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  2. 第112回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

第112回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

今回のテーマは【弁当】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2016/08/15

※コンテスト画像は「あや」さんの海苔文字愛妻弁当です!
 https://twitter.com/kubotatcj

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2016/06/20〜2016/07/18
投稿数 74 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

4

おべんとう切符

16/06/26 コメント:6件 待井小雨

 一日に数本しかバスの来ない停留所で、お弁当を食べながらバスを待つのが私の日課だ。日差しを遮る屋根の下、私の他にバスを待つ人間はいつもいない。
 ベンチに座り、母に持たされたお弁当の包みを取り出す。
「やっぱり、大きいなぁ」
 いつもは普通の弁当箱に詰めてくれるのに「今日は作り過ぎちゃって」と重箱を持たされた。とても食べきれる量ではない。
 いざ食べようかと箸を構えた時、バ・・・

3

塩味のフライドポテト

16/06/25 コメント:8件 Fujiki

 月二回のお弁当持参の日、由香の弁当箱にはまたしてもフライドポテトがぎっちり詰まっていた。蓋を開けば黄土色の一色で、他にはごはんもおかずも入っていない。
「お、ポテトうまそー!」隣の席のワタルが目ざとく覗き込む。
「由香、少し食べさせて。私のラフテーと交換しよう」と、向かいに机をつけて座っている美帆が言った。
「大丈夫、ポテト好きだから」
 由香は両肘をつき、弁当箱を腕の中・・・

最終選考作品

7

プロトタイプ

16/07/18 コメント:9件 冬垣ひなた

「水無瀬。答えと違えば、○はやれない」
 苛々した国語教諭の高橋は、恨めし気に私を睨み付けた。
 夏休み前、昼休みの職員室は、高橋には数少ない休憩場所であり、訪ねた私がそれをじわじわと奪っていることは百も承知だ。
 私は先程返ったばかりの答案用紙を指し示した。
「確かに私の解答は作者の意図とは違うかもしれない。ですが、テストの問題としてあの文脈だけ抜き出した場合、これは間違・・・

4

シロをよろしく

16/07/18 コメント:4件 そらの珊瑚

 アパートの外階段の下で、涼子はしゃがんで野良猫に煮干しをやっていた。
 その白い猫と会ったのは、数年前になる。最初から人に慣れていて、涼子の足元に、甘えるようにその身をすり寄せてきたのだった。腹が減っているのかと思った涼子が家から持ってきたのは常備していた煮干しだった。涼子はほとんどすべての料理の出汁は煮干しを使っている。安価で手軽だという事が主な理由だった。加えて味噌汁を作る前の水を張っ・・・

6

エア

16/07/18 コメント:9件 光石七

 洗面を済ませ着替えてリビングに行くと、今朝も千沙は対面式のキッチンでいそいそと動き回っていた。
「おはよう。朝から張り切ってるね」
声をかけると、千沙は手を動かしたまま微笑んで答える。
「玲音がアンパンジャーのお弁当がいいって言うから」
カウンターの奥を覗く。青い小さな弁当箱の中央に戦隊物のキャラクターの顔が鎮座している。鮭フレークを混ぜたおにぎりに各パーツ形に切ったチー・・・

5

チキンカツ弁当

16/07/14 コメント:8件 あき

 体育館の中には夏だというのに不釣り合いなスーツの男女が机にかじり付くように試験問題に挑んでいる。
 まだ半分も解いていないのに、自分の実力は痛いほど分かった。
 初めて受けた公務員試験の出来は、絶望的だった。

 試験を終えて、行く宛てもないので予備校の休憩室でチキンカツや唐揚げが入った弁当をを食べていると、若い予備校生達の声が聞こえてきた。
「さっきの試験、余裕だ・・・

8

妻の弁当は屋上で

16/07/11 コメント:4件 霜月秋介

 場所はとても重要だ。誰の目も気にすることなく昼間、弁当箱のふたを開けられる安全な場所。人目を避けるなら御手洗いが無難なのだろうが、さすがにそんなところで弁当を食べる気にはならない。
 私は毎日、会社の屋上でひとり、弁当を食べている。理由は些細なことだ。妻が毎日つくってくれるデコ弁を、会社の同僚に見られたくないからだ。ただそれだけの理由だ。
 ごはんの上に鮭フレークをハート型に盛り付け・・・

15

頭蓋弁当のアマミヤ

16/06/28 コメント:16件 クナリ

 高校で私と同じクラスのアマミヤのお父さんが、脳の全機能を完全に代替できるICチップとやらを発明した。
 あまつさえ、実の息子のアマミヤを実験台にしたため、息子の脳味噌は頭蓋骨から取り出され、代わりに親指の爪ほどの黒いチップが脳幹の位置に据え付けられた。
 アマミヤの頭蓋骨の中身は、ICチップ以外の部分は、無意味な空洞となった。
 科学者である彼の父親は、無駄、無意味、非効率とい・・・

5

誰がために

16/06/26 コメント:2件 海見みみみ

 私は毎朝、夫のためにお弁当を作っている。彩りや栄養に気を使いつつ、夫の好物も入れて、特製お弁当の出来上がり。できたお弁当は携帯で写真を撮り、個人的に保管している。夫が帰宅して「今日もお弁当美味しかったよ」と言ってくれると、未だに喜んでしまう。
 夫のためにお弁当を作る事。それが私の楽しみだ。

