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第141回 時空モノガタリ文学賞 【 黒板 】

今回のテーマは【黒板】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2017/09/25

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は3作品とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 募集中
コンテストカテゴリ
投稿期日 2017/07/31〜2017/08/28
投稿数 43 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数 3
総評

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投稿済みの記事一覧

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サヨナラマタネ

17/08/19 コメント:0件 kanza

「君たちは死んでしまったのですか?」

 美術室の窓の向こうに見える姿は、緑に覆われることも、薄紅に包まれることもないまま、校門の横で佇んでいる。

 ねえ、地震で激しく揺れたからなの? 
 それとも津波で塩水に浸かってしまったから?

 私がこの中学に入学して1年が経とうとしていたあの日から、君たちからは力が消えしまったままだ。
 ふと、入学式に校・・・

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Sまち伝言板物語

17/08/18 コメント:0件 秋 ひのこ

 町役場の一角に、S町歴史資料館がある。「館」とは名ばかりで単にだだっ広い展示室があるだけだが、中学の夏休みの課題のため、私は初めてそこを訪れた。
 あまり管理も整理もされていない展示物を見て歩き、あるものの前で足を止める。
 力ずくで記憶が呼び出される。
 それは、駅の「伝言板」だった。



『なわとびのテスト がんばれ! じい』
『ぜんぜんだ・・・

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正人の憂鬱

17/08/18 コメント:0件 田中あらら

 正人が書くものは、数式だけではなかった。自室にある一畳ほどの大きさの黒板には、頭に浮かぶアイデアや疑問などがあちこちに書かれていた。真ん中は現在進行中の課題であり、象形文字のような悪筆で主に数式が占領していた。正人は、憂鬱を抱えた数学科の学生だった。

 彼は小学生の頃、少なからず自分の書く字に対してコンプレックスを持っていた。彼はまっすぐにかけず、一つ一つの字もどこかアンバランスな・・・

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黒板小説

17/08/17 コメント:0件 浦田かず

 ある日のことでございます。龍太が千代田区の大型書店に入っていきます。入ってすぐ目につくところに売れ筋の本や新刊が置かれています。平台と呼ばれるところにございます。そこに変わった本が一冊置かれています。F8サイズのスケッチブックほどの大きさの本でございます。その本の手書きポップには「今話題の黒板小説」と書かれています。丁度売れ筋なのでございましょう。

 龍太はその本を手に取ります。表・・・

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消えないチョークの文字

17/08/14 コメント:0件 ケイジロウ

 ある日のことだ。教室に入ると黒板がなくなっていた。
 確か昨日まであった。昨日は僕が日直だったのでその記憶は確かだ。
 しかし、昨日僕が消していたチョークの文字は本当に存在していたのだろうか。なぜ自分の記憶に疑いを持ってしまうかというと、教室に入った時、黒板がないこと以外いたっていつも通りだったからだ。貴志はいつも通り難しい顔で難しい話を男子たちとしながら敏子のことをチラチラ見ている・・・

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黒板の授業

17/08/14 コメント:0件 和泉結枝

 私は、黒板に字を書くのが苦手だ。
 思ったことはないだろうか。慣れた筆記用具で慣れた水平面に書くのと、慣れないチョークで慣れない垂直面に書くのとでは、感覚が違い過ぎると。ただでさえ自分の字に自信がないのに、どうせすぐに消されるのに、わざわざ先生とクラスメートの前で披露しなければならないなんて、もはや罰ゲームでしかない。学校生活においてこんなに重要なスキルなら、数学や英語の授業だけでなく『黒・・・

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時間

17/08/14 コメント:0件 浜川 流木

 丁度、円卓を囲んで、僕と母と祖父は朝食を食べていた。
 
 祖父は、三か月前に転んで頭を打って、正気を失った。病気一つしない、元気なじいちゃんだったけれど、今ではへの字によじれ曲がった口の隅から涎を垂らし、震える手で持ったスプーンを必死に口に運ぼうとしている。
 「もうおじいちゃん、片付かないから早く食べてよね」
 母はもう壊れたCDプレーヤーみたいに同じことをまた祖父に・・・

