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第六十五回 時空モノガタリ文学賞【 守る 】

今回のテーマは【守る】です。
恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。
時空モノガタリ賞発表日:2014/10/20
※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。
ステータス | 終了 |
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コンテストカテゴリ | |
投稿期日 | 2014/08/25〜2014/09/22 |
投稿数 | 43 件 |
賞金 | 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり |
投稿上限文字数 | 2000 |
最大投稿数 | |
総評 |
入賞した作品
最終選考作品
7
朝茶はその日の難逃れ
14/09/22 コメント:8件 そらの珊瑚
「朝茶はその日の難逃れ」
祖母はそう言って朝食が済んだあと、毎朝緑茶を淹れて飲ませてくれた。
朝は一分だって多く寝ていたい年頃の中学、高校生の頃はそんな迷信めいた行為を僕はありがたがるどころか、内心ばかにしていた。はっきりいえばウザかった。
「あちィッッ」
クソっ! あわてて飲んで口の中を火傷することもしょっちゅう。
僕が度を越した猫舌になってしまっ・・・
10
すーちゃんのおねえちゃん
14/09/21 コメント:13件 泡沫恋歌
『すーちゃん、すーちゃん』
「ママ、今、だれかの声がしたよ」
「えっ? そんな筈ない。この家には涼香(すずか)とパパとママの三人しかいないわ」
田舎にある古家に住むことになった。
この家はパパのお祖母ちゃんが亡くなる日まで一人で暮らしていた。戦前に建てられた日本家屋で、地主だったという旧家の立派な建屋である。
こんな辺鄙な山の中に住む人もなく、取・・・
3
ビールもどきで猫と僕に乾杯を。
14/09/21 コメント:7件 AIR田
自分が特に意味も無くなってしまった。
それに気付いた時、自業自得だと思った。
自業自得だって。
職場までの道を歩く。朝の靄に包まれていて、少し遠くに見えるスカイツリーを見ては、そこには自分が理想とする女性が囚われている、という想像というよりは妄想を抱き、そんな物語があったら最高に楽しいだろうと、一人はしゃいでいた。
勿論、そんなことは現実では有り得なくて、・・・
7
貝の不幸、われわれのしあわせ
14/09/21 コメント:13件 suggino
あの人が「貝がいい」などと言いだした。天変地異。貝類を苦手なものランキングベスト3に入れているほどの男が。
夕飯の、みそ汁の具の話である。どうしてそうなったかと訊ねてみれば、こういう訳であった。
先ほど「テレビを観ているとみそ汁を食べる人が映って」おり「その具があさりだった」のらしい。「それがあまりにうまそう」で、「今なら僕にも食べられそうな気がする」と。私は反論した。いやいやい・・・
3
戦争賛成
14/08/25 コメント:6件 W・アーム・スープレックス
ピースは、胸にたらしたお守りを、力をこめてにぎりしめた。
勝利を我らに。
彼は首をめぐらすと、背後にちらばる仲間たちを確認した。だれもが、突撃の合図をまって、血走った目を前方にこらしている。
街並みは、これまでの激しい戦闘によって、みるも無残に破壊されていた。しかしその破壊された建物の影に、敵がひそんでいるのだ。こちら同様、戦闘意欲に燃え、相手を殺傷することに無上の喜びを・・・
投稿済みの記事一覧
6
パイロットフォルム(羊飼いとシープドッグ)
14/09/21 コメント:8件 黒糖ロール
ステンドグラスの中で斜めにうつむく天使を、燭台の光が照り浮かびあがらせている。火の揺らめきで天使の顔が和らいで見えるので、ミアは夜の教会が好きだった。
ステンドグラスは教えてくれる。外から差し込む昼の日差しを通すとき、また、夜、屋内に耀う火を反射するとき。光、その内にある本質が多彩であること。散らばった本質の欠片を集めて敷き詰めれば、神性が宿り見えること。
採光用の窓に近づくと、・・・
1
ガーディアン・アルゴリズム
14/09/18 コメント:2件 清野
