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第七十八回 時空モノガタリ文学賞 【 嫉妬 】

今回のテーマは【嫉妬】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/04/20

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2015/02/23〜2015/03/23
投稿数 57 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

5

妬きの野伏さり

15/03/02 コメント:11件 クナリ

まだ日本に、本格的な重工業が興る前の話である。
ある山中の村で、人死にの出た庄屋の屋敷を検分していた役人二人が、顔をしかめた。
「ひどいわ。幼い娘は首を絞められ、母はその隣で胸を包丁で突かれ」
「やれ、父親の平助も庭の蔵で死んどる」
蔵の中で、平助は衣服を乱して転がっていた。だが、外傷はない。
「こいつは何で死んだんやろう」
「強盗なら、全員刺し殺しとるわのう」・・・

11

跋丸くんの跋文

15/02/27 コメント:14件 松山椋

 さて、私(松山)は跋丸昌也くんの第153回芥川賞受賞作品『狂気の太陽』単行本の跋文(あとがき・解説)をこれから書かせていただくわけですが、まずこの場を借りて跋丸くんの受賞に心からお祝い申し上げたいと思います。本当におめでとうございます。
ところで、受賞作単行本のあとがきを書くというのは大変重要な仕事なわけなのですが、なぜ無名作家である私にお鉢が回ってきたのか、読者諸賢はきっと不思議に思って・・・

6

緑の目のおばけが灯油を借りに眠れぬ僕の窓叩く

15/02/25 コメント:6件 塩漬けイワシ

コンコンコン。
緑の瞳が見えた。丸く、感情のない目だ。持ち主の体格はずんぐりとした山のようで、目と手足以外のパーツは毛に覆われて見えない。ただ、正面を向いた一対の目が鈍く光っている。コン、コンコン。怪物は爪で僕の部屋の窓を慎重に叩いている。もう片方の腕は赤いポリタンクを下げている。僕は窓を開けた。深夜二時の冷たい空気が流れ込んでくる。怪物はただ、じっ、と僕を見つめている。
怪物は僕が5・・・

最終選考作品

8

般若の家

15/03/23 コメント:9件 そらの珊瑚

 小さい頃、夜中にトイレに行くのがとても怖かった。古い旧家だった家は、畳敷きの和室ばかりの部屋がたくさんあり、長い廊下があった。灯りは電球がところどころにあって行き先をぼんやりと照らしていた。

 私は一人で行くことが出来ず、隣に寝ていたばあやを起こして、いつもトイレまで付き添ってもらっていた。

 何が一番怖いといったら、壁にところどころ飾られているお面だった。
<・・・

7

嫉視(意識過剰)

15/03/21 コメント:12件 タック

ふざけるな、と呟く言葉は、白い画面の目前に消えた。
画面には六人の名前が称号を添えられて輝き、サイトの名を冠した賞が、今度は六人に与えられたことを示していた。
自分の、名前は無かった。自分の作品は隅の方に蟠り、なかば廃棄されていた。
二千字に全力を尽くした作品には善悪のコメントも無く、ただ目汚しの、恥の作品となっているようだった。つまりは、価値が無かった。自身を嘲笑されるより、そ・・・

2

剣鬼去る

15/03/09 コメント:4件 水鴨 莢

 佐賀の草摩流道場で、かつて二人の門人による果し合いがあった。
 一人の窪井新左衛門は、師範草摩左近の遠縁にあたる、長身で鼻筋の通った美丈夫。
 もう一人の笹倉久蔵は、師事歴は新左衛門よりながく、浅黒く険のある顔の偉丈夫。
 若き両雄、元は高く実力伯仲していたが、その頃には新左衛門の成長が著しく、差が開くにつれ久蔵の焦燥は激しくなっていた。
「立ち合え、真剣ならば決して負け・・・

5

ジェラシカル・パレードハイウェエ

15/03/03 コメント:10件 クナリ

いつも通りの朝、私は友達のユッカの家のチャイムを押した。
中学生になってから毎朝の習慣で、もう一年以上も続いていることになる。
おばさんが出て来て、いつも迎えに来てくれてありがとうね、と言って私をユッカの部屋に通してくれた。
ドアを開けると、ユッカが窓から外を見ながら仁王立ちしていた。
「ユッカ、遅れるよ」
「マナミ……やっぱりワシは、いつか世界を征服してしまうような・・・

