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第八十一回 時空モノガタリ文学賞 【 三匹の子豚 】

今回のテーマは【三匹の子豚】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/06/01

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2015/04/06〜2015/05/04
投稿数 49 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

8

三匹目の子豚

15/05/04 コメント:12件 光石七

 昨夜は眠れなかった。授業が始まっても菜緒の心は落ち着かない。
「内木、聞いてるのか?」
国語教師に注意された。すみません、と菜緒は小声で応える。
「まあ、大上の件でみんなもショックを受けてるだろうが……」
先週このクラスの生徒 大上彩がP駅の階段で転落死した。現場に居合わせた通行人が「足を踏み外すのを見た」と証言し、事故として処理された。だが、菜緒は知っている。彩は殺され・・・

5

優しい狼

15/04/24 コメント:8件 夏川

 あるところに子豚たちが暮らす村があった。
 子豚たちに親はない。みんな狼が食べてしまったのだ。それでも子豚たちは森で食料をさがし、みんなで協力しあって暮らしていた。冬になって森に食べ物がなくなっても誰かが掲示版に食べ物の隠し場所を記した紙を貼っておいてくれるので、子豚たちは飢えることなく元気に成長していった。
 しかし子豚たちの生活は豊かなものとは言えない。住む家はボロボロ、修理した・・・

最終選考作品

5

R-12 三匹の子豚 (保護者同伴で読みましょう)

15/05/04 コメント:6件 泡沫恋歌

 三匹の子豚の作った家で、頑丈な煉瓦の家は狼の襲撃にもビクともしませんでした。
 そのことで自信をつけた末っ子の子豚は「子豚ハウス」という建設会社を立ち上げました。注文住宅専門で設計から施工まで引受けるのです。
 人手(豚足?)が必要なので、ダメな兄二匹を雇うことにしました。
 一番上の兄には営業に回って貰うことにしました。「よし! 俺が注文を取ってくるぞ」と勇ましく飛び出した兄・・・

5

女は呪われ豚になる。

15/05/03 コメント:4件 草愛やし美

 わけわかんない、今朝目覚めると部屋中に異様な臭いが漂っていたの。食べ物の腐敗臭、あたしは飛び起き辺りを見回した。何てことベッドの周りに残飯が散らばっている。誰がこんないたずらをしたの──いえ、これはいたずらなどというものじゃないわ。明らかに誰かの嫌がらせに違いない。あたしは吐き気を覚え慌てて洗面所に走った。鏡の中のあたしの顔を見て再びびっくりした。顔中何かこびりついている、特に口の周りや鼻にべっ・・・

6

ピグオとブヒエッタ

15/04/26 コメント:8件 そらの珊瑚

 あなたは豚の国のカーストはご存知だろうか? ええ、三角形の身分制度のことです。

 ピラミッドの一番上はリトルピーと呼ばれている支配級。
 童話「三匹の子豚」で、レンガを積み上げた頑丈な家を作ったとされる、お利口な一番末の弟豚の末裔である。
 首都に住み、レンガ工場を始め、この国の経済界も担っている。強固な砦に守られているので、狼族の餌になる心配はない。

 ・・・

2

剛速球投手が夢だった

15/04/06 コメント:4件 クナリ

甲子園が掛かったマウンドで、俺の右肩の痛みが鋭さを増した。
タイムを掛けて駆け寄って来た監督に、頭を叩かれた。
「大野、今の一球は何だ。いきなりアンダースローなんて、ふざけてるのか」
「ふざけてません。もう、上から投げられないんです。肩が」
1-7でこっちが負けてる七回裏、ツーアウト二三塁。
打席に立っている敵チームの片山は、今日既に俺から三安打の難敵。
なのに・・・

6

一番賢い豚

15/04/06 コメント:14件 るうね

 あるところに豚の一家が住んでいました。
 その日は子豚たちの独り立ちの日でした。
「外には狼が出ますからね。気をつけるんですよ」
「はい、お母さん」
 そう言って、三匹の子豚は家を後にしました。
 そして、長男豚は藁の家を、次男豚は木の家を、三男豚は煉瓦で家を造りました。
 そこに狼がやって来ます。
 藁と木の家は、あっさりと狼に吹き飛ばされてしまいまし・・・