 キッカケは友人の一言だった。
 とある日。ランチタイムを友人と過ごす事になり・・・

投稿済みの記事一覧

1

助けに行くには遠すぎる

16/07/18 コメント:2件 四島トイ

 中平舞が硬直している。
 レジャーシートに正座したまま。スッと伸びた背には今日も長い黒髪が流れている。
 野外授業の自然学習であった。昼食くらいは一緒に食べられるだろうと思っていたのが甘かった。班行動ありきの担任教師の教育方針が恨めしい。
「豊原ちゃんて中平さんと仲良いよねえ。同じ小学校だっけ」
 同じ班の子に指摘に、彼女をぼんやり眺めていたことに気付かされて恥ずかしくな・・・

3

便所飯同好会

16/07/18 コメント:2件 タック

小生ら便所飯同好会は、会員五名で構成される有意の会である。
設立も浅く活動も屋内に限定しているが、全員が個室を持ち、プライバシーと安心の供与されている高踏的の組織である。
名は体を表す通り便所飯に対する気兼ねを無くし、孤独を孤独で無くす目的を志向している。
疎外の代名詞である便所飯を相伴の域にまで高め、閉鎖的かつ自由な摂食を実施するため組織された、許容ある至極の会である。
・・・

0

心を込めて

16/07/18 コメント:0件 ゆえ

「実はな、れーちゃんにお願いがあるんやけど」
「な〜に?けんちゃんの為ならなんでもするよ♡」
「れーちゃんの手料理食べたいねん」

画面上を動いていた玲子の指の動作が止まる
既読がついたので時間をおいてからの返信はまずい

まずい、非常にまずい、何か考えなきゃ

いきなり家に来て人が作った一週間分の作り置きを十二分に食べつくし、散々・・・

0

見えない悪魔の大好物

16/07/18 コメント:0件 むねすけ

見えない悪魔の好物は、
クラスのマドンナの手作りのお弁当。
見えない悪魔は今夜、
病室のばあちゃんを極楽の新入生に歓待の予定だろうから、
僕は正義の泥棒になる。

この場合の正義の旗の下にはお線香の香りがするけれど、
血にまみれた正義の旗よりよっぽど安心設計さ。

僕のクラスにマドンナはいない、
隣のクラスの武中樹里亜、クォーターでおばあ・・・

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屋上でお弁当を食べる

16/07/18 コメント:0件 むねすけ

屋上のフェンスを越えてみる。
ガチャグチャと鳴る音は空に溶けかけて半分ぐらい聞こえる。
上履きの色は学年で統一の先端だけ濃い青。
濃い青は三年生の色。
フェンスのダイヤ型のフレームに突っ込んで腕の筋肉でヒョイっと
着地は決めておいたように大袈裟にしゃがみ込むように、
伸ばしておいたよかった髪の毛で照れくさい表情は隠れる。
腰のベルトに結びつけたお弁当のバン・・・

7

手作り弁当の災難

16/07/18 コメント:10件 泡沫恋歌

 ある日、僕の席にお弁当が置いてあった!
 学生食堂の一番奥の窓際、二人掛けの席が僕らの指定席なのだ。
 友人の石田君は身長185p、スラリと長い脚、眉目秀麗、頭脳明晰、多趣多芸、お茶も点てれば日舞も踊れる。まるでアニメのイケメンキャラみたいで、大学の腐女子たちの間で石田君はまるで教祖様のように崇められている。
 そして僕と彼はBLカップルだと思われているのだ。
 あくまで・・・

1

卵焼き戦争

16/07/18 コメント:1件 雨宮可縫花

 朝、健人が制服に着替えてキッチンを覗くと、母が弁当におかずを詰めていた。菜箸で卵焼きをひとつ摘まんで、健人に差し出してくる。
「今日の、どう?」
 弁当には、いつも卵焼きが入っている。いりこでとった出汁が自慢らしい。
「うん。今日もおいしいよ」
 健人がそう言っても、母はイマイチ納得できない様子だった。
「いつもより、出汁が薄いんじゃないかと思って」
 注意深・・・

1

ハイキング

16/07/18 コメント:0件 イルカ


 目覚まし時計を見ると、六時を指していた。
今日は、ハイキングに誘われて、六時には家を出ないと間に合わない、慌てて洋服を着替えて自転車で駅に向かったが、電車に乗りおくれた。次の電車まで、十五分は待たなければならない。そうだ。リーダーの安藤さんに、遅れることを連絡しようと、携帯電話をリックから取り出そうとしたが、忘れたことに気がついた。この分だと、集合時間には、どうみても三十分は遅刻だ・・・

4

黒焦げの弁当箱

16/07/17 コメント:3件 そらの珊瑚

早朝出ていた空襲警報は、しばらくして解除された。

「あー腹減った」

 防空壕を出るなり昭がのんきにいい放った言葉の周囲で、小さな笑いが起きた。
 警報が出るたびに、味わう恐怖。今度こそ、B29が自分たちの頭上に爆弾を落としていくのではないかという恐怖。一体いつまで続くのだろう。今しがた近所の人たちと逃げ込んだ防空壕へ、もし爆弾が直撃したら、おそらくひとたまりもな・・・

