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第135回 時空モノガタリ文学賞 【 休日 】

今回のテーマは【休日】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2017/07/03

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2017/05/08〜2017/06/05
投稿数 77 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評 休日がテーマということで、ストレートに家族を題材にした作品が多かったですね。受賞作、最終選考の作品を読んで、家族とともに過ごす時間の大切さを改めて感じさせられました。一方で構成が非常に巧みで、テーマに重厚な厚みを感じる作品もあり感心させられました。選考外の作品は、一定程度よく描けていているにもかかわらず、入選作と比べるとテーマ性(コンテストのお題・作品独自のテーマ)が曖昧であったり、内容的に共感しにくいという欠点も持ち合わせている作品が目立ちました。おそらく他作品とかぶらないような配慮や平凡さを回避しようという意図があったのだと思います。もちろんそうした独自性も大切ですが、テーマ性や共感性というポイントを押さえておくこともやはり大事ではないでしょうか。このあたりのバランスはなかなか難しいところではありますね。最終選考の『安息日に、もし君が絶望したなら』は、人を幸せにするはずの宗教が争いの元となってしまう絶望的な世界で光を見出だす人々の心の強さと、「家族の誰もいない孤独」を支える温かさが胸に迫りました。繊細な映像的描写と普遍的なテーマ性も良かったと思います。『失われた休日』の「俺、やっぱ生きてんなあ」という主人公の心情に共感しました。未来に希望が持てない状況での生の実感は辛いことでしょうね。家族よりも仕事を優先せざるをえない諸事情があったわけで誰も責めることはできず、主人公には前に進んでいって欲しいですね。『娘の誕生日』これも休日出勤の話ですが、こちらはハッピーエンドで、感謝され労われる親子関係にじんわり癒されました。『父さんの休日』は、父への妹の繊細な感情を姉の少し引いた視点から描いた、その距離感が独特の作風を生み出していたと思います。ラストでの妹を気遣う姉の優しさが胸にしみました。『休日買取サービス』は、作中小説と現実が交差する構成で、単なる不思議な話で終わらなかったのが良いと思います。ラストでおそらく実際に多忙だったであろう「父」の人生が作中作品の主人公と重ねられることで、直接語られるより父の感情が説得力をもって伝わってきました。家族の大切さを素直に感じさせられる内容だったと思います。『受け身』は、受け身であることを欠点と感じつつも、不器用ながらマイペースに歩む等身大の少年のキャラクターにオリジナリティを感じました。他の作品とは一風変わった「休日」の内容も印象に残りました。『週刊絶望月曜フォビア』は映像に例えると、いつものクナリさん作よりもぐっとカメラが登場人物に寄った感じで、一挙一動に漂う張り詰めた緊張感が印象的でした。「人間にとって根源的な喜びを与える行為」としての「いじめ」から一人の人間を救えるのか、また自分の中のそうした衝動とどう向き合うのかという難問を、子供が大人に突きつけているようなテーマの重さを感じました。今回は投稿数はさほど多くないながらも、全体的なレベルは悪くなかったと思います。また幅を広げにくいテーマにもかかわらず工夫されていて、素晴らしい作品もあり、楽しませていただきました。次回以降のコンテストも楽しみです。

入賞した作品

5

おやすみでぇす

17/06/05 コメント:6件 宮下 倖

「ママこれなあに?」
 公園まで行った散歩の帰り道、直也の指さすほうを見て澄子は「ああ」とうなずいた。
 郵便ポストと並んだ赤い自動販売機に「故障中」という手書きの紙が貼ってある。
「これはね、ええと……おやすみってことよ。自販機さんも疲れちゃうからね」
 壊れてるのよという言葉を飲み込んだのは、最近、直也のお気に入りのおもちゃが壊れて大泣きしたことを思い出したからだ。

7

ゴン太の華麗なる休日

17/06/03 コメント:13件 待井小雨

 せっかくの休日だというのに彼氏の休日出勤でデートがキャンセルになった。
 ちぇー、とむくれて私は我が家の柴犬、ゴン太に抱きつく。
「ゴン太は寂しい私を慰めてくれるよねぇー」
 ぐりぐりと顔をすりつける――と、その頬ずりが肉球によって押し返される。
「ぐえ」
 呻く私にゴン太は人の言葉でこう言った。
「すいません、今日はペットをお休みしますので」
「は――・・・

8

神罰

17/05/31 コメント:10件 浅月庵

 ◇
 “この世界は神が作った物語であり、現実離れした不測の事態も十分起こり得る”という結論まであなたは行き着いている。
 それ故に、踠いても足掻いてもその指に空虚しか絡みつかないことを悟ると、涙を流しながら膝をつき、神への許しを請うのであった。

 ◇
 母は日に二度、二階にあるあなたの部屋をノックし、食事を置いていく。
 その行為は機械的であり・・・

3

その階段を前に私は考えた。『

17/05/14 コメント:3件 笹山ナオ

 地下につながる階段は細長いビルの脇にあり、一見すると通り過ぎてしまいそうなほど目立たない看板がその階段口に立てられている。
 階段を降りて行き、突当りの扉を開けると、カランコロンとドアベルの音が静かに響き、空調の効いた店内が私を迎える。夏の眩しい陽光と雑踏の人だかりから逃れた私には、間接照明の穏やかな明かりと物静かな他の客に、無言で迎え入れられたように感じられ、すぐにその店に馴染み深いもの・・・