3

飛ぶ鳥を落とす

15/03/01 コメント:4件 みや

人気作家Kに盗作疑惑が浮上したのはKが新作を発表してすぐの事だった。

新人作家SがKの新作が、Sが次作の為に書き上げている作品に酷似していると指摘した事が発端であった。Sは自らのブログに次作の構想や設定等を事細かく公開しており、今や流行新人作家であるSのそのブログは有名タレントに負けずとも劣らないアクセス数を誇っている。それを見たKが自分のアイデアを盗んだのではないのかとKの新作を読・・・

6

ジェラシックパーク

15/02/25 コメント:9件 るうね

「昨日、あの娘とデート、だったんだ?」
 ちょっと上目づかいでにらむような仕草。
「そ、そうだけど」
 そんな彼女に気圧され、思わずどもってしまう。
 彼女は、ふーん、と面白くなさそうにつぶやいた。
「ふーんふーん」
 ふーんを繰り返す彼女。教室の窓から差し込む西日で、その整った顔立ちが半分だけ照らされている。
「デート、って言っても、ちょっと買い物に付き・・・

投稿済みの記事一覧

6

OTHERS:EXTRA

15/03/23 コメント:7件 滝沢朱音

――友だちのIDを入力して検索
――追加


見つけたーよろしくね

検索してくれてありがと!

一緒のクラスになったことなかったね。

うん、これからいっぱい話そ?

みらるって呼んでいい?

もちろんー
 ・
 ・
 ・
みらるの声ってすごい。卒業式で実感した。みんなざわめいたもんね、み・・・

2

姉上の着物

15/03/23 コメント:4件 タック

ねえ、お静ちゃん。お姉ちゃんね、お静ちゃんに、――嫉妬している。羨ましい、憎らしい、この瞬間もずっと、思い続けたままでいるの。ごめんなさいね、駄目なお姉ちゃんで。どうぞ、笑ってちょうだいな。お馬鹿なお姉様ねって、平素のようにくすくすと、どうか、笑ってちょうだいよ。全部を、幻と、してしまえるように。

ねえ、お静ちゃん。天国のように安らかな、私達だけしか知らない、この原っぱ。ここでこうし・・・

1

サンセットアイズ

15/03/23 コメント:2件 汐月夜空

『それを食べるつもり?』
 委縮する。今、自分が禁忌に触れている自覚があった。だから、その咎めの言葉に罪の意識を持つと同時に安堵もした。
 だが、今の言葉はどこから聞こえた。果たして人の言葉だったろうか。暗い夜道で何かの拍子に鳴る草木のような印象を受けた。正体不明で妙に心をざわつかせる。そのくせ、弦を弾くように繊細で艶のある美しい声だった。
『後ろよ』
 辺りを見回していた・・・

6

シロとノラ子

15/03/23 コメント:8件 そらの珊瑚

 シロは斎藤家の忠実なる番犬。
 この家の子ども、光一郎が小学校三年生の時に、捨て犬だったシロを拾ってきて、早や十年が過ぎた。もう仔犬だったかわいい面影はどこを探してもなかったが、心は拾われてきた時のままだった。
「光一郎ぼっちゃま、今日も帰ってこないのだろうか?」
 そうえいば、何十日も会っていないような気がする。昨日もそのまた昨日も……人間のように指を折ってそれを数えようとす・・・

9

アメンボウと水紋

15/03/23 コメント:8件 草愛やし美

 水面に浮かぶアメンボウどうすればそんな器用に 
 水の上に乗れるものなのか 穏やかに水紋が広がっていく

「お子さんもご一緒に遊びにいらしてね、うちには子供がいないのでおもちゃがないんだけど良いかしら?」 彼女に子供がいないとその時初めて知った。一花に、唯一嫉妬させるものがあったのだ。
 世の中は不公平だらけだ。高校時代ずっと苛められてきた私に比べ、一花は女王様だった。一・・・

