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第六十六回 時空モノガタリ文学賞【 舞い降りたものは 】

今回のテーマは【舞い降りたものは】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2014/11/04

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2014/09/08〜2014/10/06
投稿数 50 件
賞金 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

10

空からお宝が……!?

14/09/29 コメント:12件 草愛やし美

 その町に入ったとたん、男は、町中の人々が空を仰いで歩いているという奇妙な光景に出くわした。あちこちでぶつかり合いイタタという叫び声が上がる。だが、額をさすりながら人々は再び空を仰ぎ歩き続けていく。
「何だ、空に何があるんだ?」
 道行く人に男が尋ねても空を見上げていて誰も答えてくれない。片端から尋ねていくとようやく一匹の猫が答えてくれた。
「時々、お宝が空から舞い降りてくるんだ・・・

9

ミッシング コントレイル

14/09/14 コメント:16件 クナリ

空戦において、僕だけが敵を撃てる位置関係をAとする。
その逆をBとする。
互いに互いを撃ち落とせる位置取りをCとする。
射程外がD。

十五歳で戦闘機に乗り出してからの四年間、僕が空戦の際に守り続けたのは、Bは厳禁、Cは四秒以内に離脱して、Aに出来る限り留まる――というルールだった。
殆どの先輩が、机上の空論だと笑った。またその殆どが、この辺境基地の空に散った。・・・

7

約束の果て

14/09/08 コメント:11件 夏日 純希

名前で区別することはあまり重要ではないと思うから、
あいつらのことは、ただ単に『犯人』と呼ぼうと思う。

あいつらは、二人組の銀行強盗だった。

小学四年生だった僕は、お母さんと銀行に来ていた。
お母さんはATMに寄っただけだった。
しかし、タイミング悪くやって来たあいつらに銃を突きつけられ、
僕らは人質になった。

人質の数は、僕らを合・・・

最終選考作品

3

夏の終わり、かそけき羽音は。

14/10/06 コメント:5件 滝沢朱音

「やるね、侑くん」
 店を出たとたんに冷やかすヨッさん。
「わかってんだろ、美羽ちゃんのこと。ありゃどう見ても、侑くんにベタ惚れだぁ」
 ニカッ。黄ばんだガタガタの歯が年齢よりもさらに彼を老けてみせている。
「……んなことないっすよ」
 俺は「木村たたみ店」と書かれた軽トラの運転席に座り、エンジンをかけた。助手席に滑り込んだヨッさんはなおも続ける。
「美人てわけ・・・

6

嘘から出た……?

14/10/05 コメント:10件 光石七

 とあるマンションの一室。部屋には香が焚かれ、厳かな音楽が流れている。十人ほどが集まり、それぞれ床に座って瞑想していた。
「アジブ神様のお導きの時間です」
古嶋が告げると、彼らは姿勢を正した。ほどなく、ゆったりした白い長衣に身を包んだ御子柴が部屋に入ってくる。御子柴は柔和な笑顔で会釈し、部屋の奥に設けられた上段に登った。目を閉じ、奇妙な言葉で祈り始める。
「セコヨネーカ、ダモカラ・・・

10

わたしたちを取り巻く優しきもの

14/09/24 コメント:12件 そらの珊瑚

 昨晩の月は絵に描いたようなおぼろ月だった。
 まるで大きなオブラートに包まれたように
 柔らかで幻想をまとった月だった。

 粉薬にオブラート。
 昔、ありましたよね? 紙の箱に入ったうすい半透明の、あれ。
 むせないように、苦くないように、気遣ってくれる、そう、あれです。
 オブラートの成分の何%かは優しさで出来ているのだと思う。
 体のなかの水・・・