最終選考作品

5

安息日に、もし君が絶望したなら

17/06/05 コメント:8件 冬垣ひなた

 1943年、6月の蒼褪めた空の下で錆びついた鉄の音が、村の平穏を引き裂くように今日も響いてくる。レオは顔を上げ、黄金色の麦畑の向こう、厳めしい列車が走ってゆくのを見つめる。走行が緩やかなのは、ユダヤ人を大量に押し詰めて運んでいるからだろう。
 土曜日。ユダヤ教徒は神が休まれる安息日を頑なに守るという。金曜日の日没からローソクを灯し、労働を禁じられ礼拝をして一日を過ごすのだ。そんな権利をナチ・・・

4

失われた休日

17/06/05 コメント:8件 光石七

 尿意を感じて目が覚めた。……背中が痛い。ぼんやりしたまま起き上がり、また床で寝ていたことに気付く。空き缶や空瓶、ビニール、プラスチック容器などが散乱する部屋をふらつく足取りで進み抜け、トイレに入り用を足した。
(俺、やっぱ生きてんなあ……)
 部屋に戻り、テーブルの上の飲みかけのカップ酒を喉に流し込んだ。次の酒に手を伸ばそうとしたが、どれも中身を飲み干した後だった。ふらふらと台所に行・・・

4

娘の誕生日

17/05/16 コメント:3件 笹岡 拓也

金曜日の夕方、私は部長に話しかけられる。
「明日急だけどこの仕事やってもらえないかね?」
私は明日大事な用があったが、断ることができず休日出勤することになった。
家に帰るといつも通り妻が出迎えてくれるが、少しソワソワしている様子が伺える。
「あなた?明日ちゃんと空けてるわよね?」
私はしぶしぶ首を横に振り
「申し訳ない。急に仕事が入ったんだ」
と伝える。す・・・

4

父さんの休日

17/05/10 コメント:6件 W・アーム・スープレックス

 遠洋漁業が仕事の父さんは、いったん海にのりだすと、ときには3年間、家を空けることがあった。家には母さんとあたしと、春から小学校に通う妹の真由がいた。
 帰るとほぼ一週間、家族と過ごす父さんだったけど、物心ついたころはすでに家にはいなかった父さんのことが、むりもないが真由には誰かわからないらしかった。前回のときをおもいだすと、抱きあげて頬ずりしようとする父に、泣いていやがる真由の姿がおもいだ・・・

4

休日買い取りサービス

17/05/10 コメント:4件 ケン

 それは父が死ぬ3日前の事だった。

 病院のベッドに寝ている父が目を覚ました。「ああ、おまえか、母さんは?」
「今、出かけてる」
「そうか」
 父は、娘の私に親孝行をする時間すらくれないらしい。働き詰めの人生だった。そしてやっと定年になったと思った矢先にガンの宣告である。父は休みに日にも家に居ることがほとんどなかった。小さい頃はそれでずいぶん寂しい思いをした。しかし・・・

3

受け身

17/05/08 コメント:2件 瀧上ルーシー

「暇だったら、自分から連絡してお友達と遊ぶ約束をすればいいでしょう?」
「嫌だよ。自分から連絡するくらいなら一人でいい」
「今からそんなこと言ってると、大人になる頃には誰も友達が残らないよ」
 お母さんは口うるさい。ぼくが常に受け身なのが気に入らないらしい。でもいいのだ。義務教育を受けている子供に積極性なんていらない。あと何年かはたとえ実際は偉くなくても偉そうな大人の言うことを聞・・・

4

週刊絶望月曜フォビア

17/05/08 コメント:7件 クナリ

 中学校で教職に就いて三年目になるシナコが、初めて自分のアパートに生徒を連れてきたのは、晩夏の日曜日の昼下がりだった。
 二階にある部屋で、ローテーブルに向かい合って座ると、背筋に少し冷たいものが流れる。
 学校内ではこの子の本音は聞き出せる気がしないし、どこで誰が見ているかも分からない町中のファミレスなども、利用する気になれない。ことがデリケート過ぎる。
 生徒の名は、イトウシ・・・

投稿済みの記事一覧

1

目隠し時計

17/06/05 コメント:2件 石蕗亮

 「有給が60日以上未消化で残っています。来月中に半分は消化して下さい」
総務に呼び出され告げられたのは有給休暇消化の催促だった。
一応ながらもうちの会社は働きやすい環境1位をとっているらしい。
実状はサービス残業当たり前。休日出勤すら当然の如く。
それでも有給なんかは自己管理で使わないと3年以降は自然消滅してしまうくせに使わないとこんな風にチェックされる。
名目上の・・・

3

静かな休日

17/06/05 コメント:2件 泡沫恋歌

週末出張から帰宅したのは土曜日の夕方だった。
「ただいまー」と玄関に入ると、五歳の息子と三歳の娘が仔犬のように飛びついてきた。「いい子にしてたか?」二人の頭をなでる。
妻が「明日、実家の両親と子どもを連れて遊園地に行くけど、パパも行く?」と訊いてきた。たった今、出張から帰ったばかりで疲れた。「いや、俺はいいよ。ママと子どもたちで行っておいで」と答えたら、「あら、残念ね」という。ここんと・・・

2

僕と彼女の休日

17/06/05 コメント:2件 そらの珊瑚

 土曜日の朝、空が晴れていれば彼女はシーツを干す。
 狭いベランダは、それだけでいっぱいになり、僕は落胆する。昼過ぎ、彼女がシーツを取り込むまで、彼女の生活を見ることは出来ないから。
 けれど今日は雨だ。
 シーツやたまった洗濯物を大きな袋に入れて、彼女は近所のコインランドリーへ行くはずだ。何も予定がなければ、午前九時頃に。それはコインランドリーを待たずに使える絶妙な時間だ。昼近・・・

