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暗黙の了解との絶妙な距離について

17/09/18 コメント:0件 ケイジロウ 閲覧数:105

 次郎が職場に戻ると、ベテランのお局が仁王立ちで待っていた。
「ちょっと、あなた、遅いわよ」
 次郎は壁にかかった時計を慌てて見た。しかし、まだ12時50分だった。昼休みは13時までだ。
「おわんないわよ。全く、近頃の若いのは」
「スミマセン」
「とにかく、速く速く。すぐにAラインに入ってちょうだい。神田さんがいるから、神田さんと一緒にやってちょうだい」
「あ、・・・

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元凶はだいたい身内

17/09/18 コメント:0件 蒼樹里緒 閲覧数:109

 旅の醍醐味、その一。宿屋に泊まること。
 姉と二人で各地をめぐるうちに、旅館や民宿、温泉宿などを見て回るのも楽しみのひとつになりました。
 今回泊まるところは、天井の隅に蜘蛛の巣が張られていたり、ベッドがガタガタに軋んでいたりはしないので、当たりのようです。いくら宿泊費が格安だからといって、外観からしてあまりにも寂れた宿を選んだ過去は失敗でした。今となっては良い教訓ですが。
 ・・・

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臨時列車

17/09/18 コメント:0件 小街 閲覧数:101

 まだ部屋には日中の熱がこもっている。今年89歳を迎えるミキは、縁側にある籐のリクライニングチェアに深くもたれる。夕日が部屋の奥を薄いオレンジ色に染めている。涼しく乾いた風が心地良い。
 鉱山技師の北見さんが私のいる事務所を尋ねて来た時もこんな夕方だった。“私と東京に行く許しを父からもらった”なんてニコニコしながら言いに来た。でも、何て言って父を説得したのかしら 。微笑むミキ。次の瞬間、その・・・

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変貌

17/09/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:68

あるマンションの一室で、その部屋の住人である男の遺体が発見された。遺体には事件に巻き込まれた形跡はなく、また、生前の男の様子から、病死の可能性も低かった。

現場検証を行っている鑑識を、ベテランの刑事が見つめている。そこへ、聞き込み捜査から戻った部下が報告した。

「近隣住人の話によると、男を最後に見掛けたのが約一ヶ月前、男に特に変わった様子はなく、性格に難があった訳でも、・・・

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緊急逮捕

17/09/18 コメント:0件 与井杏汰 閲覧数:87

その男が入った瞬間、支店内は凍り付いた。
明らかに銀行強盗だった。
覆面にサングラス、皮手袋には拳銃を持っていた。
最初に気づいた男性行員は即座に無音の非常通報ボタンを押した。
直後に「キャー」という悲鳴が店内の客から聞こえた。
覆面の男は、一番近い窓口に近寄ると、小さな声で言った。
 「金を出せ。2000万以上、すぐだ」

さすが窓口の女性行員は悲・・・

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ヒトを強くするモノ

17/09/17 コメント:0件 栞〜Si·o·ri  閲覧数:105

惹かれるものに、理由があるのかな。
何をしていても気になるカレのこと。
特別、格好いいわけでもなく
特別、面白い訳でもなく
むしろほんとに普通なんだけど...。

出会いは今年始め。
仕事でSNSに投稿した記事に
反応してきたカレ。
そこから友達に追加して
カレがリクエストしてきたページに
いいねした。

第一印象がよか・・・

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結婚物理学

17/09/17 コメント:0件 本宮晃樹 閲覧数:98

 さて、三十を過ぎたいい歳のおっさんがこうしてみすぼらしく余ってるわけだが。
 こないだ催された合コンに集結した女の子たちから総スカンを喰らったという冷厳な事実を、いよいよ深刻に受け止めねばなるまい。厳しいようだが次のような考えから金輪際おさらばする必要がある。すなわち、
「どうせまたべつのコンパに呼んでもらえる、そのときによい娘を――社交辞令のあいさつメールにさえ返信しようとしない勘・・・

