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ゆりかご

17/07/21 コメント:0件 猫春雨 閲覧数:23

 そのゆりかごはお母さんからのお下がりだった。
 お母さんもまたおばあちゃんから受け継いだらしい。
 当然私も、記憶には無いけれど使ったはずだ。
 そして、私の娘もまたそのゆりかごに揺さぶられている。
 このゆりかごは不思議だ。
 どんなに泣きわめいていても、ゆりかごに乗せるとピタリと泣き止む。
 そればかりか、きゃっきゃっと笑い声まで立てるのだ。
 おか・・・

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ライフツアー

17/07/21 コメント:0件 猫春雨 閲覧数:20

 危篤です。
 そう連絡があって、おじいちゃんの居る病院に、お母さんと駆けつけた。
 やつれた口元には酸素マスクが取り付けられ、おじいちゃんの胸がゆっくりと上下している。
 表情は穏やかで、とても危篤状態なんて信じられなかった。
 それでも先生は今夜が山でしょうとつぶやくように言う。
 私とお母さんはおじいちゃんの手を握ったけれど何も口に出すことが出来なかった。

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幸い

17/07/21 コメント:0件 くまなか 閲覧数:50

 俊樹ももう世帯をもつ。予定になかった妊娠だったが、長く付き合って家族同士の交流があったので、幸い好意的に受け止められた。或る日、妻の美穂子が不安も顕な顔で時間をくれと言うから、俊樹は釣られて不安になりながら、忙しい仕事を早く切り上げ、向き合った。美穂子は「これ」と一枚の便箋を取り出した。宛名宛先はない。
”俊樹ちゃんへ。大きくなりましたね。ずっと見てきたお母さんはとても嬉しいです。お式を挙・・・

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なんだか大変だったけど、お金もらえたー

17/07/21 コメント:0件 ちほ 閲覧数:17

 パブ『ロビン』の店主ピートは、6歳の息子ウォルターと『ごはん部屋』で昼食をとっていた。そして、食後のデザートとして用意された色とりどりのフルーツでいっぱいの大好きなパフェを、ウォルターはうっとりと見つめる。スプーンを手にした時、玄関のドアのカウベルが鳴った。ウォルターはパフェに夢中になりすぎて、ベルの音も父が席を外したことにも気がつかなかった。だから、父の友人である領主のユキヤにいきなり片・・・

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trip

17/07/20 コメント:0件 キュー 閲覧数:47

 あとは406号室か、智は踊り場から向かい合わせに建つ四号棟を見た。
 薄汚れた年代物の社宅である。当世風の瀟洒なマンションなどが周囲に立ち並ぶ中、くすんだ外壁の社宅はいかにも前世紀の遺物めいている。
 だが、部屋の窓には灯りがともり夕食時の和やかな活気があたりの空気にも満ちていた。食器のガチャガチャとぶつかり合う音、香ばしい焼き魚の匂い、テレビをみている子どもの笑い声。そんなものが漂・・・

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フィルタリング

17/07/19 コメント:0件 家永真早 閲覧数:67

 この口から発せられる汚い言葉すべて、綺麗な言葉になるようなフィルターが欲しい。優しい声になって、笑った顔になって、傷付けないことができたら良い。
 言葉は一番簡単な暴力だ。取り消せない言葉は深く刺さり、見えない棘となって蝕んでいく。
 だから暴言は無力になり、溜め息も舌打ちも不機嫌な態度も全部全部覆い隠して綺麗な姿にして欲しい。
 子供の時に投げられた言葉や態度は種となりやがて・・・

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悔しいけど愛、ということ 

17/07/19 コメント:0件 秋 ひのこ 閲覧数:51

 東名高速を東京から西に下ると、新幹線と違い富士山がほぼ正面に見える。大井松田ICの手前にきたところで、すっきりと晴れ渡る空に悠然と現れた名峰に並子はわざと「わあ、富士山」と声をあげ、ちらりと隣を見やる。
 中二の娘、彩は脇目もふらず、スマホに夢中だ。
 東京から京都に行くにあたり、何を思ったのか車で旅することにした。1泊2日、母娘のドライブ旅行である。
 富士川の河口に開ける富・・・

