1. トップページ
  2. 内藤新宿顛末記

るうねさん

性別
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

0

内藤新宿顛末記

17/01/17 コンテスト(テーマ):第127回 時空モノガタリ文学賞 【 新宿 】 コメント:0件 るうね 閲覧数:461

この作品を評価する

 なんでい、おめぇは。
 瓦版の版元?
 内藤新宿廃止の真実を知りたい?
 ご苦労なこったね、どうも。
 ああいいよ、話してやるさ。
 それを公にするかどうかは、おめぇさんの器量次第だ。
 そうさね、あれはもう四年も前、享保三年のことになるのか。
 当時の内藤新宿は宿場としちゃあ新しかったが、その分、勢いがあった。
 旅籠屋や茶屋の数も多く、昼夜問わず客や客引きで溢れかえっていたな。
 遊女……いや、飯盛女や茶屋女も質のいいのが揃っていた。
 宿場と言うよりは、岡場所、色町としての役割が大きかったと言っていい。
 そこに、いきなりの御上からの廃止命令さ。
 風紀を取り締まるため、という名目だったが、実のところ、理由は別にあった。
 なに、大八という男が関わっているんじゃないかって?
 お前さん、よく調べているね。
 そう、大八さ、大八。
 大八はよく内藤新宿の旅籠屋に通っていた。
 切れ長の涼しげな目元をしていてね、金払いもいいんで、女衆からの人気も高かった。
 なに?
 大八が飯盛女と揉めたのが内藤新宿廃止の原因じゃなかったのか、って?
 そのことを恥だと感じた大八の兄が、大八を切腹させ、将軍に内藤新宿廃止を訴え出た?
 馬鹿言っちゃいけねぇ、そんなことはねぇよ。
 まあ、将軍がらみと言えば、将軍がらみだがね。
 いいかい、いまから言うことは絶対に俺から聞いたとは触れ回らないでくれよ?
 実は、当時の将軍が大八に惚れていたのさ。
 だが、大八は内藤新宿で女遊びばっかりしてやがった。
 嫉妬に狂った将軍は、大八を些細な咎で切腹させ、内藤新宿の廃止を決めた、とこういうわけさ。
 ま、幕府の深い闇ってやつだな。
 どうだい、これでも瓦版にする気はあるかい?
 え、瓦版になどしない?
 どういうことだ?
 ま、まさか、あんた幕府の密偵じゃ……。
 み、見逃してくれ、いまの話は誰にも言わねぇ。
 だ、だから、たすけ


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン