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コーヒーフロートの君

18/05/03 コメント:2件 文月めぐ 閲覧数:220

 祐介、と名前を呼ばれてびくっとした。喫茶店でバイトを始めて三か月、知り合いがやって来ることはなかった。だけどこの店は地元では有名だから、誰かに会うことはやはり避けられない。
 声の主の純とは高校が同じだった。大学は東京だったが就職して地元に戻ったのか。
 ぴしりとスーツを着こなし、手には大きな鞄を提げている。俺は注文を取るため彼のもとに向かった。
 「お前ここで働いてんの?」<・・・

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10年後の俺

18/05/02 コメント:0件 路地裏 閲覧数:162

「俺?俺はお前だよ」

午前0時。動揺を隠しきれない俺を置いてけぼりにするかのように、時計の針は規則正しく時間を刻む。

大学受験を控えた俺はいつも通り分厚い参考書と戦っていた。数学は大の苦手科目。ペンはなかなか進まない。机に置いてある時計に目をやると丁度日付けが変わった。

ズドーンッ!!

落雷のような音が真後ろで聞こえ、思わず「ひっ」と・・・

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in the earth

18/05/02 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:138

アユミは裏庭の片隅に穴を掘る。 産んだ赤子を横に寝かせている。 赤子の父親のユウタも穴を掘るのを一緒に手伝ってくれている。 「ふう。」 ユウタは一息つく。 「これくらいの深さでいいわよね。」 アユミは言った、 10時間程前に自宅のトイレで女の子を産み落としたばかりだ。 「さあ、埋めようぜ。」 「そうね。 ……どっちが首を絞める?」 「…生き埋めでいいんじゃないか?そのうち、窒息死するだろ。」 「そ・・・

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晴れのちくらげ

18/05/02 コメント:2件 くまなか 閲覧数:216

”本日は陽射しは強いですが、空にくらげが多く漂いますので、不要不急の外出は控えて……”

 いつからだったか、璃子には記憶が薄かったが、遠い水平線の空と海とが交じる辺りから、むくむくとくらげが浮くような天気が起きるようになった。酷い時には、十五階建ての十階にある璃子の家の窓ガラスに、茶、白、透き通った青と色々のくらげがぺたりと張り付く。
「窓を空けちゃ駄目。ハブクラゲなんかは猛毒・・・

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そらよりとおくで君はふりむく

18/05/02 コメント:2件 クナリ 閲覧数:213

 ある日の放課後、俺は同級生の姫宮に、高校の空き教室へ呼び出された。本当は俺は、この時間は期末試験の追試だったのだが。
「柴田君。私、君に告白したいことがあるの」
「えっ」
 俺は心底驚いた。
 俺も姫宮のことが好きだった。高校に入ってからの一年間、ずっと。
「実はね。私、手で触れた物体を浮遊させることができるの」
 そう言った姫宮の手のひらの上方で、シャープペ・・・

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サヨウナラ相棒

18/05/01 コメント:0件 ポテトチップス 閲覧数:116

 雲ひとつない日本晴れだった。『サザンビーチちがさき』の駐車場からは、幾人ものサーファーが押し寄せる波にサーフボードで勇壮に挑んでいる姿が見えた。
 まだ早朝5時を過ぎたばかりだが、彼ら彼女らは出勤前のレクリエーションなのかもしれない。
 駐車場で待つこと40分、メルセデスマイバッハS650が空車だらけの駐車場に、えばるようにやって来て止まった。
 左ハンドルの運転席から、牧原リ・・・

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浮いてる彼が羨ましい

18/05/01 コメント:0件 鎌太郎 閲覧数:184



「あいつ、ちょっと浮いているよな」

 初夏が始まろうとしている、少々蒸し暑い昼休みの教室でそう言ったのは、このクラスで1番人気の男子だった。
 いつも明るく誰とでも仲良く接しようとする彼は、女子人気が高いという訳ではなく、単純に平均値が高いというだけの話。
 それでも、彼の言葉に返事をしようという人間は多かった。