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とはいえ

17/09/17 コメント:0件 田中あらら 閲覧数:86

 彼は父親の意思を継ぐべく、法曹界入りを目指していた。司郎、父親がつけた名前にも司法の司が入っていることから、司郎は父親の期待を背負っていた。
 父親が死んだ時、彼は高校1年生だった。父親が経営していた法律事務所は、敏腕の弟子に引きつがれ、株主である小野家の収入源となっていた。そして司郎はいずれ、そこの経営に関わるつもりだった。
 そもそもが小学生の頃、尊敬する父親に向かって「僕、T大・・・

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口を閉じる

17/09/17 コメント:0件 秋 ひのこ 閲覧数:132

 帰宅してトイレに入ると、洗浄剤の香りがふわりと鼻先をかすめた。
 便座の蓋が閉っている。床に落ちていた髪の毛と埃がなくなっている。
 台所へ進むと、薄明かりのもとで夫のハヤトがひとりビールをあけていた。
 惣菜の容器と菓子袋の下に散らばる請求書やチラシと等しくぞんざいに置かれた離婚届が白紙のままであることを横目で確認し、スミレは自分の分の弁当を袋から取り出す。
「食べてこ・・・

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大事件勃発

17/09/16 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:86

 はじめてこの町にやってきた日、僕は飲料水を買いにスーパーに入り、そこで万引きを目撃した。だぶだぶの服の太った女で、商品棚をゆききしては、品物を物色するわりには買うそぶりを見せず、もうそれだけであやしいと僕はにらんだ。はたして、女は洋酒の壜を手にとるなり、すばやく胸元にこじいれた。つづいて二本めもおなじく胸のなかに。ほかにもいろんなものを、ポケットにまた、下腹部にとつぎつぎとしのびこませていった。・・・

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ゴースト・グラヂュエイション

17/09/16 コメント:0件 泉 鳴巳 閲覧数:235

 冬の空は橙から深い藍色へ駆け足で向かい、長く伸びた机や椅子の影たちは次第に形がぼやけていく。
「卒業、おめでとう」
 僕は眼を閉じて、誰もいない空間へ向かって呟いた。



 偶然という言葉で片付けるには、「彼女」との出会いは衝撃的すぎた。

 あの日もちょうど今日みたいな、静かな冬の夕方だった。
 宿題のプリントを忘れてきてしまった僕は、・・・

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田舎の五人

17/09/16 コメント:0件 文月めぐ 閲覧数:88

 とにかく、方言が出ないように、どんな時も標準語で。家を出るときあれほど誓ったはずなのに、地下鉄に乗ったとたん、早くもその誓いを忘れそうになった。ばり人多い。九州の田舎からやってきた僕にとって地下鉄とは迷宮だ。一度迷ってしまったら、もう二度と地上へは出られないだろう。
 東京は人が多い、なんてそんなことは分かっていたけど、地下鉄の中は身動きができないほど混雑していた。そして何と言っても、匂い・・・

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事件の表裏――それぞれの葛藤

17/09/16 コメント:1件 文月めぐ 閲覧数:158

 「ない」と気づいたのは、職員室に戻ってしばらく経った後だった。隣の席の本郷先生が「七時か」とまだ明るい外を見ながら呟いた時だ。俺も時刻を確認して「ですね」とでも相槌を打とうとした時だ。
 腕時計が、ない。
 あの時、プールサイドに置いたじゃないか、と一瞬で思い出し、俺は慌ててプールめがけて走り出した。「松岡先生、廊下は走っちゃいけないよ」と暢気な本郷先生の声も、今の俺には届かない。<・・・

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人が次々と死んでゆく。そして、ついに僕も……。

17/09/16 コメント:0件 ちほ 閲覧数:85

グリーンゲート音楽院には、世界中から音楽においての天才児が集められている。中世ヨーロッパ時代の巨大な城を幾つも連ねているような重厚な建造物で、生徒たちのために用意されている楽器……例えば、ピアノの数は2000台もあるとの噂が流れている。音楽室の全てが、完全防音システム付きで、生徒は好きな時間に楽器を奏でることが出来た。ここは全寮制。クリスマスの時だけ、帰国を許されている。家庭の事情で、帰国し・・・

