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復讐の接吻

18/03/20 コメント:2件 キップル 閲覧数:370

「あなた、行ってらっしゃい…。」 「ああ、行ってくる。」  俺は、7年連れ添った妻の美紀に手を振った。もう二度とこいつの顔を見ることもないだろうと内心思った。目鼻立ちは昔と変わらず整っていたが、髪や肌にはもう艶がない。美紀の性格はお見通しで、これ以上発見も望めなかった。飽きていた。そろそろ生活を一新する必要があった。  俺は出張へ行くため、新幹線に乗った。閑散とした車内で椅子を倒し、目を閉じた・・・

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小さな復讐

18/03/20 コメント:0件 かお 閲覧数:226

数年ぶりに恋人に会う。 恋人は高校を卒業して故郷を出た。 バンドやると言ってたのだが何年かのアルバイト生活をしたのち 何故かお笑いグループのツッコミになりそれも解散した。 相方は売れたのだが恋人の方はとんと聞かない。 テレビに出ることはなかった。 やがてヨーロッパに旅立ったと聞いた。 ヨーロッパのイギリスだかフランスを放浪して パリだかロンドンに落ち着いた。なにをしていたかは知らない。 きっとろ・・・

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夜桜と犬と

18/03/20 コメント:2件 吉岡 幸一 閲覧数:223

 老いた桜の木の下に男は腰をおろし、コンビニで買った缶ビールを飲んでいた。満開の桜は月の明かりに照らされて艶めかしく揺れている。夜の十時を過ぎた川沿いの土手には花見をしに来る人もなく、湿った風が薄い雲を東に流し、止まっているような川が半分の月影を水面に写していた。
 川沿いの一本桜、周りには桜の木だけでなく他の木も生えていない。何十年もの間、ただこの老木だけが根をはり、川を見守るように立って・・・

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犯行は計画的に

18/03/19 コメント:0件 無花果 閲覧数:168

とある日曜日の朝、探偵の藤村来栖は淹れたてのコーヒーのにおいを楽しんでいた。いつも仏頂面の彼にしては今日は珍しく気分が良いようだ。そんな朝の静寂はノックもせず事務所に入ってきた闖入者によってかき消された。
「おいっ、来栖大変なんだ!」
その闖入者の名前は琢磨と言って来栖の小学校からの腐れ縁の悪友ともいうべき人物だった。来栖は初め、驚いたような顔をしていたがいつも通りの仏頂面に戻ると

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デッドオアアライブ in 都寿司

18/03/18 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:197

俺には今殺したいほど憎んでいる男がいる。
男は毎週金曜の夜八時、店へとやってくる。通称十番さん、カウンターの十番席のみを所望し、必ず寿司を握る俺の前へと居座る。ハンチング帽を被り高そうなストールを巻いてブランド物の時計を付け、安い回転寿司に舌鼓する初老の客だ。通を気取り手づかみで寿司を食べ、ネタの切り方が悪いとか握りが固くて口の中でほぐれないとかいろんなことを言ってくる。悪い人ではないと思う・・・

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三重扉

18/03/18 コメント:0件 いっき 閲覧数:174

俺を苛めた彼奴らに、絶対復讐してやる。
俺は、高校に入ったその日から彼奴らからの苛めを受けていた。彼奴らは、俺と目が合う度に暴言を吐き続けた。その旅に俺の心身はズタボロになり…体調を崩して入院したのだ。俺は退院するまでの間、ずっと彼奴らへ復讐しようと考えていた。

俺はボイスレコーダーをポケットに忍ばせ登校した。同級生たちは、奇異な眼差しを俺に向ける。
「うっわぁ、戻って来・・・

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怨念復讐丸

18/03/18 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:179

「そりゃそんな奇怪な覆面レスラーがみんなのみまもるリングに突然あがってきたときは、誰もが息をのんで驚いたさ。当時マスクマンといえばきまって、外人レスラーときまっていたからね。いや、それが日本人かどうかも、いまだに謎だが。
 さてその復讐怨念丸――まったくおどろおどろしいネーミングもいいとこだが、そのまたマスクの恐ろしいこと。耳まで裂けた口は口裂け女もかたなしだ。目の穴からのぞく双眸はまさに復・・・