8

君影 〜今も君の名を〜

14/09/20 コメント:13件 夏日 純希

彼女の、第一印象は“変な子”だった。
「私の名前はリリィ」
そう言った彼女の姿は、カタカナの要素なんて、
どこにも見あたらない日本人のそれだった。

それでも、僕は彼女のことを「リリィ」と呼んだ。
そう呼べば、彼女が嬉しそうに「なあに?」と返事をくれる。

僕と彼女は、鈴蘭の咲く丘で出会った。
そして、この丘で約束もなしに会っては話をした。

5

心のカギ

14/09/09 コメント:6件 こぐまじゅんこ

 ぼくは、川井ゆうと。小学三年生だ。
 
 三学期のある日、授業中に、おしっこをがまんできなくなってもらしてしまった。そのときから、クラスのいじめっこに、「おもらしゆうと」ってからかわれて、学校に行くのがいやになっている。
 ぼくのお母さんは、パートで夕方まで働いているから、ぼくは、家のカギをいつも持っている。カギって、しめると他の人は入ってこれないんだよな。そして、ふと、ぼくは・・・

投稿済みの記事一覧

1

軟着陸的問題解決

14/10/06 コメント:2件 四島トイ

 わかったぞ、と成島部長が真剣な表情で呟いた。
 何がですか、と長机の端に座る新橋が顔を上げる。
 僕は黙ったまま部長の右足に湿布を貼る。苛々しながら図太い足首に包帯をぐるぐる巻き付ける。
「人は飛べないという揺るがない事実だ」
「当然でしょう」
「そんなことありません」
 僕と新橋が同時に放った言葉に部長は苦笑する。「どっちなんだ」
 部室の窓の向こうで・・・

4

マイとセンパイと不思議な花

14/10/06 コメント:9件 タック

マイは中学一年生。
ごくごくふつうの学校に通う、ごくごくふつうの女の子です。
ごくごくふつうに、勉強して。
ごくごくふつうに、友だちとあそぶ。
そんなどこにでもいそうな、平凡な中学生なのでした。
そうして、ごくごくふつうに日々をすごしていたのですが、最近、かなしいことがありました。それは、二学年うえのセンパイのこと。
マイのだいすきなイケメンのセンパイが、あるこ・・・

1

もふもふコニャムン

14/10/06 コメント:1件 欽ちゃん

37歳無職。
この度、家を追い出されました。

子供の頃から声を出すと鼻から「ぷぴー」って音が出るのが原因でいじめにあった。
人と話すことが何より怖くてエスカレーター式で引きこもりの道まっしぐら。
引きこもり歴25周年を迎えた今日、父親から10万円を叩きつけられた。
出て行けと。。。

目的もなく、とぼとぼと歩いていると不動産屋の張り紙が目に留まった・・・

8

舞い降りる光と共に 

14/10/06 コメント:8件 草愛やし美

 クリスタルの透明な面に陽光が舞い降りる。
「僕、光の妖精甲斐だよ」
 そう言って私の閉ざされた瞳の奥に僅かでも光を届けようとおどけて話してくれた人はここにいない。あれから、忘れてしまうほど時間が経ってしまった。見えない目は、全ての世界から、物の形と色を奪った。混濁した世界、怖い、きっと、どこまで行っても漆黒の暗闇でしかなくなる日がやってくるに違いない。
 無味な世界、白黒ははっ・・・

9

【 天孫降臨 】御一行

14/10/06 コメント:12件 泡沫恋歌

 これは昔々の神話の世界、登場するのは日本の神々です。

 高天原(たかまがはら)というところに神様たちが暮らしておりました。一番偉いのは太陽神の天照大御神(あまてらすおおみかみ)という女神です。弟は須佐之男命(すさのおのみこと)といいますが、暴れん坊で乱暴狼藉の限りを尽くします。そのせいで姉のアマテラスは天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまいました。太陽を失い世界は真っ暗闇になり、邪悪・・・

7

ラストノート

14/10/05 コメント:11件 そらの珊瑚

 夏のメトロはいつにも増して苦手だと、アンヌは眉をひそめる。臭うのだ。乗客の体臭、口臭が混ざりあったものが電車の冷えた空調によって運ばれてくる。生まれつき彼女は人より嗅覚が鋭い。最悪なのは、犯罪じゃないかと思えるほどのキツい香水を浴びたようにつける女もしくは男が近くにいた時だ。実際気分が悪くなり車両を変える事は日常茶飯事だった。「座席に割り込んでくる中国人のほうがまだマシ」と心の中で悪態をつきなが・・・