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サソリのサラダ

17/07/19 コメント:0件 maimo 閲覧数:67

「何か、違うんだよなあ」

その企画書は、私が金曜の夜から週末にかけて取り組んだ自信作だった。書類がデスクにぽんと返されたとき、褒められることしか想定していなかった私の頭は、真っ白になった。

「きみらしく全体的にはとてもよくできてるけど、何と言うか、面白味がない」
と、上司は言った。

春に三十歳になった。ゴールデンウィークはどこへも行かなかった。仕事に・・・

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輪廻という旅

17/07/19 コメント:0件 篠崎ショウ 閲覧数:48

 少女には母の記憶にいい思い出が全くない。
 その日もそうだった。少女が数学の小テストでで56点という芳しくない成績を出したことが、母親の逆鱗に触れた。
 少女は母親に無理矢理車に押し込められ、車はそのまま発進した。
 車中では少女に対し母親はありとあらゆる否定の言葉をかけ、少女を罵る。いつものことだ――少女が物心ついたときからこのヒトはいつもこうだ。
 少しでも少女が口答・・・

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ライバル

17/07/18 コメント:0件 小栗京 閲覧数:72

「妊…娠?誰が?」
「私に決まってるじゃないの!」
結婚して3ヶ月目の記念日に、妻の香織が妊娠した。
「嬉しくないの?!洸ちゃん!」
「い、いや。うれ…しいよ。」
正直、嬉しくはなかった。子供は、嫌いだ。ギャーギャー泣くし、オモチャを散らかしたり、物を壊したりする。なによりも…香織を独り占めにする…

そして、数ヵ月がたち、香織は元気な男の子を産んだ。男の・・・

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初恋は、時空を越えて…

17/07/18 コメント:0件 小栗京 閲覧数:84

その生徒は、いつも窓に腰を掛けて、空を眺めていた…
「ねぇ、そこにいると危ないよ?落ちちゃうよ?」
私が彼にそう言っても、
「平気、こんなの落ちないって!」
「やめて!危ないから!」
彼は、足だけを窓の下に掛け、逆さまになり…
「ほらね!落ちてないだろ?」
心配する私をよそに、悪戯っぽい笑みを向けた。他の生徒は、『またか…』と一瞬チラッと彼を見るが、また元・・・

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定年?いやこれからが人生だ!

17/07/18 コメント:0件 治ちゃん 閲覧数:38

・・・

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初めての女

17/07/18 コメント:0件 喜久之湯 閲覧数:47

「ん〜もう大好き」
 そう言いながら、女は俺に抱きついてきた。
 まったりとした時が流れている。レースのカーテンは柔らかに波をうちながら午後の日差しに揺れていた。

 こうして女の胸もとに身体を預けていると安心する。本来なら、男の俺が抱きかかえなければならないことは百も承知だ。だが、今は甘えておこう。
 俺が心から和んでいることを笑顔で伝えると、女は目じりを下げて微笑・・・

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そうして巡る

17/07/18 コメント:0件 村崎紫 閲覧数:38

今年、我が家の玄関にツバメが巣を作った。
ツバメが飛んでいるな、と思っていたらみるみるうちに泥と枯れ草で作られていた。掃除が楽になるよう、巣の下に空箱を置く。巣になり損ねた物と糞がよく落ちてきた。
調べてみるとツバメは雌雄で子育てをするそうだ。抱卵中はほとんど雌で、雌が食事に出る時だけ雄が温める。なかなかの育メンだなと思っているうちに、卵から孵化していた。
鳥と言うより黄色い口が・・・

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エイジハラスメント

17/07/17 コメント:0件 林一 閲覧数:49

 私はもうすぐ四十になる。ちなみに独身だ。
 仕事一筋でこの歳まで頑張ってきたのに、職場ではおばさん扱いされてつらい。私の方が若い子達よりも仕事ができるのに、何であんな若いだけの子達がちやほやされるんだか。あーむかつく。
 あれ? あそこにいる女の子、一人で泣いてどうしたのかしら? お母さんとはぐれちゃったのかな? 私の年齢だったら、今頃あれくらいの歳の子供を育てていてもおかしくないの・・・

