン

17/11/11 コメント:0件 浅月庵 閲覧数:237

 ◇ 
 人生には幾つもの分岐点があって、それらすべてに正解することは、幾層にもパテの重なったハンバーガーを崩さず食べるくらい難しいことだ。

 それなら俺は、俺の遺伝子に搭載されているエンジンに従って生きると決めていた。簡単に言えば“本能”ってやつだな。二つ三つ岐路があったのなら、一番魂が震えた方にアクセルを踏む。そのまま進んでどうにも取り戻せないミスを犯したことは、ラッキーな・・・

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Twilight

17/11/11 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:181

 子供の頃、一度だけ迷子になったことがある。人混みの激しい商店街の中、母さんと父さんを見失ったあの感覚が、どうしてか最近、鮮明に蘇る。

 しゃらっ。勢いよくカーテンを開ける音がした。降り注ぐ光が閉じたまぶたの内側まで入り込む。
「起きなよ。もう昼だよ」
「うん」
「ねえ、起きて」
「うん……」
「起きてってばぁ」
「……うん」
身をよじって布・・・

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おばあちゃんの洋服選び

17/11/11 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:135

 十一月になりました。
 今日は、青空がひろがって、いい気もちです。
 おばあちゃんが言います。
「はるくん、近くのお店まで歩いて行ってみよう!」
「うん、いくいく。」
 はるくんは、さっそく、くつをはこうとしています。
「はるくんに、おばあちゃんの服を選んでもらいたいの。」
「いいよ。」
 もうすぐ四才になるはるくんは、はりきっています。
<・・・

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レイラ

17/11/11 コメント:0件 田中あらら 閲覧数:132

 全ての線は美の線である。一線も描けないのは、ためらったり迷ったりしているからだ。

 誰が言った言葉か忘れた。大きな紙に言葉を書きなぐり壁に貼り、創作の支えにしてきた。今はその言葉さえ虚しい。自分は何を描きたいのか、どういう手法で何を表現したいのかわからない。
 涼子の実力で、油絵で食べていくのは難しい。注目された時期もあったが、人々の心に長く残らなかった。力作と自負した作品が・・・

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【閲覧注意】読んではいけない物語

17/11/11 コメント:0件 t-99 閲覧数:141

 題名にひかれ誤って目を止めたあなた、悪いことは言いません。
 今すぐ読むのをやめて別の著者の素晴らしい物語に目を通すことをおすすめします。
 
 読めば必ず後悔します。
 
 特にお年寄り、小学生以下のお子様、ジンクスや心霊、霊魂の存在を信じている人もおやめください。

 どうしてかって? 
 