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籠の中の鳥は復讐を遂げる。

18/03/18 コメント:0件 Crown 閲覧数:180

私わたくしはリア。齢18にして、2人の人物に復讐を遂げました。

先ず1人目は、私の父でした。父はこの国を治める国王でしたが、とても傲慢な男で、王妃であった母も、家臣も、国民達も。父のせいでどれ程苦労したことでしょう。そして例に漏れず、この私も。幼少の頃から私に自由などなく、行動の全てを監視されていたのです。そしてそれは未来のことにまで及び、結婚相手までも決められていました。
<・・・

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隣の柿はまだ青い

18/03/18 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:188

柿本太蔵は庭の富有柿の木を見るのが好きだった。
今年もたくさん実った。脚立を使いハサミで丁寧に収穫していく。一人では食べきれずまたご近所に配る予定だ。八分目収穫し、作業を終える。残りは小鳥たちのものだ。ついばみに来るのを密かな楽しみにしている。実が減り涼しくなった木を見上げるとさえずりが聞こえた。
ビニール袋を提げ、まず隣の宮内さん、次に真向いの土井さん、と思い描く。喜ぶ顔を想像し、イ・・・

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矛の行方

18/03/18 コメント:0件 マサフト 閲覧数:167

息子を失ってからもう半年が経つ。わたしの両親は既に他界し、夫に先立たれたわたしにとって息子は唯一の家族だった。

この家は独りで暮らすには広すぎるが、今更引っ越す気にもなれず、さりとて出かける気も起きず、このところ引きこもりがちだ。このがらんどうの家がわたしの心情を嫌という程表している。

息子は交通事故で死んだが、事故を起こした相手もその事故で亡くなってしまった。息子・・・

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青白い炎

18/03/18 コメント:0件 マサフト 閲覧数:150

「仕方のないことだったんですよ。あなたは悪くない。そう、悪くないんですよ」

茂の母親は、諦めたような、絞り出すような声で呟いた。線香の匂いが鼻腔の奥を刺激する。

嘘だ。この人は嘘をついている。口ではそう言っているが、その目には青白い炎が滾っている。幽鬼のような、鬼火のような。

おれが茂を遊びに誘った。おれの車で出掛けた。おれが運転をした。茂は助・・・

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人形。

18/03/17 コメント:1件 れいぃ 閲覧数:177

 誰がなんと言おうと、僕にはもうあなたしかいませんでした。
 この気持ちもあなたなら分かってくださると信じています。
 動かないあなたに微笑みかけ、手足を眼鏡ふきできれいに拭き清める僕はそれだけで、世界一の果報者の心地でした。

 僕とあなたが出会ったのは小さな名もないがらくた屋の店先、あなたはかろうじてディスプレィされていて、マジックで1500円と乱暴に書かれた紙を貼りつ・・・

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パンを殺す

18/03/17 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:209

 街はずれのパン屋の前に今日も男の子が立っていた。学校帰りに立ち寄っては店に入ることもなく、ただガラス戸の横に立って道行く人を眺めていた。
 いたずらをするわけでもなく、客の邪魔になるわけでもなかったので、パン屋の奥さんは何も言わなかったが、内心では毎日店の前にただ立っているだけの男の子が気になって仕方がなかった。
 身なりもよく賢そうな顔もしていたが、背負っているランドセルだけは古く・・・

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証の紅

18/03/17 コメント:0件 君形チトモ 閲覧数:176

 俺と結婚してください。
 あの日アタシに頭をさげたあの人、手には紅とかんざし。アタシは嬉しくて思わず泣きながら、その手をとった。
 けど、今あの人はこの家にいない。家の金目のものをすべて持ち去ったまま帰ってこない。友人がやくざものに借金して返せなくて捕まった、今すぐ耳をそろえて返さねば殺されてしまう、と言ったから、それは一大事と送り出した。あの人が帰ってこない、まさかあの人もやくざも・・・