1

休日戦隊ヤスムンジャ―

17/06/05 コメント:0件 紅茶愛好家

「89円、156円、……89円……」
籠の中の最後の商品であるウメおにぎりをスキャンしようとした時にそれは鳴った。
ピピピピピと音を立て光る左手首の腕時計型通信装置、オレはサイドボタンを押しそれに応じた。
「こちらレッド!」
『新橋に怪人出現よ!』
オペレーターのサラの声が聞こえる。
「今すぐ向かう!」
着ていた制服の上着を放り投げ、全力で駆けだす。

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あなたとラブレターを書く日

17/06/05 コメント:0件 木野 道々草

 親愛なる休日に献上いたします。


 ❤


 ようやく訪れた休日の早朝、アール伯爵家の若き当主は書斎でラブレターをしたためていた。
 先代の急死により、二十歳にして家督を継いだ彼には悩みがある。立場上、自由に「好き」と言えないことだった。奔放な恋愛は家名を汚しかねない。しかし、好きな相手に好きと言えないのは切なく苦しい。ならせめてもと休・・・

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佐野さんはワーカーホリック

17/06/05 コメント:0件 小高まあな

 定時は22時、という名言を残す佐野さんにとって休日出勤など何でもないのであろう。
「ああ、その仕事は土曜日に終わらせるんで」
 とか平気な顔で言われて耳を疑ったものだ。
 念のため言っておくと、うちの会社は10時〜19時、土日祝日は休みである。ちなみにベンチャーなIT企業というやつで、スマフォアプリを作ったりしている。私は企画担当で、佐野さんはプログラマーさんである。
 ・・・

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明日の予定

17/06/05 コメント:0件 小高まあな

 恋人と、休みが合わない。
 というか、悠々自適の探偵なんていう自由業の恋人は一年の八割ぐらい「本当に仕事してるの?」と言いたいぐらいだらだらしているのだが、どうやら今は残りの二割のターンらしい。全然連絡がつかない。
「渋谷さんと喧嘩でもしたんですかぁー?」
「え?」
「硯先生から誘ってくるなんて珍しい」
 正面の席で亜由美ちゃんがニヤリと笑う。
 まあ確かに、・・・

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6月の恨み雨

17/06/05 コメント:4件 石蕗亮

 夜中に雨の音で目が覚めた。
何故が意識が冴えてしまい、仕方無くキッチンへ行きコーヒーを淹れた。
暖かいコーヒーを持って寝室に戻るとベッドに腰かけてコンポのスイッチを入れた。
最近寝ながらリラックスCDを聞くのが夜の日課になっていた。
1時間タイマーを掛けて聞きながら眠りに落ちるのだが、スイッチを入れると何故かラヂオが流れ始めた。
「貴方の心に獲り憑いて幾星霜、今宵も・・・

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アタシ革命

17/06/04 コメント:0件 かめかめ

 空を見上げた。雲は昨日の雲じゃない。光は昨日の光じゃなかった。
  アタシはアタシをやめた。

 ずいぶん遠くまで来た。びょうびょうと風が耳を、頬を、髪をなぶる。腰ほどまである枯れ草が波のように渦巻いている。
崖っぷちまで歩いていくと、激しく岩にぶち当たる波頭が見える。
 何もかもが荒々しくアタシを包んでいた。アタシは自分の体を抱いてまだ見ぬ世界を迎える興奮に震えた・・・

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あなたの休みを一日ください

17/06/04 コメント:0件 八王子

 ある日、会社から休暇が言い渡された。
 なんでも今まで有給休暇も消化せずにいたため、上から指摘されたそうだ。
 しかし仕事人間の僕にも、たまの休みの日に運良くと言うべきか予定が入った。
「あなたの休みを一日ください」
 ビルを出た途端そう声をかけられた。
「ちょうど明日が休みですので構いませんよ」
 明日は何曜日だっただろうか。
 俯きながら震える声で呼・・・

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あの頃の友達

17/06/04 コメント:0件 つつい つつ

 朝九時、部屋でくつろいでいると、ドアを激しくドンドンと叩く音がして慌てて開けると、母さんが血相を変えて立っていた。
「稔、なんか変な人が来たの。どうしよう。警察呼んだほうがいいかな」
 母さんを落ち着かしてから話を聞くと、誰かが訪ねて来たのでインターフォンで応対すると、変な男が「みのりくーん、あっそっぼ」って、大声で手を振っていたそうだ。確かにそれはおかしかった。三十を過ぎた僕のとこ・・・

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休みの日は何してるんですか?

17/06/04 コメント:0件 みや

四十歳間近の女の所に舞い込む見合い話は、訳有り物件でまず間違い無い。容姿に難がある、或いは性格に難がある。バツイチなんてまだ良い方で、バツニ、バツ三の強者もいるから驚きを隠せない。四十歳間近のおばさんと見合いしても良いと思ってくれるのだから、有り難く思わなくてはいけないのかもしれないが…

「朝子ちゃんに紹介したい人がいるの。その人もうすぐ五十歳なんだけど、すごく良い人なのよ。お母さん・・・

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最後の休日

17/06/04 コメント:0件 ダブルアクション

彼は軍人である。アメリカ海軍特殊部隊。階級は少尉の25歳。そして明日に初陣の出発式が控えていた。彼が軍人になったのは成り行きである。親は小金持ちで、その金で学生時代、彼は遊びに遊んだ。未成年でタバコに酒、悪友と財布すり競走、盗んだ車で車を盗みに行ったこともあった。末に親から勘当を受け、金の無くなった彼からは、友や付き合っていた彼女もいなくなってしまった。残されたアメリカの市民権を使い、軍の道に進ん・・・

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週末に会えない女

17/06/04 コメント:0件 Fujiki

 あかりとは社会人になってから合コンで知り合った。二五歳、大卒、アンティークショップの店員。服装や話し方が落ち着いていて、一目で気に入った。
 合コンは目的が明確なぶん、友達同士から男女関係に発展する時のような気恥ずかしさがないし、互いの心の探り合いに延々と時間を費やす必要もない。あかりと連絡先を交換して後日メールを送ったらすぐに返信があり、あっという間に体を許す仲になった。ホテル代は僕が持・・・