1

アルとリアのお弁当

16/07/17 コメント:0件 杏花

八十年前に突如現れた種族と、そちら側についた反逆者。その粛清のため僕は四年前から少年兵として戦い始めた。人間らしさとか、未来のため、とかそういうのはよく分からない。僕は馬鹿だから。でも働くことで家族にお金が入るなら寂しさなどすぐに拭えた。それに、外とやりとりが遮断されているけれど、お弁当を頼めばなんとなく家族の様子はわかる。仕組みは理解できないけど、ロボットだったかが僕の家のキッチンとこの調理場・・・

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父の弁当

16/07/17 コメント:0件 yoshiki

 父さんが旅行に行こうというから、僕は嬉しくてそれなりに支度をしようとしたのに、何も持たなくていいというから、ちょっと不思議な気分だった。
 そういえば仕事が忙しいらしくて、家に帰るのがいつも遅くて、何日もいなかったりする父さんだったから、僕は寂しかったし、母さんは数年も前に家を出て行ったきり、帰らなかったので、僕はなんども母さんのことを訊いたのだけれども、父さんは何も答えてくれなかった。・・・

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私と父と母の味

16/07/17 コメント:4件 宮下 倖


 昨年、父が母になった。
 二十数年勤めた銀行を早々と退職し、病床に伏した妻を看取り、娘である私の就職に歓喜した直後のことだ。 

「美登里。父さん……母さんになってもいいかな?」
「お母さんの代わりに家事を頑張るってことなら気にしないで。私だって家のことやれるし」
「そうじゃないんだ……そうじゃなくて……」

 思い詰めたように首を横に振った父は・・・

1

「おべんとうばこ」の中身は何?

16/07/17 コメント:0件 橘 聰

 研究室で読書をしていると、ノックの音が聞こえた。入ってきたのは高橋君。私が担当しているゼミの4年生だ。
「先生、お時間よろしいでしょうか? 卒論のテーマでちょっとご相談が」と言い、1枚の紙を差し出してきた。見るとそこには『おべんとうばこのうた』という題名と歌詞が書かれていた。「これっくらいの、おべんとうばこに」で始まる有名な童謡だ。
「これを卒論で取り上げようと思いまして」
「・・・

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中卒

16/07/17 コメント:0件 OSM

 俺は公園の女子トイレで女を手込めにしていた。
 女は一糸纏わぬ姿で床に仰向けに横たわっている。無表情で、死んだ魚のような目をしている。襲った当初はあんなにも激しく抗ったのに、今や完全なる無抵抗。
 なんだかとても寂しかったので、女の鼻血まみれの顔面に唾を吐きかけた。
「おい大卒、俺からのプレゼントだ。舌で舐め取って食え。美味いぞ」
 返事はない。無抵抗、無表情、死んだ魚の・・・

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Oh!BENTO

16/07/17 コメント:0件 欽ちゃん

青春真っ只中のはずの高校生活は切ないもので、弁当ひとつで暗黒に変わる
周りが手作り弁当の中、僕の両親は共働きのため毎日コンビニのパン
同級生の彩り溢れた弁当を見たくなくて友達を作らなかった
僕はクラスで「ぼっちマン(ひとりぼっち男)」と呼ばれた

そんな僕にも楽しみがあった
スマホのアプリ「Oh!BENTO」だ
画面に表示された弁当箱におかずを詰めていく<・・・

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お弁闘ですね

16/07/17 コメント:0件 アシタバ

 高校が昼休みになるや、机をくっつけて弁当を広げる二人組がいた。なぜだかピリピリとした空気を漂わせている。そこに眼鏡をかけた女の子がやってきてこう告げた。
「お弁闘を行います」

 弁当を広げて睨みあう二人の女の子、黒川さんと赤城さん。そして、彼女らの傍らに座る青島くんは端正な顔をした男の子だ。クラスメイト達は静かにこの勝負の成り行きを見守っていた。
「美味しいお弁当をつく・・・

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鈍感と愛妻弁当

16/07/17 コメント:0件 浅月庵

 嫁さんの作った豆腐ハンバーグを、本物の肉だと思ってバクバク食べていた俺。
 本当鈍感だよね、なんて笑われたことをきっかけに、注意深く生きようと思っていた俺だが、このザマだ。
 
 俺はいつものように朝から営業で外回りをし、昼には一度、会社へ戻った。
 毎朝嫁さんがお弁当を作ってくれるので、自分のデスクで食事をとるようにしている。

「今日もお弁当美味しそうです・・・

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シャケおじさんの役割

16/07/17 コメント:0件 ケイジロウ

 僕はそのおじさんのことをシャケおじさんと呼ぶことにした。
 僕が働いている弁当屋で毎日シャケ弁を買って帰るからだ。正確には、シャケ弁大盛り一つとシャケおにぎり一つ。シャケばかり食べているから熊みたいなおじさんを想像する人もいるかもしれないが、実際はタヌキみたいなおじさんである。
 ある夜、シャケおじさんがいつも通りやってきた。黒の帽子を被っている。下っ端の僕はレジに向かった。パートの・・・