7

天頂より遥かにくだって

14/10/05 コメント:16件 suggino

「お姉ちゃんてな、どっから来たん?」
 声が降ってきたとき、茉莉にはそれが日本語のように聞こえなかった。
 アパートの裏でトムさんの散歩(兼食事、兼排泄)に付合っているところだった。ネザーランドドワーフという種の小さなウサギを放牧――放牧というとまるで家畜だが、他にしっくりくる言葉が茉莉には思いつかない――することについて同居人の鉄男はいささか懐疑的(お座敷動物を外に出しても平気なのか・・・

4

とけない雪

14/10/05 コメント:5件 シンオカコウ

「旦那様、お薬を持って参りました」
 時間きっかりに、私は旦那様の寝室のドアをノックした。内側から「ああ、入りなさい」と許しが出るのを待ってから、ドアを開く。
「いつもいつも、時間厳守でご苦労なことだ。たまには少し遅れるくらいの方が、可愛げがあるというものだよ」
 ベッドに身を沈めた旦那様が、うっすら苦笑しながら言う。
「いや、こんな注文は君を困らせるだけか」
「はい・・・

0

まるくてしかくでさんかくで

14/10/05 コメント:0件 八子 棗

「学生の頃、耳鼻科の前の道路に布団が吹っ飛んで来てたのを目撃したことがあるんだけど、この間布団が吹っ飛んで新幹線が止まったニュースを見てもうひとつ思い出したことがあるんだよね」
 そう前置きをして、ほろ酔い加減の久柳さんはミミガーをつまんだ箸を私に向けた。
「うちの娘が低学年の頃さ、通学路の桜の木の下を通ってたら毛虫が目の前に落ちてよ、泣きながら帰ってきたことがあってさ。したら髪の毛に・・・

0

うちうじん

14/10/03 コメント:0件 坂井K

 僕の通う中学校の校庭に、大きな羽が舞い降りて来た。その上に乗っていたのは「うちうじん」すがたかたちは人間とそれほど変わりはないけれど、変な雰囲気「うちうじん」Aくんは「美男美女だ」と言ったけど、Bさんは「何か怖い」と震え出し、Cくんは「違うな」と言って首を傾げた。

 先生が止めるのも聞かずに生徒たちは、校庭に出て遠巻きに「うちうじん」たちを眺めていた。Dくんが「ハロー」と言って手を・・・

2

春の君は忘れ物よと 夏の僕の左手に

14/10/03 コメント:4件 村咲アリミエ


 夏の終わりに、それは空から突如現れ、計っていたかのように僕の頭上に舞い降りた。本当に軽いものなのに、僕はそれに気がつき、何だろうと左手でそれをつまんだ。薄いそれを見て、僕は君を思い出した。そして、ぎょっとした。嘘だろうと言いたかった。

 僕は君を思い出した。



 忘れるのは常だと、君は白い顔をして笑った。僕は、君への言葉が見つけられずに、ただ来・・・

7

UFOが降って来る日

14/10/03 コメント:10件 泡沫恋歌

 その日、人類は驚きを持って迎えた。
 天空から無数のUFOが地球に向って降ってきたのだ。銀色に輝く円盤がいきなり現れて地上に着陸していった。それは各国の軍事レーダー網にも引っ掛からず、突然出現したステルスUFOだった。
 その数、おおよそ1万機、直径50センチほどの超小型UFOである。町外れの小高い丘の上に集結していたが、今のところ動きもなく、何故、こんな大量のUFOが舞い降りてきた・・・

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グラストンベリーの丘で

14/10/02 コメント:12件 夏日 純希

子供の頃は幸せなんて何もしなくても舞い降りてきたものだった。

二十代最後の年、僕はグラストンベリーの丘を登る。
何かが足りなくて、このままでは生きていけない。
パワースポットと呼ばれるこの丘にくれば何か変わるだろうか。
普段の僕なら、
「パワーを垂れ流しにしている場所なら、もう枯渇してるでしょ」
とか何とか言って否定的だったろうに、もう本当に僕は参ってし・・・