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優曇華の猫水

17/07/17 コメント:0件 夏野夕暮 閲覧数:51

 『入壇希望のお檀家様を、当山は歓迎いたします。電話であれば日中はすぐにお受けいたしますし、公式サイトからの応募も受け付けております。お檀家様であれば、当山はペットの法要も承ります。拙僧が森羅万象あらゆるものの安寧と供養をお約束いたしましょう』

 我が寺の公式サイトではこう書いたものの、動物の供養の仕方など欠片も知らない。しかし昨今の檀家減少は著しく、こちらもなりふり構ってはいられな・・・

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雨。時々、ライオン。

17/07/17 コメント:1件 冬垣ひなた 閲覧数:79

 その金色を湛えた眼光は、僕が動物園で描いたライオンの絵によく似ていた。
 絵の中だけでもと思い檻を外して描いたライオンは、とてもけだるげな表情で、暮らしには困らないだろうに満足そうには見えなくて、僕は次第にやるせなくなった。
「これは、ライオンじゃない……」
 気が付くと、サバンナに置き去りにした本能をみなぎらせ、牙をむき出しにした獰猛な肉食獣の顔を、僕は紙に描き出していた。<・・・

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敷島早朝清掃隊

17/07/17 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:60

 青春をテールライトの乱反射に見間違えた少女たち、「敷島ナイトウォーカーズ」のメンバーは悩んでいた。
「あたしら評判悪いんすねぇ」
「敵チームとハルのは上等っすけど、それ以外の人らに嫌われたくねぇですよね」
「あたしこないだスタジオ締め出しくらいましたよぉ」
「それはあんたがドラムスティック盗んだからだろー」
「テヘペロっす」
「ふりーし、似合わねんだよ、あれは・・・

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楽園

17/07/17 コメント:0件 沓屋南実 閲覧数:75

 電話が鳴った。
 夫の出勤を見送り、朝食の後片付けをしながら、ラジオから流れる変拍子のワルツに耳を傾けていた。実家の母からだった。
「琉が、琉が……」嗚咽のような声だった。
「琉が交通事故を起こしたよ。すぐ風間病院へ行って」
 琉とは、私の4歳年下の弟だ。驚いて母に詳細をたずねるが、要領を得ない。命に別状がないことだけはわかった。取るもの取りあえず車で病院へ急いだ。

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のっけて丼

17/07/17 コメント:0件 林一 閲覧数:35

 日曜日。俺は娘と二人で魚市場にきていた。
 この魚市場には、丼ぶりに好きな刺身をのっけて、オリジナルの海鮮丼が作れるという名物、のっけて丼がある。久しぶりにのっけて丼が食べたいとさっき娘にせがまれ、急遽くることになった。
 娘はご飯の入った丼ぶりをもらうと、嬉しそうに色んなお店の前を歩き回っていた。
「おじさん、サーモンとハマチのっけて」
「はいよ、お嬢ちゃん」
「・・・

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琥珀色のメモリー〜続・とある猫のお話〜

17/07/17 コメント:3件 冬垣ひなた 閲覧数:91

 君はこの世に生まれてから、奇跡を何度も起こしたね。赤ちゃんの時に一人ぼっちになったときも、事故で身体の自由を失いそれを乗り越えたときも。
 雄猫だったのに子猫たちの面倒を見る君は、茶虎の明るい毛並みが自慢の、逞しいヤンチャ猫でしたね。繰り返される思い出話の中で語られるのは、君の元気だった姿ばかりです。
 君がこの世を去ってしまったのは、きっと不本意な事だったでしょう。私たちのお別れは・・・

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夜明け前の猫

17/07/17 コメント:0件 喜久之湯 閲覧数:70

 恋路は、すべて闇の中である。
 ある時は屋根づたいの先で事に及び、ある時は数十軒先まで聞こえるヨガリ声を出し、またある時は家の入り口で情事にふける。
 一筋縄では行かぬが、何処でもやってやるという気概に貫かれている……。

