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弁当インフルエンサー

17/12/12 コメント:0件 霜月秋介 閲覧数:49

 今年、私が買った弁当箱はついに五十種類を越えた。すべては夫を始めとする『閲覧者』を飽きさせないため。どの弁当箱も、インスタ映えしそうな個性的な弁当箱だ。

 子供が生まれる以前は頻繁に外に出歩いていたので、行った場所や食べたランチなどをインスタグラムに投稿していた。でも子供が生まれて育児に追われる最近は家にいることが多くなったので、投稿するのは子供の成長の記録や、旦那に作った弁当ぐら・・・

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約束

17/12/12 コメント:0件 夏雲 閲覧数:27




君に伝えたいことがあるんだ。
あの日、君がいってしまった日。

君は待っていてくれたんだよね。
僕が来るのを、ずっと玄関の横で。

なのに、僕は間に合わなかった。というか、知らされなかったんだ。
君がいってしまうというのにね。

僕が君のただの入れ物に対面できたのは、君がいってしまってから何時間も後のこと。

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酢豚弁当の端にある

17/12/11 コメント:0件 野々小花 閲覧数:45

 大学を卒業して就職したが長くは続かなかった。半年で会社を辞めたあと、暎一はしばらくの間、自宅に引きこもった。深夜の弁当工場でアルバイトを始めたのは一年ほど前だ。鶏肉のミンチと細かく刻まれたキャベツとニラと長ネギを撹拌する機械の前で、暎一はただ立ってそれを見ている。
 機械に異常がないかとか、均等に混ざっているかとか、確認をするのが仕事なのだが、この一年の間に問題が起こったことはただの一度も・・・

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サプライズ

17/12/11 コメント:0件 みーすけ 閲覧数:52

 愛は待つこと、と誰かが言った。
 私にとっては、そんな言葉も他人事に過ぎなかった。今日この日までは。

 結婚三十年目にして、私は妻にプレゼントを送った。
 三十年間、妻にプレゼントを渡したことなど一度もなかった。それが何故、急にそんな気を起こしたか。
 私の職場に、事務のミカちゃんと呼ばれている女の子がいる。彼女の本名はミカではなかったが、牛乳瓶の底の様なメガネの・・・

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弁当箱の不思議

17/12/11 コメント:0件 みーすけ 閲覧数:57

 こんな事があってよいのか。
 俺が遭遇したそれは到底起こるはずのない出来事だった。

 朝起きたとき。あのときはまだ、あんな事が起こるとは、予想だにしていなかった。
 とにかく、今朝、俺は、昼に食べる弁当の準備をしていた。
 一人暮らしの俺は、節約の為、毎日自分で弁当を作っている。睡眠時間を削られるのは痛いが、昼飯代五百円を浮かすためにはいた仕方のないところだ。何せ・・・

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似たもの夫婦

17/12/11 コメント:0件 秋 ひのこ 閲覧数:47

 うっかり仕事用のタブレットを家に忘れ慌てて家に戻ると、居間が居間ではなくなっていた。
「あれ! どうしたの?」
 目を丸くする妻に対し、逆に「どうしたの、......これ」と尋ね返した。
 ごつい三脚に設置された一眼レフが見下ろすのは、明らかに蓋がしまらないほどこんもりと盛りつけられた弁当。それを囲むように白く薄い板が「コ」の字型に立てられ、巨大なスタンド照明が煌々と内側を照ら・・・

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緑の血

17/12/11 コメント:0件 浅月庵 閲覧数:122

 ◇
 些細なことで僕に緑の血が流れていると知られて、友達を全員失った。小学一年生の時だ。
 
 ただ時間が経つにつれ、血のことなんてみんな気にも留めなくなるけど、僕をボッチにする図式自体は変わらないまま続く。

 ーーもし心が可視化されたのなら、萎んだ風船みたいな形になってるんだろうけど、誰もそれに気づくはずもないので、僕は高校でも孤独の道を悲しく歩んでいる。

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あなたの胃袋が欲しい

17/12/10 コメント:0件 眠々瀬未々 閲覧数:39

 お弁当。弁えて当たれと書いておべんとうと読む。
 嘘。
 中国は宋代の俗語に、便利なことを意味する便当という言葉があった。その言葉が外来語として日本に入ってきた時、外出先で食事をするために便利なものという意味が加わり、弁を当てはめることになって弁当になったのだ!