6

ガリバーな男

15/03/23 コメント:8件 泡沫恋歌

「ヨッ!」
 挨拶とおぼしき掛け声と共に、いきなり髪の毛をワシャワシャされた。
「な、何するんだ」
「おまえのつむじ可愛いなあー」
 友人の石田君は僕よりずっと背が高い。
 たぶん185p以上はあるだろう。どこに居ても頭一つ高いので目立つ。僕は心の中で『ガリバー』と呼んでいる。
「もぉ! 身長差を使った冗談はやめてくれる」
 クシャクシャにされた髪を手クシ・・・

8

赤い雫に溶けたもの

15/03/22 コメント:12件 光石七

 一一〇番の声は弱々しかった。
「夫を殺してしまいました……」
現場のマンションで警官を迎えたのは美しい女だった。乱れた髪、血で赤く染まった服。青白い頬にも血が付着している。
 奥の部屋に男が倒れていた。目を開けたまま苦悶の表情を浮かべているが、本来は美男子だろう。腹部からの出血がひどく、床に大きな血だまりができている。傍らにボイスレコーダーと血のついた包丁が転がっていた。

3

わたしはネコじゃない

15/03/22 コメント:4件 よたか

 笑顔をみると、ココロの体温が2度あがる。
 名前を呼ぶと、胸が一杯で呼吸ができない。

 彼女の事がスキ。ずっとソバに居たいから、カフェでカップを傾ける彼女のテーブルまで行ってソファー席の隣に座った。彼女はこちらを見て笑顔。読みかけの文庫本の栞を挟み直して、頭を撫でてくれる。柔らかなタッチで背骨が震えて爪先まで伝わる。あぁ幸せ。

 彼女の名前を呼ぶ。だけどその声は・・・

2

幸福

15/03/20 コメント:4件 南野モリコ

 専業主婦、軽井沢レイコにとって、嫉妬はするものではなくされるものだった。雑誌のモデルのようにきれいにカールしたロングヘアとストーンが光るネイルがそれを物語っている。

 レイコは、生まれながらにして全てを手にしていた。中高一貫教育の女子高から付属の大学へと進学し、卒業と同時に結婚した。
 なぜ友達は、仕事や勉強をしたがるのだろう。あんな退屈でつまらないこと。女の子は可愛らしくし・・・

1

カラス

15/03/20 コメント:1件 山田猫介

 今から何十年か昔のこと。カラスのカア太は、XX駅近くの住民にはよく知られた鳥だった。
 特に大きくも小さくもなかったが、鳴き声がえらく甲高く、ちょっと聞いただけではカラスとは思えない。人なつっこい鳥で、人間を恐れず近寄り、悪さもしないからかわいがられ、しまいには人の手からじかにエサをもらうまでになった。近所のパン屋などは「カア太弁当」と称して、袋に詰めたパンの耳や切れはしを売って、ちょっと・・・

5

黄色いガーベラ

15/03/20 コメント:8件 泡沫恋歌

 ずっと、ずっと君だけを見ているから――。

M: 
「ねぇ、僕の話をちゃんと聞いてるの?」
 そう問いかけると、君は曖昧に頷いて、僕の肩越しに窓の外の風景を見ていた。
「そういう迂闊なをところを注意しているんだ。もうすぐ結婚するのに、もし君に何かあったらと思うだけで……僕は心配で気が狂いそうになる」
 玄関チャイムを押したら、僕だと確認しないでドアチェーンも掛・・・

1

嫉妬の華が美しい理由

15/03/20 コメント:2件 村咲アリミエ

「ところで、マダムの好きな華を僕は知りません」
「私の好きな華は嫉妬の華だよ、ボーイ、君にも見せてあげたいよ。嫉妬の華はね、二種類あるんだ。ひとつは、羨望の意味での嫉妬。こちらは普通の華さ、よくある華だ。もうひとつは醜い、殺意にも似た意味での嫉妬。こちらのほうが、私の好きな華さ」
「本当に、マダムの目は素敵ですね。僕の目は、死んだ人の魂が見える程度ですよ」
「私は確かに感情も幽霊・・・