 ここ数日、いつも夜明け前になると、発情期のノラ猫が庭先で交尾にいそしむようになった。
 春なのである。

「ワォ! やってる、やっ・・・

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山でのできごと

17/07/17 コメント:0件 OSM 閲覧数:41

 ママときょうだいたちはベッドでぐっすり眠っているし、天気もいいので、ぼくは今日こそ山に行くことにした。「危ないから山に入ってはダメよ」とママは口うるさく言うけれど、ぼくはきょうだいの中で一番足がはやい。ほかのネコに出会ったり、悪いニンゲンに見つかったりしても、逃げきれる自信があった。
 家からだと大きな緑色のかたまりに見えた山は、近くに行ってみると、たくさんの木が集まってできていることが分・・・

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視線

17/07/17 コメント:0件 小夜 閲覧数:48

 僕の部屋には、いつからかおばけが出るようになった。
 それは決まって日が暮れる頃。
なぜその頃かといえば、空の端から西日の名残が消え、いよいよ手元が見えなくなった僕が、観念して卓上ランプをつけるからだ。
 すると窓の向こうにはぽつぽつとした街の灯りが、こちら側にはぼんやりと疲れた目をした少年が見える。手元には折り目のついたノートや、積み重なった教科書が隙間なく散らばっていて、石・・・

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僕らの猫救出作戦

17/07/17 コメント:0件 そらの珊瑚 閲覧数:56

 街を抜け、山道を上る。うねうねと続くカーヴの手前で慎重に車のスピードを落とし、曲がりきったあとから加速する。助手席で寝ている栞を起こさないように、ゆっくりと慎重に。オートマチック車はギア操作をしなくていいので、楽ちんだ。以前はマニュアル車に乗っていた。十年乗ったそれなりに愛着のあったスポーツタイプのツーシート車。買い替えたのは、栞と結婚したのがきっかけだった。僕のしがない賃金だけで二人が生活する・・・

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タワシくんのこと

17/07/17 コメント:0件 解場繭砥 閲覧数:51

 このたび下僕になることにしました。
 つきましては我が身のすべて、てっぺんからつま先に至るまで肉球のために捧げます。
 誠心誠意、全霊をもって、ご主人様にお仕えします。

  †

 結婚から一ヶ月後、家族が増えました。超促成栽培です。そういうジョークと共に友人にタワシの写真を送る。
 なぜタワシという名前になったかというと、与えたおもちゃで亀の子だわし・・・

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猫被りの街

17/07/17 コメント:0件 霜月秋介 閲覧数:216

「吉村ヨシコさん、どうやらあなた、猫病にかかってますね。お薬出しておきます」
「はい?」

 医師の思わぬ診断に私は驚きを隠せなかった。最近何日も眠れない日が続いて、私は精神的にも体力的にも限界に来ていた。うつ病なのではないかと疑い、思い切って精神科を受診したのだが、診断結果はまさかの『猫病』である。


 みんなが私に優しい。みんないつも、笑顔で私にお菓子やジ・・・

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二分の一 成人式

17/07/17 コメント:2件 風宮 雅俊 閲覧数:89

「とうちゃん、作文の宿題があるんだ」
 夕飯の片づけが終わって、とうちゃんが風呂に入る前に捕まえる。一日に一回のチャンスだ。
「おまえの宿題だろ?」
 逃げの態勢のとうちゃんに低姿勢かつ逃げ場を与えない様に言わなくてはいけない。
「生まれた時の事を両親に訊いて書かく様に先生に言われたんだ」
「産んでないよ」
 面倒くさい全開のオーラが出ている。
「とうちゃ・・・

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雑巾を絞れない子供

17/07/17 コメント:0件 戸松有葉 閲覧数:26

 昨今、雑巾を絞れない子供が増えている――。
 日本では、学校での掃除を児童・生徒が行なう慣習があるため、この実態が露呈した。
 しかし問題視されるようになったからといって、政府から家庭教育に口出しすることは自由を尊重しないことになる。対策が講じられることはなかった。
 必然、現状は続く。掃除自体は行われても、やはり雑巾は絞れない。
 子供らが絞ろうとすると、すぐ雑巾をバラ・・・