 私の書いた作品を読むと必ず『呪い』にかかって・・・

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悪魔のささやき〜黒猫〜

17/11/11 コメント:0件 t-99 閲覧数:129

中学二年の夏、黒い猫を埋めた。
車にひかれて、路上で倒れていた、
黒猫はにゃー、と最後に悲しく鳴いた。

その夜、枕元に悪魔が現れた。
ひとつだけ、願いを叶えるにゃー、
どんな願いも叶えるにゃー、と鳴いた。

あの都市伝説は嘘ではなかった。
埋葬した猫が悪魔となって蘇える、
僕はどんな願い言うか迷ってしまった。

世界平和、飢・・・

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天使のつぶやき〜白猫〜

17/11/11 コメント:1件 t-99 閲覧数:132

中学二年の夏、白い猫を助けた。
車にひかれてしまいそうなところを、
白猫はにゃー、と鳴いて逃げていった。

その夜、枕元に天使が現れた。
ひとつだけ、願いを叶えるにゃー、
どんな願いも叶えるにゃー、と鳴いた。

あの都市伝説は嘘ではなかった。
助けた猫が天使となり願いを叶える、
僕はどんな願い言うか迷ってしまった。

億万長者・・・

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粗品

17/11/11 コメント:2件 蹴沢缶九郎 閲覧数:163

遊園地の入場ゲートで、何やら男が係員と揉めている。

「だから何でこのチケット使えないんだよ!!」

「ですから、入場規制中はそちらのチケットでは入場出来ないのでありまして…」

こんなやり取りをもう三時間程繰り返している。係員もほとほと困り果てていた。やがて男は、

「もういいよ!! 二度とこんなとこ来ねぇ!!」

と、悪態をつき帰って・・・

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時間つぶし

17/11/10 コメント:0件 善行 閲覧数:106

本当にほしいものって中々決められないものです。
それが更にメーカーが違うだけで、性能も変わらないというものに出会った時には、全くもって決められないものです。

もうそういうことが最近は多々あって、もう加齢による迷いなのではないでしょうか?
もう世の中の製作者による嫌がらせとしか考えられません。


今日は友達と渋谷で待ち合わせ。
待ち合わせ時間より早・・・

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迷いたいのに君は

17/11/10 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:243

あぁ、迷いたい。必死に迷ったフリをしてるのに、どうして君は正しい道を見つけてしまうのだろうか?
「こっちの道の方が近いかもしれないよ」
「そうね、そっちで行きましょうか」
僕の迷いたい願望をまんまと受け入れてくれた君。僕はとっても嬉しかった。君と一緒にいられる時間が少しでも多くなるから。
しかし君はすぐに僕が提案した道から外れようとする。
「こちらの道の方が早く着きそ・・・

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悪夢

17/11/09 コメント:0件 山盛りポテト 閲覧数:131

私は恋をしていた。
夢の中に出てくる女性にだ。
その姿はぼやけていてはっきりしないのだが、彼女のもつ雰囲気にとても魅かれた。
彼女は何も喋らない。そして私も同じく何も喋らない。
夢特有のとても抽象的なもので、真っ白な何もない部屋に私と彼女がいて、そこでお互い何もせずにジっとしているだけのものだ。
それがとても落ち着き、そして心が癒されたのだ。
しかし、いつも夢に・・・

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侵食アイデンティティー

17/11/08 コメント:0件 浅月庵 閲覧数:184

 彼氏のユーイチが浮気して、お相手が同じサークルのユリカだとわかった時に、やっぱりと思う。

「見てー! アミちゃんとおそろのネイルにしたんだぁ」
 すべてはユリカが私のネイルを見て可愛いと言ってくれたので、行きつけのサロンを教えてあげたことがきっかけだった。
 それからユリカはことあるごとに私をマネてくるようになった。お気に入りのコートやバッグ、ピアスだったり、携帯カバー・・・

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迷い子

17/11/07 コメント:0件 文香 閲覧数:139

 私には五つ上の兄と二つ上の姉がいる。
 兄のことは好きでも嫌いでもないが、私は姉のことが大嫌いだ。
 この家の娘として等しく生を受けたというのに、両親も兄も使用人も姉ばかりを大事にして、私のことなんてまるで眼中にないのだ。
 末の妹はどの家でも可愛がられる筈だというのに、そんな素振りはまるでない。
 その事実が家の中で姉の次に、いやでいやで仕方がない。

 体・・・

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すきをさがして

17/11/07 コメント:1件 六連 みどり 閲覧数:200

 恋人との何回目かのデートの帰り。
 青紫色と紺色が混じり合う、そんな空の色を眺める彼女の横顔をみつめた。
 スッとした鼻筋に、長いまつ毛。ピンク色の唇は弧を描いている。10人中10人が彼女のことを美女だと言うくらいに七弥の恋人は美しかった。

「どうしたの?」

 彼女と視線が交じり合う。
 その瞬間、七弥の心臓は大きな音と早い速度で鼓動をうち始めるのだ・・・

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扉の向こうは

17/11/07 コメント:0件 蒼樹里緒 閲覧数:149

 学校帰りに寄った、夕暮れの森。私の前にある大きな樹の根元に、小さな扉があった。私が幼稚園児だったら、立ったままでも楽に通れたかもしれない、木彫りの扉。四つん這いでくぐろうとしても、高校生になった今では頭も入りそうにない。取っ手もおもちゃみたいで、少しでも力を込めたら取れてしまいそうだ。
 扉がいつからこの森にあるのか、知っている人はほとんどいないだろう。私が物心ついてから来たときには、この・・・

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Be My Baby

17/11/07 コメント:0件 向本果乃子 閲覧数:157

 部屋に入ると冷たい風が頬を撫でた。その気配はずっと私にまとわりついていた。不思議と嫌な感じはせず、むしろ好ましかったので私はその部屋を借りた。古くて狭いアパートだ。夫とは別れることになるだろう。結婚十二年のうち八年を不妊治療に費やした。キャリアを積んでいた私は一生仕事を続けるつもりだったが、三年前治療に専念するため退社した。仕事を辞めた私は赤ちゃんのことばかり考えるようになり、夫との間に少しずつ・・・