「ああ、確かにそうだよね」<・・・

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ピンポン玉

18/05/01 コメント:2件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:133

 これはぼくの高校時代の話だから、もうずいぶん昔のことになる。
 記憶はあいまいにいろあせ、当然ながら細かい部分は欠落していたが、ただひとつ、鮮明におぼえている光景があった。鴨下という生徒のひろげた手のひらから、ピンポン玉が、うかびあがったのだった。
 鴨下はあまり――というよりほとんど勉強のできない生徒で、五十名ちかくいた生徒たちのなかでワースト3にはいっただろうか。勉強はできなくて・・・

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18/05/01 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:116

 五々郎はふだんから、どこか浮いたところがあった。なにをやっても長続きせず、転職をくりかえし、親からも、いいかげん定職につけと、顔をあわせれば小言がとんだ。
 五々郎じしん、いつまでもこんなふらふらした生き方はしたくなかった。しかし、地に足をつけようとするときまって奇妙にふわふわした感覚が彼をとらえるのだった。
 もしかしたら俺には、地球の引力がうまれつき希薄なのかもしれない。そのため・・・

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空想

18/05/01 コメント:0件 s0204 閲覧数:91

ある高校についての話しだ。彼女の名前はミキ、高校の教員として日々を過ごしている。そんな彼女にはある秘密がある。それは誰もいない夜の教室での出来事である。彼女は高校の教員として誰にも邪魔されないこの時間に授業の予行練習をするのが習慣だった。まだ一年目であり、数学を教えることのむずかしさを家庭教師時代にあったことと、彼女はあがり症でありこういった時間が必要であると自分で判断しているがいつもとはなぜか違・・・

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浮遊症候群

18/05/01 コメント:0件 かわ珠 閲覧数:103

 雨が上がり、雲も去って河川敷には少し赤みを帯びた空が広がっていた。
 土手の上の雨が濡らしたアスファルトを歩く。
 すると、向かいから一人の男が近付いてきた。
 三十代半ばくらいで、明るい茶色に染められた髪に、少し大きめのピアス。ギターケースを背負っている。典型的なバンドマン、といった風貌。あまりにテンプレートなその容姿に、思わず噴き出してしまいそうになる。
 そして近付・・・

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PM2.5

18/05/01 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:114

「今日は天気が良いのに、霞んでみえるね」
 背広の男は、富士が見える筈の方角を見ながら言った。
「黄砂です」
 制服の男は言った。
「春だね」
 眼下の葉桜を見ながら背広の男は言った。
「そんな風流な物ではありません。この時期になると敵の攻撃によりたくさんの国民が犠牲になっております」
 制服の男は分厚いファイルを片手に、直立不動だった。
「ホントに・・・

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海月の気持ち、大王具足虫の気持ち

18/05/01 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:105

 太陽の光がキラキラと光る。
穏やかな風が波頭を撫でていく。

波間を漂う海月は、波に合わせて傘を開き・・・、傘を閉じる。
明確に存在する、波と言う天井。そして、果てしない深淵。どこまでも続く、限りの無い底。
 海月は思った。
光のない深淵の彼方に底はあるのだろうか。誰も見た事がない底が存在するのだろうか。
そして、海月は波間に漂っていた。

・・・

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常夜に浮遊

18/05/01 コメント:0件 蒼樹里緒 閲覧数:151

 妖(あやかし)が宙を漂うこともまた、日常的な光景の一つに過ぎない。単なる移動であったり、飛行の力を持たぬ者は何らかの術や道具を使っていたり、それぞれである。
 筆文字で『本日閉店』と書かれた札を引き戸にかけて鍵を閉め、老人はふと空を見上げた。
 寒々しい夜風の流れに乗り、数匹の管狐が何処かへと飛んでいく。細長い身体や尾を緩やかに波打たせ、毛並みと同じく銀色の光を帯びて。
 ――・・・

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ゴミ

18/04/30 コメント:0件 重一 閲覧数:134

またSがいつもの喫茶店へ呼び出した。なぜいつもなにかあると俺を呼ぶんだ?
「やあやあKよ」「お前さあ人待たせるなよこういう時は」「ごめんごめん。向かってる途中、足場がないくらいゴミが散乱してる道があってさあ。ありゃカラスだよ、迷惑だねえ」
俺は椅子に寄りかかり腕組をし、いかにもな雰囲気を醸し出しSに言う。
「迷惑してるのは俺もだよ。お前、あれだろ、また会社辞めたんだろ」