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降って湧いたチャンス

18/03/16 コメント:0件 腹時計 閲覧数:187

 神様はほんとうにいるのかもしれないと思った。

 先ほどまで新年会と称して飲み食いしていたというのに、今野は急激にアルコールが冷めて指先が緊張するのを感じた。
 それもそのはず。かつての部下、新井は小さなナイフで空を切り裂き、威嚇した。今野たちは逃げることも忘れて路上で立ち尽くしていた。女子社員たちは恐怖からか嗚咽を漏らしている。
「今野を出せ!」
 新井は会社統合・・・

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 素敵なおくりもの

18/03/16 コメント:0件 山上不動 閲覧数:209

   遠い昔、とある裕福な男が「いつかお前はジョージという男に殺されるだろう」と、高名な占い師に予言された。その占い師は、死の予言において極めて高い的中率を誇っており、『死神』と呼ばれ忌避されるほどの腕前を誇っていた。  焦った男は、自分の近所に住んでいる外国人をかたっばしから追放した。幸い彼は資産家だったため、金や人脈の力で人々を追い払うことは容易であった。しかし、それでも男の焦燥感は消えるこ・・・

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復讐のカルマ

18/03/15 コメント:2件 キップル 閲覧数:213

 時刻は夜八時。住宅街の十字路で、俺は息を潜めていた。辺りは静かで通りかかる人はいない。奴の行動パターンは把握している。奴は毎日、家に帰るため、この十字路を横切る。来た。奴はスマホをいじりながら歩いている。

 俺はポケットからナイフを取り出し、奴に駆け寄った。そして、握り手に渾身の力を込め、胸元を刺した。舞う鮮血が街灯に照らされて赤く光った。俺はすぐにその場から走り去った。一瞬振り向・・・

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日常とは

18/03/15 コメント:0件 天宮トウキョウ 閲覧数:214

 二時間目の数学の授業中、突然ひどい腹痛に襲われ、僕は手を挙げた。
「どうした?」と先生が言った。
「腹痛がひどいので、保健室に行ってもいいですか?」
「大丈夫か?保健委員の人は?」
「はい、私です。」と一人の女子生徒が手を挙げ、僕の方へ近寄ってきた。
僕はその女子生徒のことを少し憎らしく思った。今から僕を保健室に連れて行く間、授業を抜けることができて嬉しいというよう・・・

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この日のために

18/03/14 コメント:4件 向本果乃子 閲覧数:423

 とうとうこの日が来た。三十八年という人生、この日のために生きてきた。私は壇上におかれた金屏風前の椅子に座る。たくさんのカメラのフラッシュがたかれ、テレビカメラも入っている。日本で一番有名な文学賞受賞の記者会見の場。私は買ったばかりのスーツのポケットに手を入れる。そこには十年前にネットで入手してずっとお守りのように持っていた毒物のカプセル。今日こそ私を迫害した人々への復讐を果たし、このろくでもない・・・

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金魚とパプリカ

18/03/14 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:254

 妻の飼っていた金魚を殺してしまった。
 昨日いつもより仕事から早く帰ってきた僕は、金魚の入っている水槽を掃除しようとして、台所の流しに水槽をかたむけて水を捨てていたら、間違って中に入っていた金魚まで流してしまった。
 前に一度だけ水槽の掃除をしたときはうまく水だけを流せたので、今度も大丈夫と思ってのことだ。けしてわざとではなかった。流しで暴れる金魚を捕まえようとしたがあまりに元気よく・・・

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ぼくの復讐

18/03/13 コメント:0件 糸井翼 閲覧数:214

ぼくは父親が嫌いだった。
あの人は短気で、自分がなにかうまくいかなかったときに突然叫んだり、それから、幼い私と弟が遊んでいると怒鳴り散らしていた。暴力的ではないけど、すごく怖かった。お酒が入るともっとひどい。ぼくたち家族はあの人の顔色を窺って暮らしていた。
あの人は自分が正しいと思っていた。そして周りの人を軽蔑するようなところもあった。小さい頃は、大人の男性はこういう人が多いのだろうと・・・