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デートの後、スプーンと

17/11/06 コメント:5件 木野 道々草 閲覧数:203

 この喫茶店には、陳腐なジンクスが囁かれていて、彼はそれを使った悪戯を思いついた。ここでデートをすると別れるらしいね、だから今日はここを選んだんだ、と言って彼女を驚かす、すかさずジョークだよと言って頬にキスして笑わせようと考えた。二人とも二十歳になったばかりの、若い恋人同士だった。

 だがそんな悪ふざけをする前に、二人の間では会話が成り立たなくなっていた。

「もう一つ、・・・

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最初のデート

17/11/06 コメント:0件 小林健三 閲覧数:115

 大学に入学して僕は写真部に入った。叔父愛用の一眼レフを譲り受けたのがきっかけだった。写真部は年に一度、秋の学園祭で展示会を行っていた。僕は展示会用に、いくつか風景を撮ってみたが、どれも平凡に思えた。ある夕暮れ、人影のまばらな学生食堂が、昼の混雑とは打って変わって新鮮に見えた。様々なアングルから写真を撮っていると、女性から声をかけられた。見知らぬアジア系の留学生だった。「何の写真撮ってる?」と彼女・・・

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治ったらデートでもしよーぜ

17/11/06 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:166

「病気が治ったらデートでもしよーぜ」
 アイツが彼女の病室で言い残したセリフに、俺は嫉妬していた。
 彼女は案の定、俺の存在など忘れたかのように目をハートマークにして剥かれたリンゴを齧る。
 彼女が精神衰弱で入院したとの報せを聞いて、俺は道々かけてあげたい言葉を人生振り返りながら探してきたってのに。
 お見舞いといえば果物カゴと、値段も気にせず注文し、病院だからと派手なファ・・・

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デート 起承転結

17/11/06 コメント:0件 いちこ 閲覧数:110


「ねえ、あれってデートだったのかな?」
訊きたくて、口には出せない言葉。
私はあなたにとって、お友だち?
それとも少しは異性として意識してくれているの?
恐ろしいことに、お友だちですらない、ただの知り合いと思われているかもしれない。
だからいつまでも訊けずに、うじうじと悩んでは気を惹こうと空回りして、きっとうんざりさせている。

『おはよう』

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桜紅葉の恋

17/11/06 コメント:3件 冬垣ひなた 閲覧数:161

「ごらん、満開の桜の花は美しいね。けれども、僕は桜紅葉(さくらもみじ)も好きだ。冬を前にして、必死に枝にしがみついている一瞬の鮮やかな秋の色が、大層いじらしく思えてくる。まるで君のように」
 そう囁いたあの人は、お国の為に戦に行ったきり。
 時代の強い風に吹かれて、儚く散った恋でした……。


 秋風の冷たくなった昼下がりの公園は閑散としていた。日野清は、90才を越え・・・

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あたしにとってはデート

17/11/06 コメント:0件 小高まあな 閲覧数:121

「今度、出かけない?」
 という、非常にざっくりとしたお誘いを切り出すのに三週間かかった。隣の部屋に住む三島とは、毎日顔を合わせてるのに。
「どこに?」
 当たり前の問いかけにちょっと言葉に詰まってから、
「服、買いに行こうよ」
 なんとか目的を見つけ出した。いや、あたしの目的は出かけることそれ自体なんだけど。
「あー、季節の変わり目だもんねー」
「そうそ・・・

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死亡フラグにご用心

17/11/06 コメント:0件 ちりぬるを 閲覧数:153

 いつも客なんてそんなにいないのに、と心の中で悪態をついた。仕事帰りに彼氏が観たいと言い出したDVDを借りに来たのだが、さすが話題作だけあって見事に全部貸し出し中の札がつけられていた。映画が公開中に私がいくら誘っても観に行かなかったくせにどうして今更心変わりをしたのだろうかと彼氏にさえ腹が立ち始めた。
 腹いせに全然違うのを借りていってやろうといたずら心が芽生え、私はホラー映画の棚の前に立つ・・・

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17/11/06 コメント:1件 井川林檎 閲覧数:193

 わたしは美しい。
 神話の女神のような顔立ち。
 艶やかな瞳。

 誰もがわたしを渇望する。
 桜色の唇を奪い、髪の毛を愛撫したいと願う。
 
 だが次の瞬間、人は絶望する。
 心を燃え上がらせた直後、はっと眼を逸らす。そして、一生、後悔する。

 わたしを、見てしまったことを。




 髪の一房は白いリ・・・

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Q :ネトゲに出会いを求めるのは間違っているだろうか?