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魔王に育てられた勇者の子

17/07/17 コメント:0件 戸松有葉 閲覧数:49

 遠い昔のお話です。
 この国には魔王という怪物がいました。
 人間は魔王と戦いましたが、敵いません。人間の希望の星であった勇者も、命を落としてしまいます。
 しかも魔王は、まだ幼かった勇者の子供を連れ去りました。勇者の子供は、残された希望であったのに、それすらも失われたのです。
 人々は魔王に恐怖する日々を過ごしました。
 魔王は勇者の子、未来の勇者を、育てました。・・・

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父親、子供、母親

17/07/17 コメント:4件 戸松有葉 閲覧数:66

〇父親

 再婚同士だったが、俺は子供がいなかったため、再婚で初めて父親というものになった。
 まだ就学前の、男の子。正直可愛くて仕方なかったが、父親としての役割もしっかりこなさねばならない。すなわち、教育だ。
 その子には、言動がおかしいところがあった。また、病気を患っており、医師の言う通りに生活せねばならないという不自由さがあった。親として、より自覚を持たねばならないと・・・

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マミーにゃんこ

17/07/17 コメント:1件 泡沫恋歌 閲覧数:59

猫カフェ『にゃんこの館』のスタッフ猫、マリリンにはとても悲しい過去がありました。
マリリンはバーマンという珍しい猫で、長くて絹のような手触りの毛を持ち、綺麗なサファイアブルーの目、脚の先端がまるでソックスを履いたように白いのが特徴でした。
伝説では、バーマンはビルマ(現在のミャンマー)の高僧ムンハーのもとに現れたシンハというネコが起源といわれています。
マリリンには生まれた時から・・・

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私の赤ちゃん

17/07/17 コメント:2件 瀧上ルーシー 閲覧数:93

 私は赤ちゃんと二人でアパートに暮らしています。この子のお父さんはいないのですけれど私の両親が十分な仕送りをしてくれているため旦那がいなくても子育てに専念できます。よく覚えていないのですけれど赤ちゃんは今生後三ヶ月? きっと半年はこえていないと思います。
 ベビーベッドの上で寝ていた赤ちゃんが泣き出しました。きっとおしめだと思いましておむつ替えシートの上に赤ちゃんを仰向けに寝させてお尻を少し・・・

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山猫村

17/07/17 コメント:0件 キップル 閲覧数:49

 東北地方の山奥に、猫だけが住む村があるのをご存知だろうか。家々は朽ち果て、田畑は荒れ放題の中におよそ100匹の猫が暮らしている。そこには最近まで一人の老人が住んでいた。物語は半世紀も昔、その老人がまだ20代だった頃に遡る。

「すいません、この辺りに金色の猫がいると聞いたのですが、ご存知ないですか?」

 彼の名前は土田栄作。東京で三流オカルト雑誌の記者をしている。背は低・・・

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たった一つの冴えた飼いかた

17/07/17 コメント:0件 plum 閲覧数:47

 もともとは犬派だったので、猫は好きでも嫌いでもなかった。それが大嫌いになったのは、近所で飼われている猫が、頻繁にうちへ出入りするからだった。
 一匹ならまだ可愛いと思えないこともないが、数匹となると話が違ってくる。区別がつくだけでも五・六匹の猫に、入れ替わり立ち代わり敷地に入って来られて、どこかしらに残された糞尿の匂いが匂ったり、老朽化している車庫の屋根を走り回られて冷や冷やしたり、真夜中・・・

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恩返し

17/07/17 コメント:0件 いちこ 閲覧数:55

 午後11時。
 今にもぐったりと崩れてしまいそうな体を気力で動かす。まだ家には着かない、頑張らねば。
 仕事でくたびれ果てて、やっとのことで家まで帰るのはいつものことだ。むしろ今日は早く帰れた方で、日付が変わる日も多かった。遅く帰るからといって遅く出勤できるわけではなく、当然疲労は蓄積していく。このまま目覚めなければ良いのにと思いながら眠りにつく日々が続いていた。