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みすてりー弁当

16/07/16 コメント:0件 山盛りポテト

あなたの住んでる街にある、時代に置いていかれたような、どこか寂しげな路地裏。その一角にある小さなお弁当屋さんは今日も客足はまばらだ。
立地は悪く、地元で暮らす人間ですら、その店の存在を知らぬ者も多い。
営業時間は深夜のみで、皆が寝静まった頃、その姿を隠すようにひっそりと佇んでいる。
しかしたまに新規の客が現れると、たちまちその店の魅力にとりつかれてしまう。
また1人、何の気・・・

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SMILE AGAIN

16/07/16 コメント:0件 まきのでら

 私の妻は料理が下手だ。何を作ってもことごとく不味い。
 新婚当初は浮ついた高揚感も手伝って何とか美味いと言っていたが、年月を重ねてくると一向に上達しないその腕に嫌気が差してくる。
 しかし、妻は優しい女だった。柔和な笑顔で料理を出されるとどうにも不味いとは言い辛い。
 なので毎日せっせと早起きして作ってくれる愛妻弁当も、断ることが出来ず職場まで持っていく。しかし、面と向かっては・・・

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旅立ちの朝

16/07/15 コメント:2件 にぽっくめいきんぐ

 俺は出かける。 冒険の旅へ!

 ドラゴンやら、ゴーレムやら、恐ろしいモンスター達がワンサカと襲ってくるだろう。
 「腹が減っては戦は出来ぬ」だ。弁当を作っていく。

 出来る限りのコダワリを、この弁当に叩きこもうと思う。
 モンスター達に、鉄塊を叩きこむ、その前に。

 さぁ! 作るぜ!
 現地で仲間と合流して、みんなで食べるんだ!
・・・

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これが私のお弁当

16/07/16 コメント:0件 葵 ひとみ

 
 真夏のお昼の川辺で向こうからごんごがやってきた。

「これが私のお弁当」とごんごがタッパーをあけて私に見せてくれた

キュウリが1本入っていた。



参考 ごんご 妖怪の河童のことです。
・・・

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弁当理論

16/07/15 コメント:4件 日向 葵

「弁当」とは何だろうか。

「弁当」と聞いてまず思い浮かべるのは、四角や楕円の箱に詰められた色とりどりのおかず、真ん中に梅干しが埋め込まれた白いご飯などが一般的だろう。そのどれもは美しく煌めき、私達はそれに食欲を掻き立てられる。しかし、只一口に「弁当」と言っても様々な種類の「弁当」がこの世には存在する。

一般に「弁当」と呼ばれるものは大きく分けて二種類に分類されるだ・・・

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お弁当でおかずしりとりリレー

16/07/15 コメント:0件 各務由成

 PM12:20。いつもの軽快な音楽が教室のスピーカーから流れた。

「ユカリ、
「コウメ〜、
「マカ、
「クルミの、
 《お弁当でおかずしりとりリレー》最終回ー!(拍手)」」」」
「いよいよ4日目となる本日。予定通り無事フィナーレを迎えられるのか! 必聴ですよー!」
「放送部HPに届いたコメントがきっかけで始まりましたこのコーナー」
「私達の・・・

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箱に込められた想い

16/07/14 コメント:4件 天野ゆうり

私の家は、兄弟三人いた。

両親共働きだから、夕飯はいつも、祖母の家で食べていた。


それが、小学生時代。

中学になると、お弁当かスクールランチになった。
正直、スクールランチに美味しさを感じなかった。

今日学校の給食と、中学校のお弁当。

全く味が違う。
美味しくない。

冷えたご飯と、病院食に似たよ・・・

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弁当箱の中身は本だった!

16/07/14 コメント:0件 seika

「今度はカルタゴをやろうと思っている。カルタゴ研究は未だに本で手をつけた人はいない。ボクが最初、つまりボクがカルタゴの第一人者になるっ。」
戸舞賛歌は登山旅行先の福島県恩恵岳の旅館で、文学談義仲間の泥野棒策と湊臭二に「新たな計画」を語った。
「しかし戸舞先生のウチはいいですな・・・。奥さんも娘さんたちも戸舞先生の仕事に理解があって・・・。」
と湊臭二が羨ましがる。すると戸舞賛歌は・・・

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不如帰【ほととぎす】

16/07/14 コメント:0件 葵 ひとみ

 鳴かぬならキャラ弁を手作りしてみよう不如帰――
・・・

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あの人の作るお弁当

16/07/13 コメント:1件 秋澤

あの人は甲斐甲斐しい。血の繋がりも何もない男と僕は住んでいる。
家を出ようとすると、後ろからドタバタと足音がした。
「なおくん!遅くなってごめんね!はい、お弁当。」
「……どうも。」
渡された弁当をほとんど空の鞄に入れ、会釈だけして玄関から出る。これから出社するらしく、グレーのスーツ。それに似合わないオレンジのエプロンをつけていた。
はじめさん。それが僕が一緒に住んで・・・