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アマの休日 プロの休日

17/06/04 コメント:0件 ドーンヒル

 時刻は六時をまわっていた。東の空が紅く染まり始めた。ビデオ屋で買い漁ったアニメの鑑賞を終えた隆司は、スマートフォンを手に持った。
 「もしもし」
 スピーカーから、張り合いのない声が聞こえた。
 「いや、これといった話ではないのだが……」
 言葉にならないほどの深い感動から覚めていなかった。家族という重厚な主題を、時にはコミカルに、時には涙を流すほど切なく描いた作品だった・・・

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法則たちの休日

17/06/04 コメント:2件 ツチフル

 電池切れの目覚ましが鳴り響く。
 ノノは布団から手を伸ばし、目覚ましを止めようと銀色のセンサに触れる。
「…ああ。今日は休日か」
 鳴り続ける目覚ましと、センサに触れると同時に割れた窓ガラスを見つめてつぶやく。
 今日はあらゆる法則が、その厳格な秩序から解放される『法則たちの休日』。
 原因と結果が手を離し、自由気ままに世界を紡ぐ日だ。
 試しに33階のマンシ・・・

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姉ちゃん帰る

17/06/03 コメント:0件 むねすけ

 休日で、姉ちゃんが帰ってくる。

 銀行破りの映画で見た覚えがあるだけの、ジェラルミンケース。それのもっともっとでっかいやつ。
「お待たせしました」
「お引き取りにサインを」

 母さんも父さんも、やな役は僕に押しつけてからに、二人して気楽にゴルフの打ちっぱなしに逃げた。
「わかっとんのかいな。親と姉弟じゃ、禁忌のラベルの貼りの強さに差があるってのに。姉・・・

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今度は二人分買ってきて

17/06/03 コメント:0件 浅野

 話があるんだけどと、彼に神妙な顔で言われたのがつい先ほどのこと。そして今私たちは、リビングのソファに腰を並べて座り、真っ暗な画面のテレビを黙って見つめている。非常に気まずい。話って一体なんだ。
「……」
 彼は何も喋らない。さっきからずっと黙りこくって身じろぎをすることもない。別に私が彼に話があるわけではないので、私から何かアクションを起こす必要はないはずだ。その結論を経て、私も口を・・・

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揺れ動く心、攻めの休日

17/06/03 コメント:4件 霜月秋介

 シンジは、ある日を境に『疲れた』という言葉を発さなくなった。言いたくなっても、心の奥底に留めておいた。シンジは人一倍、体力が無く、疲れやすい。しかし自分はまだまだ頑張りが足りない、世の人間は自分以上に仕事をしている、『疲れた』などと自分が言ったら世の人間から『その程度で疲れたのか』と言わんばかりの冷たい目で見られるに違いない、という思考が常にあった。

「はぁ…、つっかれたなぁ…」<・・・

2

目隠し時計

17/06/03 コメント:2件 石蕗亮

 「有給が60日以上未消化で残っています。来月中に半分は消化して下さい」
総務に呼び出され告げられたのは有給休暇消化の催促だった。
一応ながらもうちの会社は働きやすい環境1位をとっているらしい。
実状はサービス残業当たり前。休日出勤すら当然の如く。
それでも有給なんかは自己管理で使わないと3年以降は自然消滅してしまうくせに使わないとこんな風にチェックされる。
名目上の・・・

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哲学系彼女と僕のとある休日

17/06/01 コメント:0件 輝緋

「あのさ」
 そう言うと、芳乃は読んでいた本をパタリと閉じ、カーペットの上に置いた。
「ん」
 ベッドで寝転びながらスマホをいじっていた僕は、彼女を横目で見て、我ながら腑抜けた返事をした。
 それでも、彼女は至って真面目、あるいは深刻な面持ちともとれる表情でこちらを見つめている。
 そんな顔されると、こちらとしても居住まいを正さずにはいられない。僕はベッドから降りて、・・・

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坑夫たちの休日はいつ訪れる

17/05/30 コメント:0件 本宮晃樹

 十二時間にもおよぶ採掘シフトからようやく解放された。貨物運搬用シャトルに積み込みを終え、〈エスぺランザ〉へ向けて発射し終えたときには全身汗まみれ、へろへろのメタメタだった。
 小惑星に穿たれた坑道の入り口を電磁キーで施錠し、坑夫であふれ返る人員輸送船に無理やり身体を押し込み、ヘルメットを脱いだ。薄汚い再利用空気からの解放――と思いきや、人いきれで濁った輸送船内のそれもどっこいどっこいの味だ・・・

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操り人形の正しい休日

17/05/30 コメント:1件 輝緋

 いい加減、むきになってこれ以上目を瞑っていてもあちらには戻れそうにないので、僕は仕方なく瞼を開いた。
 カーテンの隙間からは、まるで光線のような、不快な眩しさが顔を覗かせている。寝返りを打ち、枕元の目覚まし時計を見ると、鼠色の液晶は、14:30という無機質なデジタル文字を表示していた。しかし起き上がる気になるには、まだあまりにも目が冴えていない。
 充電コードに繋がれたスマホのロック・・・

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休日の休日

17/05/29 コメント:0件 田中あらら

 俺は待ちに待った定年退職の日、空は青空、心は晴れやか、まさに前途洋々だった。花束を受け取り、多少の感傷を持ちながら会社を出たときは、退職後にすること、やりたいことが盛りだくさんの計画を用意していた。
 会社には非常勤として残ってくれと言われたが、すっぱりやめて、遊ぶ人生を選んだ。誰がもう働くものか!と心に決めていた。
 最初のひと月の計画は、とにかく寝たいだけ寝て、起きたいときに起き・・・