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大勢の人々から打ち捨てられた少年の話

18/04/30 コメント:0件 糸白澪子 閲覧数:190

 ママへ  お元気ですか。僕はもうずいぶん前から立つことができません。これまでお庭に遊びに出たときはいつもママのためにお花を摘んでいたのに、それももうできなくなってしまいました。ごめんなさい。ママ、いつになったら会えますか。早くママに会いたいです。  今朝、僕はスプーン3杯、スープを飲むことができました。最近は何を食べてもすぐにお腹が痛くなって、頭がくわんくわん音を立てて、しまいには吐き出してしま・・・

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ロングタイム

18/04/30 コメント:0件 mokugyo 閲覧数:117

長い間、毎日のよう小さな灯台を建てている男がいた。
男がなぜ灯台を建てているのか誰も知らない。男も、自身がやろうとしていることをよく分かっていない。

見すぼらしい姿をした男は、町外れの灯台男と呼ばれていた。

ある日、市役所の職員が灯台男に向かってこう言った。

「あなたはなぜ誰も必要としていない灯台を建てているのか?非常に邪魔だ。こんな灯台はゴミだ。早・・・

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捨てられない男たち

18/04/30 コメント:0件 重一 閲覧数:116

 恋人と別れた元井は部屋で一人、今後の生き方について考えていた。 「やっぱり恋愛が長続きしないのって、この思い出たちのせいなのかなあ」  ダンボールに詰まった元恋人たちの写真、プレゼント、手紙。元井は歴代の物を全てとっておいていた。 「そうだよなあ。なんか、気持ち、油汚れ的な感じで残っちゃってるんだよなあ。捨ててないってことはさあ。心機一転、恋人の思い出をゴミとして処分しよう。という口説き文句にや・・・

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小さな赤い花

18/04/30 コメント:0件 nekoneko 閲覧数:119

 雨音が聞こえて来た。寝入り端の僕は、まだ半分うつらうつらしていたがその急に降り出した雨は僕を目覚めさせるのには十分過ぎる程の音だった。雨音はゴーと唸る程の音で、言い換えれば滝の流れ落ちる様な激しい音に似て居なくもなかった。幸い、風は吹いてはいない様だったが、雨の勢いは微かにだが部屋全体を揺らす程でもあった。完全に覚め切った僕は、しばらく雨音に耳を傾けて見た。雨音は時折強弱を交えながらも激しく降り・・・

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ユートピア

18/04/30 コメント:0件 みや 閲覧数:139

今日も朝から沢山のゴミの山を積み込んだ大きなトラックが何台も僕の住む街にやって来た。ガーガーとうるさい音を立てながら、トラックは町中にゴミの袋を捨てていき、家の窓からそれを眺めながら僕は溜息を零した。 「ほら、授業が始まる時間よ。早くパソコンの前に座りなさい」 六歳の僕はパソコンの前に座って電源をオンにする。画面の向こうで先生が皆さんおはようございますと挨拶をし、今日は教科書の三十八ページからで・・・

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ゴミの声が聴こえる人

18/04/30 コメント:1件 そらの珊瑚 閲覧数:208

 継野さんは、ちょっと変わってる。  毎食ゆで卵、それも茹で時間13分の固茹での卵を食べる。朝はトーストと一緒に。大学へ行く時は、ポケットにひとつしのばせて。夜は夕食のあとのデザートとして。調子よければ深夜のお酒のつまみとして。エトセトラ。  理由は、卵は完全栄養食でおまけに安くて美味しいから、だそうだ。それは認めよう。だけど毎日じゃ飽きないのか? 普通は飽きるものだと思う。そう、味覚からして継・・・

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さいはてランド

18/04/30 コメント:4件 入江弥彦 閲覧数:378

 本日もご乗車ありがとうございます。  私の認識が間違っていなければ、きっとこの言葉は人間に向けて発するはずだったものなのだろう。ということは、今は私一人に向けたものだということになる。 「こんなにたくさん乗ってるのに、私だけになんて」  ちょっと贅沢かも。と続く言葉に反応する人は誰もいなかった。 「このバスは、さいはてランド行きです」  感じのいい女性の声が、一つしかない行先を告げる。  がたが・・・

