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石蕗亮さん

占師。および魔術師。 WEB幽にて怪談投稿してました。 弟子育成の経験や実体験を基にした不思議な話を中心に書いていきたいです。 沢山の方に読んで頂き、反論含めコメント頂けると幸いです。

性別 男性
将来の夢 作家、起業
座右の銘 人は言葉に置き換えれるものしか理解できない。置き換えた言葉でしか理解できない。

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御朱印

17/02/13 コンテスト(テーマ):第129回 時空モノガタリ文学賞 【 都市伝説 】 コメント:10件 石蕗亮 閲覧数:610

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 前置き
 私はこの通り呪いだ魔術だ何だかんだを扱うことを生業としておりますから、都市伝説と言われれば幾つかお話もございます。
しかし、都市伝説というのはこういう処から広がり始めるものですから。
読まれた方が都市伝説の媒介や、下手を打てばあなた自身にこの都市伝説が降り掛かるかもしれないことを念頭に置いてから読んでください。
止めるなら、今のうちです。

 まず予備知識から。
「仏」は罪を犯した者に罰(バチでも可)を与えます。
それは衆上を救う為に与えた罪を償う為の課題であり、解決したら罪を許されます。
それに対し「神」は<祟り>ます。
神は罰なんか与えません。神域や禁忌を犯した者には一生を懸けて、いや何代も子々孫々まで咎を背負わせる神も多いです。
何故ならば、「神」とは大人しいものでは決して非ず、寧ろ荒々しい厄災であることが多いからです。
その荒ぶる厄災を鎮める為に社を建て祀り共存してきたものが「神」なのです。
江戸時代までは合祀といって神仏融合が多く、仏を神社で祀っていたところも多く今もその名残は多くあります。


 では本題
 近年、ブームとして「御朱印」を見聞きするようになった。
この「御朱印」。
元々はその神社に参拝しそこの神様と「縁」を結んだ証紙になる。
参拝した「個人」と「神様」との縁結びの「証紙」。
一枚づつ手書きであり、また期間限定のものもあり、機会を失うと入手できないという点が人気のひとつにあると思う。
また、そのデザイン性に惹かれる人も少なくはないだろう。
 この「御朱印」が人気の為か転売やオークションで見かけることが多くなった。
寸志で書いてもらえる御朱印が結構な価格で取引されている。
いや、そこまでの交通費や宿泊等の手間賃を考えれば、と言う方もいるだろう。
何よりも〇月〇日限定や、同じ系列神社でも御朱印をやっているところとやっていないところもあり、その存在のレアリティを考えれば、という意見も判らなくもない。
所詮価値観はその人個人にしか解からないのだから、その御朱印を求める人がその価値に見合った金額で取引するのだろう。
しかし、本来参拝した「個人」と「神様」の縁の「証紙」である御朱印。
知らぬ他人がその神社で神様に「何の誓願したかもわからない御朱印」を金を払って入手するということは非常に「怖い」。
 だって、その誓願が「呪詛の類」かもしれないのだから。
また、最近は転売目的で参拝せずに御朱印だけをもらう者も多いそうだ。
多かれ少なかれそういった御朱印に神様の祟りが籠っていても不思議はないし、ご利益は皆無だろう。
本来神とは荒ぶる厄災なのだから。

 ある日、ヤフオクでそんな御朱印の中に違和感のあるものがあった。
 「〇〇神社限定御朱印」
違和感の原因を探るために検索をかけてみた。
神社名を検索したが該当は0件。
出品者の名前も検索したが該当は0件。
これは御朱印を語った詐欺商品だと思った。
しかし、次々と入札数が増え落札額が高騰していく。
詐欺商法の価格吊り上げか?と思っていると。
パ、パ、パ、
閲覧画面が勝手に切り替わり入札を始めた。
これはマズイと電源を落とそうとしたが落ちず回線も切れず入札が進んでいく。
仕方が無いので入札状態を放置しながらUSBメモリーを差し込み中のデータを起動させた。
中には経文各種と護符や曼荼羅の画像各種のデータが入っている。
近年ネット内での怪異も増えてきているのでデジタルベースでも装備を携帯しているのだが、これが効果あったようで自動入札はストップした。

 それから数日後
お祓いの依頼が来た。
詳細を聞くと、買った覚えの無い御朱印が送られてきた。それからというもの、事故や病気が続き落ち着いた生活ができない、とのこと。
おやぁ?と思いその御朱印の内容を尋ねると先日のあの御朱印とそっくりであった。
それはおそらく神社での無作法が元での祟りの一種だろうから、まずは思い当たる神社に行って祀られている神様に誠心誠意謝ってきなさい。
と説明すると、心当たりがありすぎると言う。
どうやら転売で荒稼ぎをしていたらしい。
では自業自得だから、諦めて1社づつ贖罪の行脚をしなさい。
私の言葉に相手は呻き声で応えていた。

 御朱印を他人から購入するのを悪いとは言わないが、その場合は神社に参拝した気持ちで御朱印を受け取らなければいけない。
また、出自や履歴、経緯の判らない御朱印には手を出さないことをお勧めする。
そうしないと要らぬ祟りを被ることもあるからだ。

 今日もネット上には転売の御朱印が溢れかえっている。
どんな縁が結ばれるかも解らずに。
どんな祟りが付着しているかも解らずに。
皆さんもくれぐれもおいそれとは気軽に転売の御朱印に手を出さないように。
集めるなら自身で参拝して集めましょう。


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このストーリーに関するコメント

17/02/14 まー

読ませていただきました。
神仏に関することは、やはり生半可な気持ちで接するべきではないですね。
御朱印を集めることだけが目的になっているような人たちにも読んでほしいなと思いました。
興味深い話をありがとうございます。

17/02/16 甘咲アユミ

深いテーマで興味深く読ませて頂きました。
わたし自身も御朱印を頂いたことがあり、御朱印の管理にはとても気を使っています。
昨今のブームもあり、この作品はとても胸にきました。

17/03/06 白虎

拝読しました。
実際検索したらすごい沢山出回っていて怖くなりました。しかも石蕗さんの職業柄、本当に笑えないです。本当に都市伝説化しそうだと思いました。

17/03/08 石蕗亮

まーさま
お読み頂きありがとうございました。
都市伝説なので日常に実在するタブーを書いてみました。いつか、遠くない未来で顕現すると思います。

17/03/08 石蕗亮

甘咲アユミさま
お読み頂きありがとうございました。
神様に請願するほどの強い想いの証書なので、本来ならば雑に扱われる筈のない代物です。
感じ入って頂けましたら幸いです。

17/03/08 石蕗亮

白虎さん
正味の話、神威の形代でもありますので祟りものなら霊威のように祓うことは無理です。
御朱印を置く寺社はそのほとんどが日常的に神職が常駐するところです。それだけ祀らなければならない神ということです。畏みもなく集めるのは霊的自己破滅といっても大差ないと思います。

17/03/08 斗真

拝読しました。
在るべき姿とは、という警鐘だと得心しまさした。

17/03/10 海神

拝読致しました。
気になっていたんですがやはり地道に自分で揃えようと思い直しました。

17/03/10 石蕗亮

斗真さん
本来なら、を無視したら意味を失うということでしょうね。本来畏れ敬いすがる対象ですからね。

17/03/10 石蕗亮

海神さん
自身の願いに添って集められた方がよろしいかと。
八百万の神々を身近に感じることは良いことだと思いますが、その縁はやはり自身で結ばれる可きかと思います。

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