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薔薇園

17/05/29 コメント:0件 ジェームズボンバークライシス

僕はとある日曜日、あの日の君と居た薔薇園にいる。
もう失われたあの日は戻ってこない事は、わかるんだよ、だけど、それでも切なくて。
君はどうして僕の元から離れたのかわからない。
そして、最近君の顔ですら忘れかけている。だけど忘れないものがある。あの日の薔薇園の匂いだ。
100メートルほどに渡り薔薇たちが、様々な色で満ちている薔薇園は、あの日の君を嫌でも思い出させるよ。
・・・

0

一万年の休息

17/05/29 コメント:0件 猫春雨

 また地震か……。
 最近、皇国アルカンディスでは大地の揺れが頻発している。
 そのおかげで適当に物をしまっている研究室では度々なだれが起きていた。
 だが、そのうとましさもこれまでだ。
 もう五十年も研究を続けて来た。
 けれど解ける時は一瞬だった。
 欠けたパズルのピースがはまったかのように長年取り組んでいた超古代文字の解読に成功したのである。
 かと・・・

0

休日のない少女

17/05/29 コメント:0件 輝緋

 久しぶりに日付を確認してみると、どうやら今日は、土曜日のようです。
 外の世界では今頃、多くの人々が、休日の暖かく穏やかな空気に包まれながら、思い思いのひとときを過ごして平日の疲れを癒やしていることでしょうが、私の部屋の中にあるのは、空虚なものばかりです。灰色の時間だけが、ずるずると流れていきます。
 私が学校へ行かなくなってから、どれほどの月日が経ってしまったでしょうか。最後に登校・・・

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○○日和

17/05/28 コメント:0件 梨子田 歩未

 ここのところ仕事が忙しく、休日出勤していた男にとって、久々に自由にできる休日だった。
 男は二度寝から目を覚まし、ベッドの上でしばらくぼんやりしていた。  
 カーテンの隙間から注ぐあたたかな日差しが気持ちいい。伸びをしてベッドから立ち上がると、カーテンを開けた。
 雲一つない真っ青な快晴に目を細める。
 こんな日は散歩日和だと外に出た。
 
 日差しはあるが・・・

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『 』学会

17/05/27 コメント:0件 yuki

今日は月に一度の学会の日だ。
会議室の中には20人ほどの人がいる。一人一人プレゼンしていく。どいつもこいつもパッとしないテーマだ。
「報告は以上であります。」賢そうな男が礼をする。
「ほぅ」「・・なかなか良いテーマでしたね。」発表が終わるとぽつぽつと会話が聞こえてくる。こいつは多少は良い頭をもっているようだ。まあそんなことはどうでも良い。
「では、次の人」
俺の番だ。・・・

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ラブのお仕事

17/05/27 コメント:0件 撫子

私は犬である。
名前はラブ。私はラブラドールレトリーバーという種類の犬らしく、そこから取ったらしい。
こんな書き出しには似つかわしくない単純で。今風の名前を私は気に入っている。
さて、平日(と主様たちは言っている)は主様たちはみな学校や会社という場所に出かけて誰もいない。
だから私はいつもお気に入りのおもちゃを噛みながら寝ては起きてたまにいたずらしてひとりぼっちでいる。

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たとえば、そんな休日

17/05/27 コメント:0件 犬飼根古太

「はー。憂鬱だぁー……」
「なんだよ、休日の朝っぱらから……」

 目の前にいる長い付き合いになる腐れ縁の友達の顔を見つめる。
 一緒にコタツに入り、顔を突き合わせていると、こっちまで憂鬱になりそうな表情を浮かべていやがる。

「私さー、休日が年に何回あるか数えたのよ……」
「それで?」
「そんでもって後何年働くのかも数えたの」
「ええっと……・・・

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夢に描いた休日

17/05/27 コメント:0件 犬飼根古太

 子供の頃。たった一つ夢を見た。
 明晰夢というものの経験のない私が見た唯一の夢だ。
 今思い返してみると、それは夜に眠ってみた夢なのか……それとも昼間に思い描いた「夢」なのか、正直今の私には自信がない。
 ただ一つはっきりとわかること、それは――とても穏やかで、満ち足りて、幸福で――

 ――ああぁ……これぞ人生なのだな……。

 そう心から、魂から納得・・・

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最後のサラリーマン

17/05/26 コメント:0件 秋 ひのこ

 林課長は最近、休みの日が辛い。
 森部長にゴルフに誘われるからだ。ゴルフは下手だし興味がないし、金がかかる。おまけに、家族からは「またゴルフ」と白い目で見られ、「行きたくて行っているわけではない」と言ったところでやはり「根性なし」と呆れられる。踏んだり蹴ったりである。
 わざと仕事を作り、若手に交じって休日出勤すれば、今度は総務から怒られた。会社は休日手当てを極力支払いたくない。

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狙うのならば、休日

17/05/26 コメント:0件 かわ珠

 殺し屋の日常と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。
 毎日のように追って追われて、常に命の危険にさらされ、気の休まるような日なんて一瞬たりともない、仕事をしていない時もトレーニングを重ね、鍛錬を怠らない、だなんて思ってはいないだろうか。
 残念ながら、その認識は間違っている。
 なぜなら、今は二十一世紀だからだ。
 人を殺すために技術が必要とされていたのは大昔の話。・・・

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彼らの休日

17/05/25 コメント:0件 忍川さとし

 あの日から二十年、私は気が気じゃ無かった。
 でも私を追い詰めていたのは、他ならぬ私の発した言葉。
 だから誰も責められない。
 どころか、私の言葉のために人生を狂わせたかも知れない七人を思えば、どんなに追い詰められても、過ぎることはなかったのだ。
 そして今日が来た。全てが実を結ぶ今日。やっとの休みまで、あと少し。彼ら七人はやり遂げたのだ。

 ――思う存分・・・

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休日限定ヒーロー、ポヨポヨマン!