投稿済みの記事一覧

7

秘密のレストラン

15/05/04 コメント:9件 そらの珊瑚

 ようこそ! レストラン「三匹の子豚」へ。

 オススメですか? やはりオオカミの煮込みスープでしょう。ちょうど今日は活きのいいオオカミが入荷したところです。お客さん、運がいいですね。でもこのことは他言無用ですよ。
 ほら、いろいろと世間がうるさいもんでね。オオカミは絶滅危惧種でしょう。食材にしてるなんて、おおやけにできないんですよ。

 うちは秘密の会員制の店なんで・・・

1

割合は三対一

15/05/04 コメント:2件 村咲アリミエ

 豚が好きな人がいた。名を万里。その豚好きは筋金入りで、幼稚園のころにお遊戯会で三びきの子豚をすることになり狂喜乱舞し、まわりの子がその喜びように驚き、泣き出す子まで出たというのだから、どれだけ嬉しかったのだという話で。

 理由は定かではないらしく、とにかく彼女は物心ついた頃から豚が好き。あの愛くるしい姿、ピンク色という奇跡的な配色、つぶらさ、鳴き声、そして、それでいて美味しいと、視・・・

1

三匹の子豚

15/05/04 コメント:2件 しーぷ

「お母さん。この本読んで」
「三匹の子豚ね。いいわよ、ここに座りなさい」
母親はこほんと咳払いをひとつして、息を吸い込んだ。
「あるところに三匹の子豚がいました――」

「一番目の豚さんの建てたワラの家に狼さんがやってきました。狼さんがふーっと息をはくとワラの家はとたんにくず……れませんでした」
「狼さんの息でおうちが壊れちゃうんじゃないの?」
娘は首をか・・・

0

佐藤家の三つ子

15/05/04 コメント:0件 山田猫介

 佐藤家の三つ子というと仲のよい3人組に見えるが、とんでもない。喧嘩の時、2人なら1対1、4人なら2対2。力は釣り合うが、3人ならそうではない。2対1で僕が仲間外れだ。佐代と加代は女で、僕は男だから。
 珍しい例だが、一卵性と二卵性の混じった三つ子なのだ。しかも3人ともお年頃の中学生だから、状況は悲劇的。この日も下校路で、2人は僕をからかう。
「治、あんたも副委員長のCカップに興味があ・・・

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マリスの函

15/05/04 コメント:1件 高橋螢参郎

 果たしてそれは本当に家だったのだろうか?
 真っ赤な煉瓦作りの壁はセメントで隙間という隙間を執拗なまでに塗り固められており、四方にはたったひとつの窓すら設けていなかった。風雪にはよく耐えるだろうが、藁で造られた家のように季節の流れを肌で感じる事などできず、木で造られた家の暖かみもなく、さながら小要塞の如き様相を呈していた。
 内と外との繋がりとして入口の扉だけはひとつ備えていたものの・・・

9

癒しのブ秘術

15/05/04 コメント:9件 草愛やし美

 その後の三匹の子豚がどうしてるか知ってるかな、そこの人間の子供よ? 知らないじゃろう、お前は見るからに夢のない顔をしておる、最近の子供は童話を読まんからそうなるんじゃ。童話の世界のことをわしが教えてやろう。


 三匹豚家の長男はブータレ、次男はブヒブヒ、三男はブッタという名前じゃった。ん? 何か違うってか、細かいことは気にせんことじゃよ、それが世の中を潤滑に進めるわざってもん・・・