「今日は鮭の照り焼きだよ」
 私は隣の同居人に話しかけた。
 マクベスと名付け・・・

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誰が為の弁当

17/12/10 コメント:0件 氷室 エヌ 閲覧数:41

 勤務先に合わせて、会社近くのアパートに一人暮らしをすることになった。壁の薄いワンルームで、手狭な間取りだった。びっくりするほど安くて、噂によると事故物件らしいが、男の一人暮らしには十分だ。
 ちゃんと自炊しようという当初の決意とは裏腹に、僕はすっかり疲弊していた。上司に注意され、胃を痛める日々。自炊する暇なんてない。昼食は菓子パンで済ませるような日々が、数ヶ月続いた頃のことだった。
・・・

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‘x‘ ミー子 ∧――∧

17/12/10 コメント:0件 t-99 閲覧数:32

 くびをかしげると眼下の生垣に無数のペットボトルが並べられていた。なんのおまじないだろう? 浮かんできた疑問を頭の隅に追いやり『クソネコ』とほうきを手にした怖いおばさんが出てくるまえに、わたしは車道にひょいと飛び降りた。
 優雅にしっぽを左右に揺らしながら、いつもの公園に足をむける。『ネコちゃん、ここではフンをしないでね』公園の砂場には看板が掲げられていた。当然、字の読めないわたしは用をたし・・・

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簡単なランチ

17/12/10 コメント:0件 満希虹里 閲覧数:38



学生で母子家庭の住み込みのベビーシッターをしていた時、日本の弁当に比べて、アメリカの手作りランチは簡単だと思った。母親のアリソンは夜勤の看護婦をして不在の時、小学生4年生のジェイソンは自分のランチを作っていた。母親が買い置きしたブラウンの食パンの一枚にピーナツバターとストロベリージェリー(ジャム)を塗り、もう一枚を上にのせて出来上がりで、透明ビニールのサンドイッチバッグに入れる。青・・・

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弁当屋は巡回する

17/12/10 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:38

 その人気の弁当屋は高層ビルの五十六階にあった。人気があるということは行列が出来るということで、弁当を買うためには列に並ぶ必要があった。普通の店ならばビルの五十六階までエレベーターを使って昇ればよかったのだが、この店は人気があるために階段を歩いて登らなければならなかった。つまり一番下の階から最上階までの螺旋状の階段をずっと人が並んでいるのだった。
 数時間並べば弁当が買えるというほど生易しく・・・

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サムの片思い

17/12/09 コメント:0件 満希虹里 閲覧数:39

東京のユースホステルで聞いた、イギリス人のサムの恋物語はだれかさんのように甘酸っぱい。

「両親は海外に住んでいたから、僕は寄宿舎にいて、田舎に一人暮らしをしているお爺ちゃんの家で休暇を過ごしたんだ」ハリー・ポッターのように、寄宿舎暮らしなんて、いかにもイギリスの男の子らしい。確かにサムはハリー・ポッターのように格調高いイギリス英語をしゃべる。「初めてヘザーに会ったのはおじいちゃんが・・・

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ティンダーデイト

17/12/09 コメント:0件 満希虹里 閲覧数:39


デイト・アプリでただ今、ティンダー(火付け)が世界で一番人気のあるのは名前のせいもあると思う。うまく名付けたと感嘆する。自分の写真を出してだれかが関心を示してクリックと「火をつける」から、拒絶の心配をせず、誘えるから確かに自尊心は傷つかない。せっせとスマートフォンの画面をこすりながら、若者は理想のデイト(相手)を物色する。でも、デイトに何を求めるかはっきりしないから、誤解は頻繁に起こる。<・・・

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オレオレの悲劇

17/12/09 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:34

美弥子がひとりで家にいたとき、息子の大樹から電話がかかってきた。 「おれだよ、大樹。母さん、困ったことになっちゃって――」 「大樹――あなた、本当に大樹なの」と美弥子は念を押すようにきいた。 それというのも、ちょうど一昨日、孫を連れて遊びにきた娘の桂が、ビールのジョッキを傾けながら、「これほど世間でオレオレ詐欺の被害がでているというのに、まだひっかかる連中が後を絶たないなんて、まったくどう・・・