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恋心

18/03/13 コメント:0件 葉月三十 閲覧数:191


 思いもよらない言葉だったのだろう、Z子は目を真ん丸にして聞き返した。
「A男が私を好き?」
「何度も言わせるなよ」
「だって、私たちは単なる幼馴染みで、だから、だから――」
 Z子からしてみれば寝耳に水、到底予想も出来ない言葉だったのだ。
 何しろZ子は男勝りで気が強く、幼馴染みであるA男を泣かせたことも数知れず。そんなA男が自分を好いているなど、よもや微塵・・・

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ハンカチ・カプリッチオ

18/03/13 コメント:0件 トミザワ 鏡太朗 閲覧数:203

賢二はもう2時間、トイレにすら立っていない。
正座している足はすでに感覚を失っていた。
「寝たいなら全部白状しなさいよ!」
まだ結婚して1年半
妻のえりかに、こうもあっさりと浮気がばれるとは…
テレビでは毎日、芸能人やスポーツ選手の不倫がワイドショーで取りざたされている。
なぜ自分だけバレないと思っていたのか…
「本当にすまない!愛しているのはお前だけだ!・・・

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赤いべべきた

18/03/12 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:183

 夕日に映える海面に、三夫はひとり釣り糸を垂れていた。
 なにかが水面下でうごめいた。魚にしては大きすぎた。三夫が岩場から身をのりだすと、波打つ海面から、とび色の髪の女性が顔をつきだした。
「おどろかしちゃったかしら」
「ここは水泳禁止区域ですよ。これまでこの辺りで、何人もおぼれ死んでいるから」
「あたしは、人魚なの」
 人魚なら溺れ死ぬ心配はないかと、のんきに考えた・・・

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偶然か、もしかして復讐

18/03/11 コメント:0件 小峰綾子 閲覧数:247

友人に助言されて某SNSを開いた。最近は就職活動で忙しかったこともあり、覗いてさえもいなかったが、久々に会った友人に開口一番、こう言われたのだ。 「お前の元カノ、日記で色々書いてんの、読んでる?」 全く何のことか分からなかったが、つべこべ言わず読んでみろ、と言うのでログインし、新着の日記の通知を開く 「あの日から…」 嫌な予感がするが、本文を開く 「あの日から、どこで間違ったのだろう、と考えている・・・

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家守

18/03/11 コメント:0件 いっき 閲覧数:223

ある夏の日の夕方。ドア横の電灯に目をやった。光に虫が集まり、それをヤモリが狙っている。僕はそっと手をヤモリに近付けた。
僕は無類の爬虫類好きだ。家では沢山の爬虫類を飼育していて、こいつもコレクションに加えようと思った。
手をヤモリに被せようとした、丁度その時。
「こら、何をしておる!」
後ろから声が聞こえた。アパートの管理人だ。
僕はこの管理人、苦手だ。ヤモリのような・・・

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あの時のスープの

18/03/11 コメント:0件 トミザワ 鏡太朗 閲覧数:225

お前がここに足を踏み入れたのは
お前が招いたことだ


パチンコにハマり、家庭を壊し
ついに月々の支払いも首が回らなくなった。
そこに、パチンコ店の店員としてお前に近付き
当たる台を密かに教え、ギャンブルに溺れさせた
俺の意思が少なからず入っていたとしても
お前が招いたことだ。

お前がパチンコ屋に通うようになったわけ、
職場・・・

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ケーキの恨み、晴らさでおくべきか

18/03/11 コメント:1件 キップル 閲覧数:240

「ただいまー。あ〜、お腹すいた。ケーキ食べよ。あれっ?」

 学校帰りランドセルを放り投げた僕は、駆け足で冷蔵庫を開けて首をかしげた。楽しみに取っておいたケーキがなくなっていたのだ。

「お母さん、僕のケーキ知らない?」
「えっ、あれ、ヒロトのだったの?さっきお兄ちゃんが食べちゃったよ。」
「そ、そんなぁ…。」

取っておいたのは昨日の夜、お父さんが・・・

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バーターの逆襲

18/03/11 コメント:0件 らっかさん 閲覧数:198

 私は朝から不機嫌だった。正確に言うと、不機嫌になったのは、昨日の晩。三月で、お世話になった個別指導塾の
講師が辞めるというのを聞いたからだ。

 私学の名門校の授業についていけず、成績も中の下。このままでは大学なんて夢のまた夢。こんなことなら、
公立の高校でのんびりしたかったのだが、なぜか塾長が無理矢理私学を薦めて、なぜか入ってしまったという感じ。
そんな私の唯一の・・・