1

3豚無双

15/05/04 コメント:2件 

昔々 三匹のこぶたの兄弟がいました。
ある日のこと
「俺たちもそろそろ自分達で家を建てるか」
「そうだな」
「立派な家を建てます」

こうして三匹のこぶたは家を建てに出て行きました。一番上のこぶたはワラの家を建て
二番目のこぶたは木の家を建てました。

それを悪いオオカミが見ていたのです。

「巧そうな子豚だ 食ってやろう」

2

三匹の子ブタたち

15/05/04 コメント:2件 光石七

 むかしむかし、あるところに、ブタの家族が住んでいました。お父さんブタとお母さんブタ、そして三匹の子ブタたちです。兄弟たちの名前は、一番上がピガー、真ん中がピギー、一番下がピグーといいました。三匹はお父さんとお母さんの愛情を受けて、すくすくと育ちました。
 ある日、お父さんとお母さんが兄弟たちに言いました。
「お前たちはもう大人だ。家を出て、それぞれ暮らしなさい」
 三匹の子ブタ・・・

2

三匹の女豚(めぶた)

15/05/04 コメント:4件 南野モリコ

 昔むかし、お母さん豚と三匹の娘豚が仲良く暮らしていました。娘豚が年頃になった頃、お母さん豚は言いました。「結婚して自分の家を建てなさい。どこにどんな家を建てるかは、あなたたちの自由ですよ」。

 長女豚は、都心のタワーマンションを購入しました。「子供はいらないわ。海外旅行をして、夫婦で楽しむわ」。
次女豚は、郊外の閑静な住宅地に一戸建てを購入しました。「子供にいい教育を受けさせ・・・

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My home(town).

15/05/03 コメント:0件 みや

陽子は三人の息子達が将来大きくなり、生まれ育ったこの家を出てどんな「マイホーム」を持つのかとても楽しみにしていた。子供達がどんな一国一城の主になるのか、そして密かな夢が陽子にはあった。

息子達が生まれ育ったこの二階建ての古い家は夫の実家で、死んだ夫には申し訳ないけれどお世辞にも広くて綺麗だとは言い難く、壁や天井もかなり薄汚れているし柱も傷だらけ。隙間風もひどく、窓も何だがギシギシと変・・・

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I LOVE 豚

15/05/03 コメント:0件 アマポーラ

2日間、ペットを預かって欲しい。彼氏と旅行に行くから、と。友人の頼みを私は快く引き受けた。犬猫の世話ぐらい、2日ぐらいいいかと思って。しかし私は気付くべきだった。いや、思い出すべきだった。引き受けたのを後悔したのは、ゲージに入れられたヤツらを友人が我が家に持ってきた時。
「よろしくね、美奈。赤いリボンのがルージュで、黄色のリボンのがジョーヌ、緑のリボンがヴェールだよ!」
じゃあよろ・・・

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僕が豚によって人生が変わるまでのお話

15/05/03 コメント:0件 レイチェル・ハジェンズ

 バスの運転手と他愛のない話をしていた僕を、座席からひっぺがした女の子との話。


「少年よ」


 艶があって気品高い、背中まで垂れた長い黒髪。
 彼女の動きと共に揺れる、白のブラウスに初夏の涼しさが垣間見れる。

「新入生だな?」

 3匹の子豚が笑う姿が描かれたバスが通り過ぎ、その風によって彼女の黒髪が優雅に舞う。その後ろ姿を・・・

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寂しがりな子豚の反乱

15/05/03 コメント:2件 冬垣ひなた

大麦は今をたけなわに穂を垂らし、先ほどは陽を受け金色に光っていた波が、白銀にたゆたう。
いつも3匹の子豚が密かに見る、漆黒の薄幕を敷いた天上は、一面に氷を砕いたような光の粒が瞬き、零れおちた明かりが大麦を濡らしていた。
そこに一陣の風が渡ると大波が起こった。すると時期の早い蝗が一斉に飛び立ち、何百もの小さな放射状の光を描く……。
我らは家畜。宴に饗される、ただそのために生きている・・・

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咆哮

15/05/02 コメント:0件 たっつみー2

 老人の話し声が止むと、古民家は静けさに包まれた。
 老人がひと息つくようにお猪口をグイッとあおる。
 おそらく、ライターなどという輩と話しをするなんて初めてなのだろう。老人の表情は硬く、空気が重たい。
 秋の夜、外から虫の音だけが部屋の中に忍び込んでくる。
 私は、老人のお猪口に酒を注ぎながら、雰囲気を変えるように軽い調子で、
「なんだかこの話し、ちょっと三匹の子豚・・・

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むくむくぶらざーず

15/04/30 コメント:0件 ちほ

 秋の動物大運動会の華といえば、子ブタによる『かけっこ競争』でした。そう、子ブタが走るだけ。いえいえ、この競技はそれだけで終わるものではなかったのです。他の競技では禁じられている賭けが許されていますし、何より賞品が豪華なんですよ。だから、見る側も夢中になりますし、子ブタ達にとっても力が入ります。なんでも代々主催者が子ブタ好きだそうで、他の動物たちは(あぁ、自分も子ブタに生まれていたら……)と溜息ま・・・

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三匹の子狼

15/04/28 コメント:4件 るうね

 死の床についていた母狼は、自分の死期を悟ると、三匹の子狼を呼んで言いました。
「もう、母さんは長くありません。これからは自分たちの力で生きていきなさい」
 涙ぐむ子狼たち。
 母狼は、続けて、
「いいかい、外に出たら豚と山羊に気をつけるんですよ。父さんを殺してシチューにして食べてしまったのは豚。叔母さんの腹に石を詰めて井戸に突き落したのは山羊なのだからね」
 一度、・・・

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三豚志

15/04/28 コメント:2件 るうね

 狼国の斥候部隊を撃退した英雄、三匹の子豚はいま、敵味方に分かれて争っていた。
 原因は、三男であるウ・ピッグの増長にあった。煉瓦の城を建て、狼国の斥候部隊を撃退する立役者となったウは、その手柄を背景に権力の中枢へと手を伸ばし、長兄のブ・ピッグと次兄のフ・ピッグを軽んじるようになったのである。
 これに、ブとフは反発。自分たちに付き従う者たちを連れ、豚国の地方都市にて反乱を起こした。だ・・・

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夢を積むひと

15/04/26 コメント:1件 春沢 紡生

 ユキが積み重ねていたのは、いったい何だったんだろう。
藁でも、木でも、ブロックでもないもっとずっと儚くて弱い……積み木の家。
波に消されてしまった砂のお城みたいに、けれどそこには沢山の夢が詰まっていた。
ありがとう、ユキ……わたし、ずっとユキのこと忘れないから。

 子供の頃から友達作りが苦手で、ずっと一人ぼっちだった。教室には居場所がなくて、逃げ込んだ図書館で本に・・・

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猪口才卯之助

15/04/26 コメント:4件 久我 伊庭間

 猪井卯之助は憂えていた。
「次は私だ」
もちろん、犬童頼母のことである。猪井家の嫡男、文蔵と学友であった頼母は、剣術、学問、意中の女、事あるごとに張り合っていた。そのどれもが文蔵が勝り、頼母は苦汁をなめた。しかし、代々家老職を務めてきた犬童家と猪井家の間で、家格は大きな隔たりがあった。家督を継いだ文蔵が郡奉行のもとで働き、田畑の検地を務めていた頃、頼母はすでに中老であった。八年前の凶・・・

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妹と、菓子パンと、ふぅとひと吹き

15/04/26 コメント:2件 よたか

 放課後、美弥は昇降口から校門へ向かった。美弥にとっていつもの事。ただ、いつもより校門の外が騒がしい。何台も車が停まってて、見た目にスマートな大人たちが何人もいた。
 美弥が『何だろう?』と思う間もなく大人たちは美弥を見つけて呼ぶ。校門の外へ手招きをした。
 美弥は恐くて立ちすくんだけど、後からやって来た同級生が「みやちゃん。テレビに出るの?」「すごーい」とか言いながら美弥の手を引いて・・・

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豚は飛べても豚なんだよ

15/04/25 コメント:0件 高木・E・慎哉

豚が食われそうになった!
「ブヒー!!!」
豚は狼と戦った。
三匹の子豚は懸命に、狼一匹と戦っていた。
豚は三匹だが、決して三匹だと油断してなかった。
それに対して、狼はなんてうまそうな豚だと、ヨダレを垂らしながら豚を眺めていた。
豚は決死盛んに戦った。
しかし、狼は強かった!
何しろ、狼は強そうな牙を持っていて、今にも豚に食いかかりそうだった!