0

あべこべ世界

14/10/02 コメント:0件 高松塚

 青い青い空の中、イルカが体をくねらせる
 鰯雲のはざまには、イワシが群れて泳いでる
 銀色の粉を撒きながら、イワシが群れて泳いでる
 タコがただよい、墨を吐けば
 お空に黒い雲が浮かぶ

 ここは、世界の反対側
 ここは、でたらめ。「あべこべ世界」

 空には魚たちが泳ぎ
 海には鳥たちが飛んでいる

 黄金に輝く、小麦畑<・・・

1

束縛落下

14/10/01 コメント:2件 シンオカコウ

「な、幽霊マンションの噂、知ってるか?」
 大学の学食で友人がそんな話題を出したのは、僕がカレーライスのスプーンをちょうど口に運んだときだった。「幽霊マンション?」と、下品にならないよう咀嚼の後に聞き返す。
「そうそう。なんでも、女の幽霊が出るって」
 友人はうなずくと、カツ丼を豪快に一口。昼食時の話題としては明るくないが、どうせ男ふたりのテーブルだ。スプーンを動かしながら先を促・・・

0

舞い降りたそれは

14/09/30 コメント:0件 FRIDAY

 村の学舎、子供たちが騒いでいる。
「本当だって! 俺見たんだよ!」
 少年が言うと、他の子供たちが一斉に「嘘だぁ」と言う。
「んなわけねーじゃん。お前夢でも見てたんだよ。夜中だったんだろ」
「明け方だよ。便所に外行ったらすげー寒かったもん。夢じゃないよ」
 紅潮した顔でくせ毛の少年は言う。
「俺、天使を見たんだよ。あれは絶対そうだもん」
「今どき天使って・・・

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神田駅ガード下の女神

14/09/30 コメント:0件 Closed

「めんどくせぇから割りまくった。途中からはYシャツの袖が赤紫色に染まってくのが気持ちよくなって、はい、そっから全く覚えてないっす」
悪びれる様子もなく私の後ろで動く何かを目で追いかけてるところを見ると、こいつは全く反省してない。口から発してるのは言葉とは言えないマネキンだ。この青年、というかクソガキの頭にワインを叩きつけるのは確定させるとして、とりあえず、だ。

また面接で人を見・・・

3

午前4時の通り雨 ── 刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)

14/09/28 コメント:7件 鮎風 遊

 朝まだきにザァーと通り雨。それが止み、東の山際に朱の太陽が昇り始める頃、女がヒラヒラと落ちて来た。しかし、衝撃は強いものだ、タワーマンションの屋外は血の海に。
 早朝に出勤する人たちはあっと声を詰まらせた。そして後退りをし、反射的に屋上を見上げる。

 演技派女優の折鶴蘭子、朝陽に飛翔!
 女流写真家でもある蘭子は、岸演出の超大作ミュージカル「舞い降りたものは」のヒロイン・・・

1

星々に囲まれて

14/09/27 コメント:2件 雲原 拓

 草原よりもあったかくて、雪原よりもやわらかい。太陽からの光を反射して眩しいほどの一面の白い雲の大陸。彼と彼の飛行機はその雲原のすぐ上を音もなく航行している。
「大気圏内航空機の単独での最長飛行時間」 彼はそのギネス記録の保持者だ。古い記録はもうとっくに塗り替えて、今はひたすら記録を伸ばす日々。
 雲の上というのはとてつもなく広く、そして大体いつも平穏である。都合上、時にはどこかの国の・・・

4

四神倶楽部 以津真天(いつまで)の巻

14/09/26 コメント:6件 鮎風 遊

 京都は魔界都市、その由来は1200年前に遡ります。
 当時疫病が蔓延し、世の中はまるで呪われたかのようでした。この状態から抜け出すため、桓武天皇は北の玄武、南の朱雀、東の青龍、西の白虎の四神によって守られた四神相応の地、山背国(やましろのくに)に遷都しました。そして魑魅魍魎の侵入を防ぐため結界を張りました。
 しかし妖怪たちはこの結界をすり抜け、洛中を好き勝手に徘徊する始末。それは今・・・