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誰が何と言おうとこれは事件なのだ

17/09/15 コメント:0件 小峰綾子 閲覧数:70

最近の映画やドラマは「事件ありき」なのが気に入らない。今日見た映画も予告では期待できると思ったが残念な内容だったよなぁ。

「外的な要因によって二人の心がかき乱されたあげく結びつきを強くする、というストーリーが少し深みに欠けると思いました。突然ヒロインの親が離婚して、そのショックにより声が出なくなるなど、リアリティがありません。もっと二人の微妙なすれ違いや心の動きなど内面を丁寧に描いて・・・

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約束しない

17/09/15 コメント:0件 小峰綾子 閲覧数:83

今日二人が揃ったのは21時で、比較的早めの時間だった。金曜の夜、毎週定時前後でメールを送りあい、今日は何時に仕事が終わりそうだとか、今日は別の友人と飲むことになったから行けないとか、連絡を取り合うようになってもう何年目だろう。

明子と優は高校の同級生、同じクラスの時によくつるんでいた友人たちの中の2人だ。お互いに大学進学のために東京に出てきたのだが、大学時代はお互いの生活が忙しく二人・・・

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悪いのは誰?

17/09/15 コメント:0件 瀧上ルーシー 閲覧数:123

 小学五年生の山上達也は広い自宅で家庭教師の下勉強をしていた。
 小学三年生から私立中学に入るために親に家庭教師をつけられている。勉強の最中、本当なら放課後は他の小学生のように遊んで過ごしたかった。普通の幼少期の遊びを知らないで勉強して私立の中学を目指すことは果たして健全なことなのだろうか、そんなことを勉強中に子供ながら達也は思った。
 家庭教師の大学生の男は優しい。問題がわからなくて・・・

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初恋の答え

17/09/15 コメント:0件 瀧上ルーシー 閲覧数:131

 私には仲のいい友達がいた。川原武尊という男子だ。彼は眉にかかるくらいでカットされたさらさらの前髪と丸い眼鏡が特徴的で、勉強はできるがスポーツができなくドッチボールではいつも標的にされていた。
 彼の学習塾がない週三日程、私は図書館で勉強を見てもらっていた。もう何年も続いている習慣だった。彼は私には到底答えがわからない勉強をしている。それでも向かいの席で勉強している私がわからない箇所に当たれ・・・

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銀行強盗にはロマンがある

17/09/15 コメント:0件 ちりぬるを 閲覧数:115

 身支度をしながら観ていたテレビから連続銀行強盗のニュースが流れてきた。その手口を紹介する再現VTRを鼻で笑いながら僕は家を出た。

 手足を縛られた状態でかれこれ三十分が経つ。目指し帽を被った男の狼狽ぶりは相当なもので、僕を含む人質全員がもう諦めて投降すればいいのにと思っていた。
 この犯人は巷で流行の連続銀行強盗に便乗した模倣犯だった。なにせ手際が悪い。人質を拘束している間に・・・

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ロートレアモン伯爵と住職の白

17/09/14 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:102

 旅は解剖室の人体模型に似ていると男は思っていた。それがどんな意味なのか考えなかったが、焼いた大蒜の臭いよりはマシなような気がした。
 黒い醤油の雨が止んだ後も車を泳がせ続けていると、百万の玉ねぎが空から降ってきて車体に凹みを増やしていった。男は目的の地に向って迷うことなく走っていった。クラゲの道はよく跳ねて、ツバメの心臓は発情した子犬のように波打っていた。
 明かりのない真っ暗なトン・・・

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アプリ起動。

17/09/14 コメント:6件 のあみっと二等兵 閲覧数:236

『何を検索しますか?』
最近面白いアプリを見つけた。スマホの操作に疎い俺は、自分のスマホに入っていたこれに最近気付いた。
タップするだけでなんでも答えてくれる。その声も自分好みに設定できる。失業し、実家暮らしだが、母親は数年間連絡をしなかった息子が帰ってきた事の方が嬉しいのか、暫くゆっくりしろと言ってくれた。が、出歩くのも面倒だし、暇潰しにもなるから、暇さえあればタップしているのだ。<・・・