17/11/06 コメント:3件 泡沫恋歌 閲覧数:237

週末になると僕のスマホにLINEが送られてくる。
 ロキ:『お腹すいたー!
     ご飯おごって〜!!』

僕のことをお財布携帯だと思ってる奴がいるのだ。

 ヒミコ:『給料もらったばかりだから
      焼肉食べ放題くわせてやる』
 ロキ:『やった―――!!
     焼肉イェーイ!!』

そして待ち合わせて、焼肉店へ行くのだ・・・

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石つみ

17/11/06 コメント:0件 井川林檎 閲覧数:154

 ひとつ、ふたつ、まだ世界は無限の光に満ちて。
 みっつ、よっつ、オレンジ色のぬくもり、ひなたの匂い。
 いつつ、むっつ、理不尽の意味を知りながらも無償の愛にくるまれていた。

 ここは、どこだろう。
 ひざの破れたジーンズと赤と黒のネルシャツを着て、わたしは尻をついている。
 さらさらと川は流れていて、あたりは石ころだらけだ。
 空を見上げると、薄寒い曇・・・

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社畜

17/11/06 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:145

「本日の試食会では、前回賜った『歯ごたえのあるワイルドな食感がありながら口の中で蕩ける様に広がる肉汁のバランス』を改善した試作品番号171129−G4J3D1C2のハンバーガーです」
 社長、副社長、取締役、取締役、取締役、営業部長、学生メインの客層なのに四十も違う連中が評価した結果が、一人負けの業績だろうに。それに、いつから営業が上から目線で評価できる身分になったんだ。売れなければ開発の所・・・

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キリ番

17/11/06 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:123

「やだぁ、今時キリ番なんていけてない」
 ちょっと大きい声に周りの食事の手が一瞬止まった。どこのグループも自分たちの話をしながらも周りの話題に聞き耳を立てていた。話がつまらなそうだと分かると、自分たちの話に戻っていた。
「そうかな? でも四桁の大台を目の前にして伸び悩んでいるのよ」
「フォロワーさん、何人いるの?」
 私のスマホを開いて見せた。
「960人・・・、確か・・・

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秋の日に降りそそぐ優しい雨

17/11/06 コメント:4件 そらの珊瑚 閲覧数:218

 イチョウの樹々が落とした葉で、公園はまるで黄色いじゅうたんをしきつめたよう。
 晴れ渡った青い空に千切れた雲が流れてゆく。日曜日の公園。夫も一緒に来るはずだったが急な仕事が入り、娘と二人で歩く。
 すれ違うカップルたちが皆幸せそうに見えた。
「いいわね、私もたまにはデートしたいわっ」
 心でつぶやいたつもりなのに、うっかりそれが口から飛び出してしまう。あわてて口を手で押さ・・・

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コメディとホラーは

17/11/06 コメント:0件 戸松有葉 閲覧数:133

 彼は唸るのを止めると、自室の本棚に寄り、並べられた本の背表紙を指でなぞった。
 以前はここに、ホラー小説が多く並んでいたのだが、それらは他所に収納され、今ではミステリやライトノベルが大半を占めていた。とはいっても、これは元に戻っただけであり、彼は元々ホラーを好んではいない。
 必要に迫られて――必要だと思って、ホラーを読み漁っていた時期があったのだ。
 彼は読書家に違いないが、・・・

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奇妙な戦闘力

17/11/06 コメント:0件 戸松有葉 閲覧数:95

 貧民街に、ただならぬ戦闘力を有する子供がいた。
 この時代、戦闘力測定器が民間人レベルにも普及しており、余計なトラブルを事前に回避できていた。敵わないとわかっていれば喧嘩など最初からしない、異様に高いなら違法な武器を持っているだろうから通報する、などだ。
 しかしその貧民街の子供は、武器を持っているわけでもないのに、プロの格闘家と同等の戦闘力を有していた。噂は、測定器を持たない貧民街・・・

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恐怖心を与える能力ッ!