7

紙達の夜

15/03/19 コメント:7件 草愛やし美

 今夜も、何やら紙達が騒がしい。
 ◇
「今は昔、鶴女房という憐れな物語ありけり。なぜか縁あってこの本の主人公様にお仕えすることはや二年……」
「何、ぶつくさ言ってるのよぉ、聞いてるカー君」
「あっ、はい、聞いていますよ。白雪姫は、毒をもられて死ぬのですぞ、それは苦しいこと、ハタを織っている方が楽かと……」
「そっか、苦しむのはヤダなぁ」
「でしょ、姫といっても・・・

4

月の光

15/03/19 コメント:6件 そらの珊瑚

ジザの父は二年前、戦地で亡くなった。母もそれを追うようにして昨年逝った。何かの病気だったのかもしれないし、餓死に近かったのかもしれない。けれど、かれこれ五年も続く戦争によって、人々は他人の死というものに慣れっこになり、誰もその死因について詮索もしなかった。心も体も疲弊していた。皆、自分が今日を生きていくだけで精一杯だったのだ。
 母の亡骸を埋葬するための穴掘りを手伝ってくれたのは、幼馴染の・・・

7

恋愛中毒

15/03/18 コメント:11件 泡沫恋歌

たぶん わたしは狂っていたんだろう

あなたのその冷たさが 余計に熱くさせた
『いつも わたしだけを見ていて欲しい』
独占したい気持ちでいっぱいになってきた
激しい感情が 『毒』となって身体中まわり始める


少しずつ狂い始めた まず3つの症状が表れた

『冷静さをなくす』『嫉妬深くなる』『情緒不安定』
『追えば逃げるという』恋の・・・

1

ドライ・ドライ・ドロー

15/03/17 コメント:1件 辛楽



ここのクロワッサンは実に美味い。
ハニーシュガーのコーティングをサクサクと貫きバターの香るデニッシュ生地を噛みしめると、じゅわりとヨーグルトのような良い酸味の甘いシロップが溢れてくる。

「俺、甘いのダメなんだよね」

眺めていたグルメ雑誌を閉じる。表紙を飾るのは特に女性に好まれそうなお洒落なカフェ「マーヴェルハニー」。今まさにテラス席を確保しているこ・・・

1

彼女は己を偽り、嫉妬は花を咲かす

15/03/16 コメント:2件 優月

「嫉妬は罪――」
 磁器のように整った、人形のような下肢が片方だけ空中に伸びる。
 その行為によって、女の下肢に絡みつくように花を咲かせていたヒヤシンスがぶちりと千切れた。
 はらはらと舞い散ったヒヤシンスの赤黒い花弁は、女の下肢を伝いするすると滑り落ち、そして腐る。
「それは誰の言葉でしょう――」
 女は淡々と呟く。
「そんなことはわかりきっているのです――」・・・

1

雨ざらしの欲望

15/03/15 コメント:1件 かめかめ

 あいつは何でも持っている。
 先祖代々受け継いだ財産、どこに出しても恥ずかしくない礼儀作法、誰にでももてる美しく整った顔。もちろん運動神経もよけりゃ勉強も出来て、それになにより性格までいい。
 大学の入学式で初めて隣あって座った時も、にこやかに挨拶してきた。その綺麗な笑顔に、コミュ障な俺は下を向いてうなずくのが精いっぱいだった。

「宮部君、おはよう」

 今・・・

3

お隣はユートピア

15/03/15 コメント:6件 冬垣ひなた

小さい頃からお隣の借り物で暮らしていた。警察、消防署、学校、バスは一時間に一本、コンビニも病院もない。
そうそう、自然は豊富にある。山林の維持はボランティアだが、それもいつまで続くか。
役場で働く二十代は俺一人。
そして……村は、もうすぐ消える。

「今更、S市と合併とか言われてもなぁ」
広報室長は呟き、俺はワゴン車の中で反論した。
「でも村議は反対だし、・・・

4

男の嫉妬に、女の嫉妬が絡む時 ── 刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)

15/03/15 コメント:9件 鮎風 遊

 朝一番、エレベーターが開けば、男性が血みどろに。
 そして女性は首を絞められていた!