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今日もまた

17/08/13 コメント:0件 村升 青

薄暗い教室に入ると、彼がそこにいる事に気が付いた。
「誰からも見られるのに誰にも見てもらえない。何だか分かる?」
生徒の椅子や机に背を向けて、教卓に腰掛けていた彼はそう言って俺の方を見た。

「正解は、俺」

日も沈んだ紫の暗さの中、彼は黒々とした影にしか見えず表情は到底窺えなかった。
「でもお前は見てたな俺のこと。他の奴とは違って、俺を見てた」
感・・・

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黒板と虚無と変態と

17/08/13 コメント:0件 地底人

 灼熱の日差しの中で、墓石が陽炎に揺れている。耳元のラジオでは火蟻駆除のニュースが流れている。似たような墓に囲まれながら、彼の墓はいつも何処か寂しげだった。傍の小さな黒板を拾い上げて積もりに積もった汚れを叩く。1年前に書いた文字は既に消えてしまっていた。追悼の思いを込めながら、新たにチョークで「渡辺」と書いた。

 仕事に疑問を感じて辞めようかと悩んでいた27歳の夏だった。管轄の女子校・・・

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朝のメッセージ

17/08/12 コメント:0件 木原式部

 ――今日は入学式ですね、楽しい学校生活が待っていますよ!
 黒板に白いチョークで書かれた文字が、僕の目に飛び込んできた。
 中学校の入学式に向かっていた僕は、何気なく通り道にあった洋食屋の「今日のメニュー」と書かれた黒板に目をやり、メニューの横に書いてあるメッセージを見つけた。
 僕は今から入学する私立の中学校まで、電車を乗り継いで通うことになっている。なぜそんなに遠い中学校へ・・・

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17/08/12 コメント:0件 セレビシエ

カツ、カツカツ、カツと小刻みに、リズム良く、チョークが黒板に当たる音がする。
先生は張り切って大きな声をだしているが、回りを見渡すとあくびをしていたり机に突っ伏していたりだった。
私は一番後ろの席からそれを眺めていた。
カツカツカツ、カツカツ。
カツカツ。カツカツカツカツ。
この心地良い音と先生の大きな声が混ざりあって睡魔が襲ってくる。
私はこの睡魔に打ち勝とう・・・

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ブラックホール

17/08/10 コメント:0件 セレビシエ

「黒板ってずうっと見ていると吸い込まれそう」
君がそう言うから僕はじっとそれを見つめてみたが、さっぱりそんな感じはしなかった。
放課後の誰もいない教室。少し開いた窓の隙間から冷たい風が入ってきている。
君はなんだかうっとりした様子でそれを見ていた。
僕はドキドキしてしまって、何を言うべきかわからなくなってしまった。
「ブラックホール」
君が呟いた。
「黒・・・

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王国に花火が打ち上がり、彼女の願いは……

17/08/10 コメント:0件 ちりぬるを

 リカとナナコが友達の範疇を超えて仲が良いのは恐らくクラス中が知っていた。なにを言われても二人共否定しないので、その噂は夏休みが始まる前には学校の生徒が知るところとなっていた。だから蝉の声がうるさい夏期講習の教室で背中に丸めた紙を投げつけられた時も、どうせいつもの嫌がらせだろうとナナコは思っていた。
無視していると次に消しゴムの欠片が背中に当たり、あまりにしつこいので振り返ると二つ後・・・

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ちっちゃな空

17/08/10 コメント:0件 こぐまじゅんこ

 ここは、わくわく森。
 木の切り株の上に、みどりいろの板と、白いぼうきれと、ふかふかした四角いものがおいてありました。
 くまさんが、やってきました。
「なんだろう?」
 みどりいろの板をたたいてみます。
 コツコツ音がしただけです。
 白いぼうきれをなめてみました。
 何の味もしません。
 四角いものをおしてみます。
 ゆびが、ぐーっとうも・・・