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つぼみ

18/04/30 コメント:1件 宮下 倖 閲覧数:205

 仕事帰りのいつもの路地にいつもの公園、いつもの早足をふと緩めて私はゆっくり夜空を仰いだ。立ち止まり大きく首を廻らせるが月は見えず、星がやけに瞬いているように感じられる。
 私は静かに息を吸い深々と吐きだした。すとん、と何かが落ちた気がする。
 私の気もちの中の何かが……と考えて「いやいや」と振り返った。本当に何かの気配がしたのだ。
 公園の中に目を凝らすとジャングルジムのそばに・・・

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掃き溜めの貴きもの

18/04/30 コメント:0件 PURIN 閲覧数:125

硬い大地が足底に触れる。無事に地上に降り立てたようだ。

今の時期のこの気候は、この世界で生きる者達にとってはひどく寒いだろう。



目的のものがあるであろう場所へ向けて一歩踏み出す。



離れたところから人々が争う声が響いてくる。

過日取り壊した像の代わりに、誰の像を立てるかで揉めているのだ。

揉めている・・・

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理想の朝

18/04/30 コメント:1件 冬垣ひなた 閲覧数:149

「新入社員の研修、どうだった? 八木沢」 「可も不可もなくと言った所か。今どきの奴は、当たり障りがなくて何を考えているのか分からないよ」  午後の勤務時間が近づき、談笑の輪が自然に解かれていく。換気の悪い喫煙室の中には儀式のように煙が充満していた。部屋を出る前に、八木沢は窓の隙間を全開する。  空気が通るようになった窓から、近隣のオフィスビル街が見える。あそこは、もっと良い生地のスーツを着た人間が・・・

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世界ゴミ万国博覧会2018 in 東京

18/04/30 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:125

二〇一八年秋、世界ゴミ万国博覧会が東京で開催された。
開催初日、ゴミ処理施設に勤める義雄は胸を躍らせ家族と共にエントランスの行列に並んでいた。早めに来たのだが開場一時間前でも会場は超満員で世間の期待度が高いことが窺えた。一方、世間とは反対に義雄の家族の期待は低かった。ゴミなんか見てどうするんだとしきりに反対する長男と長女、それとは反対にやや乗り気の妻を伴ってやってきた。
季節が秋で良か・・・

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エンドレスドリーム

18/04/30 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:129

 映写士にぶら下げられて拘束椅子に座らされる。スクリーンに何も映らなかった場合ゴミとして廃棄されるのだが、その際の逃亡を懸念してのことらしい。そんな心配をしなくても、僕ら夢魂はゴミになることを恐れてはいないのだけど。
「そんなことないよ、僕はやだよ」
「アサだけだよ、そんなこと言うの」
「そうだよ、ここがそんなに好きなの? 変わってるな」
 僕ら夢魂の中で、一人、アサだけが・・・

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その思いにどうこたえる

18/04/30 コメント:0件 kanza 閲覧数:91

 賑やかな居酒屋の中で、このテーブルだけが異質な空間になっている。向いの席に座る莉子とは従妹どうしなのだが、少ない会話と重い空気で別れ話でもしているカップルとでも思われているのかもしれない。
 突然携帯に着信があり、飲まないかと誘われたのが昼休みのことである。それから嫌な胸騒ぎは続いていた。久しぶりに東京にでて来たから誘ったのだというが……俺は大学進学とともに地元を離れ、その後も東京の企・・・

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朝の時間

18/04/30 コメント:5件 野々小花 閲覧数:260

 いつも、私は決まって朝六時に目が覚める。起きる必要もないのに目が覚める。何もすることがないから、しばらくパジャマ姿のままで布団の上に寝転がっている。ぼんやりと天井を眺めていると、窓の外から朝の音が聞こえてくる。車やバイクが通り過ぎていく音。私の部屋は二階にある。橙色のカーテンを開けて、道路に面した小さな窓を覗くと、中年の女性二人が家庭ゴミを抱えたまま立ち話をしていた。軽やかな女性ふたりの話声が耳・・・