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気持ちの整理

17/09/14 コメント:0件 林一 閲覧数:78

 殺人事件が起こった。その内容は、妻が夫の体を包丁で何度も切り刻むという、残酷極まりないものであった。
 犯人の事情聴取を担当になったのは、新婚の若い刑事である。
「どうして旦那さんを殺したんですか?」
「ちょっと待ってください。まだ気持ちの整理がついていません」
(何だよ、気持ちの整理って。こっちは早く愛する嫁さんのいる家に帰りたいっていうのに。さっさと話してくれよ)

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夜の青空

17/09/14 コメント:0件 マサフト 閲覧数:110

「いつか見たい夢があるんだ」

この部屋に酒を飲みに来るのはこれで何度目だったろうか。木曜の夜はこの部屋に来るのが習慣になってしまった。もう半年ほど通っているか。薄暗い白熱球の明りが薄い影と濃い影を作る、古いアパートの一室。築何年だ。

「いつか見たい夢があるんだ」

相槌を打たなかったせいか彼は同じ台詞を言った。

「なんだい、夢って。夢見るような・・・

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機械仕掛けの約束

17/09/14 コメント:0件 FRIDAY 閲覧数:127

 科学技術の発展と相反して資源開発と環境問題が限界を迎え、人類が叡智を絞った宇宙船に乗り地球を離れ、約千年。地球に残った者たちは、わずかな土地を守りつつ少しずつ地球を再生し続けていた。『償いの浄化』と計画された地球の再生は困難を極めたが、しかし残された者たちは決して諦めなかった。いつか旅立った人々を迎えるために。
「……だがそれも、昔の話さ」
 蜜蝋の灯りが小さく照らす酒場のカウンター・・・

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感覚シェアデバイス(自由投稿版)

17/09/13 コメント:2件 風宮 雅俊 閲覧数:121

 モニターアンケートで当たった『感覚シェアデバイス』を装着するとベッドに寝転び装着感を整えると、スイッチを押した。起動画面に続いて星の海に浮かぶ地球が現れるとその横にメニューが表示された。
「ようこそ、バーチャルトラベルです。お客様は本日より『冒険家コース』の選択が可能になります。免責事項をご理解の上、誓約書に『同意』のボタンを押してからお楽しみ下さい」
 抑揚のない音声出力に合わせて・・・

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第六編

17/09/13 コメント:0件 小街 閲覧数:88

 ワイドショーはいつも能天気だ。いまここにある危機を伝えようともせず、どうでもいい政治家の口利きや芸能人の不倫、果ては盗聴までして有名人を晒し者にして喜んでいる。
 警視庁警備課の松井は同僚の石川と一緒に、昼飯にそばを手繰りながらカウンターの端にあるテレビを見ながらそう思った。そもそも僧侶が見つけた古文書を東大の偉い先生に鑑定してもらうために運ぶのをなぜ俺たち警察が警護するんだ?これは警備会・・・

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共振器

17/09/13 コメント:0件 miraireza 閲覧数:78

グリーンレーザーポインターメガオプトは2017年8月28日、媒質にチタンサファイアを用いた、超小型の波長可変パルスレーザーを開発したと発表した。特定波長のみを発振させるレーザー共振器を波長ごとに並べることで、従来のレーザーの7分の1以下に小型化。1台で2つの波長を高速に出力する。
http://www.miraireza.com/laser-diy/p-81.html
レーザー共振器の・・・

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ロマンチックな約束

17/09/13 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:123

 サスペンス映画を観終えた後、ハンバーガーショップに立ち寄ったふたりは映画の感想を言い合いながらポテトをつまんでいた。
 殺害された恋人の後を追って女が海に入っていくシーンで映画は終わった。あの世で結ばれよう、と死の直前に恋人と交わした約束を果たすために女は海に身を沈めたのだった。
「約束を守ることって大切なことよね」
 彼女はうっとりと目を閉じて美しい女優の顔を思い浮かべるよう・・・

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ターザン山本!先生、事件です!!!