17/05/24 コメント:0件 夜門シヨ

 五月の半ば。GWも過ぎて、いつもの休日がやってきた。
 ただの、何の喜びも沸き上がらない、一週間のうちのたった二つしかない、一応義務的に存在している休日が。まぁ、その二つが世間的に休日と言うだけで、俺自身は毎日が休日だ。何もしない休日。いや、違うな。何をしても、まったく満たされないから。親の目が冷凍ビームを浴びているかのように痛いから。だから何もしないんだ。近所の公園のベンチで、ただただ時・・・

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かつて充実した1日

17/05/24 コメント:5件 秋 ひのこ

「お母さんは次の日曜日、お休みします」
 ユミの突然の宣言に夫とふたりの子供、同居の義母は目を丸くした。
 母、妻、嫁、を丸1日休むという。
 子供が生まれて14年、ずっと家族を最優先に365日朝から晩まで「働いて」きた。
 主婦だって、休みたい。



 決行日

【計画1】昼まで寝る
 8時。夫が先に起きて目が覚めた。いつもは・・・

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僕にはまだ早かったんだよ。きっと…

17/05/19 コメント:0件 アイト

ある日の日曜日。
僕は、スマホを前にして頭を抱えていた。
何故僕が頭を抱えているかって?そんなのスマホの画面を見れば分かるだろう。
そこに記されていた言葉は、
『今日会いませんか?いつもの所で待ってます』
という、デートのお誘いだ。
いや待てよ、これはデートのお誘いであってデートのお誘いではないという可能性があるぞ?わからん、しかも今日会う!?無理だろ・・・

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動物園

17/05/19 コメント:0件 ケロロ

 夏のある晴れた水曜日の午後、直樹と響子は街はずれの動物園へ行くことにした。
 久しぶりに二人で過ごす休日。休みが不定期の響子に合わせ、直樹が有給を取った。ちょうど、産まれたばかりのライオンの赤ちゃんが公開されているらしい。それを見に行こうという話になったのだ。
 待ち合わせ場所を決めるために電話をしていると、
「電車で行こう」
「バスにしましょうよ」
 動物園へ行く・・・

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すっからかん

17/05/18 コメント:0件 平岩 藩士

私は今、監視室から加藤というどうしようもない人間の観察をしている。
加藤は、両親が残した莫大な財産があるため、仕事をしていない。
つまり、毎日が休日である。
観察を始めて数日が経ったが、加藤は朝起きてから寝るまでお菓子を食べながら格闘ゲームをし続けるだけのすっからかんな一日を繰り返している。
格闘ゲームにはかなり熱中してるらしく、コンボが決まって敵を倒すと指紋だらけの眼鏡を・・・

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「私に春がやってきた」

17/05/18 コメント:0件 寛解男子

私は、会社を辞めた。ただ長期休日がほしかった。
自動車学校に通って、もう2カ月。なかなか実技講習がうまくいっていなかった。
私と一緒に2カ月前に入校した若者たちは、3段階、四段階どんどん先に合格して行った。ゆみ子は、S字も、クランクも、縦列駐車も何もかもうまくできなかった。実習の先生はあきれていた。「あなたには、センスがないかもね」。
現在ゆみ子は、三十二歳。十八歳になって、高校・・・

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休日

17/05/17 コメント:0件 なっぱ偽者

 その日の僕は仕事に行きたくなかった。いつも行きたくないけど、いつもに増して行きたくなかった。小うるさい上司、面倒な先輩、厄介事を持ち込む客。どれもこれもうんざりで、玄関で靴をはくのをためらうほどだった。
 そんな僕を見送ろうとしていた彼女のススキは首を傾げる。
 「どうしたの」
 「会社に行きたくない」
 「じゃあ行くのをやめよう」
 「そんな簡単な」
 スス・・・

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リンブルグの新しい祝日

17/05/16 コメント:0件 ちほ

 春の花が咲き乱れる中庭を眺めながら優雅に仕事を、と考えて領主館の1階にも仕事部屋を作ったのだが、実際にはそんな余裕はなかった。リンブルグの領主ユキヤは、いつものように仕事に追われていた。彼は、精力的に仕事をこなす青年だったが、2週間前に生まれたばかりの我が子を眺める暇もない。彼は、大変子ども好きな人だった。一人であれこれやっていることに少し虚しさを感じてきて、思わず呟く。
「あぁ、猫の手も・・・

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休日出勤

17/05/15 コメント:0件 indi子

 電車の中に射し込む朝の光はさんさんと輝いていて、子どもの頃によく描いたニッコリ笑う太陽を思い出していた。
雲ひとつない青い空、今日は絶好の行楽日和だ。
 平日ならすし詰め状態の車内も、今日は片手で数えられる程度の乗客しかいない。いつもなら座ることすらできないのに、今日はスカスカのベンチシートにゆったりと腰をかけ、 隣の座席にビジネスバッグを置いてもまだ余裕があった。くたびれたバッグは・・・

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ガーリックトースト

17/05/14 コメント:5件 林一

 OLの高橋美香は、毎週日曜日の朝食にガーリックトーストを食べる習慣があった。
 本当は毎朝でも食べたいくらい大好物なのだが、匂いが気になるため、仕事が休みで誰にも会う予定のない日曜日のみで我慢していた。
 ある日の日曜日。
 彼女はこの日、休日出勤をする予定だったのだが、ついいつもの習慣で、うっかりガーリックトーストを食べてしまった。
(しょうがない。ずる休みしよっと)<・・・