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有効活用

18/04/30 コメント:1件 柳川穂太郎 閲覧数:121


 ゴミを拾った。そいつは確かに息をしている。

 昨今のペットブームとやらは末恐ろしいものがある。テレビはそいつらの可愛いところばかりに着目し、癒し効果だの飼いやすいだの家庭に彩が持てるだのと利点ばかり宣うせいで、肝心の欠点に目を向けてから家に連れ帰る者はうんと少ない。
 曲がりなりにも生命を預かり家族の一員となるのに、一時の欲に乗せられて気軽に買って帰って飼うのである。・・・

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燃えない人

18/04/30 コメント:0件 黄間友香 閲覧数:111

これは僕が葬式屋さんに聞いた質問だ。ご焼香の話。
「人によって燃え方ってちがうもんなんですか?」
「ちがうとすれば、どんな方がよく燃えるのですか?」
葬儀屋さんはニコッと笑って言った。
「そうですねぇ、違うといえば少し違います」
「例えば不慮の事故で亡くなられてしまった方はよく燃えますね。まだ生きたいというエネルギーが有り余っておいでなのでしょう。逆にお年を召した方だ・・・

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命の捨て場

18/04/30 コメント:0件 黒江 うさぎ 閲覧数:133

「こんにちは。  ここは命の捨て場ですか?」 「こんにちは。  はい。ここが命の捨て場です。  ここで待っていればそのうち収集車が来て、焼却場に連れて行ってくれます」 「収集車が来るのはいつ頃でしょう?」 「さぁ。  前に来たのは三日前、その前は四日前、その前は三年前ですから、いつ来るかは分かりません」 「そうですか…。  ではここで暫く待たせて貰いましょう」 「そうですか」 「…」 「…」 「…・・・

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日替わりじいちゃん

18/04/29 コメント:0件 待井小雨 閲覧数:169

 幼い頃に両親を亡くした私は、ずっとじいちゃんと二人暮らしをしていた。大病もせずに健康そのものだったじいちゃんは、ある日ぽっくりと亡くなってしまった。
 葬儀を終えてちゃぶ台に突っ伏して泣いていると『泣くんじゃない』と声がした。
『孫娘が気がかりでこの世を去り損ねたわい』
 ちゃぶ台から聞こえてきたのはじいちゃんの声だった。じいちゃんは家の中の物に憑りついて、この世に居残ってしま・・・

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青は藍より出でて藍よりゴミゴミ

18/04/30 コメント:0件 小高まあな 閲覧数:235

「はっはっは! 地球をゴミだらけにしてやる!」
 ゴミの力が集まって生まれた怪物集団ゴミダラケー。その戦闘員アキカンダーは空き缶を、道行く人々や建物にぶつけていく。
「待て!」
 それを制止する声。アキカンダーが振り向いた先には、赤・青・黄。それぞれの色の全身スーツと仮面を身にまとい、ポーズを決める三人組。
「ゴミはゴミ箱に! リサイクル戦隊トラッシャー!」
「でたな・・・

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呪いの人形

18/04/29 コメント:0件 林一 閲覧数:91

 テレビ番組の制作会社に勤めている私は、現在担当している心霊番組に使えるネタを探すため、青森に住む工藤という男の家を訪れていた。
「初めまして。番組ADの吉川と申します」
「わざわざこんな遠くまでありがとうございます」
「いえいえ。では早速なんですが工藤さん、お手紙に書いてあった例の人形について詳しくお話しいただけますか?」
「半年前に同居していた母が亡くなりまして。それで・・・

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ご主人の流儀

18/04/29 コメント:0件 まきのでら 閲覧数:97

 ウチの近所に物を溜め込む体質の男が住んでいる。
 いわゆるゴミ屋敷のご主人というヤツで、町内会でも度々問題になっていた。
 しかしその種の人間らしい偏屈者なので、触らぬ神に祟りなし、と誰も文句を言えないのが現状だ。
 ご主人にとっては溜め込んでいるのはあくまで必要な物でゴミなどではないのである。
 