 赤・・・

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一緒に見たかった景色

17/07/17 コメント:0件 要崎紫月 閲覧数:78

 三年生に進級する前の春休み、僕は父の勧めでアメリカ旅行に単身で行く事になった。
「リョウタ君はスゴいのね」
 学校帰り、並んで歩くヒナコちゃんが言う。
「一緒に行けたら良いのに。でも駄目ね」
「動画撮って見せてあげるよ」
「ううん、やっぱり自分の目で見たいな」
 そう言うと、子供っぽくにっこりと笑った。
 僕達は付き合っていなかった。けども、お互いの事を・・・

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被り物

17/07/17 コメント:0件 村崎紫 閲覧数:48

「あーぁ。もうやだー!」
溜めていた感情を近所迷惑にならない程度に上を向いて吐き出す。見上げた先は雲一つ無い満天の星空だったが、今の私の琴線には触れなかった。帰路にある人気の無い小さな公園はいつしか本音を吐き出す場になっていた。軽食と缶チューハイを買って夜風に当たりながら小腹と傷心を癒やす。私に必要な場所だった。どう見ても職質されそうではあるが、幸運にもまだそれは無い。
いつものベンチ・・・

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ずっと一緒

17/07/16 コメント:0件 しおこんぶ 閲覧数:51

 お久しぶりです。お元気でしたか?やっぱり予想通り。この公園で待っていればあなたと会える気がしていたんです。いやいや、そんなにびっくりした顔をしないでください。そりゃまあ、あなたと会うのは本当に久しぶりですが・・・。10年ぶり?いや、15年ぶりですか。月日が経つのは本当に早いですね。この15年間、何をしてらっしゃいましたか?特に変わりない?そうですか。私の方は本当にいろんなことがありましたよ。少し・・・

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しっぽが裂けても

17/07/17 コメント:0件 小高まあな 閲覧数:90

 生き物なんて飼うもんじゃない。
 そう思っているし、何度もそう言っているのに、同居人は構わず猫を拾ってきた。
「何度目だ」
「五回目かな」
 低い声での問いかけに、同居人はあっけらかんと答えた。そうじゃなくてだな。
「嫌いじゃないでしょ、猫」
 獣医には連れて行ったあとだという。手慣れやがって。
「まあ、そうだけど」
「ならいいじゃん、隆二のまあは・・・

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異種同棲生活〜猫と彼女と、ついでに俺〜

17/07/16 コメント:0件 市川 春 閲覧数:72

「モモ」

窓枠に寝そべった黒猫は、俺の呼びかけにわずかに耳を動かしただけだ。振り向きもしない。もしこれが彼女だったら、一声鳴かせるくらいの芸当ができたかもしれない。

猫は気まぐれとはよく言ったもので、我が家の黒猫も類にもれず、その類だった。

SNSで話題の最新猫じゃらしなるものを彼女がネットで取り寄せた時も、モモはチラッと視線をやったのみで、むしろその猫じ・・・

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あるニャン事訴訟

17/07/16 コメント:0件 光石七 閲覧数:65

 右手の甲に痛みと赤い筋が走った。――このバカ猫! 鬱憤が爆発し、私は即座にニャン事訴訟を起こした。K島ニャン裁M出張所はその場で受理してくれ、夕方からの審理が決まった。

「平成二十九年(ニャ)第22号。原告 七石ヒカリ、被告 七石ちー」
 私は静かに原告席に座った。ちーはニャン護士に抱きかかえられ被告席へ。訴えられているのに呑気に欠伸、毛繕い。私が睨んでもどこ吹く風だ。ほどな・・・

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ブローチ猫の憂鬱

17/07/16 コメント:0件 みや 閲覧数:51

私はブローチ猫です。生物学と科学の最先端の技術を駆使して作られた次世代型のブローチペット。ブローチ猫の名前の通りに小さなブローチにされた猫なのです。決してロボットではありません。普通の猫と同じく生きています。けれど私たちはごはんを食べる必要がありません。太陽や電気の光のソーラーパワーが私たちのごはんです。糞尿もしません。糞尿はソーラーパワーをエネルギーに変える糧になります。鳴くのは普通の猫と同じで・・・