 なんと地獄絵図的な見出しか。昼食時、サラリーマンたちはこのニュースに縮み上がる。
 その内容とは…
 優良企業がこぞってオフィスを構える某ビルディング、そこには6本のエレベーターがある。
 その内の3本、A〜C機は地下から20階までの各階停止、残りの3本のD〜F機は1階か・・・

2

心の地震

15/03/12 コメント:2件 レイチェル・ハジェンズ

 秋も終わりを告げ、枯葉が足元で風に乗る今日この頃。
 イギリスの冬が近付いてくるな、と想像しただけで背筋に悪寒が走る。

 私は日本の大学を中退し、1年前に日本海を越え、アジアを超え、この地にやってきた。
「全国を駆け回るピアニストになりたい!」
 そのパッションに身を委ね、反対していた両親も友人も彼氏も押し切った。

 ヨーロッパの音大は不思議なもので・・・

2

悪夢のささやかな嫉妬

15/03/11 コメント:4件 汐月夜空

 悪。私はこの言葉が大嫌いです。
 私は人々に『悪夢』と呼ばれる存在。今日も安らかで柔らかな眠りにもぐりこんでは、あなたの中で眠っている激情を揺さぶりささやかな覚醒へと導きます。
 私、前にもあなたに会ったことがありますよね? 今だから言えますが、あなたがバクバクと鳴る鼓動と漠々とした思いで目を覚ます時、私はあなたの瞼の裏でひっそりと隠れていたのです。
 何ですか? 迷惑ですって・・・

1

静寂の中で木蓮を見上げる

15/03/11 コメント:0件 

幼い頃から殆ど誰に対しても妬むことなどなかった私。そもそも人という生き物に興味がなくて、動植物に深い関心を示し土や草木の匂いを愛し、音楽を友に持った私。

そんな私は母親に「みんなもっと凄い人たちばかりなのだから、あなたの努力など一日で追い抜かれてしまうのよ。」と言われ続け、私はその言葉を信じて来る日も来る日もピアノの鍵盤にしがみついて、出来る限りの努力をし続けた。
気が付くと私・・・

1

静寂の中で木蓮を見上げる

15/03/11 コメント:2件 

幼い頃から殆ど誰に対しても妬むことなどなかった私。そもそも人という生き物に興味がなくて、動植物に深い関心を示し土や草木の匂いを愛し、音楽を友に持った私。

そんな私は母親に「みんなもっと凄い人たちばかりなのだから、あなたの努力など一日で追い抜かれてしまうのよ。」と言われ続け、私はその言葉を信じて来る日も来る日もピアノの鍵盤にしがみついて、出来る限りの努力をし続けた。
気が付くと私・・・

1

割合の話

15/03/10 コメント:1件 長谷

 最近、不満に感じている事が、一つ私にはある。
 それは、アイツの事だ。何と言うか、アイツは最近調子に乗っている様な気がする。本来、私の方も少しは尊重されるべきなのに、無視していると言うか、気にも掛けていないと言うか、どうも気に入らない状況になっている。多分これは、嫉妬している状況、とも言えるかも知れない。何時も『彼』に使われている、アイツに。
 だから、私はちょっとアイツと話し合う事・・・

1

×××

15/03/10 コメント:1件 佐屋

時計の針は午後2時をまわり、清廉、貞淑を謳うこの学園に、深い鐘の音が響く。私はひとり、彼女の教室へと向かった。

事前に調べていた通り、そこには誰もいない。締めきられたクリーム色のカーテンを透してさしこむ陽光が、室内をやわらかくそめている。隣の教室から、黒板になにか書くような音がちいさくこぼれるばかりで、天井からはらはら落ちてくるほこりも、光をあびて氷の結晶のようにひそやかにひかっ・・・