 その証拠となる出来事がこの間、あった。
 
 学生が・・・

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ゴミは色になる

18/04/29 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:193

いつもくだらない会話を繰り広げる高校生の僕たち。そんな中、ものすごく真剣な表情を浮かべて島田が
「ゴミって色になるんだぜ?」
と言った。僕たちは馬鹿らしい話だと聞き流したら、再度島田が
「ゴミって色なんだよ」
と必死に言ってきた。僕たちは二度も同じことを言ってくる島田を無視することはできないので、鈴木が代表して問い掛ける。
「どんな話だ?」
すると島田はとても嬉・・・

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追いかけっこ

18/04/29 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:163

 月曜日、道の斜めに見える公園前に僕が集まる。いや、僕がなれない僕の仲間が集まる。僕の仲間以外の人はそれらをゴミ、と呼んだ。明日は第一月曜日。大型のゴミの日。
「悟、今日も行くぞ」
 僕はゴミの仲間になって、回収車に終わりの外まで連れていってもらいたいと願ってる。願い事の連続だけが僕を悪夢の擦過傷からダレイクト逃亡させてくれるけど、兄さんがそれを許さない。僕をゴミにしてくれない。

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赤いダイアモンドの季節

18/04/29 コメント:0件 ねこ丸 閲覧数:90

「生まれ変わったらゴミになりたい、そして人類を捨ててやる」
 と、ミチが言う。
 ゴミは捨てられる方でしょ、と普通なら返すだろうけど、私は、何それイヤだよ、私も捨てられんの? と笑うだけ。だって、わかるから。
「マコのことは捨てないよ、だってあんたは人類に入らないもん。あんまん? それかシュークリーム?」
「何だとお」
 たわいなくじゃれ合うひと時でさえ、背後に視線を・・・

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あいのおのこし

18/04/29 コメント:0件 井伊心呑 閲覧数:111

 不自然に空いたベットの半分、シーツを抱いて涙を流したってだから何だってことくらいは解ってる。ああ、染み付いたオードトワレが塩辛い水に上書きされてしまうというのに、どうしてここには私しかいないんだろう。朝ごはんの匂いがするわけでも、作る意味もなくしてしまった。最初からこうするつもりだったなら別に、もっと気軽に、ゴミ箱に捨てる包み紙みたいに軽い愛だけ与えてくれたら良かったのになんで、なにが愛をこんな・・・

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主婦の達人

18/04/29 コメント:2件 腹時計 閲覧数:133

「離婚して。心当たりはあるでしょう?」
 
 夫の顔は見物だった。ああ、これだけでなんだか胸がすっとする。ぽかんと口を開き、瞬きを繰り返したあと、ようやく私の言ったことを理解して顔を真っ白にした。
「な、なんで、え、俺、え、なに、え、え?」
 私はテーブルに肘をついて夫にほほえみかけた。イタリア製の丸みを帯びたテーブル。クリーム色の大理石が心地よい冷たさを伝えてくれる。私が・・・

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シューカツのゴミ

18/04/28 コメント:0件 腹時計 閲覧数:107

 トイレの汚物入れにしわのついたストッキングを突っ込んだ。これで何度目だろうか。
 鞄に入れておいた予備のストッキングを取り出してたぐり寄せる。つま先を片方入れて慎重に伸ばしていく。膝の辺りまで到達すると、もう片方の足にもストッキングをかぶせていく。あとは両足を少しずつ交互に引き上げていけば、不透明な足ができあがる。
 インターンシップを受けていた半年前はこの作業でさっそく伝線させるこ・・・

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HOME

18/04/28 コメント:0件 つつい つつ 閲覧数:137

 ここで働く現場の作業員はみな暗い目をしている。管理をしている本社の人間はみな冷たい目をしている。ただ、僕だけはここが好きだから、ここが温かいから、そんな目をしていると思う。
 毎朝七時半に食堂に行く。朝食は和食でも洋食でもフルーツでもシリアルでも、なんでも揃っているし、どれを食べても、どれだけ食べてもタダだ。僕はだいたいご飯にお味噌汁と卵焼きにおひたしなんかを食べる。同じ第五ブロックで働く・・・