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猫に占拠された町

17/07/16 コメント:0件 はじぬめぬめ 閲覧数:60

 ぼくの住んでいる町が占拠されたらしい、猫に。
 真面目くさった顔でニュースキャスターがそう告げているのだから嘘ではない。と思うのだが、まだ信じきれないぼくは、外に様子を見に行くことにした。
 玄関戸を開ける前、外から猫の鳴き声が漏れ聞こえたので、念のためドアスコープから覗く。戸のすぐ先には、黒、トラ、三毛の三匹が寝転んでいた。このまま開ければ、ぶつかってしまうかもしれない。猫に恨みは・・・

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キャプテンとノル

17/07/16 コメント:0件 キップル 閲覧数:42

「来たっ、真ん中にスライダー!一本出れば同点だ…、うっ!」

 バットの下方をかすめたボールは、コキン、と力ない音を立てて転がった。二塁手はやや緊張したぎこちない動きでボールを取り、一塁へ送球。

「アウト!ゲームセット!」

審判が声高々に宣言した。まるで間に合いそうもないタイミングでヘッドスライディングした俺は、ファーストベースにしがみついたまま放心していた・・・

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猫水仙人

17/07/16 コメント:0件 mokugyo 閲覧数:40

僕、ボクサツ!本名は撲田察男だけどね。「撲殺して〜な〜」って呟いてたらそんなあだ名がついた男さ!今日は猫のことを聞きに猫水仙人のところに来たよ。猫水仙人は、猫の顔してる仙人だよ!湖のほとりに住んでるんだよ。だから水がつくんだね。白い毛で、マジで猫の仙人って感じの貫禄なんだ〜。

「仙人!猫って気まぐれなんですか?ってか、猫ってなんで猫っていうんですか〜?」<・・・

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首ったけデイズ

17/07/16 コメント:0件 宮下 倖 閲覧数:44

 ヨゾラはまだぼくに慣れないみたいだ。
 ちょっと前まで野良猫だったらしいから仕方ないよね。
 でも、飼い主さんから「ヨゾラ」って名前をもらうくらい真っ黒でつやつやした毛並みに、赤い首輪のぼくはすごくよく映えると思うんだ。
 だから、前足で引っ掻いたり、不服そうに唸ったりしないでほしいな。
 ヨゾラはおそろしく元気な男の子だ。まったくじっとしていない。すぐに外に出たがって窓・・・

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旅芸人の娘

17/07/16 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:50

 僕が小学校3年のとき、白戸かなえという女の子が転入してきた。くるまえから、その子が旅芸人の子供だと、生徒たちは教室で噂しあっていた。僕の家から、河ひとすじ挟んだ向かい側にある、イゲタ座という大衆演芸場に、芝居公演にやってきた一座の娘なのだ。
 みたところは、小柄で、とてもおとなしそうな生徒だった。
 イゲタ座は、いつも向こう岸にみえているので、どんな建物かはしっていた。遠方からも、こ・・・

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自由律俳句 習作二十五編

17/07/16 コメント:0件 地底人 閲覧数:48


何もせず夜更け


チョウバエを殺して過ぎた一日


残金の勘定繰り返す夕べ


金が欲しいと賽銭投げる


安売りに群がる乞食と俺


Siriと2時間話して夜更かし


犬を食わすために生きている


蛙の轢死体 雨が慰める


消して消して ・・・

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ツイスミ不動産 物件1:豹猫島(ひょうねこじま)洋館

17/07/16 コメント:1件 鮎風 遊 閲覧数:66

 長い旅路の果てにきっとある、あなたの居場所。
 これからの残された人生は穏やかに、そして好きなように暮らして行きたい。そんな終の棲家をあなたはお探しではありませんか?
 お任せください、ツイスミ不動産に。
 あなたのご要望に応え、最高にご満足いただける物件をご紹介致します。

 こんな宣伝文句に乗せられたのか、今日も1組のシニアカップルFさんがツイスミ不動産の自動扉・・・

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