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サムの片思い

17/12/09 コメント:0件 満希虹里 閲覧数:37

東京のユースホステルで聞いた、イギリス人のサムの恋物語はだれかさんのように甘酸っぱい。

「両親は海外に住んでいたから、僕は寄宿舎にいて、田舎に一人暮らしをしているお爺ちゃんの家で休暇を過ごしたんだ」ハリー・ポッターのように、寄宿舎暮らしなんて、いかにもイギリスの男の子らしい。確かにサムはハリー・ポッターのように格調高いイギリス英語をしゃべる。「初めてヘザーに会ったのはおじいちゃんが・・・

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蓋のムコウに

17/12/09 コメント:0件 デヴォン黒桃 閲覧数:61


 どこのクラスにも一人は居るような……昼休みになると、弁当を隠して食うヤツ……
 うちのクラスにもそういうヤツが居た。

 教室の隅ッコの窓側の席に、アイツは居た。
 昼になると決まって、教科書やらノートやらを開いて立てて、壁を作ってゴソゴソと顔を伏せて食っていた。
 そんな冴えないアイツを、バカにしていたクラスの人気者の男がいた。
 昼休みになると、決・・・

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血と灰の熱 ――リース・リストリイの喀血

17/12/09 コメント:0件 クナリ 閲覧数:95

 「歌と水の街」は、大陸の端にある一大芸能都市である。
 その中枢をなす歌劇団にあって、リース・リストリイは、中心的な存在ではなかった。
 歌い子の潮時は二十五歳までと言われる中、彼女は今年、二十八歳になる。
 最年長のリースの歌は、今なお最上級ではない。しかし、美貌は優れている。



 公演の後、私は歌劇場支配人の執務室に呼び出された。
「リー・・・

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人はなぜ生きるか

17/12/09 コメント:0件 木偶乃坊之助 閲覧数:52

「あなた何か勘違いしてるんじゃありませんか」
目の前の白衣の男が面倒臭そうに吐き捨てた。時折横にある画面を見つめてはその指示を「患者」に伝えるだけの人。現在の心理相談医、その昔精神科医と呼ばれていた人だ。
「あなたは生きる意味を見出せない。それなのに生に執着している。それは一体なぜですか?」
「別に急いで死ぬ意味もないから生きているだけです」
これは困った、という顔をして男・・・

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させてくれ

17/12/08 コメント:0件 井川林檎 閲覧数:122

 殺人鬼が乱入して、職場の皆が、あっというまに死んでしまった。
 イジワル課長も、悪口ばっかり同僚も、こんな死に方をするなんて、悲劇だ。

 わたしは幸い、倉庫にものを取りに入っていた。
 その最中を見なかったのは、せめてもの救いだ。

 本当は、倉庫にいる間、とんでもないことが起きていることを察していた。
 
 「うはははは、殺す殺すころーす」

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思春期障害

17/12/08 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:43

 母が作った弁当にロールキャベツが入っていて全てのおかずと飯を浸す汁を半ば投げやりとなった僕は啜る。

 ズズズッっと。

 あらゆるものが混ざったロールキャベツから染み出た汁は複雑怪奇な不味さでそこに思い遣りは微塵も感じられずにいた。 
 隣の席で弁当を食べるあまり仲の良くないミユはそんな僕の愛情たっぷりロールキャベツから出た憎しみ汁に浸される冷食とサトウのごはん達・・・

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真夜中に吠える

17/12/08 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:33

 ここに横断歩道が出来たのは、中田ん家の子供が轢かれ死んだからで、それほど車通りの多くないこの道にぽつんとある信号は不可思議にして違和感すらおぼえる。

 そもそも中田ん家の子供は赤信号だろうと車がきていなければひょいひょいと渡ってしまう奴だったし、まして信号がないところでは左右の確認を怠り横断してしまうような事が多々ある不注意極まりない子供だった。
 親が赤信号を無視する仕方が・・・