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みーんなゴミ

18/04/28 コメント:0件 光石七 閲覧数:179


今日、同じクラスのアクタ君がゴミ置き場に捨てられてた。
ゴミ袋の口から頭だけ出して、わんわん泣いてた。
「ゴミのくせに、うっさいなあ」
ぼくはアクタ君をけとばした。
だって、アクタ君はクラスのゴミだもん。
ぼくらのクラスが球技大会やリレーでビリだったのは、アクタ君のせいだもん。
アクタ君はトロくて、いつもみんなをイライラさせる。
よかった、これでク・・・

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処分場のブルドーザ

18/04/28 コメント:0件 いっき 閲覧数:111

 俺はゴミ処分場のブルドーザ。もう二十年近くも使われている古株だ。  仕事は言わずと知れている。人間どもの出したゴミをこの処分場に埋めるのだ。  ゴミと言っても再利用やリサイクルできるような幸福なゴミ達はこんなところにはやって来ない。来るのは人間達の処理のしようもない、どうしようもないゴミばかりなのだ。  俺はいつも聞かされる。そのゴミ達の無念の声を。 「俺はまだこの世に作られた任務を全うしてい・・・

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題名なんていらないよと彼女は言う

18/04/27 コメント:0件 以下 閲覧数:120

 セーラー服の少女が燃えるゴミの袋から頭を出していた。膝を抱えてつまらなそうに前を見ている。
 立ち止まった僕の後ろからサラリーマンがやってきた。彼は何の躊躇いもなく彼女のすぐ隣にゴミ袋を置き、顔色一つ変えることなく立ち去る。
 僕はそっとゴミ袋を置くと、そのまま少女を観察した。視線に気づいてないはずがないのに微動だにしない。
「君、何してるの?」
「私ゴミだから」
・・・

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見ろ、ゴミが人のようだ!

18/04/27 コメント:0件 若早称平 閲覧数:160

 それを最初に発見したのはこのゴミ処理場で集積されたゴミを焼却炉に移す作業を担当していた高山だ。彼はここでバイトをしながら映画監督を目指し勉強中だった。昨夜も遅くまで課題である自主映画の編集作業を行っていて、その疲れから幻覚が見えたのではないかと両目をゴシゴシと擦ってみたが、目の前の光景は変わらなかった。
 しばらく呆然と立ち尽くしたあとで、ようやく上司に連絡するに思い至った高山は目を逸らさ・・・

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完璧に分別する男

18/04/25 コメント:1件 辻坂奈 閲覧数:177

 戸建て3LDKの僕の家は、半分がゴミ箱でできている。
 ゴミ箱というと語弊がある。正しくは分別用のゴミ箱が幅をとっている≠セ。
「明日は月曜日だから『超薄型プラ』の日……まだ溜まってないな」
 僕はゴミ箱の中身を確認して独りごちた。
 ここのところ毎年ゴミの分別が数種類ずつ追加されている。先月は「厚型プラ」が「有色」と「無色」に細分化された。
 この二つに関しては・・・

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会社という生命体

18/04/25 コメント:0件 飛鳥かおり 閲覧数:175

アラームの音が鳴る。
私は布団から手を伸ばし、目を瞑ったまま手探りで目覚まし時計のスヌーズを切った。
心に鞭を打ち、布団から出たくないと訴えるもう一人の自分をバッサリと切り捨てる。
今日は火曜日、普通ゴミの日だ。私はパジャマのまま上着だけを羽織り、ファスナーを一番上まで上げた。夕べのうちにまとめてあったゴミ袋をベランダから持ってきて、つっかけに足を入れる。玄関のドアを開けるとひん・・・

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ニックネーム:『ゴミさん』

18/04/25 コメント:0件 アラウンド君 閲覧数:161

「ゴミさんって、覚えてる? 」
 美穂がドリンクバーから持ってきた野菜ジュースを飲みながら聞いてきた。
「ゴミさんって誰だっけ? 」
 私は、アイスコーヒーにミルクを入れながら、美穂を見た。美穂は高校の同級生の一人。大学生になった今も、暇があるときは、ファミレスに集合して、しゃべったりしている。今も、大学やバイトなどの、たわいも無い話をダラダラとしているところだった。
「私・・・

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