1

ウラハラ

15/03/09 コメント:2件 みや

M美ちゃんへ

M美ちゃん、結婚するんだって?本当におめでとう!M美ちゃんとは大学時代からの友達で、もうかれこれ十年位の付き合いになるかな?月日が流れるのは本当に早いね。大学を卒業してお互い就職して…私は早くに結婚して仕事もすぐに辞めちゃって、今は子供も二人いるし、M美ちゃんは仕事が忙しくてお互いに時間が無くて今では会える機会も減ってしまったけれど、今回M美ちゃんが結婚すると聞いてとて・・・

3

アンチドリーマー

15/03/08 コメント:3件 浅月庵

 周りの奴らは皆、中学や高校の卒業文集に綴られた大きな夢、小さな夢を現実に叶えている。

 じゃあ、俺は?
 三十歳で未だにフリーター。十代の奴らに混じって俺は、コンビニでレジを打ってるよ。
 唯一の贅沢といえば、スーパーの総菜と缶ビール一本での晩酌。俺は頑張ってる、なんて無意味な慰めをビールと一緒に流し込む。クソみたいな日々だ。

 ーー高校の頃から俺は小説・・・

1

九九、八十八! 由伸、9才の苦悩

15/03/08 コメント:2件 とみい修三

江東区立第四大島小学校の3時間目終了のチャイムが鳴ったと同時に、この日の4年2組の日直の星野仙子が「起立、礼」の号令をかける。

「ありがとうございました!」

この組のこの日の4時間目は体育なので、日直の星野が黒板を消している以外は、クラスの大半はいそいそと体操着に着替えているが、永嶋由伸だけはやっと苦手の算数による肉体的なダルさと精神的なダメージから立ち直れ・・・

2

私の進む道

15/03/07 コメント:2件 日谷 弥子

神様。
これまでの私の選択は誤っていたのでしょうか。悉く誤っていたのでしょうか。
私は今日、数十年振りに、古い友人に会いました。
最初に勤めた会社の、同期です。

以前その人と最後に会ったのは、私が30にならない頃でした。
ごく普通の方です。が、ゆったりとした空気が流れていて、入社当時、何百人もいる同期の中からその人が一番心に入って来た。だから当時、私にしては頑・・・

2

四ツ葉のクローバー

15/03/06 コメント:4件 須磨 円

 シロツメクサの握りつぶしてしまいそうな頼りない茎を何度も千切って、大きな原っぱのまん中に並べた。視界にぬくい光が差し、目をぱちぱちと瞬かせながら顔を上げると、遠くのところで一つの小さなシルエットは舞い踊っていた。まるで絵本の一ページのような光景に、自分もまた登場人物の一人として存在している事に、僕はとても気恥ずかしく、どこか懐かしく、おぉい!と、そのシルエットに向かって叫ぶ。白いワンピース、長い・・・

2

嫉妬でダウンでプリーズ

15/03/05 コメント:2件 浅月庵

 私が風邪で学校を休んでいる間に、社会科の河西先生がなぜか「Sit down」の発音をみんなにレクチャーしてたらしく、それに踏まえた小話がとても面白かったみたい。
 休み時間にクラスメイトが河西先生の口調を真似してるけど、私は一人取り残されて付いていけない。自分のいない間に面白いことが起こると悔しい、まさに“シット ダウン”だ。嫉妬なんて疲れるし、妬いてる自分がなんだか恥ずかしくて、気持ちが・・・

4

神の思し召し

15/03/04 コメント:6件 メラ

 もしこれが神の思し召しだとするならば、私はやはり神など信じれない。もし神のいたずらだとしても、私は笑えない冗談は好むところではない。
 それは突然私の目の前に飛び込んできた。何の前触れもなく、私の現実に起こった。

 夫がいつものように会社に行った後、私は部屋の掃除をしたり、明日の夫の誕生日のために、今日の内からと、ビーフ・シチューの仕込みをしながら、夕食のメニューを考えたり、・・・