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豚野郎ども

15/04/25 コメント:0件 かめかめ

 ぴしっと鞭が鳴る。

「遅いぞ子豚ども! 四つんばいになって整列!」

 ああ、さっきの鞭の一打ちを僕のお尻にいただきたかった……。だけど僕たちはまだまだ見習いの子豚。立派な豚野郎にならねばご褒美などいただけない。

「さあ子豚たち、お前たちの薄汚い欲望をさらけ出してごらん。アタシに何をさせるつもりだい?」

 僕たちを飼育してくださっている女王様・・・

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ファミリー

15/04/23 コメント:1件 有朱マナ

薄いピンク色の身体を持った二等親の生物が三匹ベッドの上で寝ている。スヤスヤと。つぶらな瞳を開けながら。ご主人の帰りを暗い部屋の中で待っている。

 …ガシャ
「ただいま」
私は仕事を終えて家に帰ってきた。家の中には誰もいない。一人暮らしのため、部屋は明かりが点いていない。真っ暗。
 私は明かりを点ける。そしてベッドにいるものに対して言った。
「ただいま、こぶ・・・

2

豚の国から

15/04/22 コメント:2件 島井宗元

工学者は言った「煉瓦の次には煉瓦以上のものが生まれるだろう」と
経済学者は言った「家の飽和状態が起き家自体に価値がなくなる」と
文化人類学者は言った「藁と木と煉瓦を折衷した建築が生まれる可能性がある」と
哲学者は言った「そもそも豚の家のアレテーは何か」と

”N匹の子豚の論争”
Nを3、4、5、…と増やした末に何があるか
もとは知を持て余した者達の無垢無害・・・

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ブラザーズテイル

15/04/22 コメント:10件 くにさきたすく

 俺に何の用だ?
 ああ、オオカミなら確かに俺ん所に来たぜ。でかいのなんのって。吐く息もすげえんだ。家はわらで適当に作ったもんからすぐに吹き飛ばされちまった。
 普段なら返り討ちにするところだが、あいにくその日は寝起きでな。目がまだぼやけてたんだ。ちょっと不利だ。ただ俺も足には自信があるんだ。オオカミにだって引けを取らないぜ。だから、かろうじて窮地を脱することが出来た。
 そして・・・

0

生きる

15/04/21 コメント:0件 日谷 弥子

 狼が雄叫びを上げている。
 もう深夜に近い。狼の声は、木枯らしのひゅうひゅう鳴く音と混じり、競い合う。
 目をつぶっていた母さんが、隅の敷き藁の上で縮み上がるのが見えた。
 あいつだ。僕たちの住処の周りを嗅ぎ回ってた。

 上の兄さんが入って来た。
 大丈夫だ、と母さんに声をかける。今日じゃない、と。
 下の兄さんも入って来た。そうだよ大丈夫だ、と相づち・・・

1

渡し舟

15/04/20 コメント:2件 山田猫介

 N市には川があり、あるところに橋のない場所があって、渡し舟が運行されていた。
 通行人も多く、川幅も狭いことから、なぜ橋が建設されないのか、みな不思議に思ったが、渡し舟を動かす業者にも生活があり、市の側にも、橋の建設でそれを脅かすことにはためらいがあった。橋の計画は、持ち上がっては消え、持ち上がっては消えを繰り返した。
 この渡し舟だが、流れのない静かな水面だからエンジンつきの船では・・・

2

三匹の子豚あらため!

15/04/20 コメント:4件 汐月夜空

「勝喜、三匹の子豚という童話があるだろ? あれって実にナンセンスな話だと思わないか?」
「なんだよ瑠璃、藪から棒に」

 放課後の図書館。
 8段脚立のてっぺんに座る瑠璃。決して上を見ないようにその脚立を支える勝喜。他には誰も居ない図書館の中に瑠璃が捲る本の音と二人の声だけが響く。

「なんだい、藪からス〇ィックだって?」
「勝手に人の言葉を〇ー語に変換す・・・

1

かわいいルビアとおそろしい鬼

15/04/19 コメント:2件 水鴨 莢

 昔、暑い国での話。
 キンマの林のなかで、黒い腕が羊の頭をつかみ、それを黄色く鋭い歯がかじっていた。
 と、夕暮れの木々の向こうに紅い色が通る。しわくちゃの顔についた血をぬぐい鼻をむけると、大好物のブタのにおいがした。
「これはだいぶ活きのいいヤツだぞ」
 年老いたラクササ(鬼)は金色の眼を太陽のごとくギラギラさせ、羊の死骸をほうり林道へひとっ跳びした。
「あら! ・・・

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ひそひそ

15/04/18 コメント:0件 

 あれは三歳の時だった。真夜中にふいに目が覚め、そして聞こえてきた。
 ひそひそ、ひそひそってささやく声が。僕のベッドの下から。十センチ程度しかないその隙間から、聞こえてきた。何を言っているのかは聞き取れないが、確かに誰かがささやいていた。
 僕は怖かったが、勇気を振り絞って、ベッドを叩きながら「誰っ?」って叫んだ。
 するとその声はぴたりと止んだ。止んだのはいいけれど僕は泣いて・・・

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レンガのおうち

15/04/15 コメント:0件 洞津タケシ

 アレンは総レンガ造りの巨大な邸宅の、広い応接間で唾を飲んだ。
 使用人に待つように言われ、もう10分になる。
 一番広い壁に、肖像画が飾られていて、テイルコートに身を包み、トップハットを脇に抱えた、紳士然とした豚の姿が描かれている。

「やぁ、すまんねお待たせして」
「いえとんでもない」

 車椅子が、音もなく入ってくる。屋敷の主が着ているゆったりとした・・・

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トライアングルレターズ

15/04/14 コメント:0件 横須賀 陽夏乃

 枝江(えだえ)から和良(わら)への手紙


 拝啓 
 私からの久々の手紙を突然受け取って、和良さん。あなたはどう思ったのでしょう。もう私たちが手紙のやりとりをやめて五年になるわ。あなたは変わらないのでしょうね。きっと。
 まず初めに同封したものについて説明しておきます。あなたがとても好きだといっていたキャラクター、子豚のピッグルのキーホルダーです。先日ショッピング・・・

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レンガを積む者

15/04/11 コメント:2件 


私の父はサービス精神旺盛な人だった。
誰でも父と会うと父の事好きになる。
私達は三姉妹だったが3人とも父の事が好きだった。

食卓を家族で囲んでいた有る時、3匹の子豚の話を父はした。
私達3姉妹を子豚に見立てて話し始めたのだ。
3姉妹は惨いと思いながらも笑いながら話を聞いた。

「お前達3匹の子豚の話を知ってるな。
一番上の姉はワラをた・・・

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僕には妹がいる

15/04/09 コメント:0件 つつい つつ

 僕には妹がいる。でも、幼い頃両親が離婚して、僕は父親に妹は母親に育てられたから、兄妹といっても他人みたいなものだ。むしろ、他人のほうが気楽かもしれない。血のつながりはあるけれど、同じ時間を過ごしていない僕たちは会えばよそよそしくなるのが当たり前なのに、それに罪悪感を感じてしまう。
 去年父親を亡くし葬儀で久々に再会した妹は三十歳を過ぎ、ひとりで暮らしている僕を不憫に思ったのか、それ以来電話・・・

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五年越しの謝罪

15/04/09 コメント:0件 

 冷たく澄んだ空気が一層空を青く見せているかのような冬の朝、香苗は晴れ着を着て成人式会場前にいた。
 「良かったねー、晴れて」と真樹。
 「日頃の行いが良かったのかしら」と美里。
 小堀香苗と桑原真樹、小池美里の三人は中学校へ入学した際、たまたま近くの席に座っていたというだけの理由で親しくなった。
 三人揃って弓道部に入り、進級してクラスが別れても親しく付き合った。付き合い・・・

