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笹岡 拓也さん

文章で笹岡 拓也の世界を伝えられたらいいなと考えてます。 キャラクターたちがイキイキとした物語を書いて、読んだあと何か残れるような作品にしていきます。

性別 男性
将来の夢 自分の作品を多くの人に読んでもらうこと
座右の銘 生きているだけで幸せ

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都市伝説ブーム

17/02/18 コンテスト(テーマ):第129回 時空モノガタリ文学賞 【 都市伝説 】 コメント:1件 笹岡 拓也 閲覧数:1018

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クラスでは数多くの都市伝説が蔓延していた。そのほとんどが俺の作った都市伝説だ。都市伝説と言っても学校で起きてそうな小さな噂話だ。
俺の作った都市伝説をみんなは鵜呑みにする。そもそもどうして俺が作った都市伝説がみんなをここまで信じ込ませることができたのか?それは俺が田山に話した冗談がキッカケだった。
「化学の武田先生は英語の山下先生とできてるらしいよ」
化学の授業中にふと思いついた冗談を俺は田山にこっそり話した。俺はてっきり「そんなワケあるか」とツッコミを入れてもらえると思ったのだ。しかし田山は真面目な顔をして
「男同士なのに?それ本当かよ!」と信じ切ってしまう。俺も田山が完全に信じていたので、本当だと嘘をついた。あとで嘘だったと言えばいいや、なんてことを考えていたが、思い描いてた展開とは大きく変わっていく。
「なぁ!お前が言ってた話、本当らしいぞ!この前武田先生と山下先生が手を繋いでるとこ見たって!」
予想を遥かに上回る展開に驚いた。そして同時に俺はあじをしめる。適当なことでも本当になることもある。嘘でも都市伝説と言っちゃえば、信じるか信じないかはみんな次第。だから俺は責任も取らなくていいし、俺が噂を広めることで、みんなの話題になる。こんな面白いこと他にはない。
俺はその日から色んな都市伝説を言いふらした。「校長室の机の中はエロ本だらけ」「数学の石山先生はオタクで彼氏ができたことがない」「細川先輩は小学生の頃、パンツを履かずに学校に行っていた」「夜中校庭で小さな女の子が体育座りをしている」など根拠なんて何一つない都市伝説を言いふらした。それでも俺は一度言い当てているから、みんな信じ切っている。
そんな都市伝説はクラスのブームのように盛り上がっていた。次第にネットで都市伝説を調べてくる人も現れ、学校のことだけでなく世の中の都市伝説にまで幅が広がっていった。
ただ俺がブームを生んだのに、だんだん俺に都市伝説を聞いてくる人がいなくなっていった。俺はこの状況を変えたくなり、今まで手を出してこなかった同級生の都市伝説を言いふらした。
「うちのクラスのさ、工藤っているじゃん?あいつが話してるとこ見たことある?」
俺のクラスには誰とも話さない無口な工藤という男子がいた。その工藤のことを俺は都市伝説にした。
「あいつ何で話さないんだと思う?話したら相手が呪われるんだって」
そんなあり得ないことも都市伝説ブーム真っ只中のみんなは信じた。工藤の話をした次の日から、また俺に都市伝説のことを聞きに来るようになった。
俺はある日、都市伝説を使って良いことが起きればいいなと考えた。そしてある都市伝説を思いつく。俺の初恋の杉崎さんが俺のことを好きだという都市伝説を言いふらしてみようと考えついたのだ。
「なぁこれも都市伝説なんだけどさ、3組の杉崎っているだろ?あいつ本当は俺のことが好きらしいんだ」
俺はこの都市伝説をキッカケに杉崎さんが本当に俺のことを好きになったくれたらと考えながら、みんなに言いふらした。しかしみんなの反応はいつもと違かった。
「ハハハ!それはないだろー!」
みんなこの都市伝説を聞いて笑っている。何で信じてくれないんだ?みんな信じてこの都市伝説を広げてほしいのに。
俺は放課後までみんなの反応を引きずっていた。何であんな笑うんだよ、少しぐらい信じたっていいのに。いつも俺の都市伝説を信じてくれるのに。
そんなことを考えながら窓の外を眺めていた。そんな時、俺に誰かが話しかけてくる。その相手を見て驚きを隠せなかった。その相手は誰とも話さない無口な工藤だった。
「何か俺と話すと呪われるんだって?」
俺は開いた口が塞がらなかった。工藤は何も都市伝説のことを知らないと思っていたのに、どうして知ってるんだ?俺はとにかく工藤に言ったのは俺じゃないと伝える。
「な、なんかその話聞いたけど、誰が言ったんだろう?」
そんな俺の言葉は工藤の耳には届かなかった。
「都市伝説か何か知らないけど、お前って可哀想だな。みんな陰で言ってたぞ?あいつは嘘つきだって」
俺は工藤の言葉を受け付けることができない。みんなが嘘つきって言ってる?そんな馬鹿な話を信じられるか。みんな楽しそうに...
俺は工藤の言葉に言い返せないでいた。そんな時、教室の外から女子の声が聞こえてくる。
「工藤くん!お待たせ!早く帰ろう」
その声の先を見て俺は絶望に落とされる。その女の子は俺の初恋の杉崎さんだった。
「工藤くんの友達?」
杉崎さんは工藤の手を握りニコニコと俺のことを話しながら帰っていった。
こんな想いをしたのに俺は、二人が付き合ってることを都市伝説として言いふらそうと企んだ。


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このストーリーに関するコメント

17/02/19 まー

最後の最後まで懲りない主人公ですね。いや、ただでは起きないというべきか(笑)。
面白い作品をありがとうございました。

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