2

ゆかり

15/03/03 コメント:5件 ちほ

 ほんの冒険心から近づく者は誰もいない旧図書室に向かってしまった。一歩足を踏み入れる。床に積もった埃がふわりと舞い上がり、私は少し咳き込んだ。少女のか細い声がした。その声に導かれるように、図書室の奥へ奥へと向かう。壊れかけた本棚の前で足が止まる。私の右手は一冊の本を抜いていた。表紙の埃を手で払う。『秘密の花園』だった。ページを繰り、真ん中辺りで四つ折りにされた古い手紙を見つけた。
≪わたしは・・・

2

『Starless Night』

15/03/01 コメント:4件 

 前のバンドが一斉にステージ裏に捌けてきて、皐羽たちは押し出されるようにステージに上がった。さっきまでの寒さが嘘のように暑く感じられるのは人いきれのせいか。会場にはメロコア系のBGMが賑やかしく流れ、ステージ前方では司会者コンビが軽妙にしゃべり観客を沸かせている。たぶんお笑いサークル系の学生が担当しているのだろう。
 その後ろで急いでセッティングをする。アンプ直結派の皐羽は、部室から運んでい・・・

3

散歩

15/03/01 コメント:4件 しーぷ

ここはシプノ動物園。
毎年冬の時期。雪が積もる頃に行われる園でも人気のイベントがある。
ペンギンの散歩だ。
散歩をするのはキングペンギン。彼らは集団で行動するという習性があるので散歩にはもってこいなのだ。

今日は今年の散歩初日。




「ペギ沢さん!」

俺は名前を呼ばれてよちよち歩きをピタッと止めた。しかし、すぐに後ろか・・・

2

シャドウ

15/03/01 コメント:6件 

新宿の小さな料理店でその送別会は行われていた。
私は気が進まないまま少し遅れて店に入った。
会社の同僚達は皆もう来ており同期の順子を祝っている。
私はそっと店に入り皆の輪に加わった。

「順子結婚おめでとう」
皆が口々に言う。彼女は先月婚約したばかりだった。
「ありがとうみなさん」
順子は涙ながらにいった。彼女は来月退職する事になって居る。
何・・・

3

赤いマフラーの女

15/03/01 コメント:3件 霜月秋介

 その女性と出会ったのは三ヶ月前。暇つぶしにSNSのチャットで見知らぬ彼女と話しているうちに仲良くなった。実際に会ってみると外見も私好みの女性。名前をレナといい、黒の長髪にクリーム色のオーバーコート。赤いマフラーで口元を隠し、とてもおしとやかな性格であった。何度かデートを繰り返した後、付き合い始めた。
 私は恋愛に関しては経験がまるでない。なので、幼なじみの晴菜に女心やデートの時の心得など、・・・

2

嫉妬姫、あるいは雪ふる前の物語

15/03/01 コメント:6件 水鴨 莢

 寒く山にかこまれた小さな国にカタリナという姫がいた。
 近ごろ姫はゆううつな眼で城から外を見おろしている。
 その先には庭で談笑する父王とそして半年前にこの城にきた王妃の姿。
「あなたカタリナが……」
「おお姫もこちらへおりてきなさい」
 だが姫はプイとひきこんでしまうのだ。
 実の母は姫が五歳のとき病で亡くなっている。王は悲しんで十年ものあいだ独り身でいたが・・・

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よい嫉妬心、悪い嫉妬心

15/02/28 コメント:2件 11doors

私は若林と申しまして、都内の料亭で花板を務めさせていただいております。つい先日、先代の傘寿の祝いに、ある新聞社の社主をはじめ、8人のお客様がお見えになりました。

その際、先代からの希望で、花板、立板、椀方、煮方。さらには焼方、揚場、追い回しまで、一人一皿のお造りを出すようにと、おおせつかった次第です。お客様がお食事を終える頃、私ども全員、お座敷に挨拶に来るよう呼ばれました。お座敷にう・・・

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15/02/28 コメント:5件 つつい つつ

「ねえ佳菜、咲子が自殺したんだって……」
 その話を莉緒から聞いたのは咲子が噂を気にして大学に来なくなってから、およそ一ケ月後のことだった。

 咲子と一番の親友だった夏帆は、咲子が誰とでも寝るって噂を流した犯人を捜そうと必死だった。だけど自分が咲子の死に関わってるなんて思われたくないから、誰もまともに取り合わなかった。
 夏帆と仲が良かった私は犯人を捜すのを手伝うふりをし・・・

