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第七十四回 時空モノガタリ文学賞 【 空港 】

今回のテーマは【空港】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/02/23

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2014/12/29〜2015/01/26
投稿数 46 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

3

明日のない、嘘つき。

15/01/22 コメント:4件 橘瞬華

 飛行機の音が聞こえる。離陸する音、着陸する音、移動する音。窓から見える飛行機の数は多く、先ほどまで乗っていた飛行機がどれか、見分けがつかなくなってしまった。
「じゃあ、僕は土産を買わなければいけないので、ここで」
「はい。それではまた会社で」
 早朝の空港。他人行儀な挨拶。社交辞令ほどもない愛想。重たいキャリーケースを引きながら、私はつい数時間程前まで閨を共にしていた相手に手を・・・

8

飛びます☆飛びます☆飛べません↓

15/01/19 コメント:12件 泡沫恋歌

「いい加減にしてください!」
 空港の国際線ロビーに若い男の怒号が響き渡った。
「シィー、佐藤君、声が大きい……」
 口の前に人差し指を立てて、辺りを窺うように中年の男が諫めた。
 二人は大和大学で細菌学を研究する山田博士とその助手の佐藤である。山田博士が培養したスーパー酵母菌が化学雑誌で取り上げられ一躍注目を浴びた。パリで開催される世界細菌学シンポジュウムで、その研究発表・・・

6

ダン・ド・リオン空港

15/01/17 コメント:9件 そらの珊瑚

 一面たんぽぽが咲いている野原、住人たちは、ここを『ダン・ド・リオン空港』と呼ぶ。春の陽を受けて、のどかであった。
 蜘蛛がたらした糸は、見事に地球に対して垂直を保っている。
「たんぽぽの皆様、本日は無風であります。全フライトは延期いたします」
 ピ、ピ、ピ。管制官の雀のアナウンスが響く。
 今日あたり、たんぽぽの離陸が見られると思い、見物に出かけてきた蛙のカップルが

最終選考作品

1

空港一夜

15/01/26 コメント:2件 四島トイ

 既に深夜特有の眠気と覚醒を数十回繰り返していた。しりとりは佳境に差し掛かり、脳が前時代的な放熱音を発している錯覚に襲われる。バクテリオファージにジルチルエーテルと応じる。顔を上げると逆川サキが船を漕いでいた。
「寝るな逆川」
「……寝てないよ。目を閉じてるだけ」
「寝てる奴の言い訳じゃないか」
「だって小鍋君 ラ行ばかりなんだもの」
「それがしりとりだろう」
・・・

8

砂上の離陸の裏に

15/01/26 コメント:12件 光石七

 たった七分の乗車でこのタクシー代。加世田バスセンターで降りた澄香はため息を吐いた。普段利用しない分、余計に高く感じる。しかし一日二本のみのバスで来た場合、鹿児島空港行きのリムジンバスに乗り継ぐまで一時間以上待ち、空港でもフライトまで三時間空いてしまう。
(田舎だ……)
またため息が出る。澄香は乗り場へと歩き出した。リムジンバスで空港まで一時間十五分、フライトはバス到着の一時間二十分後・・・

9

ロールキャベツと男と女

15/01/24 コメント:13件 そらの珊瑚

 空港ってドラマが生まれやすいんだろうなあと、今夜、食事当番だった私が作ったロールキャベツをほおばりながら、彼が言った。
 見ていた映画が丁度終わり、テレビの画面にはエンドロールと軽めの音楽が流れている。

 ロールキャベツは、私の数少ない定番レシピのひとつだ。
 それを作るのは、キャベツ丸ごとを買った時に限られている。なぜかと言えば、ロールキャベツを作るためには、挽肉と玉・・・

2

世界から空港が消えたなら

15/01/24 コメント:1件 

彼女は午後7時の便で戻ってくるはずだった

僕はマカロニグラタンとペペロンチーノを用意した

これは彼女の好物で彼女はそれを食べるといつも機嫌がいいのだ
彼女は大飯喰らいでいつも一気に平らげる
僕は小食だ おかげでバランスがとれている


「私 NYに留学する」

そういったのは去年の7月だった 書類を出したりして色々と忙しそうだっ・・・

11

夢を叶える空港

15/01/23 コメント:12件 草愛やし美

「じいちゃんは日本の田舎で米作ってます」
 そう言おうと思ったが強張った口から声が出てこない。頭の中が真っ白で、Grandpaしか出てきやしない。とにかく、気持ちをわかってもらわなくては。ここしかないんです──I do my best here!