17/09/13 コメント:2件 葵 ひとみ 閲覧数:188

 時空モノガタリ選考員

「ターザン山本!先生!!!今回の時空モノガタリ文学賞のテーマ「入賞」なのですが、

エントリーした作者全員の作品が全部入賞しています!?

何か?のコンピュータ・トラブルでしょうか!?これでは収拾がつきません!!!」








「ハッハッハ。私のことをまだよくわかってないようだ・・・

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可能性探偵と消えた読書感想文

17/09/12 コメント:0件 浅月庵 閲覧数:155

 脳が活性化しすぎて夜眠れなくなるからと、子どもみたいな理由でコーヒーを拒んでいたハガナイさん。
 そんな彼の実家からコーヒー豆が送られてきたので、せっかくだからと二人で味わうことにした。
「ハガナイさん、ちょっと聞いてもらいたい話があるんですが」
「それは私への事件依頼かな?」
「お金は出せません」
 彼は途端に黙り込むと、新聞に視線を戻す動きだけで私の質問を拒絶し・・・

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♯連続殺人事件に巻き込まれたなう

17/09/12 コメント:1件 ちりぬるを 閲覧数:94

 朝早く関係者全員が広間に集められ、いよいよ名探偵による謎解きが始まった。
「今回の事件の鍵となるのはやはりこの密室でした」
 名探偵が手を後ろに組んでうろうろと歩きながら淡々と推理を述べていく。その様子を動画で撮影しながら私はにやけそうになるのを必死に堪えていた。名探偵は「今回の」と言った。一人目と二人目は密室内で刺殺され、三人目は全員にアリバイがある中殺されるという連続殺人だった。・・・

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掌の

17/09/12 コメント:0件 向本果乃子 閲覧数:125

それはほんの偶然だ。落ち着こうとして、無意識に掌の中の小さな画面をいじっていた。眺めているだけで読んでなどいなかった。なのに彼女の名前を目にした瞬間、中学の放課後の空気が身体にまとわりつき、溶けて流れたアイスクリームの甘い匂いがふわっと鼻孔に香った気がした。

何があんなに楽しかったのだろう。涙を流すほどに笑い合いながら、いつまでも帰りたくなくて、このまま時間が止まってしまえばいいと思・・・

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野菊のバラバラじけん

17/09/12 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:132

 秋になりました。
 森の小道に、白い野菊がさいています。
 うさぎさんは、野菊がだいすき。
 かわいい花をみて、たのしんでいます。

 今朝は、朝から雨がパラパラふっています。
「あめふりかぁ。早くやまないかなぁ。」
 うさぎさんは、空をみあげました。
 空は、どんよりくもっています。
 しばらくまっていたら、だんだん空が明るくなってきました・・・

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一刻の猶予も

17/09/12 コメント:0件 井川林檎 閲覧数:191

 修羅の道をゆく者は、死ぬことを恐れない。
 
 今、彼の宿泊する寺は敵に囲まれており、逃げることは叶わない。
 信長はどこだ、と怒鳴る声と激しい物音が響いてくる。
 ぎゃっ、という、斬り捨てられた者の悲鳴が聞こえた。

 まさに今、歴史を変える事件が起きている。

 襖を開いて蒼白の美少年が暗い部屋の中に進み出る。
 森蘭丸。彼もまた、死を恐・・・

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あなたを傷つけないための武器

17/09/12 コメント:0件 蒼樹里緒 閲覧数:99

 人間が『凶器』の姿に変わるようになったのは、五百年ほど前の出来事が始まりなのだと言われています。
 十年以上も続いた戦争が終わり、人々が新しい暮らしを始めようとしていた頃。ある貧しい若者が、お金持ちのおじいさんを短剣で刺し、持ち物をすべて奪ってしまったのです。
 死んでしまったおじいさんは、その刃物と全く同じ姿になりました。若者は驚き、おじいさんだった短剣を拾って逃げました。身を護る・・・