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黒板の本当の意味

17/08/09 コメント:0件 ふわふわひかる

白いキャンバスを真っ黒な絵の具で塗りつぶしたような夜。
先程まで多くの生徒が日常を過ごしていた教室は夜になるとそんな作ったような黒色になる。
俺は生徒が1人も残っていない暗い教室で1人立ち尽くしている。
まるで暗闇の海面を漂うカモメのようだ。
俺は十数年も前に先生が言った言葉を思い出していた。


「黒板ってね、虚空板っていう戦前使っていた言葉が変化したも・・・

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特等席

17/08/09 コメント:1件 霞 藍璃



進学校の黒板が、毎日、どんなに酷い目に遭っているのか
あなたは知っていますか?


筆圧の強い教師に、顔いっぱいに文字を書かれ、乱暴に消される。
50分の間に何度も何度も書いては消され、毎日毎日その繰り返し。
あまりの筆圧の強さに、
チョークがパキンと折れてしまうことだって、よくあるのですよ。
教師の唾はシャワーのように飛んで来て、<・・・

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この雰囲気を壊さないために

17/08/08 コメント:0件 笹岡 拓也

私は旭ヶ丘中学校の問題児ばかり集まる3年2組の担任をしている。どうして私はこのクラスの担任を任せられたのか?きっと私を好まない先生の嫌がらせと考えている。
しかし問題児と言っても所詮は中学生。受験を控えて精神バランスが整わないことから、不安になり悪さをしてしまうような子たちだ。そんな不安定な感情を抱く年頃だから仕方がない。そう私は解釈する。
私は3年2組の担任になってから二ヶ月、意外に・・・

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飛行機雲

17/08/08 コメント:0件  浅縹ろゐか

 真っ直ぐに引かれた横線は、飛行機雲のようだった。

 *    *    *

 日直の仕事である学級日誌を書き終えて、ふと黒板を見ると誰がやったのか明らかな悪戯書きが残っていた。この教室には私と彼しかいないからだ。
「黒板、消しておいてよね」
「なあ、一寸見てろよ」
 私の言う事は聞こえていなかったのか、彼は黒板に白く横線を走らせる。これが一体何を意味・・・

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明日からも

17/08/08 コメント:0件 瀧上ルーシー

 呼ばれることは呼ばれていたが、卒業式の後の打ち上げには参加しないで適当に時間を潰してから高校に戻ってきた。今日卒業した三年生の教室は全部で五クラスあって、そのすべてを俺は観に行った。学校独自の臭い、それとは別に精神的な部分で感じる雰囲気。今日は特別な日だった。これから俺達は別々の道を歩いて行く。いつもは見るのも嫌だったが、この日だけは黒板を観るのが楽しかった。
 クラスの卒業生全員の似顔絵・・・

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幸せの青い板

17/08/07 コメント:0件 山盛りポテト

「ちょっと」
俺は突然背後から話しかけられ、驚き体を仰け反らせた。
「ん・・・どうしたんですか」
この敬語は同級生、いや下級生に対しても同じだ。人との距離感を掴めないため、せめて不快にさせまいと常に敬語を使っていたのだが、どうやら余計に奇妙な人間になってしまい、今さらやめることもできず、ずっとこの調子だった。
そして休み時間中にいつも寝たふりをしていたので、さも今起きたよう・・・

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黒板に

17/08/07 コメント:0件 忍者猫

 黒板に向かって、芽衣子はかつかつと書き込む。
「教室でボヤが起きたのは、午後三時。学年末試験が始まっているから、教室にいた人間は居ない筈」
 『ボヤ発生』、『午後3時』、『無人』と書かれた横に、来人が癖のある右肩上がりの字で『採点中の教師』と足した。
「そうでもないよ、他人が居ると集中出来ないとか、字が汚ないのを気にして担任教室で採点やってる先生居るぞ」
 芽衣子は肩を竦・・・