 つい数日前の僕はニートだった。地方とはいえ、国立大学を卒業したのに何度目かの公務員試験に失敗。そこから悶々とするニートの日々が始ま・・・

1

雲海の挟間から

15/01/23 コメント:0件 橘たんぼ

 ―いつも聞く爆音と、いつも見える海面のきらめきがあった。快晴。計器に異常なし。それでも、僕は不満だ。僕はもう一度しっかりと操縦輪を握りしめる。少し緊張している。

 僕の空想も彼らの空想も、所詮は決まりきった現実と非現実を往復する。どこまでも、どこまでも行きたいと願い、繰り返してまた戻ってくる。
 停滞と閉塞を嫌い、見たことの無い空を見ようなんて言う。いつも歩いている道を、いつ・・・

投稿済みの記事一覧

2

空の箱

15/01/26 コメント:4件 タック

お母さん、と、
幼い声が左耳から通り抜けた。
俯けていた面を上げれば女児がピンクのスカートを翻して、
短い脚を動かし、駆けているところだった。
視線を向けるとそこには女児の親と思われる若い男女が待ち受けて、
辿りついた小さな体を挟むように抱きとめ、出発ロビーへと歩いていった。
ひどく、温もりのある速度に見えた。

 家族旅行、だろうか。
 あの・・・

7

最終便メモリアル

15/01/26 コメント:9件 そらの珊瑚

 成田空港を出発してから、そろそろ5時間が経とうとしている。目的地の香港の空の玄関口、啓徳空港はもう近い。

 徐々に高度を下げた飛行機は、獅子山が見えてきたあたりで、約45度に大きく右に急旋回させる必要がある。
 九龍は狭い土地にたくさんのビルが立ち並ぶ超住宅密集地。その隙間をくぐり抜けるようにして、飛行機はヴィクトリアハーバーに浮かんだ唯一の短い滑走路を目指す。その難易度の高・・・

1

祖母ちゃんと飛行機

15/01/26 コメント:2件 坂井K

「ウチはなあ、飛行機いうもんが嫌いやねん」それが、5年前に死んだ父方の祖母の口癖だった。子供の頃、僕はその理由を何度も訊ねたけれど、祖母ちゃんからは「嫌いなもんは嫌いやねん。特に理由なんてない」――そういう答えしか返ってこなかった。子供ながらに(戦争中に何かあったんやろなあ……)と薄々感付いてはいたが、結局、聞くことはできなかった。

 父さんにも訊ねたのだが、詳しいことは何一つ聞いて・・・

8

偽密駆空港

15/01/26 コメント:8件 草愛やし美

「さあ、並んで、ここに列を作って。私立桜高校の担任、相良です。参加人数十六名よろしくお願いします」
「先生も参加されるので十七名ですよね、領収書は持参されていますか、一人一枚ずつ確認しますので並んでください」
「は・はい、よ・よろしく……」
「固くならないでください、先生が一番緊張なさっているのでは? 先生も初参加でしょうか、宇宙旅行は楽しいですよ」
 そう言うと羽層空港特・・・

3

『Honey』

15/01/26 コメント:4件 

――こんばんは。ウチは今、めっちゃ懐かしい場所に来てます。
ここ、どこかわかる? 写真、暗いけどちゃんと写ってるかな?
大阪空港の展望デッキ! 十代の頃、デートでよう来た場所やねん。
飛び立つ飛行機をボーっと眺めながら、何機も見送ってました。
しかし、相変わらずカップル多いなーここ。一人やと肩身せまっ。笑
さて、明日はいよいよ、Salah復活ライブ第一弾です!
・・・

0

向かい風

15/01/25 コメント:2件 雲原 拓

 彼女は滑走路をずっと見つめていた。長い滑走路の端から巨大な飛行機が動き出し、やがてスピードをあげて飛び立ってゆく。大きな翼がしなって、旅客機の巨体が持ち上がるたびに彼女は少しだけ目を輝かせる。表情は変わらないのだが、目だけがすこし輝くのだ。おそらくは彼女すらその輝きに気づいていないだろう。展望台の反対側から見ていて、ぼくは彼女の事を、美しい人だ、と本能的に感じた。きっと年は三十かそこいらのはずだ・・・