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いつか見知らぬ日記帳

16/07/13 コメント:4件 雨宮可縫花

 美枝子の一日は、朝ベランダに出て、外の風景を眺めることから始まる。
 黄色い帽子に、紺色のリュック。若い母親に手を引かれ、子供たちが保育園へ登園していく。赤と黒と、他にもいろんな色のランドセルが駆けていった。
 駅へ向かうサラリーマン。ゴミ出しをする主婦。美枝子が住むマンションの駐車場から、何台かの車が大通りへと出ていった。
 八時半になると、その大通りから「毎日宅配!お弁当サ・・・

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ハンセイの味

16/07/13 コメント:0件 リンリン

 炒りつけるような熊蟬の鳴き声に莫迦にされているみたいな朝、サチコが金魚に餌をやろうとしていた。千切りにした大根を俎板の上に置き去ったサキエが、今日の昼頃にヤスオが弁当持ちで帰って来ると、受話器先のサチコの祖母に伝えていた。それを耳にしたサチコは金魚の世話を放ったらかして朝食も摂らずに学校へと急いだ。
 ヨシダという表札の掛かった三階建ての玄関先にいる厳かなブルドックに恐れをな・・・

1

なくしたレール

16/07/12 コメント:1件 かめかめ

 シュゴオっと煙を噴き上げ汽車が走りだした。惣吉は最後の客に窓越しに弁当を手渡すと、さっと身を引き汽車から離れた。敬礼をして汽車を送りだす。その姿はこの支線の名物にもなっていた。
「お帰りなさい、惣吉さん。今日もお疲れさまでした」
 家に帰ると妻の沙代が濡れた手拭を惣吉に差し出した。惣吉はすすで汚れた顔をごしごしと拭きながら沙代に駅弁を渡した。
「まあ、今日も持って帰ってくれたの・・・

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「弁当」と言う単語が一度も出ないファンタジー

16/07/12 コメント:9件 あずみの白馬

「これ、忘れないでね」
 暗殺組織の長、エリーゼ様からサンドイッチ入りのバスケットを受け取った。

 戦乱の真っただ中にあるこの世界、圧政を敷く帝国軍と、解放軍の激しい戦いは、解放軍が優勢で進んでいた。
 戦況打開のため、帝国軍のナンバー2、アマデウスは、闇の司祭エリーゼをトップとした暗殺組織を結成し、解放軍の主要メンバーを葬り去ることを計画した。

 身寄りの・・・

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宝箱

16/07/11 コメント:2件 柚子れもん

終わっていく夏を惜しむように全力で鳴くセミと、全く夏の終わりを感じさせずに照りつける太陽が、その一日をいかにも夏らしい日に仕上げていた。そんな八月の今日、有沙は中学生活最後のバスケ試合に臨んでいた。
正直、勝てる自信はあまりなかった。でも、有沙はこの日まで自分なりに精一杯頑張ってきたつもりだった。それも、他人からちょっとつつかれたらすぐに揺らいでしまう弱い自信だったけれど、一応努力はしてきた・・・

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これっくらいのおべんと箱に

16/07/10 コメント:0件 篠下こゆき

 大苦戦。
 ユキさんは、有名な名作アニメの印刷された小さな弁当箱を前に、今朝も、ほんとにこれで足りるんだろうかとちょっぴり不安になった。
 詰められるおかずもご飯もかなり限られる小さな弁当箱は、毎回これでいいのだろうかとユキさんを悩ませる。
 幼児教室に通う息子の、お弁当である。
 幼稚園に通う前にそんなところに通っているのは、ユキさんが育児ノイローゼ気味になったので、息・・・

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変わらない、歪な味

16/07/08 コメント:0件 ココア

 高校時代、私は母の作る弁当に飽き飽きしていた。
「……また、か」
 昼休み。友達であるリカと机を囲んで、いつものように弁当のふたを開ける。と同時に、私は深くため息を吐き出した。
「いつ見ても中身一緒だよね」
 横から私の弁当を覗き込んできたリカが、からかうようにくすりと笑った。
 砂糖たっぷりの甘い卵焼きに、焼いただけのウインナー。冷凍のコロッケと、塩コショウで炒め・・・

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弁当はいくら?

16/07/08 コメント:0件 本宮晃樹

「これなんですか」後輩の香苗はなぜかショックを受けているようだった。「日下部さんにとってあたしは、その程度の存在だったんですか?」
 わたしは差し出した一万円札――内訳はこうだ。卵焼きは卵二個として二十円(十個百九十円想定)、冷凍食品の魚のフライ二個で五十円(六個百五十円想定)、粗挽きウインナー二本で七十円(一袋六本入り二百円想定)、白米百グラムで四十円(五キロ二千円想定)、その他サラダ油や・・・

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【山を下りる】

16/07/08 コメント:0件 吉岡 幸一

 弁当を二個背負って山を登っていました。
 弁当が二個なのはなにも私が食いしん坊だからではありません。この日、付き合い始めて半年になる彼と山登りをするために、朝の五時に起きて二人分の弁当を作ったからなのです。
 彼は当日の朝になって腹痛のため山に登れない、と連絡を寄越してきました。まさか腹痛の彼をおいて一人で山を登るなんて思わなかったみたいですが、私はどうしてもあの山に登ってみたかった・・・