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黒板の数字たち

17/08/06 コメント:0件 Sage.N

 あるところにある、ある学校の、ある教室の黒板に、数字の1が書かれていました。1ばかりではありません。2も3も、4も5も6も、7も8も9も、10まで書かれていたのです。
 その数字たちは、しきりにおしゃべりをしています。数字がしゃべったりするでしょうか? するんです。そこは、まあ、お話ですからね。
「見て、3さん。あの子の貧相な体つき。いまにもポッキリ折れてしまいそうよ」
 いじ・・・

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チョークと先生

17/08/06 コメント:0件 

予鈴が鳴る。
次々と席を立つ人波に紛れ、千紗子も教室を出た。あまり目立たぬように、しかし出来るだけ早く。先生のいる、生物室へ。千紗子は教科書を抱きしめ、早足で廊下を歩いた。
生物室には既に半数近いクラスメイトが移動していた。人の合間を縫うようにして、左端の一番前の席に着く。黒板が見えにくいだとか、何かと不満が多い席だが、千紗子にとってここは特等席だった。
教科書を置き、セーラー服・・・

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体育倉庫の二律背反ブレイクダウン

17/08/05 コメント:1件 クナリ

 朽ちかけた黒板に、僕は白いチョークで『奴を殺す』と書いた。
 すると、ひとりでに赤チョークの文字が、僕の文字のすぐ横に現れた。
『殺すな』



 僕の中学の使われなくなった体育倉庫は、古く、へちまに絡み付かれて、その存在を知る生徒も少ない。
 だから僕が放課後に一人で入りるのに、とても都合がよかった。
 同級生のゴツアキ君仮には学校にいる間中い・・・

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見えたり見えなかったりするもの、なーんだ?

17/08/05 コメント:0件 ちほ

 僕らは中学3年生で、あと10日もすれば卒業する。期末テストも高校入試も無事に終わり、眠たくなりそうな優しい時間に包まれていた。クラスメートと共にいられる大切な時間を誰もが楽しく過ごしていた。もう授業はない。卒業も近く、飛び飛びに休みが入っている。家でのんびりしてもいいのだが、誰もが友だちとのお喋りを楽しみに登校していた。ここでいう『友だち』は『クラスメート全員』のことだ。46人のクラスメ・・・

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ロードムービーみたいなあたしの絵日記

17/08/05 コメント:3件 むねすけ

 夏休みの絵日記に丁度いいわ。
 父さんのスタンドバイミーごっこに引率つかまつろう。
「海外映画と時代劇、父さんとお母さんの娘やなぁ」
 八月の帰省は毎年、母さんの田舎。おばあちゃんが迎えてくれる愛媛県松山市。それにプラス今年は父さんの帰省。
「お母さんは留守番しとくわ、お腹これやもん」
 愛媛のおばあちゃんちは?
「そっちは帰るがね。お腹これでも」
 も・・・

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黒板日記

17/08/05 コメント:1件 文月めぐ

 煉瓦造りが特徴のその古めかしい喫茶店は、僕が約十年前から行きつけにしている喫茶店だ。仕事でストレスがたまっていた当時、コーヒーの香りに誘われるようにふらりと立ち寄ってみたのだが、そのコーヒーがなんとも優しい味だった。それ以来、そこのコーヒーが病みつきになってしまったのだ。
 店名はひらがなで「おたべ」と書く。その名前はマスターの田部正樹さんの名前からとっている。
 僕が「おたべ」に通・・・

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性癖ベクトル

17/08/04 コメント:5件 浅月庵

 ◇
「舐めて綺麗にしてよ」
 あなたはそう言って、唇を結んで微笑むと、大きな瞳を三日月形に歪ませた。
 その言葉を浴びた途端、私の体に流れる血液が、沸沸と煮えたぎっていくのを感じた。

 ◇
「このグラビア、やばくね」
 同級生の男子Aが雑誌の巻頭ページを開いてみせると、他の生徒に同意を求めた。
「俺はスレンダーな方が良いなぁ」
 男子Bが大・・・