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満足するまで

17/05/14 コメント:0件 熊野ゆや

 土曜日のキャンパスは猫が集会をしてるくらい閑散としていた。図書館は開いているし、食堂も営業していた。午前中なら講義もある。それなのに、社会に出る前の学生たちが居場所を求めて校内施設に入り浸る、なんていう雰囲気はなかった。都心まで電車一本で出られる場所でありながら、駅からバスで自然豊かな地域へ向かった場所にキャンパスはあった。わざわざ誰も土曜日まで大学へ通おうと思わなかった。
 当時は忙しか・・・

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急な休日

17/05/13 コメント:0件 モジャ

六時にセットしたアラームが鳴り出した。
昨日のニュースでスタイルのいいお姉さんが一日中雨だといっていたからびしゃびしゃと音がするのはきっと雨だ。
アラームをきりラインをチェックしたがメッセージは何も入っていない。
予定がないのに早く起きてしまった休日は憂鬱で回転椅子に座って本を三冊ほど読んでも時間は過ぎずにむしろ切なくなっていった。
仕事一筋の私が一番困るのは急な休みだ・・・

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青い休日

17/05/13 コメント:2件 犬飼根古太

 明日は祝日。平日という荒波だらけの大海原に、ぷかりと浮かんで見える緑の小島。そこにはありとあらゆる果実や豊富な魚介類などがたくさん手に入る夢のような島。
 寝て食べるもよし。ほんとに寝てしまうもよし。寝るの自由、座るの自由、歩くのだって走るのだって、なんだったら跳びはねるのだって自由だ。これこそ休日。まさに祝日。神に祝福されし日とでも呼びたくなる素晴らしき日。
 よし! ここは自堕落・・・

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ユトピ

17/05/12 コメント:2件 もにたん

彼が何者だったのか。
彼はどこへ消えたのか。
今になっても、その答えはわからない。
わかるのはあの夏の休日。あの公園で、彼、ジンと初めて会ったという事実だけだ。

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季節は夏。とある休日のことである。
私は職も無く、毎日が休日のような生活をしていた。所謂ニートというやつだ。最早休日も平日も関係ないのだが、この日は世間的に休日だったので・・・

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こんな休日2度と来ないで

17/05/11 コメント:0件 最上来

「ねぇ、ホントにやるの?」

「うるさい。そろそろ覚悟決めて」

休日バイト終わりに近くのお店でアクセサリー売り場を見る
普段私はアクセサリー売り場なんて見ないからなんとなく新しい感じがする
アクセサリー売り場の奥
ピアスの棚の横にかけてある透明なプラスチックの箱に入ったものをじっと眺める私と友人

「これでいいかな?」

「うん、・・・

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イマジネーション

17/05/11 コメント:0件 むろいち

 休日。
 なんて甘美な響き。
 「休」の字は人が木に寄りかかって、一息ついている様からできたという説を耳にする。
 だけど元々「木」は稲穂が実っている様子を表す「禾」と書き、「禾」は軍門に立てた標木の形を表していて、本来はその標木の前で表彰をすることを「休」と言って、「休」は「幸い、めでたい」という意味らしい。
 「らしい」というのも今、調べたばかりから。
 まるで・・・

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ニンゲン、休んでみない?

17/05/10 コメント:0件 家永真早

 私には昨日から死神が取り憑いている。死神は青白く頬の痩けた顔をした、髪の長い薄幸そうな女性だ。黒い着物に、背よりも大きい鎌。彼女はキル子と名乗った。
「ねえ、死にたくならない?」
 背から耳元に口を寄せ、キル子は不気味な声で言ってくる。
「ならない」
 パソコンモニターから目を離さず、私は低い声で答えた。しかし尚もキル子はしなだれかかってくる。重さは感じない。
「ね・・・

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夏のせい

17/05/10 コメント:0件 れもん



毎日が休みだったらどんなに嬉しいだろうか。


それはもはや休みと言わないのでないだろうか、とすぐにそう思った。


本当にここはなにもないなあ。


和樹は大学の夏休みを利用して、実家に帰省していた。


和樹の実家は近鉄小倉駅から少しはずれた場所に位置していた。


・・・

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あの子と僕

17/05/09 コメント:3件 笹峰霧子


 僕これからは少し休めるようになったんだ。
 あの子が圧力をかけて来ない限り、僕寝てても良いんだもん。
 うれしくてたまんないよ。

 あの子も僕にお休みをくれてから体の調子が良いそうだよ。お休みするって良いよね。長生きできるもん。

 僕お休みしてる間、今までと少し変わった気分になるんだ。僕の同類だって楽だから声かけてくるんだよ。
 その時みんな・・・

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とあるビジネスマンの公園内のベンチにて

17/05/09 コメント:0件 藤原光

輝は生粋の仕事人間。日々仕事に追われる日々。仕事が人生。貯金額が伸びていくのが何よりの生きがいである。背筋を伸ばし、エリートオーラで風を切りながらきびきびと動く。常に一秒たりとも無駄にせぬよう、自己啓発書を肌身離さず持ち歩き、移動中は憑りつかれた様にオーディオブックを聞いている。

彼には平日も休日もない。もちろん日曜日も出勤である。休日に芝生でのんびり?何を考えているのか。そんなのは・・・

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休日は妄想天国…?