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やさしいお粥

16/07/07 コメント:0件 雨宮可縫花

 仕事を終え駅の改札を出たのは、夜の七時だった。栞はスーパーに寄り、半額シールが貼られた弁当をカゴに入れた。
 時間が経った弁当のおかずは、いつも冷たく干からびている。油がまわってベタベタする。ご飯は水っぽくなり、ふやけている。
 食べることができたら、何でもいいと思っている。だから、毎日安くなった弁当を買う。
 寂れた商店街を抜けると、築四十年の木造二階建てのアパートが見えてく・・・

0

焦げだ卵焼きと秀司君のお母さん

16/07/05 コメント:0件 てんとう虫

 秀司君はいつもサンドイッチいれるプラスチックの籠のような四角い入れ物を弁当箱として持ってきていた。
「秀の母さん卵焼き焦がしてんな?」と洋一が話しても苦笑するだけ。
少し焦げた卵焼きを噛み締めるように食べています。
その姿はなぜか心に残りました。
次の土曜の弁当の日。
洋一と秀司の机をみると洋一が何かをいい秀司がいいと首を振ってる姿でした。
「たまには交換しょ・・・

3

コンビニ

16/07/04 コメント:3件 せんさく


平日の朝6時40分。私は決まって近所のコンビニへと立ち寄る。買うのはおにぎり2つと菓子パン。それから缶コーヒーだ。おにぎりの具は梅干しとこんぶ。菓子パンはメロンパンだ。缶コーヒーはその場で飲むために、おにぎりと、菓子パンは昼食用に買っている。
レジに立っている人も決まっていて、高校生くらいの男の子。名札には吉川とある。学校に行く前の朝バイトだろうか。社会人も大変だが、高校生もそれ・・・

1

外でもお家ごはん

16/07/04 コメント:0件 奈名瀬朋也

 外でごはんを食べる。
 その中でも『お弁当』というのは実におもしろく、そして楽しい。
 幼稚園の遠足やお泊り会。
 小学校の運動会に社会見学。
 中学の部活動に修学旅行。

 ことあるごとにお弁当はあたしの前に現れ、宝箱を開くような高揚感をくれる。
 そんなお弁当、ひいてはお弁当箱を、あたしは愛していた。

 そして、それは高校になった今でも・・・

2

ランチタイムブルース

16/07/03 コメント:2件 みや

社内の社員食堂で、日替わりランチの油まみれのこってりとした豚の生姜焼きを一人で食べていると、ここ良いですか?と経理課の顔は知っているけれど名前は知らない若い女性社員が、私の目の前の空いている席に座った。

五十を過ぎた私には油が濃過ぎる豚の生姜焼きを食べ終わり、私は妻にメールを打ち始めた。”本日の昼食 ・豚の生姜焼き定食 油が濃い”メールを打ちながら名前の知らない若い女性社員が食べて・・・

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オモイデのお弁当

16/07/02 コメント:16件 デヴォン黒桃

  
 皆さんは、お母さんのお弁当の思い出は有りますか?
 ワタシのお弁当の思い出は……
 
 アレは、近所で大人気の「万得屋」女主人が、一人で切り盛りするお弁当屋。
 安くて美味いので、サラリーマンのランチタイムや、主婦のお昼。子供の遠足や運動会にも引っ張りだこだった。
 ボリューム満点で三百円という破格に誰しもが喜んでいた。
「お、オタクも万得弁当です・・・

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「世界一のお弁当」

16/06/30 コメント:6件 泉 鳴巳


六年×組 白沢 陽子


 わたしのお父さんは料理がとっても下手です。
 不器用なお父さんは、包丁で手を切ってしまうのはしょっちゅうで、いつもどこかの指にばんそうこうを巻いています。
 でもわたしは、そんなお父さんの作ってくれるお弁当は、世界一だと思っています。

 わたしの家には、お母さんがいません。
 わたしがまだ言葉もしゃべれないくらい・・・

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王者のつぶやき

16/06/30 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

ここでは俺が王者だ。
かれは胸をそびやかして豪語した。
それにしてもここは、なんて窮屈なんだ。
かれは背をのばして、あちらをみやった。
すると、いやにまんまるの、異常なまでの紅潮した顔が目にとまった。
かれはおもわず生唾をのみこんだ。
「どうしました。涙ぐんだりして」
隣にいた昔懐かしアフロヘヤの、これまたいやに顔色のあおざめた奴が、きゅうに声をかけてきた・・・

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愛、或いは三枚目の海苔と外された指輪へ

16/06/29 コメント:0件 ノベ・ツムギ

 はっきりと見た、その一文字。
 白米の上に海苔で〈嘘〉だ。ご丁寧にずいぶん細く切って組み合わせたらしい。
「なあ、それおまえの?」
 薄紫の瞳に射抜かれる。わずかに敵意がある。
 声をひそめた。
「日本人を使っているのか?」
「勉強しているだけです。いけませんか?」
 陶器のような白い肌に、擦れた麻布を思わせる淡い金髪。息子より二つか三つ年上に見えるが、・・・

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運動会、お弁当の花が咲いて

16/06/29 コメント:1件 吉岡 幸一

小学校の校庭に千の旗がゆれている
白いテントは濃い影をつくり子供らを日差しから守っている
甲高い応援の声は風にのって空を舞う
がんばれ、がんばれ、追い越せ、追い抜け
保護者の群れのなかで私はひとり何をみる