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再会したい

17/08/03 コメント:0件 ぴっぴ

大学のキャンパスの目立つ通りに『将来の夢』を書いて下さい……という黒板が現れた。設置当初は学生たちも冷ややかだったものの、最初に『よし君のお嫁さんになりたい』と口火を切ると、2〜3日後には書く場所すらないほど未来の夢と理想で一杯になった。
「見ろよ! 高橋! 弁護士だってよ! ウチに法科ないのになに考えているんだ?」
この企画を立ち上げた山田が黒板を見て笑った。
「こっちも見て!・・・

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あの花に思いをのせて365日の花言葉

17/08/03 コメント:0件 t-99

 
 終業式の朝、いつものように早起きをしました。吐き出す息がもう白くはありません。新聞配達屋さんの運転するバイクが「ブルン・ブルン」と近づいてきます。バイクに追い抜かれないよう、桃花は一飛びで学校に行きました。
 教室には担任の梨花先生がいます。先生は教室の窓を全部開けて、新鮮な空気を取り込んでいました。花瓶の水を替え、教室に花を飾ります。今日は桃花の大好きなマーガレットの花を飾って・・・

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僕らに黒板は似合わない

17/08/03 コメント:1件 j d sh n g y

賑やかなダイニング・バーの店内の黒板にはメニューを兼ねたチョーク・アートが描かれている。

僕は、紗良とテーブルで料理が運ばれてくるのを待っていた。海鮮盛りだくさんの石釜ピザと、チーズとバジルのジェノベーゼパスタ。

僕らはチョーク・アートを眺めながら、休憩時間にした他愛のない落書きについて語り合った。ふざけ半分で描いた相合傘、美術部の本気デッサンなど、出身校は違えど黒板と・・・

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砂浜の黒板

17/08/02 コメント:0件 かわ珠

 僕の学校のすぐ近くには海がある。そこに僕はクラスメイトと一緒に来ていた。
 理由は特にない。彼女とは帰る道が同じ方向だし、一緒に帰る途中、この砂浜でちょっと話をしていくこともよくあることだった。話の内容も、特別なことはない。最近できたカフェのチーズケーキが美味しかったの、と彼女が話せば、昨日のサッカーは凄い試合だった、と僕が話す。その程度の何の変哲もない平凡な会話だ。けれども僕は、こんな時・・・

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黒板に導かれ掴んだ未来

17/08/01 コメント:0件 ちほ

僕の記憶に『弟が生まれた夜』が強烈に残っている。
    ◇
<6歳の貴方は、父上様に命じられて狭い一室に軟禁状態にありました。そして誰とも口をきいてはならない、とも命じられていました。マロリー家の長男として生まれたけれど、望まれた命ではなかったからです。母上と愛人との間に生まれた子だったそうです。父上様は、自分にまるで似ていない貴方を憎みました。次に生まれる子が妹であれば、貴方・・・

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チョークペインティング

17/08/01 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

 昼の休み時間になると、夏也は黒板に向って、せっせとチョークをはしらせた。
 たちまち黒板の上に、クラスの生徒の顔が浮かびあがった。彼はそれからも次々と、クラスメートたちを描きつづけた。それはじつにリアルで、陰影もまた巧みで、なかなかどうしてチョークひとつでよくここまで描けるものだと目をみはるほどの、素晴らしい出来栄えだった。
 しかし教室のみんなは、絵には感心するものの、それの作者の・・・

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書き足した言葉

17/08/01 コメント:0件 蔵内一生

コツッ…コツッ…コツッ…

指揮棒が、机の上をリズミカルに踊る…

「…。」
「ほー。俺の授業に居眠りね」

周りの視線が痛い!

「そんなに、俺の授業は眠いか?小柳」

昨日夜遅くまである事で考え耽ってたせいで、我ら2A担任の溝口の授業中に…

「いえ…すみません」
「ほんと、お前という奴は…」

不・・・

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黒板は今日も緑

17/08/01 コメント:0件 miccho

「この世は虚構と欺瞞だらけだ!」
 隣で六車正和が騒いでいる。
「いいから早くチョーク片付けろ」
 同じ日直当番としてなすべき行為を指示してはみたが、この男が聞き入れる様子はない。
「青信号なんて言いつつ、青くないではないか!」
 それは日本人が元々青と緑を区別していなかったからでは?
「それに」
 正和は俺にツッコむ暇も与えずまくし立てる。
「黒板・・・