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怨むべき人

17/12/08 コメント:0件 大久保 舞 閲覧数:66

復讐の機会は、満を持して訪れた。

それは、成人式。

クラスの中心グループだった奴らは、間違いなく来るだろう。

僕は、黙って成人式の知らせの紙を握り締めた。


「あっれ〜、久しぶりじゃん!!」

こそこそ隠れるように成人式の会場に向かった僕に、奴らは声をかけてきた。

「俺たち、あれからずっと心配してたんだよ。良か・・・

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名探偵がおこす悲劇

17/12/08 コメント:1件 糸井翼 閲覧数:69

夏休みの懸賞で当たった宿泊券を手に、彼氏と山奥の秘境温泉宿へ行くことになった。でも、山奥のホテルで急な大雨の中、道路が通れなくなり、私と彼は宿に取り残された。ここで私はこのホテルでの誰かの死を予感した。彼と一緒に何かすると大体事件に巻き込まれる。じゃあ何で旅行に誘ったかというと、彼が好きだから。それに、彼は名探偵で必ず事件は解決する。もうこれはお約束。
案の定、事実上の密室で宿の主人が殺され・・・

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美味しくない弁当屋

17/12/08 コメント:1件 笹岡 拓也 閲覧数:104

私が働く弁当屋には毎日のように通い詰める若者がいる。彼はとても細く、顔も色白で覇気がない。
「あんたもたまにはしっかりした物食べなさいな」
私が彼に声をかけることもしばしばある。私が働く弁当屋には正直栄養バランスが整った弁当はない。どれも栄養が偏っていたり、油をたくさん使っていたりと健康志向ではないのだ。この弁当屋は健康志向よりも工場などで働くガテン系の方々に好まれる弁当を提供している・・・

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譲れぬおもい

17/12/08 コメント:0件 蓮華 閲覧数:56

 女は、静かに目を閉じた。

 ざわめき。
 これは一体何のざわめき。
 夕暮れを寂しくおもい鳴くカラスか、草木を揺らし撫で上げ空に、けして見えぬ姿の代わりに残していった風の声か。それとも、自分自身の心のざわめきか。
 でも、そのざわめきさえも消える。
 音が、聴こえた。一定に打つ音が。
 ドクンドクンと何故か懐かしく落ち着くその音は、彼の中から聴こえる。・・・

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懸賞小説中毒者

17/12/08 コメント:0件 木偶乃坊之助 閲覧数:48

「先月のことだよ。もう、いよいよ忍耐にも限界が来たと言うか、ほとほと呆れ果ててね。人間ですよ、人間。こんなに俗悪な生きもの他にいる? もうこれは一緒にやってけないと思って、ひとりで月に旅立ったの。世の中には社会を恨んで、誰かれ構わず無差別に攻撃する人もいるでしょ。でも私は傷つけたくなかった。だから月へ飛んだんです。誰もいない星で、一からやり直そうと思ってね。だけど着いて半日もしたら、妙に寂しくなっ・・・

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幸せは常に詰まっているのですよ。

17/12/08 コメント:0件 のあみっと二等兵 閲覧数:109



学校の昼休み。
私は購買部で買ったパンをかじっている。
「一緒に食べない?」
窓際の席で独りだった私に、クラスの中で一番綺麗なミサが話かけて来た。彼女は私の返答など聞かずに勝手に椅子を持って来て座る。
そんな様子を男子の8割が見つめ、なんだかそれが私に対する嫉妬にも似た感情だとは気付いていた。見えていれば、だが。
しかし私はミサに向き直るでもなく、窓に・・・

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弁当に関わる彼女の思い出

17/12/07 コメント:0件 小峰綾子 閲覧数:45

目覚めたら彼女からラインが届いていた。「昨日はごめんなさい。聞いてほしい話があります」
昨日は、紅葉がピークだったので公園を散歩していた。陽が落ち始めると風が冷たくなってきたので、もう少し歩いたらカフェにでも入ろうか、という話をしていた。