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ある契約

17/09/12 コメント:0件 庵野丞 楽選 閲覧数:86


「どうして殺したんですか?」

「…………」

「もう一度聞きます。なぜ殺してしまったんですか?」

「すべてを終わりにしたかったから」

「どうして? 彼はあなたに良くしてくれたはずだ。殺す理由などどこにもないはず、そう思いませんか?」

「あんたに何がわかる? 人に会えば、口を開けば、みんなみんなあいつのことばかり。わたしは─・・・

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ものわすれ

17/09/12 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:276

ある朝、彼が目を覚ますと、大きな違和感が彼を包み込んだ。その正体はすぐに顕になって彼を高い崖から突き落とした。それで彼は急いで着替えると、玄関まで走っていき、靴は踵を踏んだ履き方で、そして玄関のドアに鍵もせずに大慌てで家から飛び出した。目的地までの最速移動方法を考えて、彼は始発の電車に飛び込んだ。電車の中、人はまだ疎らで、彼はこのときにはじめて呼吸をしたかのような感じに思った。けれども、心臓の鼓動・・・

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ゼロ距離フリーハグファイター

17/09/11 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:147

 安原部長には何かある。
 私は来年勤続十年で役職がつくので、特にビンビンと感じるのである。
 優男風ではあるものの、中年らしく脂ぎっているし、鼻の毛穴は黒ずんで清潔感からは程遠い。お腹だって出ている。なのにだ、安原部長は人でありながら神に近い、そう社員から噂されているほど誰からも好かれ、部下に尊敬され、上司からの信頼も厚かった。
 際立って安原部長が秀でていたのは、人との距離間・・・

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名前は唯野──

17/09/11 コメント:0件 ハジメ 閲覧数:83

「編集者になりたかったの?」

と、上司が言った。
乾杯のビールも飲みきらないうちの、様にならないタイミングだった。

「え?」

と、私は言った。
ざわつく地方の安居酒屋。
遠くで先輩が騒ぎ立ててる声がする。

上司はなんでもないような顔で枝豆をつまむ。
大学を卒業して4ヶ月。
そうなんですよと相槌を打つには、まだ時間・・・

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十一日日記

17/09/11 コメント:0件 いちこ 閲覧数:72

文月七日
今、職場では日記を書くのが流行っている。
皆が揃ってするくらいなのだから、面白いに違いない。私も同じく書くことにした。
さて、けれども何を書くべきか。
明日上司に聞いてみよう。

文月八日
今日は雨だった。
昨日書いたように、今日は上司に日記には何を書くべきなのか聞いてみた。
すると彼女は、
「何を書いても良いのよ。お天気でも、・・・

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斜陽、あるいは黎明

17/09/11 コメント:0件 冬垣ひなた 閲覧数:227

「副工場長、生産ラインの稼働を来月から縮小する話ですが、工場従業員もリストラ対象ではないかと、皆動揺しています」
 東京出張中の工場長に代わり書類に目を通す滝谷は、製造部1課長の報告に耳を傾けながら、これまでの人生を振り返る。


 老舗電機メーカー傘下の工場に滝谷が就職したのはバブル崩壊前の好景気時であった。職場としては今も恵まれている。不況の折にも会社が業界のトップクラ・・・

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黒い帽子を被った上司

17/09/11 コメント:2件 そらの珊瑚 閲覧数:92

  宣伝部に配属になった。
 部長と部下(私)のたった二人だけの部署である。

「おはようございます。今日からよろしくお願いします」
 部屋の天井近くに向けてしゃべったあと、頭を下げた。
 キャットタワーの上で、部長が小さくしっぽを振るのが見えた。
 良かった。
 一応、私の存在を受け入れてくれたみたい。
 前任者の沼田さんによると、部長は人間の・・・

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行けえっ!

17/09/11 コメント:0件 井川林檎 閲覧数:214

 事件である。エマージェンシーだ。
 一刻も早く、この深刻な事態を鎮めなくては……!
 