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だってきみは

17/07/31 コメント:2件 氷室 エヌ

 端的に言えば僕はいじめられていた。
 何をきっかけに始まったのかはもう覚えていない。いじめている男子数人のグループだって、多分覚えていないと思う。そんな些細なきっかけとは対照的に、僕は今クラスの全員から無視されるようになっていた。以前仲良かった友人も、自分がいじめられる標的になりたくはないからと、今では僕とあまり話さなくなっている。
 それは多分、仕方のないことなのだと思う。それを理・・・

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アナログメール

17/07/31 コメント:0件 八王子

 最初は面倒ごとを押し付けられたものだと思った。
「こらー、高山ー。ちゃんと机くっつけて教科書見せてあげるんだ」
「はーい」
 教師にそう言われて、仕方なく僕は机を引きずって隣の席とくっつけた。
「あ、あの、ありが、ごめんなさい」
 隣の席の阿部さんも遠慮がちに机を引きずって僕の机とくっつけようと寄せるが、僕たちの机の間には手を縦にすれば通るような隙間が空いている。<・・・

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黒板

17/07/31 コメント:0件 風宮 雅俊

「おはよう」
 体育会系の部活の子は、みんな真っ黒だ。
「夏休みの宿題終わった?」
 後ろの席の映美が聞いてくる。
「家でトドをやってた奴に見せる宿題はありません」
 演劇部で色白なのは映美だけだ。文化祭のシナリオを考えるとか言って、炎天下の土手で発声練習している時も来ない。声量を決めるのは体力だと言う事で炎天下のグランドで陸上部と競ったりした時も来ない。そんな奴に見・・・

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黒板の神様と物怪

17/07/31 コメント:0件 戸松有葉

 あらゆるものに神は宿る。いわゆる八百万の神だ。その学校のその教室に備え付けられた黒板にも、神は宿っていた。
 そしてもうひとつ、あらゆるものに宿る存在があった。物怪である。黒板の物怪も、黒板が生まれた時から存在している。
 神と物怪。性質に違いはあれども共通しているのは、「宿主」が必要という点である。
 例えば黒板が処分され、人々が元の黒板を黒板だと認識できなくなったら、神も物・・・

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相合傘の片方

17/07/31 コメント:0件 戸松有葉

 朝、彼が五年の自分の教室へ入ると、それはすぐ目に付いた。
 黒板の右端、日付・日直の傍に、落書きがされている。
 しかし、様々な観点から妙だ。瞬時に彼は思考を巡らせた。
 彼が教室に入った時点で、クラスメイトは数名教室にいた。おそらくこの落書きにも気付いているだろう。クラスの男女比は半々だが、現在居るのは彼を除けば全員女子だ。昨日の時点では落書きなどなかったことから、書いた犯人・・・

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黒板が消えた日

17/07/31 コメント:0件 戸松有葉

 その日、世界中から黒板が消失した。
 初めは、ひとつの教室で悪質な悪戯、窃盗・器物破損事件が起こったと捉えられたのだが、黒板は全教室から失われており、更には他校でも失われており、学校に限らず黒板のあった場所では同じ現象が起きていて、しかも世界規模ということまで発覚するに至り、世界中がパニックに陥った。
 怪奇現象・心霊現象の類、あるいは神の裁き、そうとしか思えないほどありえない黒板一・・・

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万国黒板博覧会

17/07/31 コメント:0件 蒼樹里緒

 おれが生まれてもいなかった大昔、学校の教室には黒板ってもんがあったらしい。
 目の前のでっかい透明なケースの中に、それはかざられてた。クラスのやつらも、すげーとか大きいとか言ってコーフンしてる。そのうちのひとりが、担任の先生に聞いた。
「せんせー。黒板は『黒い板』って書くのに、どうして緑っぽいんですか?」
「最初は黒かったけど、黒板を作るための材料とかの問題で、真っ黒よりも緑色・・・

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