そこで俺は「春になったらピクニックみたいな感じでもいいな。弁当作ってよ」とふと言ったのだが、あれ以降彼女の様子が少しおかしかった。怒っている・・・

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相撲風景

17/12/07 コメント:2件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:70

 私が小学生だったころ、裏の山に大相撲がやってきた。  鹿が飼われた檻の横に建立された記念碑まえの公園に、垂れ幕をはりめぐらせたなかに、土俵をもりあげそのまわりを、いっぱいの見物人が集まっていた。  家が山のすぐ下にあった私もまた、お金を払って――子供料金は少額だった――相撲をみることにした。  稽古の模様を披露していたのか、若手力士たちに胸を貸しているのは、当時大横綱とうたわれた力士だった。肉体・・・

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忘れることのない味

17/12/07 コメント:0件 新成 成之 閲覧数:133

 時刻は十二時を周り、皆が仕事の手を止め、昼休みになった。
 俺は鞄からステンレス製のお弁当箱を取り出すと、ゆっくりとその蓋を外す。中には唐揚げやポテトサラダ。ほうれん草の胡麻和え等、俺の好きなおかずが詰められている。
「いただきます」
 両手を合わせてそれらを頂く。ほんのり温かいそのお弁当は、俺の心を暖めてくれる。

 一週間前の事だ。一つ上の先輩である世良さんにこ・・・

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想い出とともに君が降ってくる

17/12/06 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:58

想い出とともに雪が降ってくる
亡くなった妻の影がふんわりと静かに

夕暮れから降り始めた雪は
路面を薄く覆い街路樹に帽子を被せている
道に面した喫茶店のドアの隙間から
凍てつく風に運ばれて雪が入ってくる
冷たいはずなのに暖かく
雪に乗って想い出が降りてくる

雪が道行く仕事帰りの人の傘に積もる
帰る先には誰が待っている
行く先・・・

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弁当取締委員会

17/12/06 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:103

「なぁ康太!今日も学食行かね?」
「あぁいいよ」
俺は高校二年になった時できた友人と毎日学食で定食を食べることになっている。学食の定食はどれも250円と良心的な値段になっているが、高校生の財布から毎日はかなりキツい。それでも友人が毎日学食に誘ってくれるから、小遣いと貯金を切り崩して学食に通っている。
高校一年の頃は毎日教室で母ちゃんが作った手作り弁当を食べていた。レパートリーが少・・・

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少年の嘘

17/12/05 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:64

「僕のお父さんは会社の社長で、昨日も最新のゲーム機を買ってもらったんだ」

学校の昼休みの教室、少年はクラスメイト達に嘘をついた。少年の父は社長などではなく、中小企業の営業マンであり、勿論最新のゲーム機を買ってもらってもいない。

「おい、またこいつのお得意の嘘が始まったぞ。もう騙される奴なんかいないんだよ、嘘つき野郎」

少年の嘘を見抜いていたクラスメイト達は・・・

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まだ頑張りなさい

17/12/05 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:66

朝、交通誘導の仕事を終えた田中は、自宅のある木造アパートに帰宅すると、さっそく毛布にくるまった。季節は冬、凍えるような寒さは田中を容赦なく襲うが、それでも彼が暖房機器の一切を使わないのは、電気代節約の為である。

自身の仕事仲間であり、先輩でもある四つ歳上の高橋が仕事中に倒れ、搬送先の病院で亡くなったと聞いたのは昨夜の事だった。
雪の降りしきる深夜、高橋の辛そうに誘導灯を振る姿が・・・

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僕と彼女と、弁当と

17/12/05 コメント:0件 皇 藍羅 閲覧数:101

目覚まし時計が鳴る十分前、僕はある音で目覚める。まだぼんやりとしている頭を覚醒させたのは、炊きたての白米の匂いと包丁のリズミカルな音。
僕の名前は長谷川達也。中小企業で働く至って普通のサラリーマンだ。
冬真っ只中の肌を刺すような寒さに身を縮こませながら温い布団から出ると、その音と匂いの発生源であるキッチンに向かう。
「おはよう」
「あれ、達也くん。朝早いね?まだ・・・