3

救済の女神

15/02/27 コメント:7件 水鴨 莢

 みんなは香野のことを誤解している。
 だから今回の大珍事とされていることも、ぼくにはさほどおどろくにはあたらないのだ。
 たとえば春の聖歌コンクールでぼくらのクラスは中等部門で二位の成績をおさめた。
 そのときのムードは「あーあ」と「まあがんばったよ」で大体半々だったけど、香野だけがちがっていた。
 彼は教室へもどるなり机に顔をふせた。そして小さく鼻をすする音がもれると、・・・

4

4月10日はなんの日?

15/02/26 コメント:6件 W・アーム・スープレックス

 この記念日が制定されたのは、ごく最近のことだった。
 安子の勤める会社では、朝から女子社員たちのあいだでその話でもちきりだった。
 4月10日―――しっと(嫉妬)の日。
 きょうは、いくら嫉妬しても、いい日だった。
 いいどころか、とことん、徹底して嫉妬することが奨励された。いくら嘘をついてもゆるされるエイプリルフールと、似たような記念日かもしれない。
「英子さん、・・・

4

まくちゃん 仲間はずれ

15/02/25 コメント:6件 こぐまじゅんこ

 まくちゃんは、くまの男の子。
 まくちゃんには、なかよしのともだちがいます。

 ちょっぴりいたずら好きな、きつねのコンすけくん。
 のんびり屋さんの、たぬきのポンきちくん。
 かわいくて、おしゃまな、うさぎのねねちゃん。

 まくちゃんは、コンすけくんも、ポンきちくんも、ねねちゃんも、だいすきです。

 森は、今、春です。

 ・・・

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ドミノと敵は倒すもの

15/02/25 コメント:2件 蒼樹里緒

 コートのエンドラインぎりぎりで、白いボールが強く弾んで高く跳ねる。壁のほうまで行ったそれは、ぶつかってころころと減速した。
 精度は上がってきた。もう一本。次は逆側の角を狙う。息を長く吐き出して集中する。伸ばした左手につかんだボールを、また宙へ投げようとしたときだった。
「あれ? 先輩、まだ残ってたんですね」
 無邪気な声に、俺の動きは止まる。体育館の入口から、後輩の男子がひょ・・・

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大嫌い、大好き

15/02/24 コメント:22件 海見みみみ

「また二位だ」
 私は思わずため息をついた。
 私には大嫌いな人がいる。宝田アリサ、この中学に入ってから同じクラスになった女子だ。
 彼女はいつも学年テストで一位を取っていた。対して私は毎回二位に甘んじている。なぜ彼女にテストで勝てないのか。その悔しさが嫉妬となり、私の勉強に対する原動力になる。
 しかしいくら勉強をしても、宝田アリサにだけは勝てないのであった。

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空前絶後の嫉妬

15/02/24 コメント:6件 W・アーム・スープレックス

 午後の公園は、おだやかな初夏の陽ざしにつつまれていた。
 この広い公園は、近所にすむ親子連れがよく利用するところで、ベンチがとりまく周囲にはいまも、子供をつれた母親のすがたが三々五々ながめることができた。
 そのとき美智子のすわっているベンチに、ちいさな女の子の手をつないだ母親が、妙におどおどとためらうような足取りでちかづいてくるのが見えた。
「すみません、お隣にすわらしていた・・・

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【300文字小説】堪らず吐いた暴言

15/02/23 コメント:8件 海見みみみ

 俺の彼女はハッキリ言って男グセが悪い。いつも隙さえあれば他の男のところへふらふらと向かうので、その度俺は嫉妬していた。
 今日の飲み会。俺は彼女と参加していたのだが、そこでも悪癖が出た。彼女は酔っ払うと俺以外の男の方に寄りかかり、甘え出したのだ。
「おい、放っておいて大丈夫なのかよ」
 友人が心配して声をかけてくれる。俺は「大丈夫だ」と笑顔を浮かべると、そのままトイレに向かった・・・

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