1

『Cry Like A Baby』

14/09/25 コメント:5件 

 お盆明け、録音した6曲のマスタリングが終了し、バンド初の音源が完成した。亮介は6曲全てを動画サイトにアップすると言う。
「10月の学祭が初ライブになるから、大体的に人を集めたいわけよ。その宣伝ってことで」
 学生会館の隣にあるオープンカフェで珍しくお茶をしながらのミーティング。夕風に心なしか秋の気配が混じり始めている。
「いわゆるPVってことっすか? スゲー!」
「うちの・・・

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戦う理由、正義の所在

14/09/23 コメント:0件 洞津タケシ

 2073年8月15日。奇しくも終戦記念日のことであった。
 緊急ニュースがテレビ各局で流れた。
 こわばった表情のアナウンサーが、原稿を読み上げる。

「たった今入ったニュースです。先程、アメリカ、中国、ロシア各国で、未確認機と交戦した、との発表がありました。この未確認機については詳細不明で、各国の戦闘機が消息を絶ったという情報もあり、現在事実関係を確認しています」

6

ひいらぎさん(とゲームセンター)

14/09/23 コメント:11件 黒糖ロール

 古本屋で暇を潰していたところ、柊さんに出くわした。彼の服装はいつもと同じ、白ポロシャツにジーンズだった。
 しばらく雑談した後、つきあってくださいと誘われ、昼飯をごちそうしてくれるのか、と淡い期待を胸についていくと、商店街の寂れたゲームセンターに着いていた。客はほとんどいない。薄暗い店内に、レトロなものから新しいものまで、所狭しと筐体が並んでいる。
 柊さんは先ほどから、熱心に「飲兵・・・

0

雲居

14/09/22 コメント:0件 もなか


朝、目が覚めると雲の上にいた。
不思議なもので、それは自然と理解できた。
少し穴をほって目を凝らすだけで、
地上の人たちがよく見えた。

なぜだか建物の中まで見えるらしい。
自分の家では、起きたら布団から息子が消えていることに気づいた母親が
のんびりとメールを打っている。
生憎ケータイは持ってきていない。
そこでまた少し眠りについた。<・・・

1

天使が舞い落ちた思い出

14/09/22 コメント:2件 アシタバ

 昔、天使に会ったことがある。
 俺が30歳くらいの頃かな?
 そいつは若い女で金色の髪の毛、外人のような透き通った肌だった。
 背中には白い大きな翼が生えていた。
 孫娘にその話をすると「素敵ね」と喜んでくれる。
 だが、最後にこれを言うと言葉を失うのだ。
「あいつ体重は100キロくらいあったぞ」と。

 当時、天使本人にそのことを言うと「失礼ね。・・・

1

再会

14/09/21 コメント:1件 島中充

      
むかしむかし、世界を二つに分けた大きないくさがあった。
そして大東亜を夢見た人々の国は、敗れた。

南からの潮風にさらされ、山脈が岩を押し出す断崖の上に、老婆の療養所はあった。老婆はあまり良く見えない目で、いつも五階のガラス越しに、南の水平線を見ていた。真っ白な目で。老婆は白内障であった。
「手術をしましょうか。」 耳元に大声で医師が尋ねると「もったいな・・・

2

そこまでは飛べない

14/09/19 コメント:2件 五助

「もふもふ、飛べ」
 鈴音は自分より背の高いテーブルを指さした。
 無理だ。彼女は私の滑空能力を過大評価している。高いところから低いところへ飛ぶことはできるが、上昇することはできない。とはいえ彼女の命令を無視するほど愛が無いわけではない。眠気を我慢しながら、手足を広げ、彼女の頭の上から飛んだ。案の定テーブルの脚の下の方までしか届かず、そこにしがみつき手足を使いテーブルの上へよじ登った。・・・

2

【二千のエッセイ】1465の向こう側

14/09/19 コメント:4件 小李ちさと

さて舞い降りたものは翅の欠けた蝶であったが、要するにそれは、命ということ。

私は蠍座の月に生まれた。
蠍座と言うものは命を司る星座であるらしい。喪失と再生、冥王星の宿命。とかなんとか。

残念ながら命という言葉にはぴんと来ないが、死という言葉にはぴんと来る。
幼い頃、どうやら死の方に何かを置き忘れてきたらしいのだ。


7歳の時、姉が崩れた。・・・

0

クススッ!