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メタリックツインテールナンバーエイト

17/12/05 コメント:1件 ちりぬるを 閲覧数:97

 酷い冷え性で手がかじかむのです。私がそう告げると彼はチェーンソーで私の手を切断した。赤い飛沫が彼の服を汚す。彼はそのことに腹を立てた様子もなく、これでもう辛い思いをしなくて済むだろうと私の頭を撫でた。本当に優しい人だと思う。
 でも、と私は手首から先がなくなった自分の腕を見る。赤い液体がまだポタポタと滴っていて絨毯に染みが広がっていく。でもこれでは髪を梳かすことが出来ないわ。彼はソファーに・・・

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あの日に戻れたら

17/12/05 コメント:0件 ちりぬるを 閲覧数:65

 笑えない、最悪な連絡を私は決勝戦の舞台袖で聞かされた。

 私となーこは出会ってすぐに意気投合し、その日のうちに漫才コンビを結成した。芸人にしておくにはもったいないくらいの容姿なのに天然ボケで人見知り、一人ではなにも出来ないなーこは、なにをするにも私の後をついて来た。
 なーこがボケて私がツッコむというスタイルで五年やってきた。私が書くネタには絶対の自信があったがなかなか芽は出・・・

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味のしない惣菜弁当と、彼女

17/12/05 コメント:0件 yuzame 閲覧数:95

 何だこの食感は。とても文化人の食事とは思えない。いくら咀嚼しても飲み込めない繊維質な野菜。口の中でぼそぼそになる煮物は水分を余計に要する。味なんてしない。ゴムとか粘土とか、そう言ったものを食べている錯覚に陥りそうになる。
 いや、しかしこれは紛れもなく弁当なのだ。一見してごく普通のありふれた惣菜弁当。当然、これを口にしたとて、こんな酷い感想を述べる者もそういないだろう。時折にじむしょっぱい・・・

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から揚げの入っていない「から揚げ弁当」

17/12/05 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:72

 また、から揚げが入っていない。
 週に一度、夜中になるとから揚げ弁当が無性に食べたくなる。アパートを出て五分ほど歩けば馴染の弁当屋がある。線路沿いの小さな弁当屋、二十四時間営業なので夜型人間の僕には助かるのだが、ここの店主はよく弁当の中身を入れ忘れるのが難点だった。
「トンカツ弁当なのにトンカツが入ってなかったよ」
 弁当を買いに行ったとき、こんな苦情を言っている客に出会ったこ・・・

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弁当、ジャガイモ、中学生

17/12/05 コメント:0件 木偶乃坊之助 閲覧数:46

「あ、また見てる」とジャガイモが後ろの席から茶化してきた。見ていたのは佐伯京子さんの姿である。母の情報によると佐伯さんのお母さんは病弱で入院しているらしく、それゆえ家事は娘である佐伯さんが担当している。すると現在、彼女が食しているピーマンの肉詰め、あれもきっと佐伯さんの手作りなのだろう。
「ほんと、ムッツリスケベだよね」とジャガイモがまた後ろから茶化した。全くこいつは本質を分かっていない。僕・・・

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禁忌

17/12/04 コメント:1件 石蕗亮 閲覧数:122

 初冬の冴え冴えとした夜空に鮮やかな満月が浮かんでいた。
その中を私は独り足早に家路を急いでいた。
街灯は少ない。
道の両端は既に稲刈りも済んだ田んぼが続いている。
路面は所々凍結もあるので自転車は止めた。
最寄りの駅から自宅までは1km強。
自宅周辺まで民家や人気は無い。
その道中を私は白い息を吐きながら足早に急いでいた。

 後ろから来る「・・・

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恋は2度目から

17/12/04 コメント:0件 南野モリコ 閲覧数:73

日が短くなった美術部の部室で、1年生の高橋カズエ19歳は、1人キャンバスに向かい、彼が来るのを待っていた。部長の近藤俊彦は、皆が帰ったこの時間に、コンクールに出品しようと密かに製作している大作に手を入れに来ているのをカズエは知っているのだ。

うふ、近藤先輩。先輩は、照れ屋で自分からは私に話しかけられないから、私が2人になる時間を作ってあげたわ。先輩は、すごく気を使う人なのよね。2年生・・・

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或るイタコの狂い死に

17/12/04 コメント:0件 木偶乃坊之助 閲覧数:41

 封筒を開けるとピン札の束が2つ入っていた。風俗嬢か何かだろうか。随分と金回りがいいものだ。俺は涼しげな微笑を浮かべて「きっとQ太郎ちゃんも浮かばれますよ」と適当なことを言った。