背中の丸まった老女が杖をついて運動場を見つめている
孫の姿を必死になって探している
見つけた瞬間、老女は笑顔になって手を振りはじめる

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弁当男子

16/06/28 コメント:2件 ネコライオン

僕は飯塚 素直(いいづか すなお)に恋をした。
文武両道容姿端麗、おまけに性格も良くクラスの中心的人物。
中学三年生、クラスが変わって初めて彼女と同じクラスになった。
僕はそれまで友達もいなく一人でいることが多かった。
そんな僕の手を取ってくれて皆の輪の中に入れてくれた。
 
あの頃から僕は恋をした。
毎日色んなアプローチで彼女に振り向いてもらおうとした。・・・

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はるくんとおかあさんのおべんとう

16/06/28 コメント:0件 こぐまじゅんこ

 八月もおわり、明日から九月です。
 はるくんは、もりのみんなのところに、あそびにいきます。
 リュックサックをせおって、三りんしゃにのると、ペダルをふみこみます。
 さかみちでは、「うんとこしょ、うんとこしょ」と、三りんしゃをおしました。

 やがて、目の前に、みどりのもりが、ひろがりました。
「みんなぁ、いっしょにあそぼう!」
 はるくんは、大きな声で・・・

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愛妻弁当

16/06/27 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

ノックの音が二度続き、それから一呼吸おいてもう一度、鳴った。
彩奈は座布団からたちあがるなり、玄関にはしった。
彼と二人で決めた、合図のノックに、来訪者を確かめることもなくドアをあけた。
「やあ」
薮中敏郎は笑顔でこちらを見返した。
「まってたわ」
その言葉に嘘はなかった。このまえ会ったときから二週間というもの、彩奈は彼をずっと待ちわびていた。
ビジネスス・・・

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お弁当レッスン

16/06/27 コメント:0件 ちほ

わたしは、普通サイズの四角い弁当箱とアルミホイルに包まれた細長い何かを胸に抱いて、校舎の屋上へ向かった。
屋上には誰もいないと思っていたら、可愛い女の子が敷物の上に座っていた。彼女はわたしに気がつくと、にっこり微笑み、品のある仕草で手招きしてくれた。わたしは、隣に座った。と同時に、彼女の弁当が目に入る。……何か事情があるのだろうか? 彼女は美味しそうに食べているけれど、その弁当箱って、・・・

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普通なんてイヤなのっ!!!

16/06/25 コメント:2件 つつい つつ

 昼休みのチャイムが鳴る。担任の小林が張り切っている。
「今日は月一回の弁当の時間だぞ。楽しめ。取り替えっことかしろっ! なっ、なっ!」
 中二にもなって、弁当ぐらいで騒げるかよって思いながらも仲川麻琴はママがどんなおかず作ってくれたのかドキドキしていた。麻琴のクラスは弁当の時だけ班で机を並べる決まりになっており、麻琴は高木花子と学級委員長でもある諏訪篤志と水森裕太と四人で席を合わせる・・・

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産道

16/06/22 コメント:0件 待井小雨

 死んだばかりの老いた私に、大きな何かがこう言った。
 ――お前にこれをやろう。腹が減るごとに一つずつ食べて道を進むといい。
 周囲は仄白く、全体的にぼやけている。私が歩く一本の道以外には何も見当たらない。声の主もどこにもおらず、私一人がそこにいた。
 両手の上に包みが乗っている。覗けばそれは、おにぎりが三つ入った弁当だった。
 つい先ほど死んだのであろう私の魂は、景色のは・・・

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最後の一人

16/06/21 コメント:0件 蹴沢缶九郎

朝起きて顔を洗い、フルーツの缶詰を開けて軽めの朝食をとる。出掛ける支度を済ませると自転車に乗って近所の野菜畑に行き、野菜に水をやったり収穫をしたりと野菜の世話をして過ごす。
お昼になり、自宅から持ってきた弁当を食べて、午後も農作業に精を出す。日が暮れてきたので、適当な所で作業を切り上げ帰宅して風呂に入り、夕飯を食べつつ一杯やりながら音楽を聴く。至福の一時。やがてうつらうつらと睡魔が襲ってきた・・・

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ポイ捨て

16/06/21 コメント:0件 水面 光

私はそそられもしない女の裸を儀式的に目でなめまわしたあと、コードが理解できない低能は排斥されるべきだと賢者モードをキメている自分に酔う余裕がまだそのときはあった。昼間っからなんだこの変態野郎がと自嘲する余裕が確かに。私が最初にそれに気付いたのは正午をとっくにまわってそろそろ昼メシを買いにコンビニに行こうかと重い腰を上げようとしたある日のことだ。昼に弁当なんか食うやつは確実にリア充だから、私などはお・・・