2

パイロットフォルム(王女)

15/01/25 コメント:3件 黒糖ロール

 ティーシャは寝台に入り、絵本を眺めていた。窓の外は夜の静けさに満たされ、ランプの光があたたかく手元を照らしている。齢十五を過ぎた今でも、ティーシャは眠る前に絵本を手に取ることがあった。
 絵本は、重厚な装幀がされていた。シンメトリーに配置されたいくつかのシンボルが銀の線で描かれており、線の部分が浅く窪んでいる。表紙に印されたシンボルの一部を指の腹に感じながら、線をたどり全体像をとらえようと・・・

0

幸せ

15/01/25 コメント:0件 更地

 僕は今空港のロビーにいる。何故いるかというと、今日両親が長い海外旅行から帰ってくるからだ。どこに行っていたのかはよく知らないけれど、気候が温暖で海が綺麗なところだと旅行前に父が自慢していた。母はそれを聞いてにこにこ笑っていた。
 眼前を幾人もの人たちが通り過ぎていく。キャリーバックを転がして足早に去っていくスーツの男がいるかと思えば、和気あいあいと戯れる家族連れもいる。その視界に映っては消・・・

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おならで空を飛ぶよ

15/01/25 コメント:0件  さらだせんべい

カルマ星の空港でボクは、整備士から高濃縮なゼリーを飲まされている。

 コースのほとんどは無重力だけど、宇宙には慣性質量ってのがある。小さくて軽い方が加速しやすく、小回りもきくんだ。
 地球人のボクは小柄だけど、さらに身体を軽くするため、空港にたどりつくたび手術を繰り返し、先ほどついに両手も取り外してしまった。
 獲得賞金で元に戻せると信じて、生命維持に不必要な臓器も、ほと・・・

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生き方の乗り換え

15/01/25 コメント:0件 11doors

私はアフリカでの仕事を終え、韓国の仁川国際空港まで来た。
早く福岡行きの便に乗り換えて、とんこつの匂いをかぎたい。
だが、まだ時間があるので、空港のラウンジにある喫茶店で、
報告書をまとめることにした。

私はこういう静かな雰囲気が好きだ。誰にも邪魔されず、仕事
の内容を整理したり、これからの構想を練るのにいいのだ。

でも、そんなに落ち着けないとき・・・

0

遠い君に送る。

15/01/24 コメント:0件 ゆい城 美雲

 江戸が続いて四百年と少しになると聞きましたが、本当のところはわかりません。今日は江戸が白く染まるような柔らかい雪が明け方から降りそそいでいる、一月の晦日です。
 書き出しから私事で申し訳ありませんが、最近漢詩というものを習いました。杜甫が好きです。国破れて山河在りとはよく言ったものですね。近年徳川様は穏やかでいらっしゃいますが、もし、戦争になったらこの小国に勝ち目はないでしょう。今でもたま・・・

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3度目の出会いと別れ

15/01/24 コメント:0件 11doors

私は海外で長らく過ごし、久しぶりに故郷の松山に帰ってきた。
市内を見ると、なつかしさで胸がいっぱいになる。そんな私が、
幼なじみの聡子と再会したのは、日曜日の松山空港、その3階
にある展望台だった。

その日は家族連れが多く、飛行機が滑走路を離着陸するたびに、
子供たちの歓声が上がっていた。私も小さい頃、よく両親に連
れてきてもらった。

フェ・・・

0

初恋

15/01/23 コメント:0件 Lukewarm


「私は飛行機じゃないです!飛べません!」

 彼女は声を荒げながら僕に向かって言った。しばらく沈黙が続いた。彼女が僕に対して何を言っているのか、全くと言っていいほどに理解ができなかった。飛行機じゃない?飛べない?彼女は何を言っているんだ?僕の頭の中には沢山の?が生まれた。
「あの……何が言いたいのですか?」
「あなたのせいでこんな意味のわからないことを言ってるです!・・・

1

オニギリにさよなら

15/01/23 コメント:2件 村咲アリミエ


 数年ぶりの空港に降り立った。仕事で、海外に行くことになったのだ。スーツケースを手に、周りを見渡す。相変わらず、雑多としている。空港独特の懐かしい香りに、顔をゆがめた。
 ふと、思い出す感覚は、何年前のものだったか。