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復讐横丁

18/03/10 コメント:0件 とむなお 閲覧数:215

ある夕方――東京にあるR企業でのこと……
その日も鈴木は、山本課長に会社の裏に呼び出されて、ボッコボコにされた。
上司と部下の関係であり、ミスをしたのは鈴木だったから、仕方がない――と言えば、それまでだった。
……が、あまりにも酷(ひど)い仕打ちであり、それが1度や2度ではなかったので、鈴木は頭にきていた。
社を後にして、いつもの店でチビリチビリやりながら、なんとか山本に復・・・

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女狐とまぬけな狸たち

18/03/08 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:275

光がその日寝た女は「親友の恋人」だった。
「真珠、好きだよ。」
一度は言って見たかった台詞を言って後ろから抱きしめたら、
するりと腕からすり抜けられた。
「心にも無いことを言わないで、私は単なる好奇心だわ。あなたもそうでしょう。」
確かにそうだ。
好奇心。
18歳の性欲。
「私は、汚い物が好きなのよ。」
少し汗をかいた真珠は言った。
「貴・・・

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甘い復習

18/03/08 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:236

 この辺り一帯に生息するアリは、おそらく最強だろう。そうつぶやきながら昆虫学者――とくにアリの研究にかけては世界的権威の有村博士は、捕獲瓶の中のじっとして動かぬアントサイバーをみつめた。さきほどかれらの巣に噴霧したアントサイバー撃退用に開発した化学薬品をあびて、瓶の中のアリたちはみな神経をやられて仮死状態におちいっていた。息絶えるのもそう長い先ではないだろう。
「博士、すぐ裏手にあった巣から・・・

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黒い救急車

18/03/07 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:283

紙子は子供の頃から一人、家の中で浮いていた子供だった。
仲の悪い両親と両親に取り入るのがうまく要領のいい妹。
紙子は家族にどうしても馴染めなかった。
それだけではない、
紙子だけが両親から虐待を受けて育っていた。
妹は見てみぬふり。
なのに大人になった今、
雑用や面倒なことは全部紙子にまわってくる。

月日は流れ、父も母もいっそう年を取り、母は・・・

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分からないもの、分かるべきもの

18/03/06 コメント:0件 葉月三十 閲覧数:236


 真の復讐とは何なのか。A男にはついぞ分からなかった。

 小学、中学高校と、A男はいじめを受けた。端から見たら些細なこと、だがA男がいじめだと感じていれば、それはれっきとしたいじめなのだ。
 だが、教師も親でさえも、A男の主張を真に受けなかった。「A男は気にしすぎなんだ」
 そうして何のフォローもなく過ぎていった学生生活は、A男にとって地獄以外のなにものでもなかっ・・・

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復讐のお味はいかが?

18/03/06 コメント:2件 文月めぐ 閲覧数:350

 からんころんとドアベルが鳴れば、どんな作業をしていても入口に目を向けて笑顔で「いらっしゃいませ」と挨拶する。それは五年前、この「つけ麺藤吉」を開いた時からずっと続けていることだ。そう、たとえ相手がどんなに無礼なお客様であっても。

 「いらっしゃいませ」入口に笑顔を向けても、その男性二人組は僕の言葉など全く聞こえていないかのように、会話を続けている。そんなことは日常茶飯事だ。だけど、・・・

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半陰陽

18/03/06 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:304

「ね?ライファ、あの女の人生をズタズタにする何かいい方法があるかしら?。」
隣にいるライファが、
「地下牢に死ぬまで入れますか。」
と答える。
ライファは后・アリシアが信頼している幼馴染だ。
「それは何年か先の話よ。あの女を娼館で働けるだけ働かせて、復讐はそれからの話よ。」
「私の知り合いに、高利で金を貸す金貸しがおります。話をして見ましょう。」
「お願い・・・