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好き嫌い

16/06/20 コメント:0件 素元安積

 私は、クリームシチューが好きだった。

 だけれど、好きなのはクリームシチューのルゥだけ。

 クリームシチューにゴロゴロと入った野菜が大っ嫌いだった。

「いただきまーす!!」

 小学生の頃、手を合わせて食べるクラスメイトを尻目に、私はルゥを恨めしそうに見る。

美味しそうだけど……野菜がいっぱいあって食べられないよ

・・・

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弁当箱の中

16/06/20 コメント:0件 蹴沢缶九郎

目の前に弁当箱がある。中が気になるので蓋を開けると弁当箱が入っていた。

その弁当箱を取り出し、蓋を開けるとまた弁当箱が入っている。まるでロシアの民芸品マトリョーシカの様だ。

再び弁当箱を取り出し、蓋を開けるとまたまた弁当箱が入っている。その弁当箱を取り出し、蓋を開けると弁当箱が入っていて…。

その行為を何度か繰り返したところで、取り出す弁当箱の大きさが全く・・・

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愛情

16/06/20 コメント:0件 猫野まち

 「明日、弁当いるって。」
 こういうと、母は決まってこう返した。
 「えー、じゃあ、いつもの焼肉弁当でいいの?」
 私は母が作ってくれる弁当でその「焼肉弁当」以外食べたことがなかった。
 「焼肉弁当」というのは、二段弁当の下の段にオカズが入っていて、上の段にご飯と焼肉が入った簡素なお弁当だ。だけど、私はそれが大好きでもあった。
 
 
 私の母は、夜に仕・・・

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お弁当付けてどこ行くの?

16/06/20 コメント:0件 黒森あまやどり

振り返ると、彼との思い出の傍にはいつもお弁当があった。

最初は高校時代。
私がうっかり昼食代を持ってくるのを忘れ、お弁当を分けてくれたのが隣の席だった彼だ。

昆布巻きが美味しくて、思わず「お母さん料理上手だね」と言うと、彼は「それ自分で作ったんだぜ」と得意そうにはにかんだ。
それがきっかけで、ふたりで昼食をとるようになり、二ヶ月で付き合うようになった。

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100kgの負荷がかかる肩

16/06/20 コメント:0件 ポテトチップス

ミーティングが終わると、杉林は光浦だけ部室に残るように言った。
他の部員は帰り支度をして部室を出て行った。
1人だけ部室に残された光浦は、長椅子に座って俯いていた。
「光浦、オマエをレギュラーから外すことに決めた」
光浦は俯いたまま、首だけコクンと頷いた。
杉林は、きっと悔しいだろうなと思った。誰よりも練習を頑張り、誰よりも野球に対して貪欲な高校球児だった。長い監督生・・・

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信子の門出

16/06/20 コメント:0件 ポテトチップス

正信は深夜11時に帰宅した。顔を赤らめ、呼気からはお酒の臭いがした。
「ただいま」カバンから取り出した弁当箱と花束を信子に手渡した。
「あら、綺麗な花束ね」
「会社の人から貰ったんだ」
「お酒は誰と飲んできたの?」
「同僚とだよ。居酒屋で定年退職を祝う会を開いてくれたんだ」
「あなた、ビールで乾杯しましょう」信子は、そう言って弁当箱と花束を持ってキッチンに向かっ・・・

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全ては『弁当可』から始まった

16/06/20 コメント:0件 ちほ

「園子さんは、お弁当を持参していらっしゃるの?」
リーダー格の女生徒が、他の数人にチラッと視線を寄こした。それを合図に、彼女達は堪え切れないと言いたげに、次々と笑い出す。わたしの人格を否定する笑い方で。この学校には恐ろしい伝統があるそうだ。
『パンこそ、上流階級の食べ物に相応しい。弁当を食べる者は卑しい人間です』  
生徒手帳には『弁当可』とされている。けれど、入学初日に持参・・・

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心を込めて、おむすびます。

16/06/20 コメント:1件 想。””

弁当には、いつもおむすびが入っていた。

ご飯をのまま詰めるのではなく、食べやすい様にと母親が握ってくれる。
おむすびにする理由は、ご飯をそのまま入れるより美味しいからであると言っていた。

そう、美味しいのである。

理由は分からないけれど、おむすびは美味しい。米粒の犇めいたおむすびは美味しい。
最近、このおむすびがおにぎりとなった。

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第七人工島

16/06/20 コメント:0件 笛地静恵

 こづかいがない。こまった。だが腹が減った。穴あき銅貨一枚。これで頼みこもう。地世さんなら何とかしてくれる。どこかにそんな甘えがあった。この前も並盛を大盛りにしてくれたではないか。
 月彦の下校の道は、人工林の中を突っ切っていく。近道になる。やきそば屋ができた。板を張り合わせた掘っ立て小屋。《クラーク亭》という。看板が大きく出ている。  
 近くで大工事が実施されていた。道路を作ってい・・・

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見守る弁当箱

16/06/20 コメント:3件 2121


冷蔵庫に寄りかかる。
立てた膝に輪を掛けて、目を閉じるときっと彼が現れる。
じっと、待つ。
微睡みに落ちそうになる瞬間、肩をトントンと叩かれた。
「こんにちはー!」
目を開き肩を叩いた主を見れば、軽く手を上げて挨拶する弁当箱頭の男がそこに。
「綺麗にしてくれてさんきゅな!」
「こちらこそ、いつも働いてくれてありがとうね」
いしし、と笑う彼につ・・・

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