 風俗街の裏通りにある雑居ビルの一室で『イタコ占い 痛子の館』をオープンしたのは三ヶ月ほど前のことだ。いいかげんなネーミングから分かるように、思いつきで始めた商売である。ドンキで数珠や白装束、長髪のウィッグ・・・

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今までなくしたもの

17/12/04 コメント:2件 霜月秋介 閲覧数:160

『あなたが今まで失くしたもの、すべて見つけてお届けします』
 会社の昼休みにスマホでネット検索をしていたら、そう書かれた広告を見つけた。ためしにその広告を開いてみた。
『ご登録有難うございます。お客様の名前は井尻 須磨雄さまですね。生年月日は×月×日、ご住所は…』
 なんと広告を開いた途端に、俺の個人情報が次々と表示されていた。まずいと思い、すぐその広告を閉じようとしたが、何処を・・・

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山の病院

17/12/04 コメント:0件 小林健三 閲覧数:49

 山奥の森の中に小さな病院が立っている。昔は陸軍の関連病院だったという。そこでは、極秘裏に人体実験が行われていた、そんな噂がある。ミズナラやブナがうっそうと生い茂る薄暗い森に囲まれた立地が、そんな噂を呼んだのだろう。戦後は民間に払い下げられ、長い間、隔離病院として使われてきた。現在は、慢性疾患の患者のみを扱う病院になっている。近年の診療報酬改定により、長期療養の患者だけでは病院の経営が成り立たなく・・・

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シック・アズ・ア・ドッグ

17/12/04 コメント:0件 むねすけ 閲覧数:100

 入院、となって却って安心してしまったのか、見舞客と話し込んで楽しい。
 毎日増えてゆく花束、果物カゴ、果ては社員の皆さん入魂の千羽鶴。職場に三十年弱居座った古だぬきに残された枯れ葉が見事に化けたものだ。
「病院食はどうですか?」
「うーん。まぁまぁね。胃の病気だから贅沢は言えないわよ。そうねぇ、ミルミルがこんなに美味しいって思わなかった。もー、みるみるうちに減ってく減ってく。パ・・・

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火車(かしゃ)

17/12/04 コメント:1件 冬垣ひなた 閲覧数:118

 眼を閉じても、見開いても、広がるのは虚ろな闇ばかり。右も左も、天も地も定かでない奇妙な空間に、いつから佇んでいたのか敦司にも分からなかった。
 前後の記憶はひどく曖昧だったが、手の中に温かな光源を見つけて少し驚く。使い込まれた折り畳み式の携帯電話は、懐かしい思い出の品だ。
 か細く光る携帯電話の光を頼りに、敦司はおぼつかない足取りで歩き始める。
 行けども行けども闇。
 ・・・

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吸血鬼カフェ

17/12/04 コメント:1件 泡沫恋歌 閲覧数:79

 木製の大きな扉は自動ドアになっていて、軽く触れるだけで開いた。だが、ギィギィーギギィ―――と不気味な音がする。どうやら音響効果としてそんな音をつけているらしい。同時に来客を告げる呼鈴にもなっていた。
「いらっしゃいませー」
 全身黒ずくめの若い男が出てきた。
 店内は薄暗く、電燈のかわりに蝋燭の炎が揺れている。煉瓦の壁には不気味な肖像画が飾ってあり、木のテーブルが三つ、各テーブ・・・

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愛しのミリア

17/12/04 コメント:0件 小高まあな 閲覧数:71

 どんなホラー映画よりも怖いのは、君がいなくなることだ。
 愛しい君が僕の前からいなくなる。それは僕にとって、世界の滅亡と等しい。君がいない世界で生きている意味なんてあるだろうか?
 それに僕は、君とだから生きていけるのだ。
 例え、チェーンソーを持った殺人鬼が襲ってきても、ゾンビ化した人々に囲まれても、未知のウイルスが蔓延っても、ポルターガイスト現象が家で連発しても、謎の着信が・・・

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