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毛を買う悪魔

18/03/05 コメント:0件 土地神 閲覧数:237

 今日はいい契約をした。契約といっても仕事のことじゃない。俺の前に悪魔が突然現れて「毛が欲しい、毛を売ってくれ」と頼んできたのだ。
「毛が欲しい? おいおい、どこにそんなふざけた要求をする悪魔がいるんだ。結局は俺の魂が目当てなんだろう? 今どき騙されると思ってんのか。帰れ帰れ」
「いやいや、本当に毛が欲しいんだ。実はこっちの世界で魔術用の人毛が枯渇しててな。早い話が、売ると儲かるんだ。・・・

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どんぐり

18/03/05 コメント:0件 トミザワ 鏡太朗 閲覧数:224

よかったら俺のくだらない話を一つ
聞いてくれないか?

俺がまだ小学生2年生だったときの話
クラスに1人、吃音症の女の子がいたんだ
伊織ちゃんって言う、名前のイメージ通り繊細で優しい子だったよ
彼女は喋れない訳じゃないけど、いかんせんよく聞き取れない

みんな最初は一生懸命聞き取ろうとしてたけど
だんだん億劫になって話しかけなくなったり
・・・

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犬のおうち

18/03/05 コメント:0件 トミザワ 鏡太朗 閲覧数:223

お母さん、あなたの不幸を僕は
一番近くで見守り続けるよ



昔からヒステリックだった《お母さん》
僕の背中をライターで炙るのが生き甲斐の《お母さん》
パチンコで負けると、般若みたいな顔で叩く《お母さん》
少しでも僕の足音がうるさいとすぐに犬のおうちに閉じ込めた《お母さん》

「あんたは動物以下なんだから狭いケージに入ってなさいよ。最近ま・・・

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18/03/05 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:278

――なんにもあげられないよ。
 その女の人が言った。声は僕の耳や鼓膜ではなく、内側の水分に波紋となってたぶん聞こえた。
「なにかもらえると思ってないよ。大丈夫」
 僕が女の人に言いたい言葉は、唇を動かさなくても音になってまた、波紋になった。女の人には聞こえているんだろうか。
――それがわかっているのなら、どうして?
 よかった。ちゃんと聞こえているみたい。どうしてか?・・・

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整形手術

18/03/05 コメント:0件 林一 閲覧数:183

 一億円の銀行強盗に成功した彼は、たった一つだけ痛恨のミスを犯していた。銀行強盗の最中、銀行員に抵抗され、覆面を脱がされてしまったのだ。
 このままでは、防犯カメラに映った顔から自分の犯行だとばれ、警察に捕まってしまう。そう考えた彼は、ある医者の元を尋ねた。その医者とは、犯罪者の間では少し名の知れた闇医者だ。
「あなたの噂を聞きつけてきました。私の顔を別人に整形してください」
「・・・

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佐倉タクシー回送中

18/03/05 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:222

金曜の夜、街にネオンが灯る頃、飲み屋街から少し離れた電車通りで一台の佐倉タクシーが停車していた。乗務員は立花勝五十四歳、勤続二十四年目になるベテランドライバーだ。立花はその時ラジオでプロ野球の中継を聞いていた。五回と三分の一でピッチャーが失点をし、ランナー一塁二塁で打席は四番、ドルフィンズがピンチを迎えた時だった。ドアをコンコンコンとノックする音がする。思わず聞き入っていた立花はドキリとして後方の・・・

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人形公園

18/03/05 コメント:0件 いっき 閲覧数:185

「人形が沢山捨ててある公園があるんだって。行ってみようぜ」
新田が口元を歪にゆがめて言った。
「え、気持ち悪いじゃん」
白川が嫌そうな顔をした。
「んだよ。あんなことがあってから半年も経っていないのに」
原西も花瓶の置かれた机を見て声を潜める。
「あ? 関係ねぇよ。俺らは共犯者…あの時のこと、俺がバラしたらお前らもただじゃすまねぇぜ?」
新田は歪な笑みを浮・・・