14/09/17 コメント:0件 糸白澪子

舞台中央に立つパックにスポットライト

開幕

パック:やあやあ、皆様ごきげんよう。僕の名はロビングッド・フェロー、またをパックと申します。今日はどうかよろしくお願いいたします。

パック、上手から退場

暗転

場面:高校の寮の部屋の中

あいさ、テーブルの真ん中の椅子に座る

SE:風の音、徐々にミュート

1

罪の根源は欲深さ

14/09/16 コメント:3件 ポテトチップス

「お母ちゃん、ただいま!」
「おかえり。ちゃんと学校で勉強してきたか?」
「うん。僕ね算数のテストで78点とったんだよ」
「へー、偉いこと。ちゃぶ台の上に焼き芋があるから、一本食べな」
「お母ちゃん、これから松ヤンと外で遊ぶ約束してるの。松ヤンの分も焼き芋持って行ってもいい?」
「いいよ。松ヤンに大きなお芋を選んであげなさい」
「うん」
ちゃぶ台に敷かれた・・・

0

晩酌

14/09/16 コメント:0件 奈良春水

 私たち夫婦は揃って大のお酒好きだ。アルコール類ならなんでも好きだ。特に、一日の終わりに二人で晩酌をする時間は私たちにとって至福の時だ。
 だから、今日も私は風呂上りに冷蔵庫に向かい、冷やしてあった缶ビールを二つ取り出し、ソファーに座る妻の茜に一つ渡した。
「はい、今日も無事に終わりました。お疲れ様」
「うん。あなたもお仕事お疲れ様」
 いつもはそんなやり取りの後、二人で飲・・・

1

流氷の天使

14/09/15 コメント:0件 橘瞬華

 唐突だが、彼女の話をしよう。雌雄を併せ持つ彼女を彼女、と呼称することが正しくないことは重々承知の上ではあるが、私は敢えて彼女を彼女と呼称しよう。それは一重に彼女の「流氷の天使」と呼ばれる彼女のイメージから来たものであるようにも思えるし、それこそ「ただ何となく」でも成り立ってしまうほど些細な気持ちの問題なのかもしれない。
 そんなことはさておき、ともかく彼女の話をしよう。彼女の故郷は空の色が・・・

1

黒い雨

14/09/15 コメント:2件 J-POP

今日も夜になって黒い雨が、僕らの街に降り注いだ。
それはまるで重油のような真っ黒い雨で、毎晩、通り雨のように激しく降った。
いつも決まって、深夜12時半から明け方まで降り続く。その間、のっぺりとした生ぬるい静寂に辺りは包まれた。

ここ数年、僕らは この黒い雨に全てを支配されてきた。
死を待つ僕らは鳥籠の中にいる…

どうして、この雨が僕らの街・・・

0

ふわり×ハイヒール

14/09/15 コメント:0件 かつ


あい きゃあん ふらぁあい!



昨日、夢の中で空を飛ぶ夢を見た。


空を飛ぶ事なんかを考えながら物思いに更ける

そして今いる場所、僕が毎日頭を差し出しにくる憂鬱な場所

そう、会社だ

そして今は九時を指している、仕事真っ最中の筈なんだが上司に腹を立て物凄い剣幕で啖呵をきってタバコを吸わないのに端に追いや・・・

3

彼女の告白

14/09/14 コメント:6件 J-POP



「裕福な家庭で育ったわ。父は上場企業の役員をしていたし、都心のマンションの 最上階に住んでいた。姉も私もミッション系の女子校へ通って、大学までエスカレーター式。手を伸ばせば、なんでも すぐそこにあった……」