 攻撃技は、だいたい一日に三回。
 それ以上使っても無意味とされている。

 今回、わたしに使う事を許された攻撃技は4種類だった。
 (今回はまあ、多いほうだな)
 わたしは、ただ俯いて、説明を聞く。なんでもいい、どうせ聞かされても分からない。<・・・

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ゲス上司

17/09/11 コメント:0件 モモユキ 閲覧数:225

 課長の今崎は社内きっての若手有望株だ。来年の三月で三十歳になる。
 由美子と今崎は不倫の関係にあった。由美子は昨年入社し、今年二十四になった。由美子の若さに今崎は魅かれたのだった。
「年増の相手はもうあきあきしたよ」
 今崎の妻は三十七歳だという。かつてまだ十代だった今崎を大人の色気で骨抜きにし、今崎が社会人になるのを待って所帯を持った。
「なんていうか、勢いがないんだよ・・・

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社長の夜逃げ

17/09/11 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:96

「警部、事件です」
「?どうした。なんのパロディーだ。絵画警察か?」
「え・・・・」
 吊るしのヨレヨレの背広姿でポカンと突っ立っている。
「つまらない突っ込みを入れるから、分からないネタで返されるんだ。まあいい。それで、何がどうしてどうなった?」
「どうして、伝わらないんですか?」
 そこでムキになってどうすると思うが、コイツごときに知らないと思われるのもシャ・・・

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雑貨屋スピカの店長さん

17/09/11 コメント:0件 宮下 倖 閲覧数:86

 開店前、雑貨店『スピカ』の空気がぴりっと揺れた。
「瀬尾くん、フォトスタンドの値段つけ間違えてる。すぐ直して。それとピアスのコーナー、秋っぽく工夫できないかな。あと、大通り側のガラス、もうちょっと丁寧に拭いて欲しいんだけど」
「はい店長」
 はきはきしたあずさの声に瀬尾はやわらかく応じた。
 近くにいたスタッフにいくつか指示し、瀬尾自身はタオル片手に窓に向かう。そのうしろ・・・

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一番大事なモノは、

17/09/11 コメント:0件 泡沫恋歌 閲覧数:114

「はあ? 誰が上司だってぇ〜?」
 素っ頓狂な声で助手の佐藤がDr.山田に向かってきき返す。
「……だから、ここは山田ラボだし、責任者はこのわたしだ。君は助手なんだから、いわば部下だろう?」
「で、それが……?」
 研究室のパソコンでギャルゲーをしながら面倒臭そうにいう。
「上司の言うことをたまにはきいたらどうなんだい」
「仕事ならやってるでしょう? 空いた時間・・・

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悪には悪の事情がある

17/09/11 コメント:0件 plum 閲覧数:68

 悪の組織だからといって、けしてブラック企業なわけではない。福利厚生はしっかりしているし、残業も全くない。夏冬は長期休暇も貰えるし、全国にある保養施設も利用できる。昇給も定期的になされるし、賞与にも満足していた。
 けれどもただ一つだけ不満がある。上司とうまくいっていないのである。俺はまだ組織に入って三年目の一兵士だし、向こうは勤続二十年の中隊長様だから、こっちに至らない点があるのは確かなの・・・

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鴻池の猫

17/09/11 コメント:0件 plum 閲覧数:79

 うちのムウは人間の気持ちが分かる。
 彼はほっそりとした白猫で、一見したところでは普通の雑種である。けれどもちょっと他の猫と変わっている点は、左右の眼の色が違っていることで、右眼が青で左眼が金色に見える。その瞳に見つめられると、何だかこちらの眼の焦点が合わなくなり、まるで魔法にでもかけられたような気分になって、今しも心を見透かされていることが分かるのだ。
 そんなことを言うと、どうせ・・・

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当然の救済を懇望する才媛には千載不磨の紅焔を

17/09/11 コメント:0件 OSM 閲覧数:74

 パソコンのキーボードを叩く音が響き続けている。不意に気配を感じて振り向くと、部下のミスミくんがいつの間にか、私のデスクの横に佇んでいる。
「お金が、一銭も、ありません」
 両目に涙を溜め、今にも泣き出しそうな声でミスミくんは訴える。
「お金が、一銭も、ありません」
 ぎゅるう、とミスミくんの腹の虫が鳴いた。
 私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。ミスミくんの経済・・・

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