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天使の報酬

18/03/05 コメント:0件 みや 閲覧数:183

ママをひとりじめしたい。
それが四歳の郁弥の今の願いだった。

弟の和弥が産まれて半年、ママは赤ちゃんの和弥にかかり切りで、郁弥をあまり構ってくれなくなっていた。郁弥は毎日昼間は保育園で過ごし夜は早く寝かし付けられ、ママと遊ぶ時間なんて殆ど無い。
保育園がお休みの週末にはママは弟の和弥と一緒に実家に帰ってしまい、郁弥はパパと二人きりで過ごすことになっている。

・・・

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マイの報酬

18/03/05 コメント:0件 奈尚 閲覧数:252

「やれやれ。やっと完成した」

 博士はため息をつくと、柔らかなクッションに深く身を沈めた。
「これで長年関わってきたプロジェクトもひと段落だ。君のおかげだよ。マイ」
 巨大なスーパーコンピュータを前にそう語りかける。
 若い頃に妻を亡くし、仕事だけに没頭してきた彼にとって、このコンピュータ『マイ』は大切な右腕であり、信頼できるパートナーだった。
「君が面倒な計・・・

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馬鹿には見えない

18/03/05 コメント:0件 井川林檎 閲覧数:353

 馬鹿には見えない衣を纏った王様の童話がある。  みんな、王様が裸にしか見えないのだが、馬鹿だと言われたくないので、見えない衣を褒めたたえるのだ。  「凄い、なんて官能的かつのびやかな服なんだ、王様は違うね」  「まあ、官能的と言うか、素肌のつややかさを活かしているというか、何と表現したらいいのかね」    ……。  そんな童話を思い出している。  職場の昼休みだ。  愛妻弁当を開いた俺は、・・・

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オニオン・テロリスト

18/03/05 コメント:0件 冬垣ひなた 閲覧数:304

 毎週日曜日、賑わう公園の一角で繰り広げられるのは、個性豊かなパフォーマンス。ジャグリングあり、道化師あり、パントマイムあり、技を競って客を楽しませるために、誰もが小さな舞台に胸を張って立っている。
「どうも―っ、こんにちは!イケメンパフォーマーの翔です。何、イケてない?大丈夫ね、イケてないのは顔だけやから。これが、とっておきの技見たらイケてる思えてくるんやで、催眠術かかって」
 観客・・・

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4・7

18/03/05 コメント:1件 若早称平 閲覧数:302

 一ヶ月前から決まっていた決行日に奈那はベッドの中でうずくまっていた。すぐに電話がかかってきて、インフルエンザだと言い訳したが、すぐに仮病だとバレてしまった。 「どうして来なかったの? みんな集まってたんだよ」  その日の夜、学校の近くにある公園に呼び出された奈那はクラスメイト全員に囲まれて子犬のように震えていた。 「ごめんなさい、急に怖くなって……」  うつむき、風に乱れた前髪を直すように触り・・・

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クラス会

18/03/05 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:186

 都心近郊の中核都市にある少しお洒落なホテル。最上階にあるイベントルームからは駅前の賑わいを見下ろす事が出来、ビジネスから披露宴まで対応していた。クラス会の会場は一番小さな部屋だったがアットホームな雰囲気を出すのに丁度よかった。
 当時と変わらないクラスメイトが集まった。

「すげー、中学の時のクラス会ここでするの?」
 申し合わせたように、かつての男子たちが入ってきた。<・・・

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しかえし池の大鯰

18/03/05 コメント:4件 クナリ 閲覧数:466

 江戸の夜は深い。  であるから、やや甲斐国に近い方へ江戸を外れた、広い森と深山を望むある村の夜は、いよいよ暗かった。  与三次と甚太は幼馴染だった。共に三十路を数える。  この日二人は山の中へ入り、与三次はつぐみ、甚太はキジを狙ったが、獲物のないまま日が暮れた。 「甚太、暗いが道は分かるか」 「確かこの道を上ると池があって、そこに寝泊まりできる小屋もあったはずだ。ところで与三次、俺の山刀を落と・・・

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