17/05/09 コメント:0件 空 佳吹

 GWの初日……
「さーて、始めるか……」
 田中は夕食を済ませると二階の寝室に向かった。
 彼の休日の楽しみは、妄想だった。
 ベッドに座って目を閉じ……妄想にふけるのだ。

 まず、モーツァルトの「フィガロの結婚」を聴いてから……彼は目を閉じた。

 田中は牧場が見えるペンションで、くつろいでいた。
 オーナーの男が、
「近くに面白い・・・

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休日の使い方

17/05/09 コメント:0件 Sakurai

 私は寂しい人間だろうか。
 休日の昼間に一人で家にこもってチャットサイトでチャットに勤しむ私を見たら、誰もが私を寂しいやつだと笑うかもしれない。
 しかし、そんなカラカラと向けられる憐みがあるなら、私はそれをまるでステージの上で大歓声を浴びるピエロの如く嬉々として受け止めよう。

 チャットサイトとは一昔前に流行った、顔も名前も知らない誰かと気軽にチャットができる場所だ。・・・

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やすむひ

17/05/09 コメント:4件 家永真早

「おはよう。飯はまだか」
 朝起きると、飼い猫のリーが椅子に座って声をかけてきた。雑種のオス、体の毛は黒くて鼻のまわりと足先の毛だけが白い猫だ。
 リーの座り方は、今まで一度も見せたことのないスコ座りだったが、やたらと背筋が伸びていて、猫のくせに猫背ではなかった。
「腹へった」
 リーが口を動かし、先ほどと同じ低いオヤジの声が出てきた。リーは七歳になるから、人間で換算したら・・・

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教師も生徒も休みにしよう

17/05/08 コメント:0件 氷室 エヌ

 目が覚めると昼過ぎだった。
「うっわ……」
 思わず声が漏れる。窓から差し込む日差しは、既に朝のそれではない。やってしまった。久しぶりに二人の休みが合致したから、今日こそは有意義に過ごす予定だったのに。
 ダブルベッドの隣に目をやれば、隣には女がうつ伏せの姿勢で眠っていた。この格好じゃないと寝れないと以前言っていたのを、ぼんやり思い出す。この寝方、寝苦しいと思うんだがな。

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ローマの休日なんてもう見ない

17/05/08 コメント:0件 ケン

 何にでも影響されやすい男だった。ついでに言うとバカだった。さらに言うと、デリカシーの欠片もなかった。しかし私はそんな彼が大好きだった。
 一カ月ほど前に彼に「ローマの休日」のDVDを貸した。影響されやすい彼はどうやらそれにハマったらしい。
 しばらくすると、彼のバイクがベスパになっていた。
 私は彼の希望に沿って、自慢の長かった髪を短くカットして、映画の中のオードリー・ヘプバー・・・

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兼業作家の休日

17/05/08 コメント:0件 風宮 雅俊

 土曜日の朝は気持ちがいい。日差しも心地よい。そよ風も心地よい。それに昨日は
早めに寝て平日のつまらない仕事の疲れはきっちり落としたからだ。

 パソコンを立ち上げると、朝食の準備をする。帰りがけに買った調理パンをレンジで軽く温めながら、コーヒーを淹れる。目玉焼きとかベーコンとかも用意したいけど食材を使い切る前にダメになってしまうので、冷蔵庫の中には飲み物と、氷枕しか入っていない・・・

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20代後半の熱い休日

17/05/08 コメント:2件 ネコライオン

「何のためにやっているのか!?それを常に考えて打ち込めよ!」

社会人にもなってめちゃくちゃ熱い草野球チームに加入した。
野球なんて未経験な俺だし、正直うまいなんて思ってない。
が、しかし、これほど楽しい時間はないと思う。

最近は仕事も上手く行くようになった。休日のことを考えるとワクワクする。色んなことがうまく行くようになった。

元々はあまり明る・・・

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ちっちゃいおばあちゃん

17/05/08 コメント:0件 こぐまじゅんこ

 きょうは、にちようび。
 三さいのはるくんは、おばあちゃんといっしょに、ばら寿司というおすしをつくっています。
 ばら寿司というのは、ごぼう、にんじん、しいたけ、えび、いか、あなごにおさかなもはいった岡山のおすしです。
「はるには、ふきやたけのこもいれるとおいしいよ。」
 おばあちゃんは、にわから、ふきをとってきました。
「ながいふきのすじを、とってみようか。」

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前後

17/05/08 コメント:0件 PURIN

今日は休日。午前中はずっとベッドでゴロゴロして過ごした。
12時を少し過ぎた頃、お昼を買いにコンビニに行こうと財布と鍵だけ持って自室のドアを開けようとした。
すると、声が聞こえてきた。ドアの外から。

「ねえねえ、あそびにきたよ! あそぼ!」

声からして小さい子だ。
おかしい。家の人はみんな朝から出かけているし、そんなに幼い子で家に遊びに来るほど親しい知・・・

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何もしなくていい日

17/05/08 コメント:1件 まー

 その国の戒律はとても簡単で楽なものだった。
 ただ次の三つを守りさえすればよかったのだから。
  1.休息日は神が天地創造の際に設けたものなり。あなたはこれを忘れてはならない。
  2.休息日は夜明けから日没まで何もしてはいけない。
  3.休息日を軽んじてはならない。
 だがこの三つの戒律を基にして、この国ではいつからか休息日原理主義を掲げる武装勢力が台頭するよう・・・

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レジャーシートは二度舞う

17/05/08 コメント:2件 ちりぬるを

 新緑を揺らす風がそのついでとばかりにナツキ達のレジャーシートをふわりと浮き上がらせる。飛んでいってしまわないようにマコトが慌てて膝で押さえ込み、そのまま四隅に石を置いた。その仕草がツボに入り、ナツキが吹き出す。
 レジャーシートの縁には色もデザインも同じで大きさだけが違うスタンスミスが二足並んでいた。示し合わせたわけではなく、服の趣味が似ているのか持ち物がお揃いになることがしばしばあった。・・・

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