 少女は何度目かの、日本旅立ちの日を迎えた。年はいくつだったか、十歳か、もう少しいっていたか。
 一年半に一度の一時帰国、楽しかっ・・・

2

帰る場所

15/01/22 コメント:3件 霜月秋介

 帰るべき場所が在るというのが、どれ程幸福なことであるか、あの頃はまだ知らなかった。失ってみて初めて、身に染みてわかるんだ。在って当たり前だったことが、かけがえのない大切なものだったことを。

 私の両親は、私が幼い頃に事故で他界した。天涯孤独となった私は施設に入り、施設で知り合った女性と結婚し、子供もできた。しかし一週間前、家の火事で逃げ遅れ、私ひとりだけが助かった。

・・・

1

紙飛行機

15/01/22 コメント:1件 楓山和未

 シャープペンシルを置いて、一つ、小さく溜息を吐いた。ちらりと窓の方に顔を向けてみると、瑠璃色の空を無数の雪粒が飛び交っているのが見えて、もう一度、先より少しだけ深い溜息が漏れた。道理でさっきから脚が冷えるわけだ、と彼女は椅子の背凭れに掛けていたコートを手に取り、膝掛けの代わりに脚に被せた。黒板の上の時計に目を遣ると、針は六時十分を少し過ぎたくらいを指していて、まだそんなもんかあ、と思いながら、彼・・・

4

アベノミクス――さそり座からの訪問者

15/01/21 コメント:6件 鮎風 遊

 アベノミクス、その成長戦略の一つが観光立国になること。2020年には訪日外国人を現在の2倍の2千万人にすると目標を掲げてます。
 その効果か、羽田空港の年間旅客数が飛躍的に増加し、空港勤務者は大忙しです。航空管制官の私も例外ではありません。
 そんなてんてこ舞いの中、信じられないことが起こりました。

 朝まだき刻限に…
「Tokyo Tower, Scorpio ・・・

3

カラトムライ。

15/01/21 コメント:4件 滝沢朱音

 沈む陽を追うように、ゆっくりと山に墜ちてゆく幾筋もの光。
「あ、あれってUFO? いや、隕石かも!」
 興奮した僕が指し示す方角を眺めた少女は、助手席でククッと笑った。
「あれ、ただの飛行機雲だよー」
「飛行機雲……?」
「夕陽に照らされて、あんなふうに光るの。知らないと確かに驚くかもね、近くに空港もないし」
 そう、僕は今日、遠方から車を飛ばしてきたのだ。空・・・

2

私たち

15/01/20 コメント:0件 糸白澪子

女の子は単純だ。好きな人を見つけると無意識に笑顔になっているんだから。それだけでテンションが上がってたりするし、そうかと思えばにやついた笑顔のまま何も話さなくなる。かなり分かりやすい。
あと、好きな人の関連した何かを見つけると友達にそれとなく報告したりする。例えばこんな感じ。
「あ、カリフラワー」
いや、単に昼ごはんのタコライス定食に付いていたサラダの中にカリフラワーがあっただけ・・・

0

名もない機体整備士たち

15/01/19 コメント:0件 

 いつか私も飛び立ちたい。こんな辛い日常がある日突然変わってしまうような、そんな出来事を待ち続けている。
「飛行機のようになりたい」私は思い続けていた。
 今までずっと求められただけの道を歩き、車輪がゴウゴウと唸り声を上げる様を今まではただ黙って聞いていたにすぎない。傍らで、まるで英雄たちの凱旋を見守る女子供のように飛行機を見送っていた。
 受動的なのだ。結局は私も道具にすぎず主・・・

0

私の価値

15/01/18 コメント:0件 欽ちゃん

命にいつか終わりがくることを実感している人は少ない
今日も出会った人の数だけ命が終わりに近づいていく
ゆっくりと少しずつ命は細く小さくなる

成田空港のトイレ
ここが私の命の終着点

男はトイレで私と二人っきりになると好き放題してスッキリして出て行く
命を削って男を満足させる
必要な時しか相手にされない都合のいい女
必要なくなればすぐに捨・・・

3

タットケー!