17/11/06 コメント:0件 戸松有葉 閲覧数:114

 日常が壊れたあの日から、少年は高校からの帰宅さえすんなりさせてもらえない。
 今も人気のない路上で、敵の刺客が道を塞いでいた。
 ……のだが、その刺客、
「お前何歳だ」少年は思わず尋ねた。
「な、何歳でもいいですっ!」
 園児か小学低学年にしか見えない、幼女がそこには居た。しかも、子供という点を抜きにしても、可愛い容姿をしている。子供という点を加味すれば、より可愛ら・・・

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「待った?」と言いたい

17/11/06 コメント:0件 宮下 倖 閲覧数:103

 人生において「初」と冠するものはさまざまあるが「初デート」は相当浮かれ、かつ緊張するものの上位にくるだろう。
 アリサは両手にそれぞれ持ったピンクと水色のカットソーを交互に胸にあてながら、姿見の前で大きく息を吐く。
 二十二歳にして初めてできたカレシ、ユウジとの初デートは明日だ。いや、さっき日付が変わったから正確にはもう今日になる。
 よし水色にしようと頷いてピンクのほうをクロ・・・

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鶏病 にわとりびょう)

17/11/06 コメント:2件 クナリ 閲覧数:230

 ようこそ。
 こんな田舎まで、私のような年寄りの話を聞きに来るとは、物好きですな。
 ええ、鶏病のことですね。

 あれを私が目にしたのは、まだ十二歳の頃です。
 ここは山の中の村ですが、それでもずいぶん見目のいい、タキさんという、当時十五六だったかな、そんな娘が近所におりました。他の女は赤ん坊が老婆ばっかりですわ。
 ある日のことです。
 戦後すぐで物・・・

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リアリティショー

17/11/05 コメント:0件 甘露 閲覧数:112

「今日は楽しかったよ。ありがとう」
目の前には、普通に生活を送っていたら出会うことがないような綺麗な女性。その顔には笑みが浮かんでいるが、本心ではどう思っているのだろう。その笑顔は貼り付けられたものなのだろうか。
いや、今日のデートは完璧だったはずだ。話も弾んだ。大人の男の余裕も見せられた。ディナーの後の会計もスマートに済ませられた。顔は飛び抜けて良いというわけではない。だが、・・・

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Pink Earth

17/11/05 コメント:0件 みや 閲覧数:106

デートと呼ばれる単語は近い将来活用されなくなるだろう
ー 21世紀の有名な人類学者の名言ー

デートとはお互い惹かれ合っている男女が日時を決めて二人で会う事であり、デートを重ねる事により二人の関係性は深いものへとなっていく。

男は女をデートに誘いたくなくなっていた。貴重なお金を我儘な女に使うなんて勿体無い。女は男にデートに誘わ・・・

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ワンドロイド

17/11/05 コメント:0件 鬼風神GO 閲覧数:126

たっち≠オていたクロ丸が尻餅をついてそのままの勢いで後ろ向きに転んだ。たっち≠ニは「しつけカテゴリ」の一つで、えさである電磁チップを目の前でかかげると立っておねだりするという動作のことである。
 もともとはそれだけの動作だったものが動作確認中に転んだ動きが胸が苦しくなるほどのかわいさだったので、立って転ぶまでの一連の動作をプログラミングしていた。
 クロ丸とは来年の春の公式発表を予・・・

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出張の日の事故

17/11/05 コメント:0件 与井杏汰 閲覧数:124

孝彦が出張で新幹線の駅へ向かおうとタクシーに乗ったところで、携帯電話のメッセンジャーに着信があった。妻からだ。
 「健介が事故で病院に運ばれました」
健介は1人息子で、幼稚園に通っている。「何があった?怪我の具合は?」急いで聞き返すと、「車にはねられたって。骨折してるかも」とすぐに返信があった。孝彦は迷った。もちろんすぐに病院に行きたいが、今日の出張は重要な契約の大詰めで、先方が長く要・・・

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バイトと仕事

17/11/05 コメント:0件 善行 閲覧数:131

「せっかくここまで来たのだから、写真撮ろうよ!」
腕を引っ張られ、真夏の熱い砂浜を走らされ、海と江の島をバックに無理矢理写真を撮らされた・・・
自撮りも最近の若い娘は上手に撮るもんだなぁ。
感心する。パッと構えて、さっと撮影。
昔なんかは、撮影といえばフィルムであったから、気合いをいれて、斜に構えて撮影に臨む。
そんな時代はもう石器時代クラスな古さらしい。
「そ・・・

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