「今は結婚して子供もいる。旦那は父と同じ会社で働いている。東京郊外に一戸建てを購入して、家族の他に犬が2匹もいてね。他人からすれば、私はすべてが満たされていて幸福・・・

0

アパートに

14/09/11 コメント:0件 藍田佳季

 初転勤。きょうからここで一人暮らしをする。
 真新しい鍵でドアを開けると、そこには何故か一足の靴があった。小さな黒いスニーカー。私は驚きながらも、中へ声をかけた。
「誰かいるの?」
 言うだけ言い、その場で待つ。
 これでは私の方が訪問者だ。子ども相手ならそう警戒する必要はない。靴を脱いで部屋に上がった。
「出て来なさい」
 足早に奥へ行くと、リビングの窓枠に・・・

0

小さき星から臨んだ海の上

14/09/10 コメント:0件 亜子

 長い髪を梳りながら、人魚姫はこう思います、わたしも人間になれたらいいなあ。

 遠くで汽船の笛が鳴るのが聞こえます。そちらの辺で潮騒が渦を巻いています。

 流れ星が落ちてきそうなほど高い高い澄んだ夜空。多くの星々が人魚を照らしました。

 夜風が彼女を優しく包み込み、彼女はほっと息をつきました。

 空の上から異星人が彼女の姿を見ていました。・・・

1

Moon La Mort 月の女神

14/09/09 コメント:1件 むあ


「月が、きれいですね」

 今日は何年かに一度しか見ることのできないスーパームーンとやらが空から顔を見せる日だと男は知っていたからか、残業中のオフィスから抜け出し、屋上の上で独り煙草を吹かした。ちなみに、男が屋上に向かえば、既に先客がいた。会社内に残っているのは自分だけだと思っていた男は少しだけ驚いたが、女がそう呟いた時男はそうですねと頷き、月が綺麗だと答える。

・・・

0

蒲田ドライビングスクール

14/09/09 コメント:0件 J-POP

大学4年の、それも卒業目前というタイミングで、私は自動車学校へ通った。自宅からも大学からも遠く、しかも都心から離れた蒲田という土地で。

大学の生協でたまたま見つけた車校のパンフレット。
『蒲田ドライビングスクールへ行こう!』
語感の良さ、漢字とカタカナの絶妙な そのバランス。瞬時に私の海馬に記憶され、私は蒲田ドライビングスクールという名前を、折に触れ思い出した。それは、授・・・

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キオクノカケラ

14/09/09 コメント:2件 みや

「あーちゃん、桜が綺麗だね」

お母さんが幼い私にそう語りかける。家族で出かけた公園の桜の木が咲き競うように満開だった。
まだ小さな私には桜の美しさが理解出来ずに、舞い落ちた桜の花びらを、まるで儚く消える記憶の欠片を拾い集める様に楽しそうに拾い集め、花吹雪の様に桜の花びらを嬉しそうに撒き散らしている。

お父さんがレジャーシートを広げて、あーちゃん、お腹が空いたねと微・・・

2

舞い降りてきた阿修羅

14/09/08 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

 いまのあたしをとめることは、神様にだってできはしない。
 武器はといえば伝家の宝刀、どんな相手もあやまたず突き刺す、一撃必殺の楔。
 あたしは上空から、音もたてずに忍びやかに舞いながら、感度抜群のセンサー機能を研ぎ澄ませて、どこかにターゲットはいないものかと、執拗に追いもとめる。
 仕留めるのは、できるだけ、活きのいい、斬ればそこから熱い血潮がビュッと噴き出すような相手―――あ・・・

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いつか君に届けたい

14/09/08 コメント:7件 かめかめ

『拝啓、お元気ですか。

 今夜も大きな月が出ています。窓の外、鈴虫の音が聞こえてきます。
 こちらは朝晩すずしくて、もうはや秋がやって来てしまいました。今年は夏らしい夏を感じられないまま。
 そちらはこれから春にむかうのかな?

 君がそちらへ旅立ってしまってから二ヶ月。
 僕は毎日、同じような日々を過ごしています。朝起きて、寝癖を直し、背伸びして。

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