15/01/18 コメント:6件 鮎風 遊

万感胸に迫る、お薦め珍名スポットを訪ねてみませんか?

国内
 ヤリキレナイ川       北海道由仁町
 南蛇井(なんじゃい)    群馬県富岡市
 シャックリ川        三重県名張市
 トロントロン        宮崎県川南町

海外
 アンポンタン(Anne Pontan)フランス
 オデンの森(Odenwald)   ドイツ・・・

0

待ち人

15/01/18 コメント:0件 リアルコバ

 エスカレーターを上がると真っ青な空に白く輝く機体が滑走路へ降りてくる。(やはり飛行機には青空が似合うわ)何度来てもワクワクしてしまう。(あの飛行機に乗っているのかしら?)暫く着陸の風景を眺めてからいつものレストランに向かった。

「いらっしゃいませ、あっ北条様おはようございます。」
 彼女はこの店の4代目のマネージャー、赴任当初はおどおどした娘さんがすっかり立派になって。

4

伊丹空港ラプソディー

15/01/17 コメント:8件 夏日 純希

伊丹市をご存知だろうか? ここは、公立の小中高でも昔から冷房完備なブルジョアな市である、と言えばブルジョアという部分だけ嘘になる半端に素晴らしい市である。

伊丹空港があるところといえば、そこそこの人に通じるかもしれないし、通じないかもしれない兵庫県の右端の下の方にある知名度中途半端な市である。空港も伊丹市内にすっぽり収まっておらず、半分は大阪の豊中市にはみ出しているので、大阪空港と・・・

5

聖なる領域へ

15/01/17 コメント:6件 霜月秋介

  私は、妻のアヤカと娘のマナミの三人で家族旅行の為、空港に来ている。
『ブー!コノヒト、ナニカ隠シテル!』

  私が金属探知機をくぐると、ブザーが喋りだした。

「あ!パパだけ、ひっかかったねー!」

「すみませんお客様、身に付けている金属類、外していただけますか?」

  警備員・・・

0

約束

15/01/16 コメント:0件 ゆえ

青く、どこまでも青く透き通った空。響く蝉の声。肌が痛くなる程照りつける太陽。
この時期に、突然の別れは来た。

「・・・泣くなよ。」
「だって、寂しいよ。」

その光景は空港ではよく見る風景だった。
スーツ姿で恋人と抱き合いながら、別れを惜しむ二人。
勿論、彼に抱きしめられている女性は瞳から大粒の涙を流している。

「---356便をご利・・・

1

遠く異境も同じ空

15/01/16 コメント:2件 FRIDAY

「空の港とは上手いことを言ったものだね。どこの誰が名付けたのかは知らないが、素直に賞賛を贈らずにはいられない。ならばあの鉄の翼どもは、さしずめ大空という海原に漕ぎ出す船というわけだ」
「お前がポエムに興味があるとは知らなかったよ」
「何を言うんだい。音楽も詩も広義では芸術だ。問題あるまい」
「問題はないけどな」
 俺は半目でミツキを見やる。ミツキはいかにも余裕綽々とした態度・・・

1

糸 ー家族ー

15/01/10 コメント:0件 あこ

全ての事柄は糸で結ばれている。近づいたり、離れたり、もつれたりしながら時を刻んでいく。

「ねぇママ、くーこーにはねぇ、まじょがいるんだよ!」
歩いているのか、飛び跳ねているのか分からないような進み方で子供は移動する。ときどき、我が子でさえ、得体の知れない物体に見えてくる。繋いだ手は間違いなく息子の手なのに、目に売っているのままるでエイリアンだ。
「そんなものいないわ、きち・・・

0

糸 ー再会ー

15/01/09 コメント:0件 あこ

全ての事柄は糸で結ばれている。近づいたり、離れたり、もつれたりしながら時を刻んでいく。

慌ただしく人が行き交うなか、私は途方にくれていた。
欠航、と書かれた電光掲示板を眺めながら、これはどうしたものかと悩む。ふと思い出したように、カバンの中から手紙を取り出した。
可愛らしく、そして読みづらい字で、おたんじょうびかい、と書かれている。 明日は娘の3歳の誕生日だ。単身赴任でし・・・