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たたかい

15/04/08 コメント:0件 山田猫介

 小学校の教師が怒り狂うのは、珍しいことではない。児童を殴るのも日常茶飯事。少なくとも筆者が子供の頃はそうだった。殴られまいと子供が教室から逃げるのも、当たり前の風景だった。
 教師が怒る理由など、どんな下らないことでもかまわない。朝食がまずかったでも、女房と喧嘩したでも、昨日の競馬で大金をすったでも、なんでもよい。とにかく林教諭はガキどもを殴ろうとしていた。ターゲットは3人。川口、大西、佐・・・

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オオカミ詐欺

15/04/08 コメント:2件 こぐまじゅんこ

 三匹のこぶたの一番上のお兄さんのところに、オオカミから電話がありました。
「あー、オレオレ。この間は、わらの家をふきとばしちゃって、悪かったな。おわびに
これから、ケーキをもっていくから、待ってて。」

 お兄さんぶたは、やさしいので、オオカミを疑うことをしませんでした。
 首をながくして待っていると、二番目のおとうとぶたが、やってきました。
 そこへ、オオカ・・・

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豚に涙

15/04/07 コメント:0件 ポテトチップス

「おい、沢木、ちょっと話があるから休憩室に行こう」
諸橋課長に呼ばれ、俺は胃がグ〜と痛くなった。きっと仕事でミスばかりしている俺を、お得意のチクチクと説教するつもりだろう。
俺は諸橋課長の背中をうつむき加減で見つめながら後をついていった。
休憩室の喫煙コーナーで諸橋課長はタバコに火をつけて吸った。
「どうした? 顔色が悪いぞ」
「いえ、大丈夫です。俺もタバコを吸っても・・・

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オオカミガールと3兄弟の子ブタ

15/04/07 コメント:6件 夏川

 昔々、あるところに3人の少年がいた。
 3人は良く似た兄弟で3人とも肌が白くやや小太り。良く見ると顔は整っているものの、その体格から町のみんなには3匹の子ブタなどと揶揄されていた。

 しかしそんな3人に目を付けた女性が一人。名をルーフと言う。
 ルーフは自分の結婚相手を探していた。彼女は隣の町で一番の金持ちの娘、そして国一番と評判の美人だ。彼女のタイプの男性は小太りで肌・・・

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三つの原発

15/04/06 コメント:10件 海見みみみ

 この度三つの国に新たに原発が建設されることになりました。

 A国の原発はコストダウンにより格安で建設することができました。国民も大喜びです。
 ところが地震が起きて一変。原発は倒壊し多くの放射能をばらまき、国民の大半が被曝しました。

 B国の原発はA国の反省を活かし、耐震工事が施されました。これで地震が起きても安全です。多くの国民が喜びました。
 実際に地・・・

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オオカミさんへのオマージュ

15/04/06 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

 娘の美奈が、ちょっと部屋にきてと、私を呼んだ。
 私はすぐに、あれかなと推測した。
 はたして、私が部屋に入ると、娘は机上のパソコンを前にして、
「お父さん、三匹の子豚ときいて、なにを思い浮かべる?」
 と、たずねてきた。
「またあれかい、時空何とかという―――?」
「そう、その時空モノガタリの、今回のテーマなの」 
 美奈がそのサイトに、自分の作品を投・・・

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大きな土地の物語

15/04/06 コメント:8件 クナリ

大きな土地に、たくさんの褐色の家族が暮らしていました。
家族達はお互いに助け合いながら、逞しく狩りをしたり、森の木の実を採って暮らしていました。
彼らは、藁でできた軽くて柔らかい家に住んでいました。
褐色の家族達は、季節が変われば住む土地を移らねばなりません。
そのためには簡単に作ったり壊したりできる、藁の家が一番よいのでした。

ある日褐色の家族達の下に、白い・・・

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