おい、と見知らぬ男が隣に座る。俺は珈琲のマグを慎重に傾け、控えめに啜った。目の前の窓ガラスをじっと見つめるが、そこに映る顔には見覚えがない。
「人違いだ」
「いや」
男が身を乗り出した。無精髭の目立つ、粗野な風貌だった。立ち去ろうとした俺の肩を、男は無遠慮に掴んで囁いた。
「おまえ、守護者に見張られているぞ」
俺は冷ややかに告げた。
「今どき見張られていな・・・
5
さよならアクセス。さよならメモリーズ。
14/09/15 コメント:7件 滝沢朱音
ARROWS A 202F。
この英数字の羅列に、今日も見守られて――
「え、なんで? 意味わかんない。だって藍のほうだよね、フられたの」
美久が無神経に言い放つ。
「そんな毎日チェックするかなあ? 自分がフッた元カノのブログなんて」
(だから相談してんじゃん)
彼女が口さがないのはいつものことだ。
「……でしょ。しかも私、全然ブログ更新してないの・・・
2
君のことをずっと見守ってる
14/09/13 コメント:3件 葉キマ
調度日が傾き始めた頃だった。君の悲鳴が人気のない通りに響き渡ったのは。
君は帰宅するところだったね。職場の銀行を出た後、何かを恐れるように君はきょろきょろと辺りを見回していた。
人気のない通りに差し掛かった時、突然君の前に黒い影が現れた。僕は舌打ちをした。君がとても怯えているように見えたからね。黒い影は手を伸ばし、逃げようとする君の肩をつかんだ。君が金切り声を上げた瞬間、僕は駆け・・・
2
約束しました【二千のエッセイ】
14/09/10 コメント:2件 小李ちさと
仕事で小さなミスをしかけた。
それだけのことなのに前を向いて歩けないのは、もともと気持ちが沈んでいたから。
気持ちの落っことし方を間違えて、大事な人を怒らせてしまった。
理詰めの言葉が並ぶメールは非常に厳しく、それでも相手を死ぬほど信頼しているから内容を受け止められた。それほどの相手を怒らせた自分に嫌悪する。
言葉に傷ついたわけじゃない。
自分のやったことが、・・・
0
Stand by Me
14/09/09 コメント:0件 FRIDAY
「あんたは『きし』になりなさい」
高飛車な彼女はべそをかいている僕に、居丈高にそう言った。
僕も彼女も小学生の頃だ。その頃の僕はいじめられっ子で、よくクラスの中心グループに物を隠されたり、小突き回されたりしていた。そして、そんな僕を、彼女がいつも助けてくれるのだった。僕が泣くたびに彼女が怒って、いじめっ子グループに徹底的に仕返すのだ。
だからそのときも、僕はいじめら・・・
0
泣き虫彼女の本当の気持ち
14/09/01 コメント:0件 理不尽な現実
『唯は本当に泣き虫だなー。』
『だって....だって....。』
僕の名前は池ケ谷瑞希。僕にはとても泣き虫な幼馴染がいた。
幼馴染の名前は櫻井唯。
学校から一緒に帰っていた途中つまずいて膝を擦りむいてしまった。
『唯!もう泣かないで。僕がずっと君の事を守ってあげるから!』
唯を泣き止ませる為にそう言うと、泣いていた唯は泣き止み笑顔で、
『うん!』<・・・
1
『The Secret Garden』
それからしばらくの間、皐羽と鹿野のリズム体でのレコーディングが続いた。
その後、和田と亮介がギターパートを上に重ねてゆき、バッキングが出来上がってからはボーカル・コーラスの録音。
全ての曲を録り終えると、亮介によるミックスダウン。各パートの音源の音量やバランスを調整したり、エフェクトをかけて仕上げてゆく作業だ。
「いじり過ぎずラフに。あえて粗削り感を出さないとな」
・・・
7
奴隷じゃないよね優しさは
14/08/28 コメント:10件 クナリ
私が小学生の時、近所に一学年上のユウ君という男子がいた。
ユウ君は滑舌が悪く、頭もあまりよくなく、運動も苦手だった。
意志の疎通は出来たけど、明らかに歳相応の円滑さに欠けていた。
そのため、低学年の段階で既にイジられ役としての位置を確立し(いじめと言えるものまであったのかどうかは知らない)、友達は少なかった。
ユウ君とは、私が五年生の春くらいまで、よく遊んだ。
一匹の噂好きのカラスが、池の水面へと伸びる枝にとまった。
そのすぐ下の、池にぽこりと浮かんだ石には、一匹の亀が今日も道路の方を眺めている。
亀の名は三平といった。
「初めまして。ちょっと世間話でもいかがですか」
カラスは、三平に話しかけた。
「別にかまわないけど」
三平の声はひどくしゃがれていたが、口調には、どこかあどけなさが残っていた。
「いま、ちまたで・・・