0

飛び立つ間際のものがたり

15/01/08 コメント:0件 かめかめ

 いつものように芝刈り機に乗車して芝を刈っている時、それに気付いた。
 滑走路の最奥、アスファルトが芝に飲み込まれる寸前のその位置に、小さな赤いものがあった。
 芝刈り機から降りて屈みこんで見てみると、赤いものは小さな鳥居だった。鳥居は高さ10センチ、幅12センチほどの小ささで、どうやら木製のようだった。つん、とつついてみてもびくともしない。鳥居の足は固くアスファルトに埋め込まれている・・・

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夢阻止

15/01/07 コメント:7件 石蕗亮

 ふと目を覚ました。
どうやらいつの間にかうたた寝をしていたらしい。
周囲を見渡すと待ち人はまだ来ていないようだった。
時計を見ると待ち合わせまではあと数分だった。
まだ半分寝ているようで意識がぼんやりしていた。
周囲にはキャリーケースを引っ張って歩く人々と、その向こうに滑走路と飛行機が見えた。
 そっか、空港だったっけ。
記憶を遡って現状を確認した。

4

墜落広場の少女

15/01/05 コメント:7件 クナリ

自分に何が起きているのかは、症状から、解っている。
治すつもりもない。
僕は早く、
僕では、
なくなってしまいたい。



僕がそのだだっ広い敷地に立つと、遮る物の無いアスファルトの上を、十一月の冷たい風が渡った。
昨年まで機能していた空港は、たった一つのトラブルを契機にして今は廃墟となり、揶揄を込めて墜落広場と呼ばれている。
厳密に言・・・

2

空港に犬

15/01/03 コメント:1件 五助

 検査場で時々荷物の匂いを嗅ぎながら、仕事をしてますよ、と言う顔で歩いているものだから、当初はサリーのことを麻薬探知犬だと思っていた。ハンドラーがいないことに気づき、係のものに聞いてみると、三ヶ月ぐらい前から空港内に住み着いた野良犬だそうだ。手荷物係やグランドスタッフの間では公然の秘密だったようで、いたずらしたり吠えたりしないし、かわいいからと黙認されていたそうだ。
 警備の仕事をしている私・・・

3

I’m home

15/01/02 コメント:7件 みや

その空港に連れて来て貰えて僕はとても興奮していた。その空港にあるのは飛行機ではなく船。ピカピカの大きなその船はみんなの憧れだった。突然出航のインフォメーションがアナウンスされて僕は戸惑った。今日は見学だけだと思っていたから。パパは僕にチケットを渡した。ママがパパとママも後の船ですぐに行くからね、と言った。そんなのは嘘っぱちだ。これが最後の船なんだから。

嫌がる僕はテレビで何度も見た事・・・

0

バードストライク

15/01/01 コメント:0件 ポテトチップス

休日が明け、千歳空港第一バードパトロール隊の詰所で作業服に着替えていると、横島彰浩が近づいてきて話しかけてきた。
「保田さん、昨日バードストライクがあったんですよ」
「マジで。飛行機大丈夫だった?」
「それが離陸する飛空機の操縦席にヒビが入っちゃって、急きょ飛行のとり止めになっちゃったんです」
「怒られた?」
「怒られましたよ。バードパトロール隊は何をしてるんだってね・・・

2

晴れた日に、ゼロ戦がみえた

14/12/29 コメント:4件 W・アーム・スープレックス

 せっかくの日曜だというのに、啓太は里香にひっぱられて、ターミナルビルまでやってきた。
 ロビーや売店があるビルの屋上は、展望デッキになっていて、きょうのような晴天には間近で飛行機をながめようと見物客が、けっこうおしかけている。
「おれは飛行機なんか、興味がないんだけどな」
 ここにくるまで、文句をいいつづけてきた彼に、里香はなにやら仔細ありげに、
「あとで、あたしに感謝す・・・

3

空をとびたい

14/12/29 コメント:4件 こぐまじゅんこ

 ぼくは、原田かける。三歳だ。
 ぼくは、アンパンマンがだいすき。アンパンマンが空をとぶところが、とくにすき。
 ぼくも、空をとびたいなぁ・・・。

 おかあさんと、おさんぽするとき、いつも空を見上げるんだ。
 スズメがチュンチュンなきながら、空をとんでいる。
 
 いいなぁ・・・。

 アンパンマンはムリでも、スズメになれないかなぁ・・・。<・・・

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